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南英世の 「くろねこ日記」

ヒトラーになれなかったトランプ大統領

民主主義的手続きで選ばれたリーダーが、民主的政治を行うとは限らない。ヒトラーはその例である。
人類はヒトラーから様々なことを学んだ。たとえよさげに見えるリーダーでも独裁権を与えてはいけないこと、多数決で決めてはいけないことがあること、憲法は少数者の人権を守るために存在することなどなど。

閑話休題。アメリカの大統領選挙がようやく落ち着きを取り戻そうとしている。
思えば、トランプ政権の4年間はむちゃくちゃだった。アメリカ第一主義を掲げて世界の政治に背を向け、パリ協定から離脱、TPPも離脱し、イラン核合意も離脱、WHOからは脱退した。まさに「ミスター離脱」である。さらに、中国に対して高関税を課して貿易戦争を仕掛け、挙句の果てには選挙で敗れても敗北を認めようとしない。ここにきて彼の真意が「アメリカ第一主義」などという高邁なものではなく、「トランプ第一主義」という権力欲でしかなかったことが明白になった。

今回のアメリカのドタバタ劇を見ていて、改めてアメリカの民主主義の強さを知った。自分の意にそわない閣僚を ”You're fired!" と次々に首にして権力をほしいままに楽しんできたトランプであったが、選挙管理委員会や理性の最後の砦である最高裁判所まではコントロールできなかった。保守派の判事を3人も送り込んだにもかかわらずである。

選挙結果を受け入れず、不正があったと主張し続けるトランプは民主主義という制度の根幹を否定するものでしかない。しかし、そうした人物を依然として支持するコアな有権者が多数存在することも事実である。今回の選挙を通して、アメリカ社会の病巣の根深さを見た思いがする。

国際政治は世界のナンバーワンの国を中心に展開される。ナンバーワンの国は単に軍事的に強いだけでなく、民主主義という人類共通の価値観を持った国であらまほしい。その意味で中国やロシアがナンバーワンになることにはいささか抵抗を感じる。アメリカにはまともな国になってもう少し頑張ってほしい。トランプ政権が4年間で終わって正直ホッとしている。。
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