夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『先生と迷い猫』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の16本目@西宮)

2015年10月15日 | 映画(さ行)
『先生と迷い猫』
監督:深川栄洋
出演:イッセー尾形,染谷将太,北乃きい,ピエール瀧,嶋田久作,
   佐々木すみ江,カンニング竹山,もたいまさこ,岸本加世子他

猫好きですもの、これは観ないわけにはいきません。
ゆるすぎたら睡魔に襲われてしまうかもと思っていましたが、
意外にメリハリがあって眠らずに済みました。
深川栄洋監督の作品は良くも悪くも無難。これは無難にイイ感じ。

中学校の校長を務めていた恭一(イッセー尾形)は近所でも有名な偏屈老人。
町を歩けばみんなが「校長先生」と声をかけてくれるが、
変わり者の彼と親しく言葉を交わす者などいない。

妻の弥生(もたいまさこ)に先立たれ、独り暮らしとなった彼のもとへ、
毎日決まって姿を見せるのが、弥生が可愛がっていた三毛猫のミイ。
野良猫の分際で、恭一の知らぬ間に家の中に上がり込んでは、
弥生の仏壇の前に偉そうに座っているのだ。
それを見ると、恭一は亡き妻のことを責められているような気がして堪らない。

実はミイを可愛がっているのは弥生だけではなかった。
床屋を営む容子(岸本加世子)、クリーニング店を手伝う真由美(北乃きい)、女子高生(久保田紗友)、
それぞれがそれぞれの場所でミイと会い、それぞれの名前で呼んでいる。
タマ子、ソラ、ちひろ。そんなに名前があるとは、ミイ以外は知らなかったこと。

ある日、ミイを見ているのがどうにも辛くなった恭一は、
家のいっさいの隙間をふさぎ、ミイが勝手に出入りできないようにする。
ガラス戸越しに中に入れろと訴えるミイを無視。
そのうちミイはあきらめてどこかに行った模様。

ミイが来なくなってせいせいしたはずだった。
ところがその後、ミイが町のどこにも現れなくなったことを恭一は知る。
あちこちで可愛がられていたことをあらためて知り、
恭一は容子や真由美と協力してミイを探しはじめるのだが……。

恭一のもとを定期的に訪問する市役所の祥吾役に染谷将太、猫アレルギー。
雑貨店の店主にピエール瀧、猫なんてどうでもいい。
自動車整備工場のオーナーに嶋田久作、猫をこよなく愛する。
祥吾の認知症の祖母に佐々木すみ江、猫に癒やされる。
こんなふうに猫との関わりかたはさまざま。

猫の死体を見つける小学生の描き方が中途半端で気になります。
もっと掘り下げられそうな部分がいろいろあるから、
全体的に雰囲気だけになってしまった印象も若干。
それも良くも悪くも……なのでした。

すばらしい演技力を見せるミイ役のドロップちゃんは、
『あまちゃん』でデビューした三毛猫だそうです。
無難だと言ったって、猫好きだったらへにゃへにゃになっちゃうはず。
癒されてください。

I can do it.

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