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mimi-fuku通信

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東日本巨大地震:物資の遅配&通信の役割&政府に求められる事。

2011-03-18 18:12:14 | 政治・社会・時事

 大量の援助物資が全国津々浦々から東北の被災地区に到着している
 と言う報道とは別に、
 被災地の各市町村には物資が届いていない所も多いらしい。
 なぜだろう?

 私の地元に置き換えてみれば、
 金沢市には多くの物資が入ってきているが、
 能登半島の小さな山村部には物資が入っていない
 と言う事なのだろうか?

 あるいは物資が到着してはいるが、
 その先に運ぶ道路がないのか?燃料がないのか?

 通信が途絶えた環境の中での平等分配の難しさ。
 同じ所には物資が潤沢に入るが違う所にはまったく届かない。
 通信が切断されている事で、
 何処に分配し何処に分配していないのかの確認作業もできないのかも?

 広域災害で通信がない事の混乱は予想できる。
 では物資は何処に持っていけばよいのか?
 公共機関なのか?避難所なのか?
 特に重要な場所としての、
 医療機関には物資は配達されているのだろうか?

 被災地での通信手段は何があるか?
 電気がない事を前提として、
 ガソリンがあればラジオは聞くことができるのか?
 ガソリンがあればカーナビでテレビを観る事ができるのか?
 
 ガソリン・スタンドの状態は如何なるものか?
 破壊されたスタンドが多いのか?
 タンクローリーさえつけば燃料分配が可能なのか?
 全国から入っているはずのタンクローリーは、
 自分達が何処へ行けばよいのか把握しているのか?
 同じスタンドばかりに給油がおこなわれているのではないか?
 
 タンクローリーの拠点場所は決められているのか?
 拠点場所から必要(適当)な場所に、
 何かの行政機関が誘導し平等分配しているのか?
 
 ガソリンスタンドにはどのくらいの行列ができているのか?
 個人用の自動車のガソリンと物資を分配するための車両のガソリン。
 優先順位は決められているのか?
 物資を運ぶ自動車も同様に2時間以上またされているのか?

 また地方の報道機関は、
 全国に自分達の惨状を伝える事に熱心になりすぎて、
 足元の的確な情報(何処へ行けば何があるか?)を伝えているのか?

 災害72時間は人命救助。
 災害7日間は人命の保護。
 通常の災害では7日~10日間で、
 ある程度のインフラが回復するのだが
 広域大災害はいまだに孤立している人が2万人近い。

 こうした場合に個人の行動は制御(制限)され、
 優先順位に基く分配(配給=買いだめの防止)が、
 なされるべきなのだが通信が途絶えていては不可能に近い。

 では何をすべきか?

 例えば、
 病院や高齢者ホームなどは優先順位の1番にするとして、
 地域の“小学校”であれば徒歩可能区域にあるはずなので、
 先ず小学校だけには物資を優先に運び、
 個人個人(あるいは地域の代表)で配給分を取りに行く。
 小学校であれば“児童の数”さえ把握できれば、
 その地域の住民人口は凡そ把握できる。
 ~変わりに中学校や高校や市役所には配分(優先順位)しない。
 ~小学校のない地域には地元の自治体(人の力)で平等分配を行う。

 そうした取り決めを決め、
 行政機関は警察や自衛隊の通信を利用し自治体に連絡。
 さらに、
 ラジオやテレビ等の情報機関で物資の受け取り場所を伝達。

 何かの“取り決め”を決めなかれば混乱は増すばかりだし、
 ガソリンの給油は物資の分配を目的とした車両を優先するため、
 優先車である事を証明する目印(プレートや自治体証書)の作成。
 ~でないと無秩序に混乱が続くばかりだ。

 通信がない中での通信の役割。
 広報車の活用やラジオ・口コミの活用。

 政府にお願いしたいことは、
 原発ばかりに気をとられないで、
 被災地では現時点で何をすべきか!
 を伝達して欲しい。

 更に重ねて確認したい事は、
 明日からの“3連休”で物資や燃料を運ぶために必要な機関が、
 休日出勤の体制をとっている営業所は存在しないか?
 ドライバー不在の危険物の配達は考えられない。
 
 
 早々。

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ムバラク政権転覆(2011.2.11):エジプトの市民革命(ネット革命)に想う。

2011-02-12 19:55:00 | 政治・社会・時事

 未来の中高生達の世界史の教科書にのるような大きなニュースがあった。
 通信の発達により市民の意志を結びつけたインターネットを手段とする市民革命。
 チュニジアで起きた変革はアラブの強国(大国)エジプトの政権さえも転覆させた。
 思い起こせば世界が驚愕したサダト大統領の暗殺事件(映像)から30年。
 副大統領から昇格したムバラク大統領が振り下ろしたナタは、
 サダト大統領の暗殺を実行したイスラムの過激分子の一掃からはじまる。
 サダト大統領の暗殺の大きな要因となった、
 キャンプデービット合意によるイスラエルとの和平。
 ムバラク大統領の困難な立場(国家状況)での政権委譲は、
 サダト大統領の暗殺と言う異常事態により実現し、
 異常事態を収拾するための強権政治は“権限の独裁”につながった。

 今日は堅苦しい話題とは違った、
 “想い=イメージ”も文字にしようと思う。
 新しい文化・文明とのつながり。
 先般放送された、
 大河ドラマ“江・姫たちの戦国”の序盤ハイライト“本能寺炎上”の主役:織田信長。
 今週(先週に引き続き)に集中放送された
 “坂本龍一:スコラ・音楽の学校”の特別講座(1)で語られたベートーヴェンとナポレオン。

 織田信長をイメージするキーワードとしての鉄砲とバテレン。
 クラシック・ファンがナポレオンをイメージするキーワードとしての、
 ベートーヴェンの“エロイカ”とチャイコフスキーの“1812年”。
 美術ファンがイメージするナポレオンはジャック=ルイ・ダヴィッドの、
 『ナポレオンの戴冠式』や『アルプス越えのナポレオン』かも知れない。
 ~ダヴィッドは信長に使える狩野永徳のような存在?

