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『コレラの時代の愛』

2009年07月27日 | 映画(か行)
『コレラの時代の愛』(原題:Love in the Time of Cholera)
監督:マイク・ニューウェル
出演:ハビエル・バルデム,ジョヴァンナ・メッツォジョルノ,ベンジャミン・ブラット他

コロンビアのノーベル文学賞受賞作家、
ガブリエル・ガルシア=マルケスの同名小説を映画化。
監督は『フォー・ウェディング』(1994)で一気に知名度を上げ、
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005)のメガホンも取った人。

キャッチコピーは、
「51年9ヶ月と4日、君に飢えて眠り、君を求めて目覚める」。
初恋の女性と結ばれる日を50年以上も待ち続けた男性が主人公です。

1897年のコロンビア。
電報配達人の青年フロレンティーノは、
富裕なラバ商人の屋敷へ立ち寄ったさい、娘のフェルミーナに一目惚れ。
朝までかかって一通の恋文を書き上げる。
その恋文を渡そうと、来る日も来る日も屋敷へ通ううち、
彼女の心を掴むことに成功する。

ある日、バルコニー越しに彼からプロポーズ。
身分違いの恋を父親が許すはずもなく、彼女は迷うが、
「断れば一生後悔する」との叔母の言葉に、結婚を承諾。
それを知った父親は、案の定、激怒。
ふたりを引き離そうと、強引に娘を町から連れ出す。

数年が過ぎ、フェルミーナが町へ戻ってくる。
市場でフロレンティーノが声をかけた瞬間、
「あなたとのことは幻想だった」と言い放つ彼女。
やがて、コレラ撲滅に携わる著名な医師に見初められた彼女は結婚。
立ち直れないフロレンティーノは町を出る。

彼女と結ばれる日を迎えられるまで、
純潔を守り通す決意をしていたフロレンティーノは、
洋上で女性客の部屋に引きずり込まれてしまう。
その日から、寝た女性をすべて記すようになるのだが……。

その数、622人。
先日、人気漫画家との結婚を発表した叶井俊太郎氏が
女性経験600人以上と公言していますが、
200人を超えた頃から数えるのをやめたとのこと。
フロレンティーノはやめることなく、全部メモっています。
そのメモが実に淡々としていて面白い。

最初は不気味な勘違い男のイメージだったのに、
年を取り、社会的地位も築き上げると、
そんなに怖くも見えなくなるのが不思議。
自分と彼女と彼女の夫。みんな似たような年齢なのに、
彼女の夫が一番先に死ぬと信じているところはやはり怖いか。
だけど、彼の恋心は極めて純粋で、怖いだけとは言えません。

51年9カ月と4日待ち続け、
53年7カ月と11日目に結ばれる。
どれだけ寝ても、心は純潔のまま。
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