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新型インフルエンザと機内対策 ~2009年5月9日国内初感染。

2009-05-10 00:00:00 | 健康・医療・科学

 
 昨晩既述した新型インフルエンザについての記事は、
 国内感染を意識したものだった。
 その翌朝のニュースは、新型インフルエンザ国内初感染
 驚きはしたものの<来るべきものが来た>と言う感じ。
 少し気が付いたことを述べてみたい。

 まず気になったのが水際対策(入国の検疫検査)。
 3人の感染者に対して1人(学生)は機外にでての自己申告。
 そのため「停留」措置を取るべき11人が入国。
 学生は機内検疫の際には体調異常がなかったために、
 降機後に体調不良を訴えたとされる。
 また、
 「停留」措置者49名の中で7人が体調不良を訴え病院に搬送。
 機内感染の疑いも強い。

 このニュースでの最大の着目点は、
 機内検疫で体調異常がなかった学生が、
 一度機外に出たこと。

 この事態を問題にすべきではないが、
 水際検査で指摘された問題点が露出。

 潜伏期や治癒移行期での感染確認をする手段がないこと。
 水際対策の限界点と新たな手法の模索。
 インフルエンザ対策は始まったばかりだ。

 またカナダからの出国時での体温検疫はないのだろうか?
 長時間に渡る密室空間の機内への乗り込み。
 感染防止対策の国際基準の中に、
 感染の疑いのある者に対する、
 出国措置(禁止)についての取り決めはないようだ。

 また機内でのマスクの着用要請はあるのだろうか?
 客室乗務員が咳やクシャミをする乗客に対し、
 インフルエンザの症状が出ていないような場合でも
 マスクの着用を促すような措置があるのだろうか?

 インフルエンザ感染を防ぐ最大の方法は感染者の口を封じること
 飛沫感染が最大の要因とされるインフルエンザ・ウィルスに対し、
 予防のため未感染者がマスク、手洗い等の予防措置を採る事よりも、
 感染者が拡散させない努力をするほうが効率的なことは明白だ。

 以前の記事中、
 「インフルエンザは大火と同じ。」との趣旨を既述したが、
 火元の火を消さずに周りの家がどんなに高い塀垣を建てても、
 大火となった強力な火の回りを防ぐことはできない。

 <大切なのは火元の火を消すことだ。>

 インフルエンザ感染の流行期。
 機内乗務員は感染防止マスクを必ず身の回りに携帯し、
 機内の乗客の異常を感じたらマスクの着用命令を出すことができる権利。
 感染に敏感になっている他の乗客の心理状態を考えれば、
 仮に花粉症の症状と乗客が主張しても飛沫の拡散対策として、
 乗務員がマスクの着用命令を出す権利。

 国内感染が始まれば航空機での移動を敬遠する人が多く出ることも予想され、
 早めの安全対応が求められる。

 国内便においては乗車時にも簡易体温検疫(サーモグラフィー)を行い、
 体温上昇が見られる乗客に対して乗車する際には、
 必ずマスクの着用を乗客に義務付ける。

 今日のニュースでは、
 そんな事を感じた。
 

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新型インフルエンザ(2009influenza a/h1n1) 考察と対応(3)。

2009-05-08 22:55:44 | 健康・医療・科学

 
 新型インフルエンザの感染拡大は大きな広がりを見せています。
 5月3日~5月7日の5日間の感染者数を比較してみると、
 5月3日の感染者が898人。
 以後4日1085人、5日1490人、6日1893人、7日2371人。
 898人→1085人→1490人→1893人→2371人
 898人→1893人(3日→6日)。
 1085人→2371人(4日→7日)。
 約3日間単位で倍以上に膨らんでいます。
 
仮に3日で倍々で増えていくと
 5月7日が2371人で10日が約4700人。
 13日が9400人、16日が18800人、19日が37600人、
 22日が75200人、25日が150400人、28日が300800人、
 5月末日の31日がおよそ60万人の感染者が出る計算になります。

 と言っても日本での季節性インフルエンザが12月~3月までの4ヶ月間で、
 およそ1200万人以上が感染するわけですから驚く数字ではありませんし、
 各国の対策が本格化している中で先進国において、
 倍々で感染者数が増えることはないと思います。

 死亡者はアメリカが7日の時点で、
 896人の感染者に対して2人が死亡。
 死亡者の1人(幼児)はメキシコからの旅行者で、
 もう1人の女性は持病との併発と通院の遅れが原因とのことです。

 アメリカでの速報致死率0.2%(WHO発表)で罹患者の入院率は約10%。
 早期の治療の場合ほぼ重症化することなく治癒するとの情報が有力です。
 先進国での致死率は従来型とほぼ同様。
 入院率の10%も重篤が原因か新型検査(隔離)が要因かが不明です。

 またメキシコの場合は数字の上昇が過去の感染者や死亡者の正式な数字を、
 確認しながらカウントしているなら感染の拡大との関係は微妙で正確な数字は、
 分かりません。
 (メキシコ:7日現在感染者1112人、死者42名、致死率3・8%=WHO発表)
 しかし、
 新興国の中でも先進レベルの高い韓国ですら自国でウィルス確認ができず、
 日本でも数時間の時間がかかることを考慮に入れれば、
 現実の世界中での感染者はもっと多いだろうとの推測は容易です。

 パンデミックとは感染の制御が不能の状態(2大陸以上)に陥ることで、
 西欧3国(スペイン、イギリス、ドイツ)の数字が北米と比べ速度が鈍く、
 特にドイツでは、
 この5日間で8人→10人と封じ込めに成功しているようにも見えます。
 しかしスペインでは、
 5日間で40人→81人と感染者が倍に増え北米ほどの伸びはありませんが、
 高い伸びを見せています。

 さらに今日(5月8日)南米アルゼンチンとブラジルでの感染者が判明。
 南地域(発展途上国地域)への新型インフルエンザ感染が懸念される状況が、
 報じられおり世界同時感染爆発(パンデミック)は目の前です。

 私は5月4日の記事の中で、
 弱毒性であることから爆発的感染によって体調不良がそれほどでもない場合
 新型ウィルス感染治癒者が増えることで大きな問題が生じる可能性があります。
 それはタミフルさえ服用すれば恐がるウィルスではないと言った油断です。
 今後懸念される<タミフル耐性ウィルス>については安易な予防策としての、
 タミフルの服用(多用)が原因となります。
 アメリカでは薬局でもタミフルが容易に手に入ることでインフルエンザに対して、
 安易な用途として使用し<不完全な治癒の状態で社会復帰>することで、
 新型インフルエンザ・ウィルスを撒き散らすことが予想されます。
 そうした行動が繰り返されることで、
 <タミフルに対して耐性を持ったウィルスが出現。>
 こうした事例は過去の経験から容易に理解できると感じます。
 世界は新型インフルエンザに対するタミフルの使用制限を考慮しながら、
 使用例に対しては完治するまで外出禁止命令を出すなどの、
 耐性出現を食止めるための新たな予防策を講じなければなりません。
 
と書いています。

 感染爆発が日本で起きたと想定し日本での場合は、
 ワクチン(予防接種)が4~6ヶ月での製造が可能とされ、
 11月には幾許かの新型インフルエンザワクチンが使用可能になると思います。
 また、
 2010年の冬の感染時期までには必要分のワクチンが確保できると思います。
 この新型インフルエンザは今期(2009年12月~2010年3月)の冬を越えれば、
 従来型同様に健康体の方には恐れを必要としない感染症の一つとなるでしょう。
 ただし、
 ワクチンがない状態ではインフルエンザ治療薬だけが頼りで、
 タミフル、リレンザ等を接種した者には服用した責任が生じます。
 新型インフルエンザが完治するまで外出禁止
 当面(ワクチンが必要分行き渡るまで)は、
 医師の外出許可がなければ自宅に隔離する位の強い指導が必要ですし、
 今後出現するとされる強毒型ウィルスの場合は法的措置も辞さない、
 厳しい対応も今後考慮に入れるべきでしょう。 

 現状においては決して手綱を緩めてはなりません。
 ・弱毒性の新型(豚)インフルエンザ(2009influenza A/h1n1)は、
 ・強毒性の新型(鳥)インフルエンザ(influenza A/h5n1)に向けての
 データ収集に活用しなければなりません。

 少なくともこの5月中(雨季に入るまで)は、
 強毒性の新型(鳥)インフルエンザ同様の対策を採って、
 起こるべき問題点を洗いなおさなければならなと感じます。
 国内に新型インフルエンザウィルスが入った時にどのように対応すれば、
 封じ込めに効果的なのか実証データを取る機会(チャンス)は滅多にありません。

 例えば会社や学校を閉鎖してもその対象者が家に居る確証はありません。
 感染の潜伏期間に生徒が母親のショッピングに付き合うかもしれません。
 もしかしたら会社員はお休みを良い事に、
 友人と映画館に行く者も出るかもしれません。
 もちろん盛り場(商業施設)のすべてが営業停止の事態にあれば別ですが、
 感染防止の対策がどのような影響を社会にもたらすかのデータがなければ、
 問題点を洗い流すことはできません。

 現状の新型インフルエンザの情報を加味すると、
 一見大袈裟で馬鹿げた対策(行動)に見えるかもしれませんが、
 国内に(弱毒性)新型ウィルスが入った場合に
 当面は強毒性ウィルスの対策がどこまで有効なのかのデータを取ることは、
 バラバラになるだろう地方自治体の対応の問題点を、
 洗い直すことができるでしょうし、
 保険所、総合病院、個人医院の役割分担を明確にした行動計画と、
 実際との矛盾を探る手がかりにもなるでしょう。

 弱毒性だからこそ安心して思い切った対策を採ることで
 ・地球変動(温暖化)で出現するとされる新たなウィルスとの戦いの準備。
 ・いざと言う時にパニックにならないよう人の行動データを取ること。
 国は、<2009influenza A/h1n1>への今後の対策基準の選択に迫られた時、
 迷わず国民の理解を得て( A/H5N1)の行動計画を実施すべきですし
 少なくとも雨季に入るまでの期間までは封じ込め対策を試みるべきです。

 ただし今年(2009年)の冬の流行期には、
 Aソ連型(h1n1)との見分けが難しいとされる、
 新型(豚)インフルエンザ(2009/h1n1)を、
 それぞれの町の医院で判別することは不可能でしょうし、
 その時期に鳥(H5N1)行動計画を実施することは困難です。

