goo blog サービス終了のお知らせ 

mimi-fuku通信

このブログを通して読み手の皆様のmimiにfukuが届けられることを願っています。

市川海老蔵の騒動&花伝書&無責任男&落語の家元の話。

2010-12-09 23:20:20 | 芸能・スポーツ


 歌舞伎役者の喧嘩。
 世間は何を大騒ぎしているのだろうか?
 若い青年が仕事の約束事をすっぽかして酒を飲み歩き、
 酔った挙句に怪しげな店で暴行を受け負傷した。
 当初はそんな感じの報道だった。

 報道は日々エスカレートし暴行を受けた張本人ばかりか、
 相手側にも負傷者がいるらしいとのこと。

 喧嘩なのか?一方的な暴行なのか?
 分からぬ成り行きと記者会見。
 本人は介抱していたら突然殴られたとの主張。
 ・・・。
 歌舞伎には疎い私が、
 世間は何を大騒ぎしているのかを調べてみた。 

 
市川海老蔵。
 市川宗家:団十郎を継ぐ名跡。
 江戸から現代まで11代(当代)の海老蔵が存在。
 7代目と8代目以外の海老蔵は何れも団十郎を襲名。

 市川団十郎。
 
歌舞伎界の役者名で江戸劇壇随一の名門。
 1693年(元禄6年)市川段十郎が初代団十郎を襲名。
 荒事、色悪を得意とし、
 市川宗家のお家芸としての歌舞伎十八番を持つ。
 勧進帳、助六、暫(しばらく)は歌舞伎界の人気演劇の最右翼で、
 何れも市川団十郎の名跡で初演が行われている。

 世間が大騒ぎする理由が少し分かった。
 つまり負傷した市川海老蔵さんは、
 歌舞伎界最高の名跡を継ぐ次代の担い手。
 言わば歌舞伎界の宝なのだ。
 その彼が起こした不始末は、
 約束のキャンセルと深夜の深酒。
 そして暴行事件と負傷は無責任すぎる。

 以前、
 元横綱:朝青龍さんの暴行疑惑事件の折に記した、
 プロレスラー:G馬場さんの言葉を繰り返し記す。
 「昔はよく飲みにも行ったんですよ。
 でも地元の腕っ節に自信のある奴等が楽しく飲んでいる所をからんでくる。
 こちらが手を上げることができないことを知っていて挑発してくる。
 だからホテルの中で食事を済ますことが多くなりましたね。
 レスラーにしても元プロレスラーにしても新聞の社会面をにぎわす事は、
 本人はもちろん“マット界”にとって大きなマイナスです。
 特にプロレスというのは特殊な職業ですから、
 普通の人なら新聞記事にならないような事も、
 プロレスラーだと見出しになってしまいます。
 私生活では特にそうしたことに神経を使わなければいけないんです。
 オレが街を歩きたくないのも一つはこれが(大きな要因として)あるんです。
 歩いていれば目立つ。
 話しかけられることも多い。
 中にはわざと突っかかってくる人もいます。
 酔漢に喧嘩を吹っかけられてもオレ達はそれ(喧嘩)を買えません。
 示談で済むような小さなトラブルでも(喧嘩を)起こせば、
 翌日の三面記事で騒がれますからね。」
 ~以上『たまにはオレもエンターテイナー』(かんき出版:絶版)より
 
 別の言葉に置き換えれば、
 「歌舞伎役者にしても映画俳優にしてもお笑いタレントにしても、
 新聞の社会面をにぎわす事は、
 本人はもちろん“芸能界”にとって大きなマイナスです。
 特に芸能界(=タレント)というのは特殊な職業ですから、
 普通の人なら新聞記事にならないような事も、
 有名人(タレント)だと見出しになってしまいます。
 “私生活では特にそうしたことに神経を使わなければならないんです”
 歩いていても目立つ。
 話しかけられることも多い。
 中にはわざと突っかかってくる人もいます。
 酔漢に喧嘩を吹っかけられても有名人はそれ(喧嘩)を買えません。
 示談で済むような小さなトラブルでも(喧嘩を)起こせば、
 翌日の三面記事(マスコミ報道)で騒がれますからね。」
 は、
 “有名を職業にしている人”“立場上の有名な人”
 すべてに通じる教科書。
 
 謹慎結構。
 謹慎期間は自分を見つめ直し稽古に精進。

 個人的には海老蔵さんを、
 役者(俳優)として“それ程の者”とは感じていないが、
 気(気配=オーラ)を出す素養は強く感じる事もある。
 ただし、
 その“気”はあくまでも暴力的で危険な“気”にすぎず、
 演技としては狂気を演じるのと同様に安易な“気”とされる。
 凡夫(普通)を演じてもオーラを出せる演技の才能は皆無。
 厳しい見方かも知れないが“驕るなかれ”と言いたい。

 世阿弥著:『風姿花伝』(観世寿夫訳)には、
 「24、5歳の頃の若々しい感覚に“大変上手な役者が出た”と、
 (大衆の目に)一目を惹くことがあり世間は実力以上の評価をし、
 また演者自身も“自分はかなりの上手”だと思い込んだりする。
 しかし、
 このようなこと(高い評価)はまったく本人のためにはならない。
 ここで賞賛された花は“まことの花”ではない。
 それは観客が珍しいと感じる一時的な魅力でしかないのだ。
 この頃に咲かせる花こそは“初心の美しさ”に過ぎず、
 本人が思い上がってしまえば勝手な理屈をこね出し、
 名人気取りで異端の技に手を掛ける事はあさましいことだ。」

 今から600年も前。
 室町時代に記された名著『風姿花伝』は日本の至宝であり、
 多くの解答(ビジネス・啓蒙含め)を導いてくれる能楽の花伝書。
 *海老蔵さんは1977年生まれの33歳ですが室町時代では50歳には、
   “老人として何もしない方が良い”と花伝書には記されています。
   そのため『風姿花伝』を読むときは7掛け(年齢×0.7)を目安。
   因みに世阿弥の父(観阿弥)は52歳で没しています。

 謹慎結構
 謹慎期間は自分を見つめ直し稽古に精進。
 現段階ではそれしか言えない。


 
<本物の芸を求めた人物の番組紹介(再放送)

 *ハイビジョン特集『植木等・夢を食べつづけた男』
 ~NHK-BShi:2010年12月12日(日)午後8:55~午後10:45

  【出演】:植木等、比呂公一、犬塚弘、桜井センリ、谷啓、青島幸男
  【語り】国井雅比古


 
*ハイビジョン特集『立川談志・71歳の反逆児』
 ~NHK-BShi:2010年12月13日(月)午後8:05~午後9:55

  “天才落語家”・立川談志(71歳)。
  若くして名声を確立し各界を股(また)にかけてきた男が、
  老いと病に苦悩する中で闘っている。
  “敵”は落語を誰よりも愛し極めてきた自分自身。
  体は衰え芸が理想から離れていく恐怖。
  だが暴れ続けてきた人生を裏切るような枯れた老境になどしたくはない。
  落語の神髄を世に残したいとの強烈な自負・使命感を胸に、
  自らを叱咤し反逆者であり続けようとする日々に密着した。

  【語り】西田尚美


 
興味のある方は是非ご覧ください。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 思いつくままに(2010.1207)。 | トップ | 『K-POP&徴兵制度&言論... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

芸能・スポーツ」カテゴリの最新記事