夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

ホルプ滞在記〈その4〉

2006年06月27日 | ほぼ非映画(旅行)
チェックインにつきあってくれたのはAちゃん。現在独身。
前回ホルプを訪問したとき、彼女は後に登場するBくんと夫婦でした。
私たちより10歳下のこの夫婦は、結婚式を挙げたスイスに憧れて、
いきなりスイスは無謀だろうと、まずドイツで独語を勉強することに。
これでも十分無謀やろ!(^^;

夫婦はホルプの語学学校に入学したものの、
仕事があるわけでもなし、貯金がたんまりあったわけでもなし、
おまけにホルプの独語って「ナマってる」んです。
4年前はどうにか彼女らが標準語を覚え始めたころ。
「訛ってるんですよ、ここの言葉。全然聴き取れないんです」。
「訛ってるって、どれぐらい?関西弁ぐらい?」。
「いいえ、津軽弁ぐらいです」。

言葉はわからんわ、ホストファミリーはマクドナルド命で
食事らしい食事にもありつけんわで、泣きたいけれど
家族の反対を押し切って飛び出してきたので戻れない。
ある程度独語が喋れるようになっても就職口は見つからず、
イチゴ摘みで生計を立てる日々。
夫婦の間に亀裂が生じ、ついに去年別れてしまったのでした。
そんな彼女たちも今はお互いに別のパートナーを見つけ、
ちがう道を力強く歩んでいます。

Aちゃんの案内で「王様」の看板のある建物へ。
ドアを開けると下へ向かうらせん階段は真っ暗。
オフィスとおぼしき部屋のドアをノックすると、上半身裸のお兄ちゃんが。
「今日からお世話になる、日本から来た友人です」とAちゃん。
しばしポカーンとしていたお兄ちゃんが
その訛った独語でいうには「ここじゃな~い!」。
どうやら隣の建物が宿らしい。
Aちゃんは「あの人、服ぐらい着て出てくればいいのに」と
ぶつくさ言っているけれど、そら、くつろいでる時間に
まさか見ず知らずの日本人が来るなんて思いませんわね。
それにしてもあのお兄ちゃん、結局誰やったん?
お騒がせしましたぁ。

ようやく辿りついた「王様」の女主人はディートリッヒと同じ名前、
でも体型からして実におおらかそうなマレーネさん。
スタジアム近辺では宿泊代が高騰していたようですが、
「王様」は1泊朝食付き、2名で48ユーロ(約6,700円) 。
日本人に会うことはまずない町ですから、
「王様」に泊まる日本人も私たちが初めて。
独語が通じなくて不安にさせてもいけないので、
Aちゃんのいる間に5泊分先払い。

〈その4〉まで来てまだ初日の晩とは。
しかしまだそのまま寝られなかったんです。

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