 安土・桃山の時代の革新は新しい文明と文化が花開いた時代。
 西洋より持ち込まれた鉄砲(文明)とキリスト教(宗教=文化)は、
 それまでの“常識にしがみついていた者”の既得権を排除した。
 おそらくは、
 西洋の文明と出会うことで意識改革(慣習の非合理を否定)
した信長の快進撃。
 そして、
 信長自身の意識改革から重用され下層階級から出世の道を歩んだ豊臣秀吉。 
 安土・桃山時代の象徴としての(農民出身とされる)秀吉の手による天下統一は、
 日本人にとっての“階級革命”でもあった。
 ~南北朝時代(不安定な統治)以後に顕著となった下克上と呼ばれる社会変化も要因?

 ナポレオンの出現は、
 王政に反発した国民(市民)によるフランス革命で手に入れた人権宣言の時代。
 しかし、
 新たに政権に就いたジャコバン派(等)による行き過ぎた恐怖政治への移行。
 市民の不安は軍による平静と統治を英雄(ナポレオン)に託した。
 ~後にナポレオンのロシアでの敗北(1812年)、ウィーン会議、2月革命、7月革命と続き、
   フランスで起きた市民による革命運動の流れは周辺諸国の変革への動きを加速された


 “坂本龍一:スコラ・音楽の学校”で語られたベートーヴェン。
 市民による民主的な政治をナポレオンに期待し作曲された『英雄交響曲』(第3番)。
 しかし、
 ナポレオンが“皇帝の座”につくことで民主政治への希望を失ったベートーヴェンの怒り。
 破り捨てられたエロイカ・シンフォニーにまつわる有名な話は現代にも語り継がれている。
 また、
 ナポレオンの時代以後のベートーヴェンの作風(音楽表現)は劇的に変化し、
 “時代に感化される芸術家の作風の変化”についても番組では述べられた。

 話を戻そう。
 2011年2月11日(現地時間)エジプトで起きた市民革命の結末。
 欧米諸国(日本を含む)で開発され世界に配布された、
 ・市民同士の意思疎通を容易にする通信ネットワーク手段(=文明)。
 ・通信革命により簡単に手に入る世界の情報(文化=異なる思想・行動の収得)。

 チュニジアで起きた“世界の潮流にとっての小さな出来事”が、
 結果として、
 素早く反応したエジプト市民(特に若年層)による“大きな変革”につながり、
 アラブ諸国の民主化運動へと急速に加速する予感と不安は、
 アラブ諸国が求める市民の民主化とは何かを学ぶ機会となるだろう。
 ~エジプト国民の80%以上がイスラム教信者である事実も考慮。

 さらに世界の大国となった、
 隣国:中国が怖れる“市民の民主化運動”の高まりへの不安要素。
 ~さらにアラブ・中東諸国をめぐるアメリカとのパワー・バランスの変化。

 目の前で起きている、
 未来の中高生達の歴史の教科書に記載される大きなニュース。
 私達は日本国民は対岸の大きな潮流の変化を、
 冷静な目で捉え伝える必要に迫られている。
  

 ~以下Web記事転載。

 『エジプト独裁30年で幕:ムバラク政権崩壊』
 *中日Web http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2011021202000179.html
 
 エジプトで続く反大統領派デモを受け、
 スレイマン副大統領(75)は11日午後(日本時間12日未明)、
 国営テレビを通じムバラク大統領(82)の辞任を発表した。
 30年にわたるムバラク体制は崩壊し、
 国政は暫定的に軍最高評議会が担うことになった。
 チュニジア政変に続きエジプトでも反政府デモをきっかけに、
 独裁政権が倒れたことでアラブ世界は歴史の転換点を迎えた。
 
 
ムバラク大統領は同日家族とともに首都カイロを脱出、
 エジプト東部の紅海沿岸の保養地シャルムエルシェイクに到着した。
 軍最高評議会の議長にはタンタウィ国防相(75)が就任。
 同評議会は声明で、
 「偉大なる人々の願いを実現するための方策を検討している」と表明し、
 民主化に向けた具体的な日程などは後日発表する方針だ。

 最大野党の穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団幹部は、
 AFP通信に対し、
 「偉大なるエジプトの国民、軍に敬意を表する」と述べた。
 反大統領派に加わっていた、
 国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏(68)は、
 「私の人生で最良の日だ」と語った。

 ムバラク大統領退陣を求めるデモは1月25日に始まった。
 チュニジアのベンアリ前大統領(74)を同月14日に亡命に追い込んだ、
 “ジャスミン革命”に触発された若者らが、
 インターネットの簡易ブログ:ツイッターなどを通じデモへの参加を呼びかけた。

