ある人に「グリーンブック」が面白いと言われて、久しぶりに映画を見た。黒人の天才ピアニストがイタリア系で腕っぷしの強い白人の用心棒を雇って、アメリカのディープ・サウスと呼ばれる地域をを車で2か月にわたって演奏旅行に出かけるという内容である。

時代背景となった1960年代のアメリカ南部は特に黒人差別がきつかった。北部で演奏会を開けば南部で演奏するより3倍も稼げるのに、なぜわざわざ南部を回るのか。それは、黒人差別に対する挑戦であり、人々の意識を変えるためであった。映画の中ではホテル、トイレ、紳士服店、レストランの利用など、さまざまな差別シーンが出てくる。ちなみに、グリーンブックとは、黒人を宿泊させてくれるホテルのリストを集めた本である。
今まで、人種差別の実態については知っているつもりであった。しかし、夜間に黒人が出歩いているという理由だけで警察に捕まるというシーンには衝撃を受けた。アメリカの人権の歴史について知る上でも貴重な映画である。
これ以上書くとネタバレになる。くすっと笑わせる場面も準備されている。ともかく、ぜひとも見てほしい映画である。