夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『マッチポイント』

2007年02月14日 | 映画(ま行)
『マッチポイント』(原題:Match Point)
監督:ウディ・アレン
出演:ジョナサン・リス・マイヤーズ,スカーレット・ヨハンソン,
   エミリー・モーティマー,マシュー・グード他

私は結構ツイてます。
舅によく言われるのが「あんたはホンマにツイとるなぁ」。
なぜか、実家に美味しいものが届いた日に
私が突然立ち寄る確率がめちゃ高い。
お裾分けしてくれる舅に、「すみません、いつもタイミングよすぎで」と言うと、
「いやいや、そのツキは大事にせなあかんで。
ツキっちゅうのはな、手に入れようと思っても無理なもんや」。

さて、本作はそのツキがテーマ。
ニューヨークをこよなく愛するウディ・アレンが(こちらこちら参照)、
初めてロンドンで撮影をおこなったサスペンスです。

元プロテニス・プレイヤーのクリスは、
かつてアガシやヘンマンとも張り合ったほどの選手。
引退後、ロンドンの会員制テニスクラブでコーチとなる。

金持ち相手のこのクラブで、クリスは実業家の息子トムの指導担当に。
クリスの趣味がオペラ鑑賞だと知ると、トムは特別席にクリスを招待。
そこでクリスはトムの妹クロエに気に入られる。

トムの父親アレックスにも好印象を与えたクリスは、
クロエの口添えでアレックスの会社の管理職に。
クリスとクロエは交際を経て婚約。

ある日、トムの別荘で開かれたパーティーで、
クリスは色気ムンムンの米国人女性に出会う。
彼女はトムの婚約者のノラ。
一目でイカレたクリスは彼女を追いかけ、関係を持ってしまう。
その後、ノラはクリスに冷たい素振り。

やがてクリスはクロエと結婚。
ところが、ノラがトムと別れたと知り、
クリスはじっとしていられなくなる。
ノラに連絡を取り、密会を重ねるようになるのだが……。

クロエは愛情の対象、ノラは愛欲の対象です。
前述の『セレブの種』に「男は生きているかぎり嘘をつく」
という台詞がありましたが、マジでクリスは嘘のつきどおし。
そのうち収拾がつかなくなります。

善人ならこのオチに納得できないでしょう。
ほとんど運のみに左右されてしまうところは後味悪くも痛快。
「人間は皆、努力で幸せが呼び込める、
人生は自分でコントロールできると思いたいものだけれど、
運に左右されるのを認めるのが怖いだけなんだ」とは監督の弁。

あらゆる登場人物につきまとう運をご覧ください。
人生は、ツイていれば自分の思う方向へ。
ツイていなければあらぬ方向へ。運は大事。

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