 ムバラク大統領は首相以下の内閣総辞職や、
 9月までに行われる次期大統領選への不出馬表明、
 スレイマン副大統領への権限委譲など次々と妥協策を繰り出したが、
 デモは収束せず辞任は避けられない情勢だった。

 ムバラク大統領はエジプト北部メヌーフィヤ県生まれ。
 1973年の第4次中東戦争では空軍司令官としてイスラエルへの奇襲を指揮し、
 75年に当時のサダト大統領から副大統領に抜てきされた。
 イスラエルと平和条約を調印したサダト大統領が81年に暗殺され大統領に昇格した。

 【ムバラク政権下のエジプト】
 1981年10月。
 暗殺されたサダト大統領の後継者として、
 空軍出身のムバラク副大統領が国民投票を経て就任。
 イスラエルと平和条約を結んだサダト路線を継承するとともに、
 軍を掌握し約30年間にわたり独裁体制を敷いた。
 1981年以来治安当局に強大な権限を与える非常事態法が出されたまま。
 エジプトは人口約8300万人。
 正規軍約46万人のほか、
 内務省所属の中央治安警察軍約32万人。
 2009年の国内総生産(GDP)は約1884億ドル(約15兆7000億円)で、
 観光業や石油輸出、スエズ運河の通航料が主な外貨収入源。 
 (2011年2月12日:共同)

 『社説:エジプト国民が覆した世界の独裁の常識』
 *日経→ http://www.nikkei.com/news/editorial/

 【エジプトのムバラク大統領の辞任】
 1月25日に始まった反政府デモは、
 30年近く続いた独裁体制を18日間で倒した。
 驚くべき速さだ。
 インターネットを通じて広がった国民の連帯による独裁打倒は、
 これまでの国際政治の常識を変える。
 アラブで最大の人口を抱え地域の安全保障の要であった国の激変は、
 中東をめぐる国際関係に大きな影響を及ぼすが国際社会は変化を歓迎し、
 民主化が着実に進展するよう支援していく必要がある。

 【体制移行の課題も多く】
 エジプト国民が求めたのは過去の政治への明確な決別である。
 政治の権限はとりあえず国軍の最高評議会に委ねられた。
 政治危機の中で軍は中立的な立場を続け権威を保ってきた。
 軍首脳の中にはムバラク側近とみなされてきた人もいるが、
 国民の多くは軍に信頼を置く。
 軍は早急に民主化の手順、
 政治改革の行程表を明確に示さなければならない。
 公正な選挙の実現に向けて、
 野党勢力の大統領選立候補を困難にさせていた憲法の改正。
 通常の司法手続き抜きに反政府勢力を拘束できる根拠となっていた、
 非常事態法の解除を急ぐ必要がある。
 オバマ米大統領は「エジプトの民主化は始まったばかりだ」と指摘した。
 民主的な政治体制への移行にあたって、
 課題が山積していることも認識しなければならない。
 革命を先導したのはフェイスブックやツイッターなど、
 新しいメディアを通じたインテリ中間層のネットワークだ。
 宗教色は比較的薄い。
 だがムバラク政権打倒に結集した国民のすべてが、
 西欧的な“市民社会”を目指しているわけではない。
 事実上の最大野党であるイスラム原理主義組織“ムスリム同胞団”の、
 幹部の多くは大学教師や弁護士、医師などだが、
 イスラエルとの平和条約破棄、イスラム法の徹底などの原則論を掲げる。
 国内の警戒感も根強いし、
 イスラエルや米国はさらに強く同胞団の台頭を警戒する。
 同胞団への国民の支持がどのくらい強いかについては見方が分かれるが、
 同胞団が武力闘争路線をとらず複数政党による選挙制を是とする勢力である以上、
 これを排除することはできない。
 むしろ“こうしたイスラム勢力”をいかに政治改革のプロセスに加えていくかが、
 これからの中東の民主化で重要になる。
 ムバラク政権打倒のデモで同胞団は積極的に前面に出ず、
 次の政権をめざす意思もあいまいにしている。
 その背景には高率の失業やインフレへの不満を、
 短期間に解消するのは難しいという事情があるようだ。
 選挙を経て生まれる新政権が安定するか否かも経済情勢次第だ。
 イスラエルとの平和条約締結から30年以上を経て、
 戦争の悲惨さや軍事対決による経済の疲弊を知らない世代が、
 今やエジプト国民の多数を占める。
 イスラム勢力でなくても“反イスラエルや反米”の感情はかなり強い。
 そうした感情が政治の前面に出るのを封じてきた独裁政権の崩壊によって、
 中東和平をめぐる政治環境は大きく変わる可能性もある。
 長年独裁政権を外交のパートナーとし独裁下の“安定”に頼ってきた、
 米国も欧州諸国も日本、外交戦略の練り直しが必要だ。
 重要なのは民主化で自由にものを言えるようになるだけでなく、
 国民の多くが生活もよくなったという実感を抱けるようにすることだ。
 これまで米国の援助は軍事中心、日本の援助はハコモノ中心だった。
 エジプトでは日本の協力による科学技術大学も最近開校した。

