mimi-fuku通信

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北陸豪雨/金沢:浅野川水害と、日本海側の防災対策。

2008-07-29 23:06:06 | 自然・気象・災害


 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/10bc8c4b698deb79022987c4af5957b4 ←のつづき。

 7月28日の朝、金沢市周辺から、富山、新潟へとのびる前線の雨雲が、思いもかけぬ災害を出すこととなった。
 
 前日の記事でも書いたが、今回の雨雲の猛烈な発達を予期することは、困難だと考える。
 今回の大雨のシナリオは、(梅雨)前線が南下したことで北陸にかかり、その前線の南西方向にあった台風8号の湿った空気が高気圧のヘリに沿って前線に向かって流れこんだことと、北東方向にあった寒気団が南下したことで、前線付近の大気が不安定になったとされている。
 
*列島は、梅雨明けしているが、(梅雨)としたのは、近年起きた日本海側での記憶に残る集中豪雨が梅雨末期に起きていることと今回の豪雨の記録を検証するためだ。

 平成16年の7月、新潟県・福島県と、福井県・岐阜県を襲った豪雨を振り返ってみよう。
 この年は、日本列島に10個の台風が上陸した年として記憶に残っている。

 【新潟:福島】
 2004年7月12日夜~13日にかけて、日本海から東北南部にのびる梅雨前線の活動が活発となった。
 13日朝から昼頃にかけて、新潟県中越地方や、福島県会津地方で非常に激しい雨が降り、日降水量は、新潟県栃尾市で421mm、新潟県加茂市で、316mm、福島県只見町で325mmを観測するなど、記録的な大雨となった。
 この集中豪雨により、新潟県三条市、見附市、中之島町を流れる五十嵐川や刈谷田川では、相次いで堤防が決壊し、多数の浸水害が発生した。 

 【福井:岐阜】
 7月17日夜から、18日にかけて、活発な梅雨前線が北陸地方をゆっくりと南下したのに伴い、福井県や岐阜県で大雨となった。
 特に、18日朝から昼前にかけて福井県で非常に激しい雨が降り、福井県美山町では、1時間に96mm の猛烈な雨が降り、期間降水量は、7月の月降水量の平年値(236.7mm)を上回る285mmとなった。
 また、福井市では18日の日降水量197.5mmを観測した。


 今回の金沢での豪雨と、上記の豪雨を参照にすると日本海側の防災の概念は覆される。

 私の知る限り、日本海側での水害の防災対策の基本的な数値は、
  1時間、50ミリ 
  3時間、100~120ミリ
 24時間、150~180ミリ
 くらいであったと記憶している。
 
(ただし、数値降雨の少なくとも3日前までに、大雨がないことが前提条件で、前日や前々日に100ミリを越えるような降雨が記録されていれば、数値の半分の値でも災害を引き起こす可能性は高い。)

 24時間雨量300ミリ超えも想定している、九州や四国の方々にしてみれば、驚くほど少ない数字だと思う。
 現実的にはインフラ整備も進み、3時間150ミリや、24時間200ミリの降雨量でも水害が出ないような整備が行われている箇所もあり、100年に一度の大雨にも対処した防災整備を謳う自治体もある。

 しかし、今回の金沢での大雨の数値を見て驚いたのは、短時間でのスポット的な豪雨だったこと。

 県央土木総合事務所が発表した観測雨量日表(10分単位)を見てみると、

 芝原橋地区(金沢市山間部湯涌温泉周辺)での降水量は、
 6時台 :15㍉、17㍉、25㍉、21㍉、16㍉、20㍉
 7時台 :30㍉、23㍉、28㍉、 9㍉、13㍉、 8㍉
  となっている。

 この数字を見ると、6時30分~7時30分までの1時間で、最大138ミリの豪雨を記録。

 数字を検証すると、
 3時間雨量:228ミリ。
 24時間雨量:262ミリ
となり、

 特に6時~7時半までの1時間30分で、約200ミリの降雨があったことが確認できる。
 
(画像データは、記事先頭のリンク先に記載。)
 ただし、金沢市での他の観測点では、俵地区の24時間雨量:70ミリが最大のようだ。
 
医王山付近で、110・5ミリの情報もある:下記)

 
 雨雲の進入のタイプは、福井での豪雨と酷似しており、
 <時速50キロメートル位のスピードで、西から東に移動する猛烈に発達した積乱雲と思われる低い雲が、一筋の雨雲(線上降水帯)となって、一直線に芝原橋付近に辿り着き、積乱雲が、山地に堰き止められることで大雨を降らし、その雨が平地に向かい流れ込んだことと、市街地でも、およそ30~50ミリの1時間雨量を記録していたために降水が一気に浅野川に流れ込み排水が間に合わない所へ、上流から日本海側では想定することがない降雨量により出現した鉄砲水が、一気に山沿いから平地へと流れ込んだ。>
 このことは、理解できる。