 GW前の私の意見とは矛盾するようですが弱毒性であれ、
 <パンデミック対策については万全を期す。>
 そんな風に考えます。


 <ブログ内の関連記事:Ⅰ>
 *新型インフルエンザ(2009/a/h1n1) 対策、特徴、考察(4)。
 
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/4b36be1e1a48165f7b382efd365cc5ca

 *新型インフルエンザ(H1N1:2009年型)についての考察(2)。
  
~資料:過去のパンデミック・インフルエンザの記録~
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/c8b5bec42eb89489f248fe07493cc2be


 【新型インフルエンザの感染者と死者の推移】
 5月3日~5月7日の5日間の感染者数(WHO調べ)

 *5月3日
 18ヶ国と地域:898人。
 ・メキシコ506人、アメリカ226人、カナダ85人。
 ・スペイン40人、イギリス15人、ドイツ8人。
 死者はメキシコ19人、アメリカ1人の計20人。
 (2009年5月3日WHO発表)

 *5月4日
 21ヶ国と地域:1085人。
 ・メキシコ590人、アメリカ286人、カナダ101人。
 ・スペイン54人、イギリス18人、ドイツ8人。
 死者はメキシコ25人、アメリカ1人の計26人。
 (2009年5月4日WHO発表)

 *5月5日
 21ヶ国と地域計:1490人。
 ・メキシコ822人、アメリカ403人、カナダ140人。
 ・スペイン57人、イギリス27人、ドイツ9人。
 死者はメキシコ28人、アメリカ1人の計29人。
 (2009年5月5日WHO発表)

  *5月6日
 22の国と地域計:1893人。
 ・メキシコ942人、アメリカ642人、カナダ165。
 ・スペイン73人、イギリス28人、ドイツ9人。
 死者はメキシコ29人、アメリカ2人の計31人。
 (2009年5月6日WHO発表)

 *5月7日
 24の国と地域計:2371人。
 ・メキシコ1112人、アメリカ896人、カナダ201人。
 ・スペイン81人、イギリス32人、ドイツ10人。
 死者はメキシコ42人、アメリカ2人の計44人。
 致死率:メキシコ3・8%、アメリカ0・2%。
 (2009年5月7日WHO発表)

 <関連記事:Ⅱ>
 *メキシコ発:新型インフルエンザ(A/H1N1/2009) 報道メモ (3)
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/b268edac5dec29723980e772834cb282

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メキシコ発:新型インフルエンザ(A/H1N1/2009) 報道メモ(3)

2009-05-04 21:11:11 | 健康・医療・科学

 *感染状況を表した画像/5月8日~14日は、
 国立感染症研究所・感染症情報センター内
 <新型インフルエンザA(H1N1)の流行状況:更新7>
 を掲載させていただきました。

 
新型インフルエンザ(H1N1:2009年型)の感染者が1000人を超えました。
 5月4日夜現在日本には感染者はいませんが世界同時感染(パンデミック)は、
 明白な事実で(西欧での感染拡大が顕著なことから)心配される状況であり、
 今後は爆発的に感染者が増えることも懸念されます。

 弱毒性であることから爆発的感染によって体調不良がそれほどでもなく、
 新型ウィルス感染治癒者が増えることで大きな問題が生じる可能性があります。
 それはタミフルさえ服用すれば恐がるウィルスではないと言った油断です。
 今後懸念される<タミフル耐性ウィルス>については安易な予防策としての、
 タミフルの服用(多用)が原因となります。
 アメリカでは薬局でもタミフルが容易に手に入ることでインフルエンザに対して、
 安易な用途として使用し<不完全な治癒の状態で社会復帰>することで、
 新型インフルエンザ・ウィルスを撒き散らすことが予想されます。
 そうした行動が繰り返されることで、
 タミフルに対して耐性を持ったウィルスが出現。>
 こうした事例は過去の経験から容易に理解できると感じます。

 世界は新型インフルエンザに対するタミフルの使用制限を考慮しながら、
 使用例に対しては完治するまで外出禁止命令を出すなどの、
 耐性出現を食止めるための新たな予防策を講じなければなりません。
 5月4日のWeb記事進藤医務官の助言はそうした意味があります。
 そんなことを思いながら報道メモ(3)を記録していきます。

 また今後の拡大増加が確実な状況のため記事の乱雑さを防ぐために、
 毎日の細かい感染者数を既述しない予定です。
 詳しい数をお知りになりたい方は下記へリンクください。
  → http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html
   
~リンク後、確定症例数の画像をクリックしてください。


 
*4日までの感染。
 21ヶ国と地域:計1085人
 多くの感染者をだしている国は、
 ・メキシコ590人、アメリカ286人、カナダ101人。
 ・スペイン54人、イギリス18人、ドイツ8人。
 ・韓国1人。香港1人。
 死者はメキシコ25人、アメリカ1人の計26人
 (2009年5月4日WHO発表)

 世界保健機関(WHO)で進藤奈邦子医務官は3日、
 治療薬の中心である抗ウイルス薬タミフルに対し
 「耐性を持つ新型ウイルスができてしまう可能性がある」と述べた。
 タミフルが効きにくくなる耐性ウイルスの発生に強い懸念の理由について、
 ワクチン開発が完了していない現時点では、
 新型インフルエンザの治療はタミフルに大きく頼る。
 そのためタミフルの使用例が多くなることで耐性ウイルスが発生すれば、
 一般的にインフルエンザに対する抵抗力が弱い、
 乳幼児、高齢者、エイズ、糖尿病等の患者が大きな危険にさらされる。
 
(2009年5月4日:国内Web報道/記事転載)


 
*5日までの感染。
 21ヶ国と地域:計1490人
 ・メキシコ822人、アメリカ403人、カナダ140人。
 ・スペイン57人、イギリス27人、ドイツ9人。
 ・韓国2人。香港1人。
 死者はメキシコ28人、アメリカ1人の計29人
 (2009年5月5日WHO発表)

 5日付の朝日新聞の記事によるとメキシコの専門医の意見として、
 新型の豚インフルエンザの発症後7日以内に治療を受けた人の内、
 ほとんどは回復していると明らかにした。
 死亡例の大半は今回の新型インフルエンザの知識がないまま、
 症状が重くなるまでただの風邪だと思い高額の負担につながる、
 医療機関で受診せず市販薬で治そうとした人たち。
 発症後15日間を過ぎるまで治療を受けなかった人では、
 96%の感染者が死亡している。
 (2009年5月5日:国内Web報道/記事転載)


 
*6日までの感染。
 22の国と地域:計1893人
 ・メキシコ942人、アメリカ642人、カナダ165。
 ・スペイン73人、イギリス28人、ドイツ9人。
 ・韓国2人、香港1人。
 死者はメキシコ29人、アメリカ2人の計31人
 (2009年5月6日WHO発表)

 アメリカ:テキサス州の保健当局の発表によると、
 アメリカ居住者の33歳の女性が新型インフルエンザで死亡したと報じた。
 アメリカ国内の居住者で新型インフルエンザによる死者は初めて。
 アメリカでの感染者数が38州403人になった。
 (2009年5月6日:国内Web報道/記事転載)


 *7日までの感染。
 24の国と地域:計2371人
 4日に各国の感染者が1000人を超えてから、
 僅か3日間で倍の2000人以上に達したことは、
 感染の拡大に顕著さが見られる。
 ・メキシコ1112人、アメリカ896人、カナダ201人。
 ・スペイン81人、イギリス32人、ドイツ10人。
 ・韓国3人、香港1人

 死者はメキシコ42人、アメリカ2人の計44人。
 致死率:メキシコ3・8%、アメリカ0・2%。

 (2009年5月7日WHO発表)

 
 8日までの感染。
 25の国と地域の合計が2500人
 ・メキシコ1204人、アメリカ896人、カナダ214人。
 ・スペイン89人、イギリス34人、フランス12、ドイツ11人。
 ・韓国3人、香港1人。
 死者はメキシコ44人、アメリカ2人の計46人
 (2009年5月8日WHO発表)

 
新型インフルエンザの感染は広がりを見せており、
 7日には南米のブラジルとアルゼンチンでも初の感染者が出た。
 またアメリカでの感染者の半数以上が18歳未満というデータも発表された。
 日本時間8日夜現在のこれで新型インフルエンザ感染者は、
 26の国と地域に広がり感染者は2500人を超えている。
 このうち死亡した人は46人。

 アメリカCCD(疾病対策センター)によるとアメリカ国内の感染者の、
 平均年齢は15歳で全体の58%が18歳未満だと発表した。

 アメリカ・シカゴ在住の6歳の日本人男児が新型インフルエンザに感染した。
 日本人の感染例は初めてで現在は回復し家族とともに現地の自宅で静養中。
 (2009年5月8日:国内Web報道/記事転載)

 
 *9日までの感染
 29の国と地域の合計が3440人
 ・メキシコ1364人、アメリカ1639人、カナダ242人。
 ・スペイン88人、イギリス34人、フランス12、ドイツ11人。
 ・日本3人、韓国3人、香港1人。
 
死者はメキシコ44人、アメリカ2人、カナダ1人:計48人
 
(2009年5月9日WHO発表)

 *
日本政府は9日カナダから米国経由で、
 成田空港へ帰国した大阪府立高校の男子生徒2人と教諭1人が、
 新型インフルエンザに感染していたと発表した。
 3人は感染症指定医療機関の成田赤十字病院に隔離入院。
 また同行した生徒・教諭や感染者の近く(半径約2m)に座っていた乗客49人は、
 <検疫法>に基づく『停留措置』の対象となった。
 
 香港では8日夜、
 5月1日に宿泊客の新型インフルエンザ感染にともなう、
 1週間に渡った隔離封鎖を解除した。

 カナダ・アルバータ州保健当局は8日先月末に死亡した、
 州内の30代の女性が新型インフルエンザに感染していたと発表。
 女性は先月28日に死亡しており30代ながら慢性疾患があったとされる。
 カナダでの死亡確認は初めて。
 
(2009年5月9日:国内Web報道/記事転載)