 【国民に資する援助に】
 “新たな産業、人材の育成、雇用創出、生活環境の改善”
 に結びつくような支援に日本はもっと力点を置くべきだ。
 それは、
 中東やアフリカで強権的な政権と緊密な関係を結んで、
 資源の確保などを進める中国と異なり、
 相手国の国民から感謝される形で絆を強めることにつながる。
 所得水準が高く所得税も存在しないサウジアラビアやアラブ首長国連邦など、
 湾岸アラブ産油国に革命的な動きが一気に広がる可能性は現段階ではまだ小さい。
 だが、
 エジプトの独裁崩壊のインパクトは大きく、
 他のアラブ諸国も政治改革の道筋を示さないと、
 中長期的な安定は確保できなくなる。
 日本がエネルギー資源の多くを依存するこの地域の国々の、
 政治改革や雇用創出への側面支援は経済安全保障戦略としても重要である。
 経済成長の半面での人権抑圧や若年層の雇用の問題やインフレの重圧は、
 世界の多くの新興国・発展途上国にも共通する。
 中国も例外ではない。
 今回のエジプトの政権崩壊に最も神経質になり、
 情報統制を強めているのは中国だ。
 新しい形の「革命」の影響は中東を超えて世界に広がりつつある。
 さまざまな不確実性もはらんだ変化の行方に目を凝らす必要がある。
 (2011年2月13日:日本経済新聞社説・記事転載)

 『社説:エジプト革命、変わるアラブの模範に』
 *毎日→ http://mainichi.jp/select/opinion/

 【まるで大河のようだ】
 膨れ上がる民衆が口々に大統領辞任を訴えて行進する。
 首都カイロの広場でも大統領宮殿の前でも。
 これほど大規模で怒りのこもった集会をアラブ世界では見たことがない。
 しかも抗議行動は最後まで平和的だった。
 エジプトの市民たちが粘り強い抗議によって、
 約30年に及ぶムバラク時代を終わらせ、
 新たな歴史のページを開いたことを高く評価したい。
 大統領の即時辞任によって新しい国づくりを始める。
 それがエジプトの民意であることは明白だった。
 国民の願いがかないエジプトは新たな出発点を迎えた。
 1981年から続く非常事態令の解除などを通じて、
 エジプトの暗い側面を一掃しアラブ民主化の模範になるよう期待する。

 【民衆の怒りを軽く見た】
 それにしても遅すぎる辞任だった。
 ムバラク氏は1日の演説で自分は9月の大統領選に立候補しないと述べ、
 各種の改革を約束したが即時辞任は否定した。
 抗議行動が衰えなかったのは当然である。
 改革は必要だがムバラク政権下の改革は信用できない。
 大統領辞任が先決だと人々は訴えた。
 10日の演説ではムバラク氏が辞任を表明するとの観測も流れたが、
 自分の権限をスレイマン副大統領に移譲すると述べただけで、
 9月までの任期を全うする意向を示した。
 これがまた民衆を怒らせた。
 ムバラク氏は潮時を見誤り広場に集まる民衆の怒りを軽く見た。
 大統領を長年務めた自分に花道を用意してほしいと考えたのなら見通しが甘い。
 国民の間には権力者の“居座り”への嫌悪感が強まる一方だった。
 ムバラク氏の辞任でエジプトは大きな転換期を迎えたが、
 新体制への明確な道標があるわけではない。
 大統領の権限は軍の最高評議会に移譲され、
 軍が暫定的に新政権への移行過程を監督するという。
 当面の焦点は新大統領と議会の選挙だがどんな規定で選挙を行うのか、
 誰が大統領選に立候補して誰が当選するのかすべてはこれからだ。
 しかしそれだけ大きな可能性が開けている。
 アラブの盟主たるエジプトの改革と民主化を世界が見守っている。
 前大統領が国外脱出したチュニジアの“ジャスミン革命”とエジプトの“ホワイト革命”。
 ともにアラブでは前代未聞でありドミノ現象が起きた東欧革命を想起させる出来事だ。
 ただ米国や欧州にはエジプト激変への警戒感が強いのも事実だ。
 ムバラク氏が米テレビとの会見で、
 自分が辞任すればエジプトはイスラム原理主義のムスリム同胞団に乗っ取られ、
 “カオス(混とん)”に陥ると警告したのはこうした懸念を踏まえた牽制だろう。
 しかしエジプトの民衆はイランにおけるイスラム革命(79年)のような、
 変革を求めているのではあるまい。
 チュニジアでもイラン化の兆候は特に見えない。
 チュニジアもエジプトも若年人口が増え、
 しかも若年層の失業率が高い。
 政変の原動力になったのはイスラム教やアラブ民族主義に基づくイデオロギーではなく、
 「これでは生きていけない」という現実的な危機感だろう。
 この辺がチュニジアのベンアリ前大統領やムバラク氏には見えていなかった。
 しかもネット上のフェースブックなどを通して抗議行動が盛り上がる現象には、
 秘密警察もなすすべがなかった。
 政権側から見れば雇用創出のために情報技術産業に力を入れたのが裏目に出たが、
 これも時代の流れである。