 しかし、今回の豪雨の特徴は、なぜスポット的に一箇所で大量の雨を降らせたのか?
 更に南下しても雨雲の勢力が変わらず、なぜ近畿地方にまで短時間での記録的な大雨を降らせたのか?
 また、前日の敦賀市での突風はなぜ起きたのか?
 この答えを気象関係者は懸命に探していると思う。

 個人的な推測であるが、陸上での温度上昇が今回の突風やスポット豪雨の原因に繋がるのではないかと思う。
 日本列島では、連日、真夏日や猛暑日が続き、雨のない陸地には、暖かい空気が充満している。
 今年は、7月の早い時期に梅雨が明け、空梅雨の状況の中での梅雨明けと同時に晴天(猛暑)が続いた。
 夜間でも気温が下がることはなく、こうした状態の中で、フェーン現象が起きた昨年の8月、いたるところで列島の最高気温の記録を更新した。

 今回の豪雨や突風も地表(陸地)の温度が上昇したことで、教科書どおりに解釈すれば、陸地の空気は軽くなり、陸地の空気の層(大気の最下層)に低気圧が発生したとの見方もできると思う。
 その陸上低気圧が、海上で発達した積乱雲の接近に何らかの影響を与えたのではないか?
 日本海側で、100ミリを超える豪雨を説明し、言葉に置き代えようとするなら、こうした推測がなければ答えを出すことはできない。
 

 もう一度念を押すが、
 日本海側のインフラ整備の降雨量の最大基準値は、
 1時間50ミリ、3時間120ミリ、24時間200ミリである。

 1時間で100ミリ、3時間で200ミリなどの基準値でインフラ整備をすることは不可能であるし、そのための予算を組めば数10兆円でも追いつかないだろう。

 今回の豪雨が、偶然起きた一時的なものか、今後も日本海側各地で頻繁に起きる可能性があるものかは未知数だが、行政にできることは、住民に素早く的確な降雨情報を出せるかどうかが鍵となるだろう。
 
 そのためには、今まで以上に細やかな気象情報の構築と、地方気象台が出す地域情報同士の連携。
 さらに地方行政機関(市町村単位)での情報把握能力の向上と、スムーズな伝達手段が求められる。

 今回のスポット豪雨のような水害は、新潟で起きた集中豪雨の時と同様の常識では検知することはできない。
 *日本海側での集中豪雨の常識は、前線の停滞による長時間の蓄積雨量で、1時間50㍉の雨を記録することは、1つの地域では数年に一度のことだった。

 今回の、
 北陸地方での短時間豪雨災害は、
 日本海側での降雨の常識に大きな転換を求める警鐘
 
なのかも知れない。

 素人の私の能力では答えは出せない。

 資料:大気の状態不安定による大雨と突風(PDF気象庁)。
 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/new/jyun_sokuji20080727-29.pdf

 <北陸地方の豪雨/浅野川周辺での集中豪雨:7月28日朝>

 毎日新聞 2008年7月29日の記事へのリンク。
 
http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20080729ddlk17040650000c.html

 *上記の記事を下記に転載しました。

  金沢市の風情を象徴する浅野川が、28日未明から朝にかけての集中豪雨で氾濫した。
 流域の2万世帯約5万人に一時避難指示が出され、ピーク時には約800人が避難。
 短時間に流域を襲った雨に住民はなすすべもなく、市内では床上282、床下274棟が浸水したうえ、交通の乱れや停電の被害が出た。
 
 ◆被害状況

 金沢地方気象台によると浅野川上流の医王山付近では、午前5時ごろから降り始め、午前6時からの1時間雨量が54・5ミリを記録。
 午前0時から午後5時まで110・5ミリに達した。

 湯涌温泉近くの芝原橋で午前6時40分、市中心部の天神橋や小橋では同7時40分~同8時にかけ、それぞれ警戒水位に達し、浅野川流域では、主計(かずえ)町や湯涌町など6カ所、高橋川流域では四十万町など4カ所で河川の水が堤防を超えた。

 金沢市は浅野川流域の世帯に避難指示を出し、45カ所の避難所には、計817人が一時避難。
 県などによると、冠水や倒木などで計8カ所の道路が通行止めとなった。
 北陸電力石川支店によると、土砂崩れなどの影響で、市内で最大約1220戸が停電。
 北陸鉄道の浅野川線が上下線とも午前中、運休した。

