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『パフューム ある人殺しの物語』

2007年09月20日 | 映画(は行)
『パフューム ある人殺しの物語』(原題:Perfume: The Story of a Murderer)
監督:トム・ティクヴァ
出演:ベン・ウィショー,ダスティン・ホフマン,
   アラン・リックマン,レイチェル・ハード=ウッド他

ドイツの作家、パトリック・ジュースキントによる
大ベストセラー小説『香水 ある人殺しの物語』の映画化。
ラスト間際の数百人による大乱交シーンが
公開当時、テレビCMで流されて物議を醸しました。

18世紀のフランス、パリの下町は、
現代の「花の都」からは想像できないほど、
不衛生なこと極まりなく、貧困に喘いでいる。
特に耐えがたい悪臭の漂う魚市場の片隅で、
グルヌイユは産声をあげる。

孤児院に引き取られたグルヌイユは、
類まれなる才能を持っていた。
どんな匂いも嗅ぎ分けることのできる嗅覚。
周囲の子どもたちは彼に異質なものを感じて疎む。

働き手として見込める年齢になり、
グルヌイユは皮なめしの職人のもとに売り払われる。
何年もの間、過酷な仕事を黙々とこなすが、
ある日、配達に出向いた街の匂いに魅了される。

そこは自分の暮らす下町とは別世界。
すべての匂いを吸収しようとするグルヌイユは、
ある女性の身体から放たれる香りに引き寄せられる。
ただ、その香りに着いて行っただけだったが、
怯えた女性が悲鳴をあげかけたため、
口を塞いだ拍子に死に至らしめてしまう。

以来、その女性の香りを再現することが
彼の生きがいとなる。
香水調合師のバルディーニに弟子入りを志願し、
驚異の嗅覚を用いて新しい香りを創りだす。
おかげでバルディーニの店は大繁盛。
ほくほく顔のバルディーニの推薦状を得て、
香りを保存するさらに高度な技術を学ぼうと、
香水職人の町グラースへ。

世界で唯一香りを創りたいと願うグルヌイユは
香りの基となる13の香りを手に入れるため、
次々と美しい女性を殺すのだが……。

変態映画とも言えましょう。
だけど、グルヌイユを演じるベン・ウィショーの目には
寂しさと切なさがたたえられ、人を惹きつけて離しません。

彼が本当に欲しかったのは、
おそらくその香りではありません。
最初に誤って殺してしまった女性に、
彼はまちがいなく恋していました。
恋する相手の香りが残っていても、
その人が存在しなければ、香りは切ない感情を呼び起こすもの。
恋する相手が存在するからこそ、
その人の匂いに包まれる幸せがそこに。

問題の大乱交シーンには、法王まで混じってます。
ええんかいな、そんなん。(^^;

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