 【湾岸諸国の改革も必要】
 中東も民衆の生活感覚が政治を変える時代に入った。
 「よらしむべし。知らしむべからず」
 の強権政治は改めるべきである。
 民衆の急激な意識改革が進む中、
 イエメン、ヨルダン、アルジェリア等で改革の動きが出ているのは喜ばしい。
 保守的な政治体制を維持するペルシャ湾岸の王国・首長国にも、
 政変の波紋は伝わるはずだ。
 サウジアラビアには明確な憲法もなく女性の社会進出へのハードルも高い。
 サウジ首脳がエジプトの抗議行動に批判的なのは、
 自国への飛び火を恐れてのことだろう。
 確かに湾岸諸国の動揺は石油価格の高騰などにつながり世界経済への影響も大きいが、
 だからといって湾岸諸国のみ改革の例外とする時代でもないはずだ。
 エジプトやチュニジア。
 そして中東全体が今後どのように変わるのか予測は難しい。
 米ブッシュ前政権はイラクを手始めに中東を民主化すれば世界は安全になると考えた。
 しかし、
 強権的な長期政権が倒れれば抑え付けられていた勢力が頭をもたげる。
 その勢力も含めてどんな政治体制を築くかは“ひとえにその国の人々の選択”である。
 民主化や改革には「両刃の剣」の側面がある。
 例えばエジプトの新政権がイスラエルとの和平条約の維持に難色を示せば、
 国際秩序の混迷は避けられない。
 しかしグローバル化が進む世界にあっては国際協調を先進国が働きかけるのも大事だ。
 その点で中東には伝統的に親日的な空気が強い。
 国際協調路線の継続のためにも、
 日本政府はエジプト、チュニジアの国づくりに積極的に協力すべきである。
 (2011年2月13日:毎日新聞社説・記事転載)

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『K-POP&徴兵制度&言論統制&日本の未来戦略』の話。

2010-12-12 00:30:00 | 政治・社会・時事


 今晩来る予定だった友人から午後8時前に一通のメール。
 “嫁さんが忘年会で家にいないので遊びに来ない?”
 ・・・。
 “もっと早くメールしてよ、もう晩酌飲んじゃったよ。”
 ってことで今夜は突然フリーに。

 午後8時から予約録画(NHK-BS2)を入れていた、
 『K-POP:青春グラフィティ~大ブームの仕掛け人たち~』
 を2時間遅れビデオ鑑賞。
 華やかなタイトルとは裏腹にK-POPと日本文化の歴史もたどる、
 若いファンには地味と感じるだろう教養番組になっていた。

 近々テレビの露出が多い、
 KARA(カラ)少女時代はようやく覚えた。
 と言っても腰振りダンスと足振りダンスのユニット程度の知識。
 KARAは先週のTBS番組:フレンド・パーク2に出演。
 何よりも感心したのが日本語の語学力が堪能。
 思うに日本で活躍するK-POPの歌手は何れも語学堪能。
 BoA(ボア)さんなどは日本語、韓国語、英語を自由に使いこなす

 そう言えば日本に来る海外の力士も語学の覚えが早い。
 その逆に、
 アメリカから来たプロ野球選手などは日本語を覚える気はない。
 何がそうさせるのか?
 
 その前に、
 何故モンゴル力士は強いのか?
 元横綱:朝青龍はハングリー精神に強く言及。
 貧国であるモンゴルと日本のレートの違いは明白で、
 日本で稼いだ金はモンゴルのレートでは数十倍。
 100万円の懸賞金はモンゴルでは数千万円の価値。
 親方株を持たなければ生涯保障のない力士の限られた収入。
 日本人力士と外国人力士とではモチベーションの違いは顕著。

 では何故、
 アメリカから来た野球選手は日本語を覚えないのか?
 レート差(=年収差)の高いアメリカ人が日本にくる場合は、
 一定の成績を収めての来日で年収も日本円にして破格。
 出稼ぎ気分+球団の通訳。
 さらに日本の教育では英語を教わることで、
 都市圏での生活には不便のない生活。
 
 話を更に飛躍させよう。
 日本人がアメリカに憧れたのは戦後の生活水準の差。
 生活水準が逆転したとされる1980年代後半には、
 日本人の中に対等(経済力)の意識が流れた。
 
 プロレスラー:G馬場さんが、
 アメリカで活躍された時(1962年頃)のレートは360円。
 馬場さんの手元には直接入らなかったらしいが、
 週に8000㌦(280万円)を稼いだ事もあるらしく、
 その時代の大学の新卒者の年収が30万円弱。
 つまり、
 アメリカン・ドリームの時代から僅か20数年で、
 日本はアメリカの驚異となる経済大国に成長を遂げた。

 K-POPの歌手にしてもモンゴル人力士にしても、
 まさにジャパン・ドリームを求めて日本に活路を求める。
 特に,
 韓国と日本を行ったり来たりの活躍を試みるK-POPでは、
 語学の力を理解し日本人への共感を深めようとしている。

 番組中に韓国でも人気が高い安全地帯の玉置さんが、
 コンサートでのたどたどしい韓国語と英語を交たMCを聞いて、
 初めてミック・ジャガーが日本に来日した映像シーンを思い出した。
 世界を股に掛けるストーンズやマドンナのコンサートでは、
 各国の言葉で挨拶を一言二言。
 最先端を走るトップ・ランナーの基本言語は総て英語。

 番組を観ながら感じた事は、
 “レート差が生じる他国”で成功するためには、
 相手の懐に入る努力と戦略。
 ~それは同時に迎える立場(観光国としての日本の将来)としても同じで、
 居心地のよい空間の提供としての語学(言葉による意志の疎通)の徹底。
 政府が推進するインフラ整備(ハード)の観光政策よりも、
 コミニュケーション(ソフト)重視の育成や美化の徹底が求められる。

 番組を観ながら感じた、
 K-POP歌手達のハングリー精神がJ-POP歌手にあるのか否か?
 特に、
 競争力が低下(均等教育)していると言われる日本の若い世代のハングリー。
 K-POPの基本戦略を観ながら今後の日本は韓国に勝てないかも知れない。
 そんなことも感じた。