【 野上哲記者、高橋慶浩記者、栗原伸夫記者 】


  <北陸大雨:床上、床下浸水2700棟>

毎日新聞 2008年7月30日の記事へのリンク。
http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20080730ddlk17040733000c.html

 *上記の記事を下記に転載しました。

 金沢市を流れる浅野川が氾濫した局地的な集中豪雨から一夜明けた29日、全壊家屋1棟、床上・床下浸水が約2700棟など、大きな被害が出ていることが県や市の調査で分かった。
 この日も被害に遭った住民は泥を取り除く作業に追われ、商売をあきらめる店員も。
 県や市は相談窓口などを設置し、被災者の再建に乗り出した。
 「いつどこであってもおかしくない」災害に、水防計画の再検討も迫られる。

 ◆被害拡大

 県のまとめでは、29日午後5時現在、全壊家屋1棟、住宅の床上浸水が541棟、床下浸水が2141棟と被害が拡大した。
 金沢市では、物販や飲食店などの商業施設167軒、製造業などの15軒が浸水した。
 降雨の激しかった湯涌温泉では、旅館5軒が被害に遭い、宿泊客124人は28日夕に全員帰宅した。

 ◆ライフライン

 道路・河川では、32カ所で堤防が壊れるなどの被害を確認。
 判明分だけで被害額は約10億円に上った。
 また、農業関係では、水田26・3ヘクタール、果樹園1・8ヘクタールが冠水したり、土砂が流れ込んだ。
 農道も8カ所でのり面が崩壊、用排水路計10カ所に土砂が流れ込むなど、引き続き被害状況を調べている。

 ◆知事「計画検証したい」

 午前中の災害対策本部員会議後、谷本正憲知事は、浅野川流域にある水門の一部が閉鎖できなかったことなどを指摘され、
 「同時多発的にいろんなことが起き、手を打つのが遅れたところは反省しなければならない。浅野川にはダムを作れないので、犀川への放水で受け止めてもらうしかないが、もう一度水防計画を検証したい」と話した。

 ■視点

 ◇55年ぶり浅野川はんらん。

 浅野川のはんらんは1953(昭和28)年7月23日の加賀水害以来、55年ぶりだった。
 県史によると、加賀水害は梅雨前線の停滞で広範囲の被害をもたらし、死者1人、行方不明3人、床上浸水4250棟。
 浅野川では、浅野川大橋を除いてすべての橋が流出したと記録されている。

 当時と比べて、県単位や梅雨前線など広域の気象予報の精度は格段に高まっている。
 しかし、積乱雲が発達して、非常に狭い範囲で短時間にだけ起こる集中豪雨がどこでいつ起こるかの予測には、いまだに限界がある。

 発達した積乱雲による災害の怖さは、局地的であること、そして被害が、雨の実感がない場所にも及ぶことだ。
 28日も、同じ金沢市で気象台のある西念では午前5~6時の間に19・5ミリ降ってやんだのに、わずか15キロ南東の湯涌温泉付近で、県の雨量計は午前7時前後の1時間に138ミリの猛烈な雨を記録していた。
 予測に限界がある中で、被害を最小限にとどめるために大切なのは、実況情報の早い伝達だ。

 県河川総合情報システムは、市街地で浸水が発生する前の午前7時現在で、湯涌温泉近くの浅野川・芝原橋の水位が3・4メートルに達し、堤防の高さ(3・2メートル)を超えているというデータを収集していた。

 水位はホームページにリアルタイムで公表されているが、これを見た住民はほとんどいないだろう。
 もし、すぐに下流の河川敷で放送するなどして住民に広報していれば、少しは被害が違っていたかもしれない。
 防災機関は、増水について、緊急地震速報のように情報を住民に直結する必要があるのではないか。
 神戸市の川での悲惨な事例を繰り返さないためにも。

【日本気象予報士会北陸支部・松田秀敏談】


 <浅野川の水位の変化と金沢市の対応>

6時30分:1時間雨量が湯涌地区で138ミリを記録
6時40分:上流・芝原橋で警戒水位の2・10メートルを記録
7時00分:同橋で堤防の高さを超える3・41メートルを記録
7時40分:下流・天神橋で警戒水位超の1・89メートルを記録
7時50分:同橋で危険水位超の2・29メートルを記録
8時00分:湯涌地区に避難準備情報
8時40分:天神橋で最高水位3・36メートルを記録
8時45分:浅野川流域避難勧告
8時50分:同避難指示

