夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『祝宴!シェフ』

2014年11月12日 | 映画(さ行)
『祝宴!シェフ』(原題:總舖師:移動大厨)
監督:チェン・ユーシュン
出演:リン・メイシウ,トニー・ヤン,キミ・シア,ウー・ニエンチェン他

連休初日の3本目から食べ物関係3連チャン。
これもシネ・リーブル梅田にて。

昨年10月に第26回東京国際映画祭にて、
『総舗師 メインシェフへの道』という邦題で上映された台湾の作品。
“総舗師(ツォポーサイ)”とは台湾伝統の宴席料理人のことだそうです。

“蝿師”の異名をとる伝説の宴席料理人クー・イーチェン。
その娘でありながら、料理にまるで興味のないシャオワンはモデル志望。
一流モデルになるのを夢見て家を出るが、ずっと三流のまま。
しかも、恋人が借金を踏み倒して逃げたらしく、
連帯保証人となっていたシャオワンの前に借金取りのヤクザがやってくる。

絶対に返せるはずもない金額で、シャオワンは慌てて実家へ逃げ帰る。
大好きだった父親は、娘のシャオワンに料理の才能ありと見込んでいたのに、
娘が料理人になりたいと言うのを聞けないまま他界。
料理の才能がない母親パフィーが継いだ食堂は閑古鳥が鳴いていた。

曲がりなりにもモデルを目指していたのだから、シャオワンはそこそこ可愛い。
彼女目当てでやってくるようになったオタク3人組。
商売敵の向かいの店の主人も、シャオワンにメロメロ。

ある日、老いた上品なカップルが店を訪れる。
聞けば50年越しの恋を実らせたらしく、結婚式を挙げたいという。
そこで想い出の料理を出してほしいと言うのだ。
どこかにレシピが残っているとも思えない古典料理ばかりで、
パフィーは断ろうとするが、シャオワンは引き受けると言う。

ちょうどそのとき、店にやってきたのが料理ドクターを名乗るハールイ。
ハールイは想い出の料理のメニューを見て、いくつかは作ってみせる。
しかし、ハールイも知らない料理がほとんど。
引き受けたものの、前途多難であることを思い知るシャオワン。

そこへなぜバレたのか、借金取りが乗り込んでくる。
金を返せと言われて途方に暮れるが、
全国宴席料理大会に出場して優勝すれば、たいそうな額の賞金が得られると知り……。

監督は『熱帯魚』(1995)や『ラブゴーゴー』(1997)のチェン・ユーシュン。
わくわくして笑えるストーリーとポップな色使いが印象に残っていて、
とても好きだと思ったことを覚えています。
台湾映画は、胸キュンの恋愛ものもいいけれど、こんな支離滅裂なのも楽しい。

とにかくみんな巻き込み、巻き込まれるところが傑作。
食材の調達にはオタク3人組がその人脈を使って奔走し、窮地を救ってくれるのはバイク集団
伝説の宴席料理人のもう1人は今はホームレスで、
彼も大いにシャオワンの力になってくれます。
金を取り立てにきたはずのヤクザもいつのまにかパフィーの言いなりに。
スッポンや鶏と格闘する姿は抱腹絶倒ものです。あ、ちと大げさ(笑)。

あっという間の145分、大団円でみんな幸せ。

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