夜な夜なシネマ

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『スーパーサイズ・ミー』

2005年07月23日 | 映画(さ行)
『スーパーサイズ・ミー』(原題:Super Size Me)
監督・出演:モーガン・スパーロック

去年の暮れ、公開に先立って、
「飲み食いの極限を知ってみる」ですでに触れた作品ですが、
やっとDVD化されてレンタル開始となりました。

ドキュメンタリーとは何ぞやとはたびたび映画雑誌などでも問われることで、
辞書によればドキュメンタリーとは、
「実際の事件に虚構を加えずに構成されたもの」となっています。
しかし、映画ってすべて虚構のような気がします。
作り手側が観る側に伝えたいことがあるからそれを撮るわけで、
作り手側には観る側を導きたい方向が明らかにあると思います。

本作もまず「ファストフード=体に良くない」という前提があり、
そうかもと思っていた人なら「やっぱり」な作品です。
かく言う私も最後にマクドナルドへ行ったのは
かれこれ5年ほど前なので、大納得。(^^;

監督であり被験者であるモーガンは、
非の打ちどころのない健康体の持ち主です。
その彼が1カ月間、1日3食、マクドナルドで食事をとり続けるとどうなるか。

実験中、医師や栄養士の協力を得て、
定期的に体重を測定、コレステロールや中性脂肪、
肝臓の機能を表す数値などを詳しく調べます。
すると、1週間目には医師すら驚きの結果が。
体重増加はもちろん、肝臓の状態はアル中患者並み、
精神状態にも異常を来しました。
なんとか実験をやり遂げるも、途中、
「今すぐ実験を中止しなければ取り返しのつかないことになる」と宣告されたほど。

アメリカの公立高校は財政難のため、
企業をスポンサーとして清涼飲料の自動販売機を校内に設置するのだそうです。
食堂のメニューは冷凍食品だらけ。
でも、ある高校で、添加物をできるだけ排除し、
その場で調理したメニューを出すように努めたら、
生徒たちの集中力が増し、学力も向上したとか。

映像を見ていて感じたのは、ジャンクフードって同じ色ばかりで、
身体に優しい料理のほうが圧倒的に綺麗なんです。
でもジャンクフードのほうが大人気。

本作公開後、マクドナルドはスーパーサイズを廃止しましたが、
客の強い要望により、復活したようです。
日本マクドナルドの創設者、故藤田田氏がおっしゃっていたように、
「人間の味覚は12歳までに決まる」はきっと真実。
誰が何と言おうと、幼い頃から食べ続けた味はやめられないでしょうね。
けど、アミノ酸(うま味調味料)漬けの味覚は治せるとも言うけどなぁ。

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