『ロック誕生』
~ニッポンROCK40年~
「第1話:70年代ニッポンROCKの夜明け」
「第2話:日本語ロック論争」
「第3話:多様化するニッポンROCK」
「第4話:70年代ロックの目撃者たち」
「第5話:ローカル・ロックウェイブ」
「第6話:70年代ロックの金字塔!」
~2010年12月28日(木)午後11時45分~午前2時45分(全6話:再放送)
~2010年11月18日(木)午前0時10分~午前1時40分(1話~3話:放送終了)
~2010年11月19日(金)午前0時11分~午前1時41分(4話~6話:放送終了)
<mimifukuから一言>
2010年11月1日、2日、3日 & 8日、9日、10日と、
2週に分けて放送された、
『ロック誕生 ~ニッポンROCK40年~』
この番組のベースになるのが、
村兼明洋監督の映画、
『ロック誕生~THE MOVEMENT 70S~』
~2008年10月25日公開/ 2010年11月24日:DVDの発売。
番組はタイトルに連想される、
40年間分の和製ロックのヒストリーではなく、
70年代初頭に新たな試みとして登場した、
“ニューロック”
と呼ばれたスタイル周辺の物語。
放送される番組では紹介されないが、
教科書通りに日本のロックを“おさらい”するなら、
1950年代後半の“ロカビリー・ブーム”から始まる。
・1958年2月の日劇ウェスタン・カーニバルの開催と、
ロカビリー3人男の活躍が象徴的。
~ミッキー・カーチスさん、平尾昌晃さん、山下敬二郎さん。
*補足として1956年にエルビス・プレスリーのSP盤を国内で販売開始。
この頃にプレスリーのカヴァーを歌った小坂一也さんが大ブレーク。
また1958年はSP盤からEP盤へとレコードの変換期でもあった。
・1963年:坂本九さんがアメリカ・ビルボード・チャートでNO.1ヒット。
~名作『上を向いて歩こう』は英題『Sukiyaki』。
・1965年:ベンチャーズの初来日に刺激された“エレキ・ブーム”
~寺内タケシさん、加山雄三さん等(サーフィン・ミュージック)の躍進。
そして、
・1966年6月:ビートルズ武道館公演で“GSブーム”は旋風を巻き起こす。
~タイガース、テンプターズ、スパイダース、ブルー・コメッツ等多数。
大きなムーブメントにはならなかったが、
1964~6年頃の“ブリテッシュ・カヴァー”のリリース。
~尾藤イサオさん、内田裕也さん等の英語によるカヴァー。
ロックが日本に根付いていく原動力としての、
ベンチャーズの来日(インストゥルメンタル演奏)や、
ビートルズの来日(ボーカル&コーラスによるバンド演奏)。
1960年代の日本のロック・ヒストリーは模倣の時代だった。
“ニューロック”
今回6回シリーズで放送されるテーマとしてのニューロックは、
1970年代に発生した新しい和製ロック・ムーブメントを表す用語。
象徴的なバンドとしての、
<フラワー・トラベリン・バンド>&<はっぴいえんど>は、
番組放送第2話のテーマ“日本語ロック論争”での、
英語でしかロック・ミュージックを表現できないとする風潮に、
日本語で表現してこそ和製ロックではないかとする新たな挑戦。
~1972年12月:キャロルが和英ミックスの歌詞で衝撃のデビュー。
歌詞を担当したジョニー大倉さんのセンスが光る。
『ロック誕生 ~ニッポンROCK40年~』と題される番組は、
1970年代に頭角を表わした日本のロックの“新しい波”に焦点をあてる。
<番組内容&番組の感想>
兎にも角にも貴重な映像のオンパレード。
番組で紹介される“70年代ニューロック”の定義は、
大きな芸能プロダクションに後押しされることなく、
自分達の力で音楽を発表するスタイルと、
ロックの根底にある怒り(心の叫び)の表現。
~アンチを好む若者の体質(脱保守思想)と欲求。
GS(グループ・サウンズ)がロックに属するか否か?
「大手プロ主導の商業的音楽はアイドル性に変化。」
と近田春夫氏。
「芸能界とGSからはみ出し“それまでになかったゼロ”からの音楽。」
が“ロックの夜明け”に繋がると語る村兼明洋監督。
そんな、
日本のロックの夜明けをテーマにピック・アップし、
ニッポンROCKの原点を紹介する映像はマニア垂涎。
第1話:「70年代ニッポンROCKの夜明け」は、
フラワー・トラベリン・バンド、外道、遠藤賢司、クリエイション、かまやつひろし
の貴重なライブ映像を紹介。
~フラワー・トラベリン・バンドの京都円山公園での不思議なライブ・スタイル。
外道のハワイ・サンシャイン・ファスティバルでの日本語によるパフォーマンス。
遠藤賢司さん:「夜汽車のブルース」は激しく“なんかいいことないかな?”