 木曜日(9日)の夜に偶然入れた番組にボン・ジョビのドーム公演の映像。
 (来客中の)友人共々少しだけ見ていたらK-POP歌手のK(ケイ)さんの、
 日本武道館公演の模様を短くオン・エア。
 番組MCでは、
 来年から“徴兵制度のための兵役”に付くため活動を休止とのこと。
 韓国には兵役があることを思い知らせた。
 友人が、
 先日のアジア大会で日本と韓国のメダル数は同じくらいなのだが、
 金メダルの数では韓国が圧倒的メダル数を支配した要因としての徴兵。
 そんな事を話した。
 ~私の記憶に間違いがなければオリンピックでの金メダルのみ兵役免除。
 日本には徴兵制度がない。
 徴兵制事態に言及する事は日本ではタブーとされている。
 日本人にとっての徴兵とは赤紙を連想させ辛い記憶を蘇らせる。
 
 以前に行き付けの居酒屋でこんな話しをしたことがある。
 “徴兵制の復活”
 と文字にすると拒否感を覚える人もいるだろう。
 話しの凡そは、
 「日本の若者に就職先がないのなら就業希望者のみ2年間の任意の兵役制度。
 兵役義務にするのではなく20歳~40歳までの失業者のみの就業制度として、
 主に国内外の大型災害派遣の予備役としての役割負担。」
 さらに、
 「兵役満了の者は新卒者同様の就職試験への配慮や就業の促進。」
 等の話しをしたが、
 「日本人の徴兵制へのアレルギーを考慮すると国会議題にあげる事は無理。」
 との意見で一致した。


 『K-POP:青春グラフィティ~大ブームの仕掛け人たち~』では、

 1910年:日本による朝鮮半島の併合(同化政策)。
 1945年:終戦と朝鮮半島解放。
  ~1950~1953年:朝鮮戦争(韓国×北朝鮮)。
 1970年代:軍事政権下での言論の弾圧(日本文化の統制)。
 1983年:釜山港へ帰れ(渥美二郎:チョー・ヨンピル)が日本で大ヒット。
  ~同年1月に中曽根康弘総理の韓国訪問。
 1980年代後半:韓国国内での民主化運動。
  ~1988年:ソウル・オリンピック。
 2000年に日本の歌のコンサートでの開放。
 2003年の冬ソナ・ブーム
 2004年に日本の歌の発売を許可。

 日本と韓国との間にあった文化交流の壁に歴史を大急ぎで紹介。
 ~アイドル歌手目当てに番組を試聴したK-POPファンはどう感じたか?

 番組で紹介された韓国の言論統制と同じく、
 戦前の日本にも長い期間の言論統制は存在。
 戦後の大らかな日本文化の発展の中でも、
 公安的な配慮からの表現の規制は存在。
 しかし、
 現在のWeb社会では表現の自主規制を求める声も多い。 

 隣国:中国では、
 作家の劉暁波氏へのノーベル平和賞授賞式に異論を唱え、
 20ヶ国に及ぶ授賞式の欠席を促し実現させた。

 1970年代の軍事政権化での韓国の統制と、
 1968年の日本の東京オリンピックや、
 1975年の日本の大阪万国博覧会の成功。
 さらに、
 1988年のソウル・オリンピックは、
 2008年の北京オリンピックや、
 2010年の上海での万国博覧会の開催。

 急激な中国の発展と民主化への移行。
 中国が国際社会との協調なくして今後の発展を望めない中での、
 民主化は当然との見方が有力だが
中国国家の急成長は、
 日本や韓国が試みた“アメリカを手本とした民主主義政策”とは違い、
 大国としての独自の政治姿勢が試みられると考えられ予断を許さない。
 ~国際社会との協調と同時に国内の不満の蔓延(他民族の同化政策)。

 日本の法律は日本国民が選んだ国会議員の議決によって定められる。
 しかし中国の法律は中国国民の代表が定めるのではなく、
 一党支配の中での限られた(共産)党員達によって議決される。
 そうした体制の中で、
 一国二制度を推進した中国の急成長と国際社会での発言力の強化。

 戦後続いた米ソの2大大国時代は、
 1990年を境に米国の単独大国時代に突入。
 さらに、
 2008年のリーマン・ショックと北京五輪の成功は、
 2010年を境に米中の2大大国時代へと加速。

 日本と韓国の両国は、
 アメリカと中国の新しい2大大国の板ばさみの中で、
 強かな外交政策を求められる確固とした政治姿勢。

 その中で私が考える、
 日本が世界に示すべき姿勢(未来戦略)とは、
 国際社会の手本となるべき国家の成り立ちであり、
 尊敬されるべき国民一人ひとりの育成だと感じる。

 ・・・。

 しかし日本の現実は、
 1985年頃の過去の国家の栄光にしがみつき、
 変わろうとせず継続される行政主導の国家戦略。

 日本の未来戦略に必要な議論とは何か?
 残念ながらそれは、
 国民の代表である国会の議論の中には存在しない。


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『尖閣諸島衝突映像の流失』:国民感情と公務の規律(文民統制)。

2010-11-11 00:00:00 | 政治・社会・時事


 今日(2010年11月10日)は、
 少し帰りが遅くなり午後9時のNHKニュースを見た。
 神戸海上保安部(庁)の職員(保安官)による衝撃の自白。
 世間では海上保安官に同情的な意見が多いと聞く。

