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『スパイの妻』

2020年11月16日 | 映画(さ行)
『スパイの妻』
監督:黒沢清
出演:蒼井優,高橋一生,東出昌大,坂東龍汰,恒松祐里,笹野高史他
 
前述の『鬼ガール!!』とハシゴ。同じくなんばパークスシネマにて。
 
黒沢清監督は本作にて第77回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞。
国際的に高く評価されているわけですが、
私はどうもこの監督の作品はあまり楽しめません。
アート系を意識しながら半端にエンタメに寄せている気がしてしまう。
エラそうなことを言ってすんません。
 
1940年の神戸、瀟洒な洋館に暮らす夫婦。
夫は貿易会社を営む福原優作(高橋一生)、妻は聡子(蒼井優)。
戦時中でありながら何ひとつ不自由のない生活を送っていた夫婦だったが、
ある日、仕事で満州を訪ねた優作は、衝撃的な国家機密を目にする。
正義感からその事実をアメリカに渡って公表しようと決意する優作。
それを知った聡子もまたついていこうとするのだが……。
 
愛国心は人並みにあるといっても、自国が他国で道義にもとる行為をしていることは許せない。
たとえ反逆者といわれようとも信念を貫こうとした人物がいた、そう思っていましたが、
優作は実在の人物ではないし、彼のモデルになっている人物もいないのですね。
エンドロールでは彼の所在はその後あきらかになっていないという表記もあり、
この辺りもなんだか思わせぶり。まるっきりのフィクションだったとは。
 
憲兵隊の冷酷な隊長役に東出昌大
福原家の住み込みの家政婦役に恒松祐里といったキャストは楽しかったけど、
高橋一生と蒼井優の共演なら『ロマンスドール』のほうが断然好き。
 
なんだか気持ちが盛り上がらないまま帰途に就きました。
黒沢監督の作品でビタッと来るやつ、そのうち私にもあるのかなぁ。
 
これを書いた後に、きっと私の見方が浅いんだと思って
鑑賞したプロアマさまざまな人のレビューを読みました。
なるほどなぁ。やっぱり私の思考が浅いんです。すんません。

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