クリエーションが演奏するプロレス・ファン狂喜の“スピニング・トゥ・ホールド”。
さらにかまやつひろしさんのマイク・パフォーマンスに思わずニンマリ。
第2話:「“日本語ロック論争”」は、
はっぴいえんど、クリエイション、四人囃子、Char、ゴダイゴ
のレアな映像が紹介される。
~はっぴいえんど&ゴダイゴはテーマにそった“日本語×英語”論。
注目はクリエイション、四人囃子のバンド演奏(サウンド)の能力の高さ。
さらに若きCharのギターも負けじと頑張ってます。
第3話:「多様化するニッポンROCK」は、
イエロー、ハルヲフォン、クリエイション、ファー・イースト・ファミリー・バンド
など私にとっても幻の映像が目白押し。
~日本を代表するロッカー:泉谷しげるさんのバック・バンドだったイエロー。
フォーク時代の泉谷さんの楽曲をロックへとアレンジは新鮮(第6話でも紹介)。
ハルヲフォン(近田春夫)のダンス・スタイルは黒人シンガーを起用しノリノリ。
ファー・イースト・ファミリー・バンドは大御所:喜多郎が所属した和製プログレ。
第4話:「70年代ロックの目撃者たち」は、
サディスティック・ミカ・バンド、頭脳警察、ジョニー・ルイス&チャー、
RCサクセション、憂歌団はロック・ファンなら誰もが知るビッグ・ネーム。
~ミカ・バンドの先進で明るい音楽センス(加藤和彦)に脱帽。
頭脳警察(パンタ)の映像は時代の証言“1971年:三里塚で祭れ!”
Charの代表曲“SMOKY”は1980年・日比谷野音でのライブ。
1980年・久保講堂でのロック・RC誕生の映像は涙なしには見れない。
浪速ブルースの雄:憂歌団のパワフルな“パチンコ”は著名なハウス映像。
第5話:「ローカル・ロック・ウェイブ」は、
紫、コンディショングリーン、めんたんぴん、サンハウス、
は地方を拠点に活躍した伝説のビッグ・ネーム。
~紫(沖縄)のデビュー・アルバムは日本ロック史に名を残す名盤。
紫のライブ映像は本土への上陸間もない1975年・大阪でのライブ。
コンディショングリーン(沖縄)の異端のライブ映像は京都大学西部講堂(凄い)。
めんたんぴん(石川)は私の地元のロック・ヒーローながら初めて観る映像。
映像に観る夕焼け祭り会場:山中温泉・水無山スキー場は今はありません。
水無山ロープーウェイは幼い頃に父親に連れて行ってもらった記憶が・・・。
サンハウス(福岡)鮎川誠さんは日本のロックの牽引者で“レモンティ”は名曲。
第6話:「70年代ロックの金字塔!」は、
外道、ミカ・バンド、四人囃子、イエロー、上田正樹、つのだひろ、クリエイション、
の1974年8月の郡山・ワンステップ・フェスティバルでのライブ映像を紹介。
~郡山市の青年:佐藤三郎さんの夢は我町でウッド・ストックを。
石坂敬一さん、内田裕也さんを通じてオノ・ヨーコさんにアポ。
オノ・ヨーコさんの快諾から日本最大のロック・イベント(当時)の開催が決定。
5日間に渡って行われた伝説のライブからスポット映像を紹介。
オーティス・レディングを髣髴する上田正樹さんの映像は当時の熱狂の記録。
番組オーラスのクリエーション:竹田和夫さんのギターが唸る。
総べての映像を観終えてよくぞ残っていたものだと思うと同時に、
当時の映像は貴重品であった事が分かる。
第1話:フラワー・トラベリン・バンドの映像は音声がない。
1960年代の録音技術の発展はビートルズを年代別に比較すれば簡単。
映像技術の発展もビートルズの日本公演のカラー映像は特筆モノで、
映画撮影の映像でもない限りは1960年代の殆どは白黒映像。
また、
1972年に放送されたNHK少年ドラマ:『タイムトラベラー』の映像は、
マスターテープの保存がなく視聴者の個人所有の映像のみが現存し、
2001年に日の目を見ることになった=映像は貴重で高価なモノ。
アンダーグラウンド音楽であり商業的な価値が低かったとされる、
1970年代初期の“ニューロック”の残された映像を蒐集・編纂した、
映画:『ロック誕生~THE MOVEMENT 70S~』の価値。
2010年周辺。
動画投稿サイトの誕生は記録映像を手軽な位置付けに変更。
他人の労苦(制作者が所有すべき財産)を自身の手柄のように発表。
資本理念の観点から見ると“何か納得のできない社会”になったが、
多くの映像制作が個人レベルでも可能になり、
アンダーグラウンドが市民権を得やすくなった社会。
映像が安易にコピーされる時代にあってコピーできない当時の時代の空気。
1970年代に巻き起こった音楽を通しての格闘を現社会で望む事は困難。
“そんなあんな”を教えてくれる貴重な資料になっている。
<関連リンク>
