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『最後の忠臣蔵』

2011年01月18日 | 映画(さ行)
『最後の忠臣蔵』
監督:杉田成道
出演:役所広司,佐藤浩市,桜庭ななみ,山本耕史,風吹ジュン,
   田中邦衛,伊武雅刀,笈田ヨシ,安田成美,片岡仁左衛門他

時代劇は苦手だと言いながら、
昨秋から順次公開されている「サムライ・シネマキャンペーン」5作品のうち、
3作品(ほかにはこれこれ)を劇場にて鑑賞したことになります。

元禄赤穂事件、いわゆる忠臣蔵の後日談として描かれた、
池宮彰一郎による同名小説の映画化です。

お恥ずかしながら、私は忠臣蔵についてほとんど知らず、予習してから鑑賞。
復習しがてらサクッとご説明しておきますと……。

元禄赤穂事件とは、赤穂藩主浅野内匠頭が吉良上野介を斬りつけた事件の後、
その裁きを不服とする大石内蔵助以下47名の赤穂浪士が吉良邸に討ち入り、
亡き藩主の仇討ちを成し遂げた事件のこと。
その討ち入りの前後に姿を消したのが本作の主人公、瀬尾孫左衛門と寺坂吉右衛門。

討ち入りにビビってトンズラしたという不名誉な噂もあれば、
内蔵助の密命を受けており、それを果たすための逐電であったとの話もあり、
真相はわからないままだそうです。

ものすごく前置きが長くなりましたが、
そのわからない真相の部分についての壮大なフィクションが本作です。

討ち入りの16年後。
内蔵助の密命により、47人の中で唯一生き延びた男、寺坂吉右衛門は、
赤穂浪士の遺族を援助するために全国を渡り歩き、
ようやくすべての遺族との面会を終える。

浪士の17回忌がおこなわれる予定の京に着いた吉右衛門は、
討ち入り前夜に逐電したかつての友、瀬尾孫左衛門を見かける。
主君のためならば命も惜しまない孫左衛門があの夜に逃げたとは信じがたく、
何か理由があったにちがいないと吉右衛門は強く思い続けてきた。
後を追って問いただすが、孫左衛門は決して語ろうとせず……。

フィクションはこうでなくっちゃと思いました。
こうあってほしいと思わせる嘘。
「武士道」に泣かされて、鼻じゅるじゅる。
役所広司と佐藤浩市の表情による演技が素晴らしいです。
孫左衛門が育てた娘、可音の嫁入り道中の場面は
しつこいかなと思うぐらい、あちらからもこちらからもなのですが(笑)、
それでもやっぱり泣かされますねぇ。

私と同じく時代劇はちょっととお思いの方にも断然オススメします。
大石内蔵助にも俄然興味が湧きました。

「生き尽くす。その使命を、その大切な人を、守るために」。
キャッチコピーどおり。シビレます。

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