 *10日までの感染
 29の国と地域の合計が4379人
 ・メキシコ1626人、アメリカ2254人、カナダ280人、パナマ3人。
 ・スペイン93人、イギリス39人、フランス12人、ドイツ11人。
 ・日本4人、韓国3人、中国1人。
 死者メキシコ45人、アメリカ2人、カナダ1人、コスタリカ1人:計49人
 (2009年5月10日WHO発表)

  中米コスタリカの保健省は9日、
 首都サンホセで新型インフルエンザに感染した男性(53)の死亡を発表。
 感染者の間に死者が出たのは、メキシコ、米国、カナダに次いで4か国目。
 男性には糖尿病と肺の慢性疾患があったとされる。

 米国ワシントン州保健当局は9日、
 30歳代の男性が新型インフルエンザによる肺炎で6日に死亡したと発表。
 米国内では3人目の死者で男性は心臓疾患を抱えていたとされる。
 世界の感染者数は日本を含め30か国・地域で4408人となった。

 厚生労働省は10日、
 新型インフルエンザに感染した教員と生徒ら3人と同じ便に乗っていた
 男子高校生が新たに新型インフルエンザに感染していることを確認。
 これにより、国内の感染者は計4人となった。
 (2009年5月10日:国内Web報道/記事転載)


 *11日までの感染。
 30の国と地域の合計が4694人
 ・メキシコ1626人、アメリカ2532人、カナダ284人、パナマ15人。
 ・スペイン95人、イギリス47人、フランス13人、ドイツ11人。
 ・日本4人、韓国3人、中国2人。
 死者はメキシコ48人、アメリカ3人、カナダ1人、コスタリカ1人:計53人
 (2009年5月11日WHO発表)

 *12日までの感染。
 30の国と地域の合計が5251人
 ・メキシコ2059人、アメリカ2600人、カナダ330人、パナマ16人。
 ・スペイン95人、イギリス55人、フランス13人、ドイツ12人。
 ・日本4人、韓国3人、中国2人。
 死者はメキシコ56人、アメリカ3人、カナダ1人、コスタリカ1人:計61人。
 (2009年5月12日WHO発表)


 厚生労働省は「停留措置」の期間を10日から7日に短縮することを決定。
 対策本部ではCDCなどのこれまでの情報から、
 ウイルスの潜伏期間は7日を超えないと判断。
 これにより停留者48人は15日にも解放される見込み。
 (2009年5月13日:国内Web報道/記事転載)

 
 <関連記事>
 *メキシコ発:新型インフルエンザ(A/H1N1/2009) 報道メモ(4)
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/652f9b6df3aeb5b9463c7d728bb9acaf

 *メキシコ発:新型インフルエンザ(A/H1N1/2009) 報道メモ(2)
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/be914af080066ae58054eacf1480c328

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新型インフルエンザ(H1N1:2009年型)についての考察(2)。

2009-04-30 23:24:00 | 健康・医療・科学

 
 日を追うごとに報道は過熱する。
 しかし、
 このインフルエンザの恐さの実態が見えてこない。
 正直な感想はそんな所だ。

 新型インフルエンザ(2009年:H1N1型)が原因と確認された、
 死亡者は4月30日夜現在(日本時間)メキシコで7人、アメリカで1人

 えっ?と驚かれるだろうがメキシコで150人余りの死亡者の原因が、
 別の細菌ではないかとの情報もある。

 当初想定された新型インフルエンザ(鳥/H5N1)の猛毒(強毒)性に比べ、
 今回の新型インフルエンザ(H1N1:2009年型)は弱毒型ウィルスとの、
 見方が強くなっている。

 2009年4月30日早朝(日本時間)。
 世界保健機関(WHO)は新型インフルエンザへの警戒レベルを
 これまでフェーズ4→フェーズ5に引き上げた。
 ただしフェーズとは感染状況を示すレベル表示であり、
 危険度を示すものであるのかどうかの疑問を抱く。

 例えば台風の場合に大きさと同時に強さを表す数字が示される。
 暴風域・強風域(大きさ)と気圧・hPa(風の強度)。
 甚大な被害を出す台風は大きさよりも強さに関心が示される。

 それに比較するとフェーズは感染規模や感染速度を数字で示すのでもなく、
 世界への感染の状態(状況)を感覚的に曖昧に示す警告スタイルをとっている。

 このウィルスの正体が見えない以上、
 正確な解答を出せないことは理解できても、
 フェーズ・レベルに世界中が振り回されている感じは否めない。

 例えば、
 フェーズ6になるとそれ以上の警告レベルはない。
 そのことにも疑問を感じる。
 フェーズの警告レベルを再確認すると
 Ⅰ:人への感染リスクは低い。
 Ⅱ:人への感染のリスクのある動物での感染が流行。
 Ⅲ:動物から人への感染例の確認。
   ~人から人への感染はない。又は極めて限定的。
 Ⅳ:人から人への感染例の増加を確認。
 Ⅴ:人から人への集団感染が顕著に現れる。
 Ⅵ:世界的な規模での感染=大流行。

 言い変えると
 1:動物内での感染。
 2:動物内での感染。
 3:人への感染(単数)。
 4:人から人への集団感染(新型認定)。
 5:複数の国での同時集団感染。
 6:世界同時感染(パンデミック)
 
となるのだろう。

 ただしこのフェーズ表は(H5N1:強毒)を想定して作成されたものと考えられ、
 (H1N1:2009年型:弱毒とされる?)を想定したものではないだろう。
 そのことがアメリカの初期動作の悠長さに表れているような気がする。

 それに比較し、
 日本での対応の速度には目を瞠るものがあった。
 答えが出ない限り行政として水際対策を行動計画通りに進める事に、
 私は何の疑いも持たない。

 ただし放送メディアの過熱振りには首を傾げる
 世界同時不況の中、水際対策が上手く行っている中での、
 テレビ報道が促す<人混みを避けろ>との過熱報道。
 GWの行動を制限するような事態には陥っていないし、
 仮にこの1週間に数人の感染者が確認されても
 それほど敏感に過剰反応するような情報ではないように思う。

 報道による観光キャンセルは地方にとって痛手に他ならないし、
 5月の心地よい日和に戸外へ出ることを妨げるよな過熱報道が、
 この国にとってプラスになっているのか?
 大型連休のウキウキ気分を台無しにするような報道が連日繰り返され、
 中には、
 <明らかに現状を見誤った過大な認識を植えつけるような情報。>
 <共同見解でない個人の見解を鵜呑みにする放送局側の見識。>
 も多分に感じられ冷静さを欠いた時間が費やされているように思う。

 私は私の判断で迷いなくGW中の晴れた日は、
 家族や友人と戸外に出かける。
 そして僅かながらのお金を行く先々の地で使おうと思う。
 すで今年のGWを利用してお隣の富山県砺波市の
 <2009年:となみチューリップフェア>へ行ってきた。
 それが不況脱出の市民としての心構えだと感じるし、
 人と人の触れ合いが社会に潤いをもたらす。

 何のために行政や医療機関が休日を返上してまで、
 総力を挙げてこの事態に対処しているのか?
 それは市民レベルでの安全を守るためであり、
 安心した平素の生活を維持するためだと感じる。

 パンデミックの恐怖。
 ただしそれはその本質を見極めた上での対応で、
 今日現在の時点でその恐怖は日本の隅々でないと感じる。
 
(明日のことは分からないが。)

 そこで過去のインフルエンザ・パンデミックについてと、
 現在のアメリカ、日本での季節性インフルエンザについて、
 自分なりに調べてみた。

 本当の脅威がどこにあるのか?
  過去と現代の比較。
 日本と世界との比較。
 先進国と発展途上国との危険度。
 比較してみると新たな発見がある。
 恐れる前に実態を調査する。
 臨機応変な対応が求められる。


 <ブログ内の関連記事>
 *メキシコ発:新型インフルエンザ(豚/H1N1)についての考察(1)。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/426d7703e3f8b7cd4d3e8ff23822093d

 *新型インフルエンザ(2009influenza a/h1n1) 考察と対応(3)。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/095f3f2c2f96aa0a620c82859a38a681


 【資料:過去のパンデミック・インフルエンザの記録】

 *1918~20年:スペイン風邪 (大正7年~9年)
 
特筆事項として1914年~18年に西欧では第一次世界大戦があった。
   インドでの死者が顕著で植民地諸国での死者の数は把握できていない。

 <死亡者>
 世界中で、約4000
~6000万人。
 日本では、約39~48万人。
 <感染者>
 世界で、約5~8億人。
 日本で、約2400万人。
 <感染・発症者の致死率>
 
世界で、約8~12%
 日本で、約2
 <全人口に対する致死率>
 世界(18億人)の内:約2~3%。
 日本(5500万人)の内:約0.7%?

 *1957~58年:アジア風邪(昭和32年~33年)  

 <死亡者>
 世界:約2~400万人。
 日本:約5700人。
 <感染者>
 世界:不明(推定4~5億人?)。
 日本:約2~300万人。
 <致死率>
 世界:約0.3~0.5%。
 日本:約0.2%

 *1968~69年:香港風邪(昭和43年~44年)

 <死亡者>
 世界:約70~100万人。
 日本:約2000人。
 <感染者>
 世界:不明(推定2億人?)。
 日本:約14万人。
 <致死率>
 世界:約0.5%。
 日本:約1.5%?

