夜な夜なシネマ

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2023年8月に読んだ本まとめ

2023年09月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
8月も7月と同じく6冊しか読めませんでした。なんでや~。
なんでや~って、仕事帰りに毎日のように映画に行って月30本以上観て、
野球を観に行って、ごはん食べに行って、実家で母と過ごして、
父の皮膚がんの手術に付き添ったら、本読む時間は作れないっちゅうの(笑)。
でも、今月こそもっと読みたい。

2023年8月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2232ページ
ナイス数:779ナイス

■ヒポクラテスの悔恨(祥伝社文庫な21-4) (祥伝社文庫 な 21-4)
連作短編のような長編。絶対に自然死にしか見えない殺人を暴いてみろという光崎教授への挑戦状が届いたものだから、古手川刑事と真琴先生がピンと来た遺体はなんとか解剖に持って行かねばなりませぬ。最終章までは挑戦状の主の仕業ではなかったけれど、いずれも見せかけの自然死。1章終わるたびに唸ります。「相手の無知に配慮できる」小山内さんとか、脇役も光っている。死人に口無しと言うけれど、死体ときちんと向き合えばいろいろわかるものでしょうか。また全部持って行かれたと憮然とする古手川刑事。次はオイシイとこ取れるように頑張れ。
読了日:08月05日 著者:中山七里

■ときどき旅に出るカフェ (双葉文庫)
新規オープンした店の7割が2年以内に潰れるのが飲食業の現状らしい。そんな中で主人公が通うようになったカフェは、かつての同僚が店主。どんな話にもちょっとした謎を潜ませるのが得意な著者だから、本作も何が起きているのか興味津々。これを読めば、酷暑に減退気味の食欲も湧いてくる。ちなみに本作で「そんな人は聞いたことがない」と言われているけれど、私は月餅大好きです。但し、卵黄入りではなくて、木の実とドライフルーツぎっしりのやつ。そうですか、新刊だと思って読んでいたのに、すでに第2弾が出ているのですね。こりゃ楽しみだ。
読了日:08月06日 著者:近藤 史恵

■メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)
前作の「ゲスト」はシャコでしたが、今回はタヌキ。しかしやっぱりメインはウジで、それが豪雨のごとく空から降ってくるところなんて絶対に想像したくない。ないのに想像しちゃってる(笑)。岩楯刑事が怯えながらも耐性のついてきているところが可笑しい。そして彼の相棒は必ず赤堀先生の信奉者に。犯人はそれなりに怪しげな人だったけど、殺人の理由はこれまでで最も猟奇的だったかもしれません。香水と聞くと、映画『パフューム ある人殺しの物語』『パリの調香師 しあわせの香りを探して』を思い出します。華麗な世界と狂気の世界は紙一重。
読了日:08月14日 著者:川瀬 七緒

■対岸の家事 (講談社文庫)
訳あって、私は最初から子どもを持つ気がなかった者です。だけど結婚すればしょっちゅう「お子さんは?」と聞かれる。「ほしくないんです」とは言えないから「いいえ」と答えると、同情の目で見られ、可哀想だとすら言われる。結局、既婚でも未婚でも、子どもがいてもいなくても、本作のように誰かから見下される。でも、もしかすると見下すことで生きていられるのかもしれないと思うほど、毎日は大変。みんなできることはちがう。だったら見上げ見下すよりも、お互いを認めて、味方はひとりでも多く。日々の心持ちを教えてもらったように思います。
読了日:08月16日 著者:朱野 帰子

■侵蝕 壊される家族の記録 (角川ホラー文庫)
ずっと、どうして私はこんなにも嫌な話を読んでいるんだろうと思いながら読んでいました。これをただのフィクションとは笑えないような事件が世の中には実存します。マインドコントロールの恐ろしさ。とはいうものの、映画で私がいちばん苦手なのが「老けメイク」。某テレビ番組を観ていても老けメイクにひっかかる人に「なんでやねん、わかるやろ!」とツッコミを入れたくなるため、この犯人にはドン引き。声にも年齢は表れる。違和感バリバリじゃなかったか。犯人のことはさておき、マインドコントロールの行程にはちょっとメンタルやられそう。
読了日:08月21日 著者:櫛木 理宇

■サブマリン (講談社文庫)
前作の『チルドレン』が大好きだったことは覚えていますが、陣内のことを「部下を振り回すハタ迷惑な上司だけど、最後は泣かされる」程度にしか覚えていませんでした。本作もそんな感じで話は進み、ラスト20頁で胸を打たれる。人を撥ねた若者に救いなんてあるものだろうかと思っていたのに、「何でもかんでも機械的に厳しく罰していくわけにはいかない」という陣内の言葉には感極まりました。命の穴埋めはできない。だったらどうすればいいのか。被害者のこと、加害者のこと、いっぱい、いっぱい考えさせられます。こんな家裁調査官がいてもいい。
読了日:08月29日 著者:伊坂 幸太郎

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