 政府が公開しなかった尖閣諸島沖の、
 中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事故(事件)。
 この問題は、
 那覇地検による不起訴処分により事件性が否定されたと考えられる。
 しかし検察庁による、
 “両国間(日本と中国)の関係を考慮して”との意味不明な不起訴理由。
 さらに、
 漁船側の故意による衝突であることを証明する、
 証拠ビデオがあるとの現役外務大臣(前原氏)の発言。
 国民の多くは何が起きているのか不思議な感情を持った。
 
 話を流失ビデオ映像に戻そう。
 ・那覇地検で船長が取調べを受けている時の証拠ビデオとしての位置付け。
 ・石垣海上保安部内での海上での逮捕の事例を記録する資料的位置付け。

 当初“このビデオ”がこれほどの大問題を引き起こすとは誰も思わなかった。
 機密情報としての位置付は後の逮捕後の中国政府の反応や国内の動き。
 日本政府と中国政府の間で密約されたと言われる戦略的互恵関係の維持。
 証拠ビデオは外交的配慮(早期事態収拾のため)からか、
 国家の最高機密映像としての価値が一人歩きした。
 
 過去を振り返ろう。
 漁船船長が釈放された日
 日本には菅総理も前原外務大臣もいなかった。
 船長釈放の裏には中国との関係を重視する、
 オバマ政権=米国の意志が働いたとも言われた。
 そして日本にいたのは口の立つ官房長官:仙谷由人氏。
 「三権分立の立場から検察当局が下した判断に異論は挿まない。」
 
 三権分立の保持
 これは民主主義国家の根幹である。
 三権が集約されれば独裁への道は容易い。
 今日本で官僚機構(行政=本来は内閣)と、
 国会議員(立法)が鎬(しのぎ)を削るのも、
 法律の番人(司法)の監視の下で行われている。
 ただし、
 問題点として司法職員と行政職員は公務員の立場から仲間意識が強く、
 民意の代表である立法府(国会議員)の独走を許したくない傾向を持つ。
 
~ただし裁判官は如何なる時も中立の姿勢を示すべき。
 
 再び話を戻そう。
 神戸海上保安部(庁)の職員によるビデオ漏洩は国家を揺るがす事態だ。
 個人による行動であるのか内部での組織的行動であるのか?
 ~あるいは個人の狂言の可能性もあることを頭の片隅に置いて。
 今後の捜査の進展状況で更なる混乱を引き起こしかねない。

 国民に渦巻く感情。
 「日本の海上保安庁に非がないなら、
 何故ビデオを公開しないのか?」
 国民に渦巻く感情。
 「映像流失により私達国民が確認した事は、
 漁船からの衝突は明白な事実ではないのか?」
 国民に渦巻く感情。
 「日本人は決して間違ってはいなかった。」
 国民に渦巻く感情。
 「ならば何故中国漁船船長を不起訴釈放したのか?」
 それこそが政府(菅内閣)への不信となった。
 ~仮に決定を地方検察庁が示したとしても。

 話を少し前に戻そう。
 9月22日の当ブログ記事(船長釈放前)。

 最後に尖閣諸島。
 絶対に妥協しないこと。
 日本の法律に基く三権分立。
 民主主義とは何か?
 中国国民のすべてが感情的な訳ではありません。
 悪いことをすれば司法判断によって裁定される。
 全体主義と民主主義の違い。
 日本の戦略は先進国が導入する民主主義の説明。
 政治でも“どうにもならない”三権分立の仕組み。
 そんな思想を中国国民にメッセージ。
 領土の問題でなくイデオロギーの問題。
 それでも情報操作するようなら世界の目は変わります。
 ・・・。
 ひとつを許すと、
 次から次へと踏み込んでくるのはモノの道理。
 絶対に妥協しない事。
 お願いします。

 この頃に、
 中国漁船の逮捕の影響として日本の報道(TV)が煽ったのが、
 “中国からの観光客の減少による経済的打撃”
 ホテル関係者や商店、経済界へのインタビューは、
 一応に早くこの問題を解決させて欲しいとの願い。
 だったはずだ。

 9月24日の当ブログ記事(船長釈放後)。

 尖閣諸島の問題
 三権分立に照らし合せて検察庁の及び腰。
 でもね?・・・推測は言うまい。
 ただし、
 検察庁が法に基き起訴猶予を決めたのなら理解できるけど、
 日中間の問題を鑑み云々の検察側のコメントは理解できない。
 それは政治(政府=行政機関)の仕事であり、
 司法は日本の法律の番人に徹するべき。
 日本が自治権を有する領土(尖閣諸島)内への進入と艦船への衝突。
 せめて拘留期間満了まで…。
 ???は、
 目先の摩擦を避けるために将来の安全を放棄。
 あるいは、
 中国に脅しに屈した形のニッポン。
 やっぱり悔しいよ。
 色々なカードを切る事ができたのに。
 先日も言ったけど、
 “全体主義と民主主義の違い”
 中国国民に対して強いメッセージを出せたのに。
 格好悪い国ニッポン。
 イチローは滅茶格好イイのに。

 その後も、
 中国国内でのデモ・暴動や輸出制限の圧力。
 そして、
 国民に渦巻く感情。
 「なぜ何も悪いことをしていない日本が中国の圧力に屈したのか?」

 仙谷由人氏が主導したと見られる弱腰外交は、
 日本と中国との戦略互恵関係の維持と推進。
 関係修復を図る意味での譲歩は戦後日本のお家芸的戦略。
 幕引きは“APEC(エイペック)前”にとの思いもあったのだろう。
 しかし結果は、
 政府が機密にしたビデオの世界流失と言う最悪の事態を迎えた。
 仙谷氏が前に出れば出るほど国民感情は愛国心に目覚めた。
 その結果としての、
 “世間の目はビデオ流失させた海上保安官に同情的”。

 ~仙谷氏は頭脳明晰であることは理解できるが、
   人心の掌握術を心得ていない指導者にうつる。
   総理への発言を求める野党の質問に、
   自らが“しゃしゃり出て”国民の苛立ちを煽る。
   言葉の節々に日本国民への配慮が足りない。
   お辞めになった方が良いのではないか?