 (注)数字については古い時代のため正確な資料はないようです。
    アジア・香港風邪は、年度or感染期間での数字が明確でなく、
    さらに冷戦期とも重なり実数について様々な憶測があるようです。
     複数の資料を基に5月1日に大幅な書換えを行いました。
    個人的なメモで正確な数字ではないことをご了承ください。
     また医療の急速な進歩が致死率に影響することも考慮ください。


 【参考資料:強毒(鳥)H5N1型】

 *2003~08年:鳥インフルエンザ(H5N1)
    
(2009年4月23日現在:WH0認定)

 死亡例:257人
 
感染例:421人
 
致死率:61%


 【従来型インフルエンザの致死率】

 *アメリカでは、
 季節性(従来型)インフルエンザで年間約3~4000人が死亡。
 その大部分は肺炎の併発が原因とされインフルエンザが直接の原因と、
 認定されるものは数百人とされる。
 肺炎併発による致死率は約0.1%(約1,000人に1人)との情報が有力。

 *日本では、
 季節性(従来型)インフルエンザで年間800万人~1500万人が罹患し、
 致死率は肺炎併発を含め平均0.05%(約2,000人に1人)とされる。
 ただし厚生労働省の資料によると年間のインフルエンザの死亡者は、
 300人~1200人位と幅も広く致死率は、
 0.01%位(10,000人に1人)が妥当な実数だろうか?
 いずれにせよ、
 インフルエンザの死亡原因の大半はアメリカ同様に肺炎の併発で、
 致死率、死亡者の実数を正確に表した資料はないように思う。

 *参考資料
 :かぜとインフルエンザ(岡部信彦監修)
 :ウィルス感染症がわかる本(田口文章監修)


  <関連記事>
 
*WHO事務局長声明全文:47news.jp記事転載。
 http://www.47news.jp/CN/200904/CN2009043001000269.html

 ~以下、リンク先記事全文編集転載。

 世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長が、
 29日夜(日本時間30日早朝)に発表した声明。

 皆さん。
 私(達)は、入手可能なすべての情報を基に専門家と協議した結果、
 新型インフルエンザ(H1N1)の世界的大流行(パンデミック)についての、
 警戒水準を現在のフェーズ4からフェーズ5に引き上げることを決めました。
 (インフルエンザ・ウィルス)が、
 世界中のすべての国々へ素早く拡大する感染能力を持つことから、
 インフルエンザの世界的大流行を深刻に受け止めなければなりません。
 しかし、
 肯定的な見方をすれば世界は歴史上のどの時点よりも、
 インフルエンザの大流行への準備を整えています。
 鳥インフルエンザ(H5N1型)の脅威を理由に取られた対応策は、
 (今回の対策への)投資になっています。
 我々は今、この投資の恩恵を受けているのです。
 我々はは歴史上初めて(新型ウィルス)が世界的大流行への展開を、
 リアルタイムで追跡することができます。
 私は、
 感染経過の調査結果を公表している国々に感謝しています。
 私達がこの病気を理解するのを手助けしてくれています。
 影響を受けた国々が現在の感染拡大に対応しながら、
 行った仕事に感銘を受けています。
 米国、カナダ両政府による、
 WHOとメキシコへの支援にもまた感謝します。
 皆さんに強調したいのは、
 新しい病気は当然ながら十分に理解されにくいということと、
 インフルエンザウイルスは素早く変異し動きを予想するのが、
 難しいことで知られているということです。
 WHOと関係国の保健当局は(感染拡大防止に向けた)答えを、
 すぐに見つけることはできないでしょうが、
 将来きっと見つけられるでしょう。
 WHOは、
 疫学的、臨床的、ウイルス学的な観点から大流行を追跡しています。
 現在進められている調査結果は公衆衛生上の勧告として公表されます。
 すべての国は大流行への準備計画をすぐに実行に移し、
 インフルエンザのような病気や深刻な肺炎といった、
 例外的な病気の発生に備え高度の警戒態勢を続けるべきです。
 現段階における効果的かつ不可欠な対策は、
 すべての保健施設で高度の監視態勢を取り、
 症状の早期発見と治療に努め感染を制御することです。
 警戒水準を今回さらに引き上げたのは、
 各国の政府や保健担当省庁、そのほかの省庁、製薬業界、経済界に対し、
 さらに速やかな対策を講じるべきであると警告する意味があります。
 私は資金を集めるため援助供与国や、
 「国際医療品購入ファシリティ」(UNITAID)、「GAVIアライアンス」、
 世界銀行などに協力をお願いしてきました。
 抗ウイルス剤の製造業者にも連絡を取り、
 製造能力や増産に向けた方策を探ってきました。
 この病気の症状は軽度なものから重度なものまで考えられます。
 われわれはこの疑問に答えるのに必要な具体的な情報とデータを得るために、
 状況の進展を監視し続ける必要があります。
 また、
 我々は過去の経験からインフルエンザは先進国では軽い病気を起こす一方、
 途上国ではより深刻で致死性の高い病気を引き起こす可能性のあることを、
 知っています。
 状況がどうであれ国際社会は(今回の新型インフルエンザ発生を)、
 準備と対策を進める機会(チャンス)としてとらえるべきです。
 特に今回は、
 すべての国や人類全体の利益になる解決策を見つけ出すために、
 国際社会が連帯する機会(チャンス)です。
 世界的大流行になれば人類全体は真に危機にさらされるのです。
 繰り返しますが、
 我々は現段階では適切な答えを持ち合わせていませんが、
 (必ず)これから見つけ出します。

 ありがとうございました。


 <資料>
 *厚生労働省:健康:新型インフルエンザ対策関連情報。
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/

 

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メキシコ発:新型インフルエンザ(豚/H1N1) 推測、所感、考察。

2009-04-28 22:00:00 | 健康・医療・科学

 
 メキシコで発生した豚インフルエンザが人から人への感染が顕著になったため、
 警告レベルをフェーズ4に格上げして新型インフルエンザと認定された。

 ただし情報が少ないため、
 このインフルエンザの正体は今だ見えていない。

 象徴的なこととして4月28日夜(日本時間)の時点で分かっていることは、
 メキシコで2000人近くが感染、150人余りが死亡。
 アメリカでは50人が感染、いずれも症状は軽い。

 ただし新型インフルエンザの感染が確認された実数はメキシコで26名。
 2000人は重篤な状態に陥った人の数で軽度を含む感染総数は分かっていない。
 メキシコでは3月中頃からインフルエンザの感染が始まっているとの情報もあり、
 その内の従来型と新型との対比も発表されていない。
 仮に発症例総数が重篤患者の100倍を超えているよう事があるならば、
 このインフルエンザへの脅威は少ないものになる(致死率の大幅な低下)。
 
 発症=重篤が危惧される(鳥/H5N1)とは違い、
 例えば仮に、
 発症例が数十万人の中の2000人が重篤になり、
 その内の150人が死亡であれば新興国としては、
 高い数字ではないのかも知れない。

 推測の域をでないが、
 特にメキシコ国内において30~50代の死亡者が多いのは、
 働き盛りの通院の遅れ(健康への過信)が原因かも知れない。
 インフルエンザ発症後のウィルス退治効果が高いとされる治療薬、
 タミフルやリレンザは発症後48時間以内の摂取が必要と聞く。
 健康な年代の治療の遅れ。
 断言はできないが理屈を重ね合わせると、
 そのような答えが懸命のように感じる。


 メキシコでの抗インフルエンザウイルス薬の備蓄量が分からないし、
 メキシコでの医療体制や医療環境が見えてこない。
 また正式な新型インフルエンザと確認された感染者数(疑わしきではなく)は、
 メキシコよりもアメリカの方が実数で多いようだ。

 その事例(現実的な感染者実数)に対し、
 アメリカ政府の対応は日本に較べ平穏のように見える。
 アメリカでの感染者50人の内、
 重篤になった者はいないとの情報にも首を傾げる。
 この新型インフルエンザに対しタミフルは有効であることを、
 明言しているアメリカ国内のメディアもあるようだ。

 現在日本で行われている対策の敏速さに感心している。
 様々なシュミレーションを考慮して動けることから始める。
 ただし、
 メキシコからの情報伝達が遅いために初期封じ込めには失敗し、
 世界中にインフルエンザ・ウィルスは広がっている。

 ウィルスとは火に似ているように思う。
 タバコ火が山林を焼き尽くす。
 その火の廻りは、
 乾燥状態や風の強度により大災害にもなる。
 どんな大火災も最初はマッチの灯火程の大きさだろう。

 新型インフルエンザの封じ込めとは初期消火のようなもので、
 メキシコ政府が余所見(よそみ)をしている間に火は飛び火し始めた。
 今回の問題からウィルス感染に対する初期消火の重要性を強く感じた。

 今回のウィルス感染情報で気になるのは所感ではあるが、
 グアテマラ、コロンビア、ペルー等の南米地域であろう。

 メキシコによる封じ込め失敗は感染源を世界にばらまいた。
 先進国、新興国、発展途上国と分類される中で、
 南米やアフリカ等の発展途上国では、
 水際対策も感染拡大防止もシュミレーションはなく、
 抗インフルエンザ薬(治療薬)の備蓄も少ないだろう。
 一度感染が広がると農村部などでは、
 感染爆発(パンデミック)が起きかねない。

 仮に先進国での猛毒性の脅威が緩和されるような状態であれば、
 そうした発展途上国への援助体制が望まれる。
 新型ウィルスの猛毒性に疑問が生ずるがそれは先進国での場合に限り、
 対策を持たない発展途上国家については食料や生活環境から免疫力も弱く、
 逆に抗インフルエンザ薬の使用が望めない場合は、
 免疫(抗体)が過剰反応することで自らの細胞を攻撃する。
 このことが<新型インフルエンザ>の最大の脅威だと感じる。

 今回の事例は情報インフラが整備された世界が初めて体験する、
 大型感染症として報道機関に大きな重責が求められている。

 冷静な判断は、このウィルスの本質を見抜くことである。
 かと言って政府のこれまでの対応が過敏とも思えない。
 それは何れ来るだろう猛毒ウィルス(推測)
 <鳥/H5N1>対策と同様の対応が求められて当然だろう。

 <豚/H1N1>すら感染爆発を引き起こすようでは、
 <鳥/H5N1>に対する対策が無策と言わざる得ない。
 仮に幸い今回の新型インフルエンザが早期に終息しても、
 別種の新型ウィルスの発生に備えデータを揃える事は重要課題。

 フェーズ6(国際レベル)では国境封鎖すら示唆される。
 猛毒インフルエンザの国内流入が認められれば、
 日本国内でもフェーズ5(国内レベル)になる前に、
 県境の封鎖公共交通機関の使用禁止等が試される。

 とにかく今の段階では冷静になろう。
 仮に追跡調査から国内に既に入り込んでいるとしても、
 国民がパニック状態になる必要はない。
 このウィルスの本質。
 アメリカの具体的な事例(感染の治療)と
 メキシコの具体的な事例(環境と実数)が発表されるまで、
 国民(個人)レベルではヒステリックになる必要は無いと思う。

 ただし、
 政府、行政、地方行政、医療関係の方々には大変なご足労ですが、
 本質が分かるまで最大限のスピードでの緊急対策が望まれます。


 <ブログ内・関連記事Ⅰ>
 *新型インフルエンザ(H1N1:2009年型)についての考察(2)。
  
~資料:過去のパンデミック・インフルエンザの記録~
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/c8b5bec42eb89489f248fe07493cc2be

