『アイガー北壁』(原題:Nordwand)
監督:フィリップ・シュテルツェル
出演:ベンノ・フユルマン,ヨハンナ・ヴォカレク,フロリアン・ルーカス他
35年近く前、欠かさず聴いていたNHK「みんなのうた」に、
ハイ・ファイ・セットが歌う『いつかある日』という曲がありました。
「いつかある日 山で死んだら」という歌詞で始まるこの曲は、
「死んだら」なのに長調で、暗くなくて、力強くて、
山に登る人ってこんな覚悟ができているんだと、
小学生だった私の心に強く残りました。
その曲が頭に浮かんだ本作は、今年春に公開されたレンタル新作。
ドイツ/オーストリア/スイスの作品です。
猛暑の休日に、吹雪く冬山に圧倒されて。
1936年、ベルリン・オリンピックを目前に控えた夏。
ナチス政府は、国家が優位であることを示す手段として、
ドイツ人によるアイガー北壁初登頂を目標に掲げている。
成功者には、オリンピックと同じく金メダルを授与することを約束。
さて、金メダルには興味がないが、山をこよなく愛し、
これまでも数々の壁を制覇してきた若き2人の登山家、トニーとアンディ。
慎重なトニーはアイガー北壁への挑戦を躊躇するが、
楽天家のアンディに結局つきあうことに。
経費を削るために何百キロという距離を自転車でスイスへと向かう。
そこには、オーストリアの登山家2人も訪れていた。
トニーとアンディの幼なじみで、
都会の新聞社に勤務する新米記者ルイーゼは、上司と共に現地へ。
初登頂に成功するのはドイツ人かオーストリア人か。
マスコミや観光客が麓で見守るなか、4人はアイガー北壁に挑む。
実話に基づいています。
ネタバレになりますが、初登頂に成功する話ではありません。
先に行かれてなるものかと、同じルートを採択して追い抜こうとするオーストリア人。
安全な間隔を空けていなかったせいで、
ドイツ人の足下から落ちた石に当たって1人が大けがをします。
結果、最後まで彼を見捨てられなかった一行全員が命を落とすことに。
他の登山映画でもありましたが、
ザイルを切る瞬間というのは、胸に迫るものがあります。
死ぬ覚悟はできている。でも、死にたくないと叫ぶ自分もいる。
『いつかある日』は、古い山の友にこう伝えてくれと言います。
母親には、安らかだったと。父親には、男らしく死んだと。
愛しい人には、俺が帰らなくても生きて行けと。
この映画に恋愛話は蛇足の感はありますが、
残ったルイーゼはこう言われた気持ちだったかな。
監督:フィリップ・シュテルツェル
出演:ベンノ・フユルマン,ヨハンナ・ヴォカレク,フロリアン・ルーカス他
35年近く前、欠かさず聴いていたNHK「みんなのうた」に、
ハイ・ファイ・セットが歌う『いつかある日』という曲がありました。
「いつかある日 山で死んだら」という歌詞で始まるこの曲は、
「死んだら」なのに長調で、暗くなくて、力強くて、
山に登る人ってこんな覚悟ができているんだと、
小学生だった私の心に強く残りました。
その曲が頭に浮かんだ本作は、今年春に公開されたレンタル新作。
ドイツ/オーストリア/スイスの作品です。
猛暑の休日に、吹雪く冬山に圧倒されて。
1936年、ベルリン・オリンピックを目前に控えた夏。
ナチス政府は、国家が優位であることを示す手段として、
ドイツ人によるアイガー北壁初登頂を目標に掲げている。
成功者には、オリンピックと同じく金メダルを授与することを約束。
さて、金メダルには興味がないが、山をこよなく愛し、
これまでも数々の壁を制覇してきた若き2人の登山家、トニーとアンディ。
慎重なトニーはアイガー北壁への挑戦を躊躇するが、
楽天家のアンディに結局つきあうことに。
経費を削るために何百キロという距離を自転車でスイスへと向かう。
そこには、オーストリアの登山家2人も訪れていた。
トニーとアンディの幼なじみで、
都会の新聞社に勤務する新米記者ルイーゼは、上司と共に現地へ。
初登頂に成功するのはドイツ人かオーストリア人か。
マスコミや観光客が麓で見守るなか、4人はアイガー北壁に挑む。
実話に基づいています。
ネタバレになりますが、初登頂に成功する話ではありません。
先に行かれてなるものかと、同じルートを採択して追い抜こうとするオーストリア人。
安全な間隔を空けていなかったせいで、
ドイツ人の足下から落ちた石に当たって1人が大けがをします。
結果、最後まで彼を見捨てられなかった一行全員が命を落とすことに。
他の登山映画でもありましたが、
ザイルを切る瞬間というのは、胸に迫るものがあります。
死ぬ覚悟はできている。でも、死にたくないと叫ぶ自分もいる。
『いつかある日』は、古い山の友にこう伝えてくれと言います。
母親には、安らかだったと。父親には、男らしく死んだと。
愛しい人には、俺が帰らなくても生きて行けと。
この映画に恋愛話は蛇足の感はありますが、
残ったルイーゼはこう言われた気持ちだったかな。