【高橋慶浩記者、栗原伸夫記者】

 

 <局地的豪雨想定外/放水量規制影響か?>

読売新聞:2008年7月29日の記事へのリンク。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20080729-OYT8T00122.htm

 *上記の記事を下記に転載しました。

 金沢市中心部には、浅野川と犀川の二つの主要河川が、南から北へ流れている。
 今回氾濫(はんらん)したのは東側の浅野川だった。
 二つの川は、ともに南部の山間地に水源を持つが、県などは、浅野川上流域で局地的な雨が降ったのに加え、1955年ごろから続く治水工事が完了していなかったのが氾濫の要因とみている。

 「男川」と称される犀川に対し、浅野川は「女川」と呼ばれる。
 浅野川沿いには茶屋街などが広がり、市民や観光客が河川敷の遊歩道を散策する姿も見られるなど、普段はゆるやかな流れが特徴だ。

 県河川課によると、浅野川を含む大野川流域の河川は、100年に1度の大雨を想定し、2日間で260ミリの雨が降っても対応できるという。

 しかし、これは流域全体に雨が降った場合の想定。
 今回は、浅野川上流の湯涌温泉に近い県の観測地点(金沢市羽場町)で、午前6時半からの1時間に138ミリを観測。
 午前5時~9時の4時間では254ミリを記録した。

 同課では「気象台のデータと比べると過去最高の雨量だと思う」とし、犀川上流の内川ダムで午前6~7時に48ミリだったのと比べ、短時間に特定地域で集中的に降ったのが、下流で水位が急上昇した原因の一つとみている。

 また浅野川、犀川とも、過去、洪水や橋の流失被害が起きている。
 浅野川では53年に大きな水害で、当時は木造だった橋がいくつも流され、浸水被害も多発した。
 その後、堤防のかさ上げや河川改修で水害防止対策が取られてきた。

 犀川も氾濫を繰り返していたが、上流に二つの洪水調節機能を持つダムが設置されたことで、それ以降は氾濫が無くなった。

 県は、河川整備計画で、二つの河川をセットにして市全域の治水対策を進めている。
 浅野川上流は地形上、ダム建設は難しい。
 そのため、犀川上流にはダムを造って水量を調節し、浅野川は犀川へ放水路(全長約1・2キロ・メートル)を結んで水位を管理している。

 浅野川自体は毎秒460立方メートルの水量を流すことができ、放水路は毎秒250立方メートルを放水できる設計だという。
 しかし、建設中の辰巳ダムを始め、犀川下流域の河川改修工事が完了していないため、実際の放水量は同150立方メートルに規制しており、放水路の全能力を発揮できなかった影響は大きいとみられる。

 同課は、「現段階で放水路を全開にしてしまうと、今度は犀川で被害が起こる恐れがある」としている。

 


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6 コメント

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mimifuku (立派だと感心します。)
2009-06-13 22:28:37
 ボランティアをなさっているんですね。
 言葉よりもひとつの行動。
 立派なことだと思います。
 本当に今年に限らず災害のない世の中。
 は無理としても、
 災害にあっても保障できる社会になれば。
 税金の配分と国の無駄遣い。
 税金を貯金し国の貯蓄を借款対応しながら、
 災害時に分配。
 でも都市圏での大規模災害での保障は、
 無理ですね。
 考えると心寂しくなります。
 本当に何もなければ良いのですが…。
 
返信する
今年こそ 何も起こらないで (白山大好き 松井よっちゃん♪)
2009-06-13 20:59:03
1昨年は、能登半島地震で30日間と、中越沖地震で5日間、
昨年は浅野川水害で6日間ボランティア、
サラリーマンにとって首にならない限界?ですね。
(丁度 仙丈ケ岳登山の計画が没になりました。)

今年は、本当に何も起きないで欲しいですね。

(被災者も傷付き、ボランティアも傷付きますね。)
返信する
ありがとうございます。 (mimifuku)
2009-05-31 22:22:00
 コメントありがとうございます。
 何かの役に立っていれば幸いです。
 明日から6月。
 今年も防災関係者にとって、
 緊張感高まる雨季の始まりです。
 大きな災害がないことを願っています。
返信する
浅野川のインフォメーション UP ありがとうございます (白山大好き 松井よっちゃんです♪)
2009-05-31 17:52:26
詳しい情報をUPして頂きまして有難うございます。