 <ブログ内・関連記事Ⅱ 
 新型インフルエンザ :H5N1~パンデミックの恐怖~
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/f9c1c1a11f44d3736cd17446f03b4996
 
 *新型インフルエンザ: 感染爆発に備えろ。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/5b76986ef3ce7ee3befc9bc7b94a3a38

 *インフルエンザ対策を考える、~封じ込めとマスクの効用。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/1c4d020eba470d3e65662afd2490ec69

 *インフルエンザとヴァリュー・フォー・マネーの話。
   ~ためしてガッテン::インフルエンザ特集併載~
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/118b7f7b853b173d35f6cae2c080fef9

 *ウイルス学者:ナンシー・コックス:新型インフルエンザと戦う。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/24912f3e8458a6bef2a4104a306ef0cc


 <資料>
 *
国立感染症研究所感染情報センター
 
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html

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メキシコ発:新型インフルエンザ(豚/H1N1/2009) 報道メモ(2)

2009-04-28 20:31:16 | 健康・医療・科学

 2009年4月27日世界保健機関(WHO)がそれまでの豚インフルエンザを、
 新型インフルエンザと認定したことによりタイトルを変更した報道メモ(2)を
 記事にしました。
 この記事は今後継続して(3)(4)と続く可能性を持ちます。
 
 2009年4月27日。
 世界保健機関(WHO)は緊急会合を開き、
 新型インフルエンザの発生(豚/H1N1)を認定した。
 警戒レベルをフェーズ3フェーズ4へ引き上げ。
 
 
<新型インフルエンザ(豚/H1N1)感染の確認。>
 ・米国50人、メキシコ26人、カナダ6人、スペイン2人、
 ・英国2人、イスラエル1人、ニュージーランド3人の計7カ国。

 ・メキシコ政府発表:重症肺炎患者/1995人。
             :死亡/152人。
                 :回復/1070人。

 世界保健機関が警戒レベルを「フェーズ4」に引き上げたことを受け、
 舛添厚生労働大臣は28日午前7時、
 <感染症の予防及び感染症の患者に対する法律>に規定する、
 <新型インフルエンザの発生を宣言>
 日本政府として正式に新型インフルエンザの発生を認めた。

 舛添厚生労働大臣は、
 検疫強化前に発生国から帰国した人(およそ2000人)について、
 10日に遡り乗客名簿を追跡調査する方針を示した。
 また、
 発生国から到着後に検疫官が機内に入り、
 乗客の健康をチェックする機内検疫を、
 メキシコ便、アメリカ便、カナダ便の3便に拡大。
 これまでは任意で協力を求めてきたが、
 <検疫法>に基づく強制的な措置に変わる。
 検疫で発症が確認された場合、
 <感染症予防法>に基き指定医療機関に入院
 疑わしきは空港周辺の宿泊施設に一定期間隔離。
 さらに、
 検疫の円滑な実施のため国土交通省は、
 旅客機乗り入れを成田、関西、中部国際、福岡の4空港に制限。
 船舶は、横浜・神戸・関門の3港に集約することを決めた。
 (2009年4月28日:国内Web報道/記事転載


 メキシコ政府は29日までに、
 新型インフルエンザ(豚/H1N1)に感染した疑いのある、
 死亡者が159人に達したことを発表。
 メキシコの保健相によると、
 重度の肺炎を起こし感染が疑われた2498人のうち、
 今も(推定患者)
1311人が入院中
 死者の内、
 感染が確認されたのは7人とし、
 これまでの20人から修正した。
 また、
 新たにドイツとコスタリカで感染者が確認され、
 感染国が9ヶ国(130人)になった。
 内訳は、
 ・米国66人、メキシコ26人、ニュージーランド14人、カナダ13人、
 ・英国、スペイン、イスラエル、コスタリカ各2人、ドイツ3人の計130人。
 (報道機関により若干の誤差有り)
 
 米疾病対策センター(CDC)では28日までに、
 カリフォルニア、カンザス、オハイオ、テキサス、インディアナの各州と、
 ニューヨーク市で計66人の感染が確認されたと発表。
  さらに米疾病対策センター(CDC)の29日の発表ではアメリカ・テキサス州で、
 1歳11ヶ月の幼児が新型インフルエンザに感染し死亡。
 アメリカ国内において最初の死亡が確認された。
 ただし幼児はテキサスの親戚宅に来ていたメキシコ人。
 
 ニューヨーク市の保健当局は同日、
 40人以上の感染が確認されたクイーンズ区の学校とは別に、
 新たにウイルス感染した可能性がある者が計20人いると発表。
 感染は同区内だけでなくマンハッタン、ブルックリンなど、
 同市各区へ拡大している可能性が高くなっている。
 (ニューヨーク市の発表だけで60人を超え米国の実数も未確定。)

 最も多くの新型インフルエンザ感染者を出しているメキシコで、
 南部ベラクルス州で今月2日より前に採取されたサンプルで、
 感染していることが明らかになった5歳の男児
 <最初の感染者?>として注目されている。
 現在、男児は健康を取り戻している。
 この事例は13日に隣接するオアハカ州で最初の死者が出た、
 約2週間前にあたる。

 地元メディアによるとこの山間の村の近くには、
 アメリカ・メキシコが合弁した大規模な養豚場があり、
 豚の廃棄物などで環境が汚染されていると問題になっていた。
 今年2月にはすでに体調の不良を訴える住民が続出していたとされ、
 地元メディアを中心にこの場所が発生源ではないかとの推測が広がっている。
 しかし、
 養豚場を経営する米食品会社は感染との関連を否定する声明を発表。
 メキシコ農業省も養豚場で飼育されている豚から、
 インフルエンザ・ウイルスは検出されていないと発表。
 事実関係の確認はまだされていない。
 (2009年4月29日:国内Web報道/記事転載)


 世界保健機関(WHO)は29日夜(日本時間早朝)、
 新型インフルエンザへの警戒レベルをこれまでの、
 フェーズ4フェーズ5に引き上げた。
 最も被害が大きなメキシコに加えアメリカでも、
 人から人への感染が拡大しているための措置。
 フェーズ5は世界的大流行(パンデミック=フェーズ6)の、
 一歩手前の警告レベル。

 
感染国が確認された国は12ヶ国(241人)になった内訳は、
 ・アメリカ95人、カナダ19人、メキシコ99人、ペルー1人、
 ・イギリス5人 スペイン10人、ドイツ3人、オーストリア1人、スイス1人。
 ・ニュージーランド3人、イスラエル2人、コスタリカ2人。
 
(報道機関、時間により若干の誤差:流動あり。)

 メキシコ保険省は新型インフルエンザによる感染者の確認数について、
 感染が確認された実数を死亡者7人を含める26人と発表。
 他に152人が死亡した疑いがもたれているが、
 他の細菌などを原因とする「異型肺炎」の可能性も含め調査を進めている。
 メキシコ政府によると新型インフルエンザの感染が疑われる重い肺炎患者は、
 同日現在2498人。
 入院しているのは1311人。
 (2009年4月30日:国内Web報道/記事転載)


 感染国が確認された国は12ヶ国(509人)の内訳は、
 ・メキシコ312人、アメリカ128人、カナダ34人、コスタリカ2人。
 ・スペイン13人、イギリス8人 ドイツ4人、オーストリア、スイス、オランダ各1人。
 ・ニュージーランド3人、イスラエル2人。
 死亡が確認されたのが、
 ・メキシコ12人、アメリカ1人。
 
*報道機関、時間により若干の誤差:流動性あり。
 *メキシコでの死亡者数はWHOの認定に合わせ大幅減少。

 舛添厚生労働相は5月1日午前1時過ぎ、
 新型インフルエンザの感染の疑いのある患者が出たと発表。
 患者は横浜市在住の17歳の男子高校生で、
 4月10日~25日までカナダに滞在。
 同日夕刻に詳細な遺伝子検査の結果、
 (国立感染症研究所での遺伝子検査:PCR法)
 季節性(従来型)インフルエンザ:Aソ連型と判定。
 また、
 4月30日夜にアメリカら帰国した、
 25歳の日本人女性が成田空港での
 簡易検査の結果A型インフルエンザの陽性反応が出た。
 しかし女性はA香港型インフルエンザに感染しており、
 新型インフルエンザ感染の疑いがないと判明。
 この日の時点での国内への、
 新型インフルエンザの感染確認はない。
 (2009年5月1日:国内Web報道/記事転載)


 感染国が確認された国は15ヶ国(615人)の内訳は、
 ・メキシコ397人、アメリカ141人、カナダ34人。
 ・スペイン13人、イギリス13人 ドイツ4人、
  オーストリア、スイス、オランダ、デンマーク、フランス各1人。
 ・香港、韓国各1人
 ・ニュージーランド4人、イスラエル2人。
 死亡が確認されたのが、
 
・メキシコ16人、アメリカ1人。

 
国立感染症研究所(東京)の田代眞人研究センター長は、
 ジュネーブ市内で記者会見し新型インフルエンザのウイルスについて、
 「強毒性を示唆するような遺伝子変化はない」と述べた。
 従来型のウィルス同様の感染が呼吸器に集中する、
 弱毒型ウイルスとの見方を示した。
 またメキシコと米国をはじめ各国で被害が拡大している症状の悪化について、
 「重症の患者の多くが糖尿病やエイズ等の基礎的な疾患を持っている」
 と指摘し新型インフルエンザの全体像は依然として不明な点が多いものの、
 持病を持つ人への感染が拡大しないよう注意する必要があるとの認識を示した。

 米疾病対策センター(CDC)のインフルエンザ予防局長、
 ナンシー・コックス氏は今回のウイルスについて、
 限定的な分析結果と前置きしつつ、
 「1918年に大流行し多くの死者を出したスペインかぜのウイルスのような、
 強い毒性につながる遺伝子的特性を欠いている」
と述べた。
 今回のウイルスはH1N1型でスペインかぜの原因となったウイルスと同型。

 香港政府は1日、
 中国・上海経由で香港を訪れたメキシコ人男性(25)が、
 新型インフルエンザに感染しているのを確認したと発表。
 アジアで感染者が確認されたのは初めて。

