小池晃副委員長の18日の質問では、消費税率の10%への引き上げの際に導入する「軽減税率」で減少する税収額の根拠について、政府側が答弁不能になりました。
政府は、これまで「軽減税率」導入による減収額を「1兆円程度」としてきましたが、安倍首相は、小池氏に、総務省の家計調査などをもとに「軽減税率」によって1人当たり「4800円程度」の負担軽減になると答弁。4800円を日本の全人口と掛け合わせると約6100億円で、財務省が示した減収額と4000億円近くの差額が生じます。
小池氏が「差額はどこにいくのか」と迫ったのに対し、麻生財務相は「全体でとっている数字と、家計調査に基づいて出した数字との差」などとしどろもどろになり、「家計調査は、実際(の支出を)全部書いてられない」などと、家計調査の信頼性を自ら否定する発言まで飛び出しました。
この日、麻生財務相は、家計調査を根拠に消費税の10%への増税によって単身世帯で年間2万2000円程度の負担増になると答弁。家計調査の信頼性が揺らぐなら、こちらの数字も極めて疑わしいものになります。
消費税増税に道理なし 貧困対策にも逆行
「消費税増税にはひとかけらの道理もない」―。日本共産党の小池晃副委員長は18日の参院予算委員会で、国民には消費税増税と社会保障費の削減を押し付けながら、大企業には減税するという安倍政権の経済政策の逆立ちぶりを明らかにして、消費税増税の中止を迫りました。(関連記事)
安倍晋三首相は「消費税増税分は社会保障にあてる」と繰り返していますが、実際には「社会保障の充実」とは正反対のことが進められています。小池氏は、安倍政権が過去3年間、社会保障の自然増を毎年3000億~5000億円抑制してきたことを指摘。「小泉政権時の規模(毎年2200億円)をはるかに超える」とただしました。
首相は「結果としては、それ(小泉政権)を上回る形の適正化が行われた」と述べ、消費税増税と社会保障抑制を同時に進めている事実を認めました。
小池氏は、「軽減税率」を導入しても、消費税を10%にすれば、低所得者ほど負担が重くなる逆進性が強まると指摘。さらに、安倍政権の経済政策の誤りについて、大企業減税を行っても、賃金には回らないことを企業減税額上位10社の実態から明らかにして、ただしました。
麻生太郎財務相は「(逆進性が強まるのは)当然だ」「企業の内部留保がかなり大幅に増えている」と認めざるをえませんでした。