ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

沈黙

2017年01月22日 22時01分00秒 | 趣味
少女時代からずっと
遠藤周作や三浦綾子などの
キリスト教文学が好きで
なかでも遠藤周作の
「沈黙」はマイベストの1つ。

「信仰」や「神」の問題を
長崎でのキリシタン弾圧を通じて
真正面から問いかけるもので、
とっても重く、つらいけど
心に美しい響きを残す物語。

映画化されたとあっては
見ないわけにはいかなくて、
公開初日に観てきました。



つらいのと感動したのとで、涙涙。
全体に原作にかなり忠実だけど
ユダと言うべきキチジローは
原作より憎めない存在だったかも。

私はクリスチャンじゃないけれど
遠藤周作の描く「神」は理解できる。
奇跡を起こしたり、裁いたりせず、
人々とともに苦しみ、寄り添う神。
拷問される信徒の命とひきかえに
踏絵を迫られたパードレに
「踏むがいい」とささやく神。

この映画を見たあとで、
一つの詩を思い出しました。
マーガレット・パワーズの
「あしあと」という詩。

-----あしあと-----

ある夜、私は夢を見た。
私は、主とともに、
渚を歩いていた。
暗い夜空に、私のこれまでの
人生が映し出された。
どの光景にも、砂の上に
二人の足跡が残されていた。
一つは私の足跡、
もう一つは主の足跡であった。

その最後の光景が映し出された時、
私は、砂の上の足跡に目を留めた。
そこには一人の足跡しかなかった。
私の人生で一番つらく、
悲しい時だった。
それがずっと心に刺さっていたので、
私はその悩みを主にお尋ねした。

「主よ、私があなたに従うと決めた時、
あなたは、どんな道も私と共に歩み、
私と語り合って下さると約束されました。
それなのに、私の人生の一番つらい時、
一人の足跡しかなかったのです。
一番あなたを必要とした時に、
なぜ一緒にいて下さらなかったのか
私にはどうしても分からないのです。」

主は、ささやかれた。
「わたしの大切な子よ。
私は、おまえを愛している。
決して見捨てたりはしない。
ましてや、苦しみや試練の時に。
あしあとが一つだった時
私はあなたを背負って
歩いていたのだ。」
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