人によって見方・切り口は いろいろあると思いますが、皆さんに情報を提供頂けるのはありがたいと思っております。

私自身は、皆さんに明日への備えになる情報をご提供して頂ける方にお礼を申し上げたいと思っております。
返信する
ご意見ありがとうございます。 (mimifuku)
2008-10-05 22:10:33
 読売新聞7月29日の記事中の専門的な数値へのご意見だと思いますが、お住まいの地域のお考えを知ることができ、ありがたく思います。
 今回の浅野川の水害を河川数値でとらえた場合、どの場所で、どのような降雨があったかのを調べると非常に限定的な狭い地域での集中豪雨が氾濫の原因だったと考えられます。
 基本的に都市型水害は、日本海側のどの地域で起きても不思議ではない認識の稀薄が、危機管理の対応に遅れが出た原因だと考えます。
 例えば、今回の金沢での降水が、福井豪雨と同じ広域の降水の形態で、福井豪雨と同じ雨水の体積量であったなら、金沢市内のすべての河川が氾濫(決壊)するほどの可能性があったと考えられます。
 今回の水害は、浅野側上流の狭域な降水で、雨水の体積量も限定的であったために同じ市内に住んでいても大雨の認識すらなかった人も多かったと聞きます。 体積雨量の問題よりも時間雨量の特異性が被害を大きくした原因だったと私は考えています。
 非公式ながら、2時間で200mを超える雨量が谷沿いに降った場合、いっせい雨水は低地に集まり急流となって下り降ります。
 そのために、山間部・湯涌温泉地域には大量の雨水が流れ込み、流域が溢れ大きな被害が出ました。
 この地域の災害については防ぎようがなかったと感じます。
 しかし、浅野川周辺の都市部での水害では雨量把握の不備と対策の遅れから、即時性のある水量対策ができなかったことが河川の氾濫につながった事は、ご指摘の通りだと感じます。
 ただし、経験のない事例と気象予報を越える想定外の降雨に、危険地域がどこであるかを見逃してしまったことを、強く行政責任とすることは難しいような気もします。
 今回の降雨形態(片方の河川だけの水位上昇)と同じ降雨パターンがある確立は極めて少ないと考えますが、必要であれば犀川と浅野川間を地下バイパス(トンネル)で結び自動的に2つの川の水位が同じようになるような流水調整をするインフラ整備もひとつの手かとも思います。
 ただし、福井豪雨の時のような広域での集中豪雨には効果的な対策にはならず、別のインフラ整備の形があれば、ご意見をお聞かせください。
  
返信する
もう少し調べてから記事にしてください。 (犀川のごり)
2008-10-05 17:10:56
記者の皆さんには、もう少し調べてから事実を記事にして欲しいものですね。
 県や市あるいは国の機関が発表する内容については、キチンと裏付けデータを確認した上で記事にしてください。
 浅野川では、460m3/sではなく300m3/s程度しか、流すことが出来ないままでした。そこへ400m3/sそこそこの洪水が来たから氾濫しただけです。
 一方、犀川は浅野川から250m3/s流れ込んでも氾濫するような河川ではありません。
 流下能力的には十分余裕がありました。
 仮に150m3/s分水していたとしてあと100m3/s分水したとしても犀川の水位はほとんど変わらなかったでしょう。
 今回の洪水では犀川やその支流の伏見川の洪水ピークが先にあり、浅野川の洪水ピークは遅れていました。それ故に、犀川の水位が低下し始めたところに浅野川の水が流れ込んでも水位低下の速度が落ちるか、僅かに上がるだけで、犀川は氾濫する可能性は0でした。
 そうしたことは素人でも水位変化を見て居れば判ることで、専門家が危機管理室で管理していながら、何の手立ても打っていなかったことが、水害の原因です。
 なお、辰巳ダムが完成していなかったからと有りますが、今回の洪水に限って言えば、辰巳ダムがあろうと無かろうとほとんど関係はありません。
 なぜなら、建設中の辰巳ダムは穴あきダムで、今回ダム地点に流れ込んだ程度の洪水では、穴からそのまま流下してしまうために洪水調節には役に立たないからです。
 今回の洪水では犀川には浅野川の分も含めて450m3/sほど流れました。県では犀川の流下能力は1230m3/sとしていますが、実際にはあちこちにボトルネックがあって600m3/s程度しか安全に流せません。
 ですから、今回のような雨が犀川沿いで降った場合は確実に氾濫が起きるはずなのです。
 その場合でも辰巳ダムはほとんど役立たずでしょう。なぜなら、ダムがあっても1230m3/s流れてくるわけですから。半分の水は氾濫して金沢の繁華街は濁水に水没することになるのです。
 
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