 韓国保健福祉家族省は2日、
 新型感染が疑われていた韓国の51歳の女性について感染を確認
 この女性はメキシコ南部のモレロス地域に入ったのち4月26日に帰国。
 女性は既にほぼ回復しており近く退院する見通し。
 (2009年5月2日:国内Web報道/記事転載)


 感染国が確認された国は18ヶ国(813人)の内訳は、
 ・メキシコ473人、アメリカ195人、カナダ85人、コスタリカ2人。
 ・スペイン20人、イギリス15人 ドイツ6人、フランス2人
  オーストリア、スイス、オランダ、デンマーク、アイルランド、イタリア各1人。
 ・香港、韓国各1人
 ・ニュージーランド4人、イスラエル3人。
 死亡が確認されたのが、
 
・メキシコ19人、アメリカ1人。
 (2009年5月3日:国内Web報道/記事転載)



 *メキシコ発:新型インフルエンザ(A/H1N1/2009) 報道メモ(3)
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/b268edac5dec29723980e772834cb282

 *【 豚インフルエンザ(メキシコ発) 】:報道メモ(1)
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/da1c636c49df2d0436c4b8a5df106207

 

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【 豚インフルエンザ(メキシコ発) 】 ~2009年4月報道メモ(1)

2009-04-26 22:44:00 | 健康・医療・科学

 この記事は2009年4月に起きたメキシコ発の<豚インフルエンザ>の、
 感染と流行についての個人的なメモ(Web記事)です。
 新型に変化する可能性を含め終息まで日を追って更新します。
 
 メキシコ政府は現地時間4月24日、
 豚インフルエンザ(H1N1型)の人への感染が発生したと発表。
 これまでに1004人が感染、68人が死亡
 メキシコ国内では3月頃からインフルエンザが流行しており、
 豚インフルエンザが原因で死亡が確認されたのは20人。
 確認された地域は、
 メキシコ市、バハカリフォルニア州、サンルイスポトシ州、オアハカ州
 で死者が確認された。
 
 メキシコ政府の対応としては、
 ・インフルエンザと診断された患者に抗ウィルス剤を投与。
 ・住民にマスクの配布する。
 ・感染者の多いメキシコ市では市の公的行事、宗教行事、サッカーの試合を中止。
 ・首都の学校の休校措置に加え、図書館や博物館、劇場などの閉鎖を決定。

 メキシコシティ国際空港などにおいては、
 ・出国者に対して健康申告書の提出を義務付け。
 ・氏名・性別・年齢の他、感染症状の質問に回答を求める。
  (2009年4月25日:国内Web報道/記事転載)

 豚インフルエンザの感染者・死亡者の推定は25日現在で、
 ・感染者数:1324人。
 ・死者数  :81人
 死亡者のうち死因が豚インフルエンザと確定した人数は20人。
 
 メキシコ保健相の発表では、
 4月13日に確認された最初の患者は南部オアハカ州の女性。
 同保健相はメキシコの重症患者は20~50歳と、
 幼児や高齢者が少ない点を指摘。

 米疾病対策センターは25日。
 感染者の合計が計11人になったと発表。
 メキシコと国境を接するカリフォルニア、テキサス以外に患者の所在地が広がり、
 感染拡大への懸念が高まっている。
 いずれも症状は軽く入院している人はいない。

 厚生労働省の検疫強化。
 国際空港などにある検疫所に対しメキシコからの入国者について、
 発熱を感知するサーモグラフィー検査など検疫を強化するよう要請。
 メキシコと米国への出国者に対してもマスク着用や手洗い、
 うがいなど注意喚起を求めたチラシの配布を始めた。
 (毎日新聞:2009年4月26日/記事転載)

 豚インフルエンザについて世界保健機関(WHO)は25日夜、
 同日開催した緊急委員会の概要を公表した。
 委員会は現状について、
 「国際的な懸念を招くべき公衆衛生上の緊急性がある」との点で一致。
 チャン事務局長はこれを受けて各国に警戒を呼びかけた。
 新型インフルエンザの6段階の警告レベルを引き上げる決定は先送り。
 現在の警告レベルは下から3番目のフェーズ3。
 
(朝日新聞:2009年4月26日/記事転載)

 資料:【フェーズの警告レベル表】

 Ⅰ:人への感染リスクは低い。
 Ⅱ:人への感染のリスクのある動物での感染が流行。
 Ⅲ:動物から人への感染例の確認。
   ~人から人への感染はない。又は極めて限定的。
 Ⅳ:人から人への感染例の増加を確認。
 Ⅴ:人から人への集団感染が顕著に現れる。
 Ⅵ:世界的な規模での感染=大流行。

 メキシコの保健省は27日までに発表した、
 感染者数が1614人、死者数が103人となった。
 豚インフルエンザの感染は世界各地に拡大しており、
 米国で20人、カナダで6人の感染を確認。
 ニュージーランド、スペイン、フランス、イスラエルで
 感染の疑いがあるとされる。
 いずれもメキシコからの帰国後に発症。

 成田空港検疫所は27日、厚生労働省の指示に基づいて、
 メキシコ発の便が到着する29日から機内に立ち入り検疫業務を行う。
 医師を含む検疫官が機内に入り体調の悪い乗客に申し出るよう呼び掛け、
 問診票に連絡先などの記入を求める。
 また、
 赤外線で体表の温度を測るサーモグラフィーも持ち込み、
 着席した状態で発熱している乗客がいないかを調べる。

 日本政府は27日朝、当面の政府対処方針をまとめた。
 対処方針では、
 ・情報収集に最大限の努力を払い国民に迅速かつ的確な情報の提供。
 ・ウイルスの国内侵入防止のため検疫・入国審査の強化など水際対策の強化。
 ・ワクチンの製造について早急な対応。
 ・国内での患者発生に備え発熱相談センターと発熱外来の設置準備。
 ・電気・ガス・水道・食料品事業者に対する供給体制確認。

 舛添厚生労働相は、
 「季節性のインフルエンザ・ワクチンの製造を一時停止してでも
 こちら(豚インフルエンザ・ワクチンの製造)を優先したい。」
 と述べさらに、
 「タミフルは3380万人分の備蓄があり、必ず薬が行き渡るような体制。」
 を強調した。

 石破農水相は米国やメキシコからの輸入豚肉について、
 「出荷段階で滅菌されたもので全く問題ない。風評被害がないようにしたい。」
 と語った。
 (2009年4月27日:国内Web報道/記事転載)


 *メキシコ発:新型インフルエンザ:報道メモ(2)
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/be914af080066ae58054eacf1480c328

 

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インフルエンザ対策を考える、 ~封じ込めとマスクの効用。

2009-01-19 21:24:00 | 健康・医療・科学

 
 インフルエンザのニュースが巷を賑わせています。
 <新型インフルエンザ(H5N1)が懸念される中、
 <従来型インフルエンザ>に気になる情報が多く、 
 困惑しています。

 下記に各報道機関の記事を転載しますが、ワクチン(予防接種)の効果やタミフルの効能に疑問を投げかける数字に驚きを覚えます。
 ワクチンについては、3種ある(H1N1)(H2N2)(H3N2)インフルエンザ・ウィルスの内、種類が異なる場合は、効かないことは知られていますし、タミフル耐性ウィルスも欧米からの報告があり、報道を通して認知済みなので承知はしていましたが、同時に報告されることに戸惑いを覚えます。

 よく、病院に行ったら「風邪をうつされた。」との言葉を聞きますが、インフルエンザ流行期の待合室の危険に対して余り語られていないように思います。
 医院(内科)にかかる人は、風邪だけではなく、高血圧、糖尿病、疲労等、様々におよび、特に高齢者の方ほど持病のための通院が顕著です。
 院内の待合室で平気で咳やくしゃみをされる方を見かけますが、意外とマスクを着用している人は少ないように思います。

 インフルエンザ(流行性感冒)は、飛沫感染に原因を見出すことが多く、
 特に既に感染している人に対して、
 <
うつさない努力>を求める事が肝要です。

 つまり、
 自身の身体に疑わしい症状が認められる場合は、
 ・流行期における外出をしない。
 ・外出をする場合にマスクの着用を義務付ける。
 が予防に最適であると感じますし、

 家族(会社)にインフルエンザ感染者がいる人も同様に、
 ・外出する際は、マスクの着用を心がけることが必要。
 
であるとかんじます。

 
と言うのもインフルエンザの特徴として潜伏期間を考慮に入れると、
 2~3日後に発病する場合もあり、
 かつ病後、
 本人の症状が改善されても飛沫(会話中のツバ)にウィルスが残る場合も多く、
 <見た目が元気であるにもかかわらず人に感染させる可能性>
 が、非常に高いためです。

 ちょっと昔まで、
 「風邪をひいたら、他人にうつせば治りが早い。」
 
と冗談を言ったものですが、
 高齢化が進み、
 今後出現すると考えられる新種の危険ウィルスに対して、
 <ウィルスの封じ込めが国家の必須条件>であり、
 そのための対策が進められています。

 封じ込め対策として有効と考えられるのが、
 タミフル(その時々の新薬)の宅配

 インフルエンザ流行期(新型)において、発熱と症状が自覚された場合に、
 患者の外出を禁じ患者は病院や行政機関等の指定機関へ電話(通信)で症状を伝え、タミフル(または一番有効とされる新薬)を個別宅の郵便ポストに配達する手段。

 また、感染爆発(パンデミック)が起きた場合に速やかに、
 備蓄ワクチン(新型対応)を接種する手段として、
 ドライブスルー方式の検討も有効視されています。

 大袈裟な話に聞こえるかも知れませんが、
 <従来型インフルエンザですら院内感染において101人の感染者に対して3人の死亡。>
 
の事実を知れば、誰もが免疫機能を持たない<新型の脅威>に疑いを持つ方はいないでしょう。

 <新型インフルエンザの出現>を迎え撃つ前に、
 現在起きようとしている
 <従来型インフルエンザの感染爆発>
 どのように押さえ込むのか。

 今後起きる従来型インフルエンザの流行の一つ一つが、
 新型インフルエンザ対策の予防における予行演習であり、
 この流行を押さえ込まない限り、
 新型を押さえ込むことはできません。

