夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

“浪速の歌う巨人パギやん”に会いに行く。〈3回目〉

2018年04月17日 | 映画(か行)
先週金曜日から日曜日かけて、いろいろと映画を観たのですが、
それをUPするのは後回しにして、
まずは日曜日の午後におじゃました、パギやんの『歌うキネマ』。

「歌うキネマ」は、パギやんこと趙博さんが、
1本の映画を語りと歌で丸ごと再現するというもの。
飲み友だちのお姉さまに誘われて、
私が初めて拝見したのは『飢餓海峡』(1965)でした。
その次に『ナッツ』(1987)を見せていただき、
今回は『風の丘を越えて/西便制(ソピョンジェ)』(1993)。
谷町六丁目の歌声喫茶&小劇場「ほっとすてんしょん」にて。

『飢餓海峡』と『ナッツ』は映画を観たことがありましたが、
『風の丘を越えて』は未鑑賞。韓国では大ヒットを飛ばした作品とのこと。
韓国の伝統芸能「パンソリ」にたずさわる家族の物語であり、
そもそもパンソリ自体を知らないのに
話についていけるかしらと思ったけれど、そんな心配は無用、
本題前に(これもすでに本題か)パギやんがしっかり説明してくださいます。
パンソリの現状について、全体を演奏するにはあまりにも長時間を要するから、
かつては一人で歌ってこそだったはずが、今は何人もに分けて歌われるとか、
そんな話も非常に面白くて、掴みバッチリです。

さて、本題。

パンソリの歌い手である養父に厳しい指導を受けながら
旅芸人の生活を続ける義姉弟。
そんな生活に耐えられなくなった弟は逃げ出すが、
大人になって、養父と義姉の消息を追い求める。

いつもは春間げんさんのピアノによる演奏が入るところ、
今回は舞台上にはパギやんのみ。
歌い手として、太鼓の叩き手として、まさに歌うキネマをおひとりで熱演。
劇中に登場する『春香歌』と『沈清歌』についても
本題前の説明のおかげできちんとわかります。
確かに、この歌の説明を先に聞いていなければわかりづらいところ。

感動的なラスト。大統領まで泣いたという触れ込みは本当でしょう。
映画の内容についてツッコミどころはあろうとも、
パギやん曰く、“Enjoy the story as it is.”、いいですね。

パギやんはほかにもたくさんネタをお持ちです。
そのうち制覇できればと思います。

あ、これは余談といえば余談なのですが、
私がひそかに思っている、パギやんの凄いとこ。
冒頭、いつまでも本題に入らず要らん話ばっかりしているようでいて(実は要らん話じゃないし)、
本題に入ってからも次々と脱線しているようでいて、
終演時間はビタッと。すべてが計算の内なのでしょう、きっと。
毎度終演時に時計を見て「すごっ!」とおののいている私です。
恐るべし、パギやん。(^O^)

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