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『コドモのコドモ』

2009年06月04日 | 映画(か行)
『コドモのコドモ』
監督:萩生田宏治
出演:甘利はるな,麻生久美子,宮崎美子,谷村美月,
   草村礼子,斉藤暁,伊藤梨沙子,塩見三省他

さそうあきらの同名コミックの映画化。
『漫画アクション』に連載されていたという時点で、
少年向けではないことがわかりますが、
小学生の妊娠・出産というぶっ飛びの題材でありながら、
R指定にもPG指定にもならず。やばいシーンは皆無です。

小学5年生の春菜は、同級生のヒロユキと幼なじみ。
おとなしいヒロユキが他の男子からいじめられているのを見ると、
居ても立ってもいられず、すぐに助けに飛んで行く。
そんな春菜にいつも厳しく注意する、学級委員の美香。

ある日、下ネタで盛り上がる生徒たちを見た女教師の八木は、
性について子どもたちに正しい知識を与えるべきだと考え、
教頭の高松の反対を押し切り、性教育の授業を決行。

その授業を受けた春菜は不安に駆られる。
春菜とヒロユキは「くっつけっこ」と称した遊びをしたことがあり、
どうもそれがいま聞いた話と同じようだ。
やがて生理が止まり、春菜は妊娠を確信するのだが……。

こんなテーマのわりに説教臭さがないのは好感が持てますが、
微妙な部分には当たらず障らずなものですから、
すべてにおいて中途半端な印象が否めません。

共感できる大人が出て来ないのも寂しいところ。
娘のお腹があんなに大きくなっても気づかない母親。
春菜の相談事を悪い冗談だと罵るだけのヒステリックな教師。
いつも及び腰で、事なかれ主義の教頭。
春菜の「産んでもいいのかな」という問いかけに対し、
唯一の理解者である祖母の答えは、言っていいのか?そんなこと。(--;

それでも最後まで観たいと思えたのは、
子どもたちが素晴らしかったから。
同級生全員が春菜の無事の出産を願い、
決して大人に秘密をバラすことなく、まさしく一致団結。

産婦人科医の息子であるミツオは、
父親の職業がどうしても好きになれなかったのに、
春菜の妊娠を知ってからというもの、
出産に関する知識を得ようと懸命に。
みんなを仕切る美香のしっかり者ぶり。
無事出産したことを知らせに走る万作の姿と、
それを聞いた同級生たちの喜びよう。

子どもってたくましい。そう思えるのは確かです。
でも、そこを落としどころにするならば、
このテーマじゃなくても良かったんじゃあ。

それと、上野樹里ちゃんの出番はまったくもって意味不明。
何だったのだ、あれは?(^^;

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