 また、新しいマスクが次々と開発されていますが、手綱をゆるめることなく、
 湿式タイプの物や、マスク内で両鼻に詰め込む二重構造のマスクなど
 新型マスクの開発は、今後の世界的な需要の増大が見込めそうです。
 
*イメージですが湿式は、携帯型口臭スプレーのようなものをマスクの上から噴射するタイプ。二重構造は、自由に変形する耳栓のように鼻栓を直接鼻の穴に入れ、その上からマスクをすることでウィルスの侵入を防ぐタイプ。ただし、いずれにしても呼吸をし難いことが予測されますので、そのデメリットをどのように克服するかが課題でしょう。

 行政も民間もあらゆる方策を考え、
 従来型インフルエンザを封じ込める手段を講じることこそ、
 最良の新型対策(シミュレーション)
であることに、
 私は疑いを持ちません。

 そのことから、
 関係機関の対応に期待を求めます。
 

 <資料:国立感染症研究所感染情報センター>
 *インフルエンザ・マップ
 https://hasseidoko.mhlw.go.jp/Hasseidoko/Levelmap/flu/new_jmap.html

 *インフルエンザQ&A
 http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/index.html


 ~下記、報道機関の記事:転載。

 *東京都町田市にある高齢者の認知症治療専門病院で、入院患者77人と病院職員24人の計101人が相次いで、インフルエンザに感染していたことが分かった。
 感染者に対し、インフルエンザ治療薬「タミフル」を投与するなどしたが、100歳、85歳、77歳の患者3人が亡くなった
 亡くなった3人の内2人は、インフルエンザの予防接種を受けていた
 また、
 同院では職員の91・6%、患者の88・7%がインフルエンザワクチンを接種していたが、接種した職員や患者の多くも感染したという。
 (2009年1月18日:日本経済新聞)

 *東京・町田市の病院で入院患者のお年寄り3人が死亡したインフルエンザの集団感染について東京都は、病棟内の湿度が十分に保たれていなかったことが感染を拡大した要因の1つになった可能性もあるとみて感染の拡大の経緯を詳しく調査することにしている。
 病院によると、今月3日、最初に職員の感染が確認されたあと、今月6日に1つの病棟で4人の入院患者の感染が確認され、その6日後の12日には、7つの病棟にまで患者に感染が広がったという。
 病院側は13日、保健所に対して室内の湿度は15%~25%くらいだと伝え、その翌日に東京都が立ち入り調査をした際には部屋によって湿ったタオルがぶら下げられていたが、加湿器が置かれているような状況はなかった。
 東京都によると、インフルエンザの感染予防には室内の湿度を50%から60%に保つことが有効だということで、東京都では病棟内の湿度が十分に保たれていなかったことが感染を拡大した要因の1つになった可能性もあるとみて、感染の拡大の経緯を詳しく調査することにしている。
 (2009年1月18日:NHKニュース)

 *厚生労働省は16日、今冬流行しているインフルエンザウイルスを国立感染症研究所が調べた結果、11都道府県で採取した、
 Aソ連型ウイルス(H1N1)35株のうち34株(97%)が治療薬タミフルに耐性を持つウイルスだったと発表した。
 流行している3種類のウイルスのうち
 Aソ連型の患者は、全体の約3分の1
という。
 ワクチンは有効と推測されるが、これらの患者にタミフルを投与しても、十分な効果が期待できない可能性が出てきた。
 昨シーズンに日本国内で流行したウイルスの調査では、Aソ連型のうちタミフル耐性だったのは2.6%にすぎず、欧米などで既に高い割合で見つかっている耐性ウイルスが日本に本格的に上陸したことが裏付けられた。
 同省は「検査したウイルス株数は限られており、引き続き発生動向を注視したい」としている。
 感染研は全国の地方衛生研究所を通じ、インフルエンザの流行状況を観測している全国約4700の定点医療機関の約1割を対象に、患者から検体を採取。
 届いた検体を調べ8日現在でまとめた。
 (2009年1月16日:自治通信/記事転載)

 <ブログ内・関連リンク 
 新型インフルエンザ :H5N1~パンデミックの恐怖~
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/f9c1c1a11f44d3736cd17446f03b4996
 
 *新型インフルエンザ: 感染爆発に備えろ。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/5b76986ef3ce7ee3befc9bc7b94a3a38

 *ウイルス学者:ナンシー・コックス:新型インフルエンザと戦う。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/24912f3e8458a6bef2a4104a306ef0cc


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新型インフルエンザ: 感染爆発に備えろ、~サイエンスZERO。

2008-12-18 23:11:11 | 健康・医療・科学

 
 サイエンスZERO
 「新型インフルエンザ:H5N1型
  ~感染爆発(パンデミック)に備えろ。~

 放送局 :教育/デジタル教育1
 放送日 :2008年12月19日(金)
 放送時間 :午後7時~午後7時45分(放送終了)


 
<mimifukuから、一言。>

 最近民放テレビでも
 <新型インフルエンザ>の話題をよく耳にしますし、
 この一週間でも同名タイトルを新聞記事テレビ欄で見かけました。

 関心が高まることは結構なのですが、こうした医療の番組を放送する民放テレビでのコメンテーターの認識不足は顕著なことが多く、かつ怪しげな医師?が、「私は、すべてを知っています。」といった物知り顔で偏った意見を披露することも多く、視聴推薦できません。
 そのため、どうしても専門的な項目は、切り口の硬派なNHK(特にBS)の放送を紹介してしまいます。

 最近このテーマを調べてみて思うのですが、
 この
 「新型インフルエンザ」を、
 <インフルエンザ>と、
 表現することは違うのではないかと感じます。

 <H5N1ウィルス>は、確かにインフルエンザの定義である流行性感冒に属するウィルスの1つですが、私達がイメージする冬限定のインフルエンザ(寒さと乾燥による流行)とは違い、世界のあらゆる気候条件の中で無季に感染する別種の<新型ウィルス>と認識したほうが、多くの方々に危機管理体制を示すことができるように思います。
 感染爆発が起きていない状況での、
 <H5N1ウィルス>の真実を知る人は、世界の中で誰一人おらず、現在進行している対策はすべて推測の域を超えていません。

 さらに不安なことは、
 <H5N1ウィルス>以外の
 <新種の変異も発見>されており、新種も巻き込んだ数種類の同時感染爆発を想定した場合、絶えず後処理でのワクチン製造に迫られ、世界は大混乱の継続を余儀なくされるとの報告もあるようです。

 今回紹介する番組は、科学の目から捉えた感染爆発の阻止をテーマに現在研究されている対策について語られる番組。

 人類の英知を賭けた戦いは、
 <新型ウィルス>だけではなく、
 今後の気象変化の中で、
 <突然変異で生まれるウィルス>や、
 <従来の強力病原体>の感染地域の移動などを考慮に入れれば、
 決して無駄にはならない必要な対策のヒントになる可能性もあり、
 関係各位は必見の番組であると感じます。

 無用な不安を煽ることなく粛々と、
 しかし、
 速やかに感染爆発の対策想定レベルを上げる必要性。

 そんなことを感じながら、視聴したいと考えています。


 <番組を見て。>

 予想以上に実りの多い番組でした。
 番組を見て、感染爆発に対して少しだけ希望が持てますし、
 なによりも研究者の方々の執念を感じます。
 詳しくは書きませんがメモ程度に下記に記載します。


 <詳細な番組メモ。>

 *2008年9月10日現在の<鳥インフルエンザ>の感染。

 ・15カ国、387人発症、245人死亡。
 ・ただし、これは、あくまでも<鳥インフルエンザ>であり、
 ・人から人へと感染するものを<新型インフルエンザ>と言う。 

 *ウィルスの正体は。

 ・すべてのインフルエンザウィルスは、鴨(カモ)に由来する。
 ・鴨の持つインフルエンザ・ウィルスは、144通り。
 ・ウィルスの表面には、HAとNAの2種類の突起がある。
 ・HA=16通り、NA=9通り、の組み合わせ(16×9)。
 ・鴨の持つウィルスが、鶏、アヒル、七面鳥等に感染すると猛烈な毒性を持つ。
 ・鴨の持つウィルスが、豚に感染し、それが人の感染すると見られる(新型の感染予測)。
 ・北海道大学では、すでに144種類のウィルスの総べてを揃えている。

 *過去の新型インフルエンザの大流行。

 ・1911年:スペイン風邪(H1N1)
  ~日本では、約40万人、世界では、4000万人以上が死亡。
 ・1957年:アジア風邪 (H2N2)
 ・1968年:香港風邪  (H3N2)

 *ワクチン。

 ・新しいワクチン
 =経鼻ワクチン(直接鼻へワクチンを噴射し免疫力高めウィルスの進入を防ぐ=試作段階。)
  
 
*新薬。

 ・ダチョウの卵
 =ダチョウは、ウィルスの抗体を卵の黄身に溜め込む習性があるので、抗体を作るためのウィルスを注射し、新型インフルエンザウィルスの抗体を作る。
 その後、人に応用するため抗体の分子構造から有効な部分を取り出す。
 1羽のダチョウから半年間で8万人分の抗体を作り出すことができるとされる。
 現時点では研究段階だが、ダチョウの抗体入りマスクは既に実用されている。

 *空港での検疫。

 ・サーモ・グラフィの設置=体温検知による入国制限。
 ・レーザー光線と蛍光たんぱく質によるウィルス検知。 

 *番組のキーワード。

 ・季節性インフルエンザ(従来型)
 ・高病原性鳥インフルエンザ
 ・迫田義博准教授(北海道大学)
 ・長谷川秀樹さん(国立感染症研究所)
 ・塚本 康弘教授(京都府立大学)
 ・長谷川 慎講師(長浜バイオ大学)


 <関連リンク:番組ダイジェスト 
 新型インフルエンザ :H5N1
   ~パンデミックの恐怖~
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/f9c1c1a11f44d3736cd17446f03b4996
 