*映画『ロック誕生』公式HP・Story
→ http://www.universal-music.co.jp/nayutawave/rock_tanjo/story.html
*ロック誕生~ニッポンRock40年・NHKオンライン(PDF)
→ http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/soukyoku/2010/10/009.pdf
~以下NHKホームページより記事転載。
1970年代。
日本の音楽シーンに登場した変革者たちの生(ライブ)な姿を追う、
『ロック誕生 ~ニッポンROCK40年~』。
番組では、
2008年に公開された映画『ロック誕生』のほか、
番組が新たに発掘した貴重なライブ映像を中心に、
6回にわたって伝説の、
70年代日本ロックシーンに迫ります。
*第1話:70年代ニッポンROCKの夜明け
フラワー・トラベリン・バンド73年京都でのサイケなステージ。
75年ハワイ米軍基地のフェスに登場した「外道」。
孤独にロックを追い続ける遠藤賢司等が登場。
【出演】
ミッキー・カーチス、近田春夫、小倉エージ、加納秀人、ほか
*第2話:“日本語ロック論争”
日本語ロック、はっぴいえんどの貴重映像の他、
日本プログレッシブロックの先駆者、四人囃子、
Char、ゴダイゴ等の名ライブを紹介。
【出演】
タケカワユキヒデ、小倉エージ、森園勝敏
*第3話:多様化するニッポンROCK
存在感で圧倒したハルヲフォン、
個性派イエロー、クリエイション、ティンパンアレイ、
シンセを駆使したニューウェイブのファーイーストファミリーバンド
等の貴重映像が登場
【出演】
近田春夫、石坂敬一、村兼明洋、ほか
*第4話:70年代・ロックの目撃者たち
RCサクセション、ジョニー・ルイス&Charの秘蔵ライブ映像。
スタイリッシュなサディスティックミカバンド。
反骨に徹した頭脳警察は71年三里塚幻野祭の模様を紹介。
【出演】
鋤田正義、増渕英紀、井出情児、ほか
*第5話:ローカル・ロックウェイブ
紫、コンディショングリーンの沖縄ロックの貴重映像。
福岡のサンハウス、めんたんぴん等が主催した
石川夕焼け祭りのライブ映像で構成。
他に、
大阪の憂歌団が登場。
【出演】
ジョージ紫, 鮎川誠, 佐々木忠平
*第6話:70年代ロックの金字塔!
74年のワンステップフェスティバルの記録フィルムを中心に、
外道、イエロー、上田正樹、つのだ☆ひろ、クリエイション等の、
興奮のライブ映像の数々。
【出演】
佐藤三郎、石坂敬一、加納秀人
ロックにただならぬ想いをお持ちのようにお見受けしましたので、この番組を見て感想をまたつづって頂けたらと思って書き込みをさせてもらいました。ごめんなさい。
http://www.up-down.com/020chabo/02150news/hotnews.html#KOR
リンク先の番組は“清志郎さん”ですね。
NHK総合テレビでの年末特別放送、
2010年12月28日(火)24:10~26:09枠で、
『ぼくはロックで大人になった』
~忌野清志郎が描いた500枚の絵画~
以前にBS放送で試聴。
下記リンクに感想があります。
→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20100721
清志郎さんの記事は他にも、
*愛しあってるかい?忌野清志郎:NHKで追悼番組を放送。
→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/d7e33a861b31e375db1c7c9fc685f345
*追悼:RCサクセション・忌野清志郎さん死去(2009年5月2日)。
→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/e4aba9f08235d3260885583e53876b26
*『時の旅人:忌野清志郎/君はオーティスを聴いたか』番組感想。
→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/08e524ae0ba5daf478e922f8194c04aa
また、
仲井戸麗市(チャボ)さんの記事も、
*男の美学:チャボ×渋谷陽一&三沢光晴×市瀬英俊。
→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/916d527844c659e98f6f39735365aca5
お時間が許せばお読みください。
読書感想を聞かせていただければ幸いです。