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自衛官の母が国提訴 ― 南スーダンPKO 派遣差し止めを

2016-12-02 | 安保法制=戦争法を廃止にするまで

 自衛官の息子をもつ北海道千歳市の50代の母親が、「自衛隊の南スーダンPKO(国連平和維持活動)への派遣は憲法違反」と派遣差し止めと撤退などを求めて30日、札幌地裁に提訴しました。安倍政権が派遣部隊に新たに付与した「駆け付け警護」は12月12日から実施可能とされています。原告弁護団は「安保法が具体的に作動し、立憲主義が崩されるこの局面での、PKO派遣の違憲性を真正面から事実で迫るこの訴訟の意義は大きい」と強調しました。

 南スーダンPKO派遣問題で、自衛隊員の家族が訴訟を起こしたのは初めて。原告は実名とは別の「平和子(たいらかずこ)」さんと名乗っています。自衛隊員の家族として平和的生存権を侵害され精神的苦痛を受けたとして国に対し、20万円の国家賠償も求めています。次男(20代)が陸自東千歳駐屯地に勤務しています。

 平さんは、札幌や千歳市内で「『駆け付け警護』で隊員が犠牲になる。自分が産んだ子も、誰の子も死なせたくない」とマイクを握り訴えてきました。

 訴状は、自衛隊の国連PKO派遣の違憲性について、(1)各国軍隊が派遣される国連PKOは、本質的に軍事力行使であり、自衛隊もその一員として活動することは憲法9条1項が禁ずる「武力の行使」にあたる(2)憲法9条の政府解釈に立っても自衛隊を海外に派遣することは自国防衛の範囲を超え、明らかに「専守防衛」に反し、9条2項の「戦力」不保持規定に反する―と指摘。

 安保関連法で新たに加わったPKOでの任務(駆け付け警護、宿営地などの共同防護)についても、「武力(新任務)が行使されれば『交戦権』に発展する危険性は極めて高くなる」とし、憲法が禁じる「戦力不保持及び交戦権否定規定に反する」と断じています。

 提訴後の記者会見で原告弁護団の佐藤博文弁護士は「新任務付与で隊員が犠牲になる可能性が現実的になっている危機感がある。派遣差し止め・撤退を一刻も早くさせたい」と力を込めました


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