  ~以下、NHKホーム・ページより転載。
 
 「最悪の場合で、国内で64万人が死亡」と厚生労働省が試算する新型インフルエンザ。
 新型インフルエンザになる可能性が最も高いと考えられるのが、H5N1型と呼ばれる“鳥インフルエンザウイルス”。
 感染力や毒性が非常に強く、ヒトからヒトへ感染するウイルスに変異した場合に最悪のシナリオが予想されている。
 いま世界中でこのウイルスをはじめとした新型インフルエンザウイルスの感染を回避するための方法についての研究が急がれている。
 その一つが、新型ワクチンの開発だ。
 ワクチンの接種はこれまで注射によるものが一般的だったが、それに代わるものとして注目されているのが鼻に吹き付ける“経鼻ワクチン”。
 インフルエンザウイルスがヒトの体内でまず増殖を始めるのが鼻やのどの粘膜。
 ここにワクチンを吹き付けて抗体を作ることで、ウイルスが体内に入り込む前に感染を抑えようというものだ。
 国立感染症研究所では、免疫反応を活性化させる新たな物質を用いることで有効な経鼻ワクチンの開発、実用化をめざしている。
 さらに、体内に侵入したウイルスの働きを抑える薬の開発も進んでいる。
 京都府立大学ではダチョウがインフルエンザウイルスの抗体を卵黄に貯めこむ性質を利用して、短期間に大量の抗体薬を作り出す研究をしている。
 この方法ではウイルスの種類を特定後、わずか二週間で薬として使うことができるようになるという。
 国際空港などでは感染者を早期に確実に見つけられるような仕組み作りや、新たな分析装置の導入が進んでいる。新型インフルエンザの感染爆発を防ぐための最新研究に迫る。


 【出演】 キャスター:安めぐみ
              :山田賢治アナウンサー
      専門家ゲスト:奥野良信(阪大微生物病研究会・観音寺研究所長)
       コメンテーター:黒崎政男(東京女子大学教授)
 

 <政府:行動計画>

 政府は2008年11月28日。
 新型インフルエンザに対する国の対策の基本になる行動計画を全面改定した。
  従来の計画より「ウイルスの国内侵入を防ぐのはほぼ不可能」との前提で、
 (1)感染拡大を抑制して健康被害を最小限にとどめる。
 (2)社会・経済を破綻に至らせない。
 との目的を明確化した。
 一般から意見聴取したうえで、年明けに正式決定する。

 また厚生労働省の専門家会議などが策定した指針を格上げして10分野のガイドラインを新たにまとめた。
 05年12月に策定された行動計画は、世界保健機関(WHO)が宣言する世界的な流行段階(フェーズ)で対策を分類していたが、新たに国内の状況に応じた5段階に整理し直した。
 従前の大きな対策の一つだった「封じ込め」は、地域の完全封鎖が困難なため「蔓延(まんえん)防止」に改めた。

 対策は各段階で、▽ワクチン▽医療▽社会・経済機能の維持など9項目。
 医療では、国内発生早期には感染者全員を入院させる一方、感染拡大期には病床確保のため重症者以外は在宅療養に切り替える。
 鳥インフルエンザウイルスから作ったプレパンデミック(大流行前)ワクチンを効果次第で未発生期から接種することや、タミフルなどの治療薬の備蓄量を人口の45%分に引き上げる方針も示した。
 被害想定は変更せず、人口の25%が感染して致死率が中程度(0・53%)の場合、最大64万人が死亡、1日の入院患者は発生5週目に10万1000人に達し、社会人の4割が欠勤すると見込んだ。


 ■行動計画に示された主な対策■

 (1)未発生期

 ・プレパンデミックワクチンの事前接種開始。


 (2)海外発生期

 ・ワクチンの製造開始。
 ・外国人の入国制限、在外邦人の帰国支援。
 ・国際便の運航自粛。


 (3)国内発生早期

 ・発熱外来で感染者を振り分け。
 ・感染者に対する入院勧告。
 ・感染者の家族らにタミフルの予防投与。
 ・外出自粛、一斉休校、企業の業務縮小。


 (4)感染拡大期・まん延期・回復期

 ・全医療機関で感染者治療。
 ・感染者の入院を重症者に限定。
 ・タミフルの予防投与を原則見合わせ。
 ・遺体一時安置施設の確保。


 (5)小康期

 ・外出自粛の解除や学校再開の検討。

 <毎日新聞:2008年11月28日記事転載>

 【関連記事】

 <万能ワクチンのニュース>

 新型インフルエンザを含め、あらゆるタイプのインフルエンザウイルスに効く可能性があるワクチンを厚生労働省の研究班が開発した。
 すでに、マウスを使った動物実験で効果を確認している。
 ただ、人間に接種した場合の副作用などを詳細に調べる必要があり、実際に実用化されるにしても数年はかかる見通し。
 研究班は、国立感染症研究所と北海道大、埼玉医科大、化学メーカーの「日油」(東京都)。
 1月27日(2009年)に感染研で行われた専門家の会合で中間発表が行われた。
 現在使われているワクチンは、インフルエンザウイルスの表面にトゲのように突き出しているタンパク質を元に製造している。
 ワクチンによって体内に作られた抗体がトゲ状のタンパク質を確認して増殖を防ぐ仕組み。
 しかし、トゲ状のタンパク質は、毎年のように形が変異するため、そのたびにワクチンを製造し直す必要がある。
 開発中のワクチンは、トゲ状のタンパク質に比べて変異しにくいウイルス内部のタンパク質に注目して製造された。
 抗体が内部のタンパク質を確認すると細胞そのもののを攻撃し増殖を防ぐ。
 製造されたワクチンは、今季流行している「Aソ連型」と「A香港型」、さらに新型インフルエンザに変容する可能性がある「H5N1型」の鳥インフルエンザの3種類に共通する内部タンパク質を元に作られた。
 ワクチンをマウスに接種して、それぞれのインフルエンザウイルスを感染させたところ、ウイルスの増殖が防げたことが確認されたという。
 マウスには人の遺伝子が入れられており、人にも効果が期待できるという。
 研究班は今後、ワクチンメーカーを選定し、人間に接種した場合の安全性を確認後、実際に人を使った治験(臨床試験)を行うという。
 (MSN産経ニュース/2009年1月28日:記事転載)‎


 

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「ナンシー・コックス:新型インフルエンザと戦う。」 NHK-BS1

2008-11-21 23:31:00 | 健康・医療・科学

 
 未来への提言
 「ウイルス学者:ナンシー・コックス」
   ~新型インフルエンザと戦う~

 放送局 :NHK-BS1
 放送日 :2008年11月22日(土)
 放送時間 :午後10:10~午後11:00(放送終了)
 (再放送は、2008年11月24日:午後1時10分より、放送されました。)

 <mimifukuから、一言。>

 今朝(11月21日)、大阪の出張先で読んだ新聞で、新型インフルエンザの記事が一面に掲載されていた。
 帰宅して、9時のBSニュースを付けたら、番組冒頭で新型インフルエンザのニュースを扱っていた。

 新聞記事では
 厚生労働省の専門部会での初期段階での感染拡大を抑制する指針。
 *感染の確認が認められた時点で、即座にその都道府県が管内する、すべての幼稚園や小中学校、高校などに対し臨時休校を求める。
 *コンサートや映画館など不特定多数が集まる施設に対しても営業や活動の自粛を求める。
 *近隣の県でも、感染者の通勤・通学状況などを踏まえ、休校などの措置を検討する。
 *閉校措置の解除については、感染状況をみながら都道府県が厚労省と協議する。
 <朝日新聞 :Web記事より転載。>
 などが記載されていた。

 夜のニュースでは、
 新型インフルエンザが大流行した場合、国は、国民の25%が発病すると想定してる。
 しかし、、国立感染症研究所が首都圏を対象に行ったコンピューター・シミュレーションの結果、この2倍に当たる50%以上の人が発病する恐れがあるという試算をまとめた。
 人と人の至近距離での接触が多い(満員電車や商業施設等のパブリック・スペースでの)首都圏(他、人口が集中している都市部)での細菌感染は避けがたく、専門家は、国の出している想定の見直しが必要だとの見解を示している。
 <NHK:Web記事より編集:転載>

 以前にこのブログでも新型インフルエンザについて記入していますが、深刻な事態想定への対処もいずれ調べて行きたいと考えています。
 丁度、新型インフルエンザの世界的な研究者ナンシー・コックスさんの番組が放送されるので、私は録画しようと決めています。
 
 とにかく、何時何処で最初の感染が起きるのか誰にもわかりませんが、
 <感染の封じ込めの手段は、政治命令による危機管理の瞬間>
 
にかかっていますし、危機管理体制のプログラムを今のうちから準備する必要性については言うまでもありません。

 パンデミックが起きた翌年以後は、有効な予防接種(ワクチン)の方法も見つかるはずですので、特に<初年度の感染封じ込め>が肝要であり、国際協調の中で空港閉鎖等も考慮に入れる必要が生じるかもしれません。
 世界の誰一人、免疫機能を持っていない不確定な病原菌の暴発を防ぐ方法は、最初の一歩の処理の適用性しかありません。
 
 新型インフルエンザについては、今後このブログ内でも大きな話題として取り上げていくつもりです。
 

 <番組内容:NHKホーム・ページより転載。>

 世界のキーパーソンに徹底インタビューする番組。
 今回は、世界的な大流行(感染爆発・パンデミック)が懸念される、新型インフルエンザと戦う著名なウイルス学者のナンシー・コックス博士(60)。
 CDC(アメリカ疾病対策センター)のインフルエンザ予防局長を16年にわたって務めている。
 今、世界中で、毒性の高い鳥インフルエンザが鳥から人に感染し、死者が出ている。
 この病原体、H5N1ウイルスが更に変異を起こし、人から人に感染する新型インフルエンザとなった場合、パンデミックによって、日本で64万人、世界全体で1億人が犠牲となるという予測もある。
 コックス博士は、新型インフルエンザのウイルスやワクチンの研究に取り組むとともに、アメリカそして世界のパンデミックを防ぐための対策を推進している。
 2006年には、タイム誌の 「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた。
 膨大な犠牲者を出したスペイン風邪や香港風邪の被害を大きく超えることが確実視されている新型インフルエンザのパンデミック。
 それはもはや「起こるか起こらないか」ではなく、「いつ起こるか」が焦点となっている。
 被害を最小限に食い止めるには何が必要なのか、コックス博士に聞く。

 【出演】アメリカCDCインフルエンザ予防局局長…ナンシー・コックス,

 【聞き手】押谷仁(東北大教授)

 <関連リンク:番組ダイジェスト> 
 新型インフルエンザ :H5N1
   ~パンデミックの恐怖~
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/f9c1c1a11f44d3736cd17446f03b4996

 

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