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『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』

2013年06月03日 | 映画(は行)
『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』(原題:The Place Beyond the Pines)
監督:デレク・シアンフランス
出演:ライアン・ゴズリング,ブラッドリー・クーパー,エヴァ・メンデス,レイ・リオッタ,
   ベン・メンデルソーン,デイン・デハーン,エモリー・コーエン,ブルース・グリーンウッド他

シネマート心斎橋でハシゴの2本目。

タイトルの“The Place Beyond the Pines”は直訳すると「松林の向こう側」。
これはどういう意味なのかと思っていたら、
舞台となっているニューヨーク州の町の名前の英語訳とのことでした。
“Schenectady(スケネクタディ)”というえらく変わった名前はモホーク語なのだそうで。

バイクの曲乗りショーの人気者で天才ライダーのルーク。
移動遊園地で各地を巡り、その日暮らしの気ままな生活を送る。

ある日、スケネクタディでショーを終えた彼のもとを女性が訪ねてくる。
彼女は、彼が1年前にこの地に滞在した折りにつきあっていたロミーナ。
何か言いたげな彼女を家まで送るが、同棲中の相手がいるからと家には上げてくれない。

翌日あらためて彼女の家を訪れると、彼女の母親が乳児を抱いて現れる。
それが自分の息子であることを聞かされて驚くルークだったが、
すぐに仕事を辞めると、彼女と息子のためにこの町にいると決める。

バイクを飛ばしていたところ、車の修理工場を営む男ロビンと出会う。
ルークの腕前に見惚れたロビンは、仕事も住まいも提供してくれると言う。
やがてロビンは、安月給では妻子を養えないだろうと、銀行強盗を提案。

数回は上手くやりおおせていた銀行強盗。しかし、失敗する日がやってくる。
新米警官のエイヴリーに追い詰められたルークは民家に逃げ込み、
撃ち合った末に窓から転落してあっけなく死亡。
その直前、ロミーナにかけた電話で、「息子のジェイソンには決して俺の話をするな」と言い残す。

事件後に汚職警官を告発し、検事と取引してちゃっかり検事補の座を得たエイヴリー。
トントン拍子に出世して15年が経過、司法長官選挙に出馬予定。
ところがそんな忙しい折りに、離婚した元妻ジェニファーが息子のAJを引き取ってほしいと言う。

AJはスケネクタディの高校にかよいはじめたものの、なかなか溶け込めずにいる。
学食で相席したのが偶然にもジェイソン。
父親同士に因縁があるとも知らず、ジェイソンとAJは親しくなるのだが……。

ルークにライアン・ゴズリング、エイヴリーにブラッドリー・クーパー
どちらも優男っぽいイケメンですが、私は前者のほうがタイプだなぁ。
それはさておき、後者はいままでにない硬い役。
最初は仕事への情熱にあふれる新米警官だったのに、
出世するとこうも人間が傲慢になるものかと思わずにはいられません。

前述の『ビトレイヤー』でもちらりと感じましたが、
こちらではずばり、息子にとっての父親の存在がテーマになっています。
ルークの話、エイヴリーの話、息子たちの話と三転しますが、
時系列的にはいじられていないので、ややこしくはありません。
ただ、かなりの重さが心にのしかかってきます。

「宿命」は回避できないものなのか。
いや、回避できないから宿命なのでしょうけれど。
この宿命をどう受け止めるか。

ジェイソン役のデイン・デハーンはこれから来そうな感じですが、
AJ役のエモリー・コーエンはちと勘弁。その顔でその体型、高校生と言われても。(^^;
ジェニファー役の女優さん、どこで見たっけと思ったら、
『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2011)のヘレン役、ローズ・バーンでした。
2009年度の最も美しい顔トップ100で1位に選ばれたそうで。
出番は少ないながらも印象に残りました。

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