『MMTは何が間違いなのか?』 ジェラルド・A・エプシュタイン著 東洋経済新報社 2020年12月発行 定価 3080円 を読んだ。かなり難しい本だった。
内容を簡単にまとめると、次のようになる。
まずMMTの基本的考え方について次のように紹介する。
財政というのは支出のために事前に収入を得る必要はない。なぜなら中央銀行が主権通貨を発行すれば自動的にファイナンスされるからである。それは過剰なインフレを引き起こさない限り完全雇用に達するまで可能である。ゆえに、新型コロナ対策に各国は積極的かつ大胆な財政政策を打ち出すべきである。通貨発行権を持つ政府が破産することはあり得ない。政府負債の水準を議論することには意味がない。
ただし、こうした政策を適用できる国には満たすべき条件がある。その条件とは
①ハードカレンシー国であること
②金利水準が低いこと(国債を発行しても金利負担が軽いから)
③物価水準が低いこと
などである。
ソフトカレンシーの国がMMTの理論を実行するのは危険である。