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『The Witch/魔女 増殖』

2023年06月02日 | 映画(さ行)
『The Witch/魔女 増殖』(英題:The Witch: Part2 The Other One)
監督:パク・フンジョン
出演:シン・シア,パク・ウンビン,ソ・ウンス,ソン・ユビン,
   チン・グ,チョ・ミンス,イ・ジョンソク,キム・ダミ他
 
たぶん来年秋まで続く、「毎月末の日曜日に動物園前で落語を聴く」。
3月と4月は電車で向かいましたが、5月は思い切って車で出発。
恵美須町のコインパーキングに車を駐めて、徒歩でなんばパークスシネマへ。
 
前作は先日同劇場で再上映されていた『The Witch/魔女』(2018)。
この続編で終わりかと思いきや、まだまだ続きそうな気配。
観ても“魔女ユニバース”がなんたるかは私は理解できずにいますが、めちゃくちゃ面白いです。
 
主人公は、前作のキム・ダミ演じるク・ジャユンから、シン・シア演じる少女へ。
人間らしい名前を与えられたジャユンとは異なり、名前を呼ばれることのない少女がいっそう謎。
だけどキム・ダミよりずっと可愛いんです、このシン・シア。
彼女もキム・ダミ同様に、オーディションで何千人という中から選ばれたんだそうな。
 
本作は、ジャユンが自分を造った博士ペクのもとを訪れた後の話。
そのままジャユンが出てくるのだろうと思っていたら、彼女は最後まで姿を見せず。
 
ある日、済州島にある研究所が武装集団に襲撃される。
所内の人間はすべて殺され、実験体の少女も死んだはずだったが、なんと彼女は生きていた。
血まみれで森をさまよっていた少女は、通りかかったワンボックスカーに押し込まれる。
そこにはいかにも悪そうな男どもと、彼らに拉致された女性ギョンヒが乗っていた。
 
ギョンヒは両親から受け継いだ農場の立ち退きをヤクザから迫られていた。
契約書に押印しようとしないギョンヒをヤクザが拉致したのだ。
少女は関係ないのだから逃がしてあげてと言うギョンヒ。
目撃者はたとえ子どもであろうと始末すると言うチンピラたち。
 
いたいけな少女と思われたが、ギョンヒがチンピラから痛めつけられそうになった瞬間、
少女は信じがたい力を放ち、チンピラどもを半殺しにする。
 
警察に通報するのはよくないと直感したギョンヒは実家へ少女を連れ帰り、面倒を見るように。
最初は訝しげだったギョンヒの弟デギルも、また押しかけてきたヤクザから少女に救われ、
少女のパワーに目を丸くして、以降は可愛がるようになるのだが……。
 
前作のジャユンがラストでは悪魔と化していたのとは異なり、
この少女はあり得ないパワーの持ち主だけど、純真無垢と思えます。
自分を守ってくれる人とそうでない人を見極め、
守ってくれる人に攻撃をしかける人間は容赦なく殺す。めっちゃ強い。
 
人間の心を持つはずもない実験体なのに、ギョンヒやデギルと暮らすうち、
愛情を知り、美しいものに目を輝かせ、美味しいものを片っ端から頬張る。
「切ない」という感情を覚えたときの少女の表情には胸が痛む。
 
ラスボスのように登場したジャユンと共に母親を探すことになった少女はどうなるのか。
いったいこの先どこまで続くのか知らんけど、今はとにかく面白くて楽しみです。

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