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『ドリーミング村上春樹』

2021年05月18日 | 映画(た行)
『ドリーミング村上春樹』(原題:Dreaming MURAKAMI)
監督:ニテーシュ・アンジャーン
 
ナナゲイで2本ハシゴの2本目。
 
村上春樹作品のデンマーク語翻訳をほとんど担当したという翻訳家メッテ・ホルム。
彼女に密着したドキュメンタリーです。
 
学生の頃、村上春樹作品を非常によく読みました。
卒業してからなぜか遠ざかり、最近は絵本以外に彼の作品を読んだ記憶なし。
おそらく一生懸命読んだのは『ダンス・ダンス・ダンス』ぐらいまでかと。
つまり、彼が国際的な作家となった頃から読まなくなったので、
 
メッテ・ホルムさんは10代の頃、ゴブラン織に魅せられ、
フランスに渡って織物の勉強をしていた折に、
たまたま川端康成の翻訳本を読む機会があったそうです。
それで日本に興味を持ち、日本の文化について調べ始めたとのこと。
そして出会った村上春樹作品。
 
村上作品がない人生なんて考えられない様子で、
本当に村上作品を愛しているのだということが伝わってきます。
機械的に訳すのではなく、日本語で読む村上作品の雰囲気が
デンマーク語に訳しても損なわれることがないように、
「文」と訳すか「文章」と訳すか、選ぶ単語を徹底的に悩み抜きます。
 
自分以外の翻訳家が担当した作品を読みたがらない翻訳家が多いそうな。
でも彼女はほかの翻訳家とたくさん話をする。
各国の翻訳家が私ならああするこうするという話がとても面白い。
 
しばらく遠ざかっていた村上作品ですが、
世界中にファンを持つことを改めて知ると、久しぶりに読んでみたくなる。

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