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南英世の 「くろねこ日記」

AI時代の教育


入院中に『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子 東洋経済新報社)を読んだ。結論を簡単に言えば、いま存在している仕事の多くはAIに取って代わられる。だから、これからの教育はAIにはできない人材を育成することであるという。

では、AIにできない仕事とは何か。それは『文章を読解する力」である。そのことについては昨日のブログでも書いた。ところが今の学校教育は、計算したり覚えたり、AIが最も得意とすることばかりに力を入れ、読解力をつける教育を行なっていない。

その結果、教科書さえ読めない生徒をたくさん生み出している。これでは、AI時代に大量の失業者を生み出してしまうことになる。したがって、失業者を出さないようにするためにこれからの教育に必要なのは、『中学卒業までに全員が教科書を読めるようにして卒業させること』だと著者は主張する。

では、どうすれば読解力は養われるのか。いろいろな検証をしたが、読書習慣、学習習慣、得意科目などの要因は読解力とは何の相関も示さなかったという。読解力を養う方法はまだよくわからないらしい。まずは教員自身が生徒に目先の点数をとらせるための教育を改め、読解力を養成するための様々な工夫をする必要がある。

生徒が教科書を理解できないからといって、教師がまとめプリントを作ってそれを覚えればテストの点数がとれるようにする「わかりやすい授業」は、実は生徒の読解力を身につける機会を奪う、もっともやってはいけない授業方法なのかもしれない。
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