 本題に入ろう

 
11月5日の当ブログ記事(ビデオ流失当日)

 もしも国防意識(憂国)による、
 “組織的な正義”がこの流失事件に働いているとすれば、
 シビリアン・コントロール(文民統制)の危機。
 もしも、
 検察当局内部からの意図的な画像流失であれば国家保安の失墜。
 仮に、
 個人の行動だとしても国家機密の流失を許した(政府の)管理責任。

 いずれにしても(投稿者がどのような思想の持ち主であろうと)、
 “情報公開の正義”は法の下で行われるべきで国家公務員(行政職員)による、
 国民への裏切りは免れず断罪すべき事件だ。

 そして多くの国民が映像の流失を歓迎している旨の報道。
 さらに情報公開を先送りにした政府の対応への批判。
 しかし、
 一部を聞き言葉にして報道する事に無責任な感覚を覚えた。
 事態は映像を見たいとか見たくないとかの問題ではない。
 法に基く政府の方針を何者かが反故にした。
 その“事の重大さ”に気付かず違法な情報公開を歓迎する
 国民感情の矛先に疑問を感じる。
 
 再び言葉にすれば、
 “情報公開の正義は法の下で行われるべき”で、
 国家公務員(行政職員)による国民への裏切りは免れず、
 (ビデオ映像の流失は)断罪すべき事件だ。

 私達は、
 感情的に映像を流失させた海上保安員に肩入れしてはいないだろうか?
 それは日本人に、
 “正義が捻じ曲げられた事”で<愛国心>を呼び覚まさせた政府の対応。
 政府の責任は重い。

 しかし、
 国会議員は民意の表明で“その代表=政府”が決定した取り決めを、
 個人の思いで反故にすることは法治国家において許されるべきではない。
 特に、
 “行政に携わる国家公務員がその立場で入手した情報”を、
 誰の断りもなく個人の思いで公開することが許されれば、
 法治国家としての体裁をなさない。
 シビリアン・コントロール(文民統制)の危機の意味とは、
 ~文民統制(シビリアン・コントロール)とは民間人による軍隊への指揮権。
   ただし日本国憲法では軍隊の存在を認めてはいない。
 特別な立場である公務員(治安・公安等の係わる)の動きを、
 文民(民から選ばれた代表=議員)が統率する事でこそ成り立つ。
 ~ただし愚かな議員(代表)を選んだ責任は有権者(国民)にある。

 国家の仕組み(文民統制)に特例を許す事は、
 時として国家の方向を誤らせることになる。

 その事実を義憤や感情から忘れてしまう事の危険。
 “国民に渦巻く感情”は、
 時として歴史の中で利用される事がある。

 我国が法治国家である以上、
 例外を許してはならない。
 そして、
 政府の最大の役割は、
 国民に渦巻く感情を統制し、
 治安に務めることである。


 
PS:
 言葉にしたい事の半分も文字にできてはいない。
 少し難しい話になったと思う。
 でも、
 神戸海上保安官が起こした罪を考えてみよう。
 国民が望む正義だったかもしれない。
 政府の対応の遅れ(映像の公開)も理由だろう。
 しかし、
 政府は政府で中国との関係悪化を食止める方策としての決定。
 お互いが刺激しない事を求めての決定だったはずだ。

 もし政権が自民党でも、
 アメリカからの(関係改善のための)釈放圧力があったとしたら、
 中国漁船・船長の釈放を食止める事はできたかどうか?
 その事実にも疑問視を向けるべきだ。

 では何故、
 神戸海上保安官が起こした事件が重大であるのか?
 それは国際社会における日本の信用の失墜。
 さらにひとつ間違えれば、
 中国国内で再び一部国民の世論がデモ・暴動を引き起こしす可能性。
 日本人の国民感情と同様に、
 中国人の国民感情も穏やかではないはずだ。

 ひとつ考えてみよう。
 中国国内で視聴できないユーチューブ映像。
 だから中国政府は報道規制を行ったのかもしれない。
 もし日本政府が公に衝突ビデオを公開していれば、
 中国の報道機関は一斉に日本政府を批判したかも知れない。
 その時に起き得る事態の想定(と混乱)。
 
~人の命にかかかわる事で決して個人が取れる責任ではない。

 何度も言う。
 点を見て判断すべきではない。
 点の周りには多くの点が無数に存在する。
 報道は時として一方通行だ。
 そうした中で報道(情報)を鵜呑みにするのではなく、
 無数の点に“思いをかけて”みよう。

 中国人(国民)が悪いわけではない。
 先進国の先輩として、
 国民として国民のとるべき行動。
 
 私達(日本国民)は如何なる時も、
 アジアの手本であるべきだ。


 
<全国紙:社説リンク(あいうえお順)>

 *朝日新聞社説→ http://www.asahi.com/paper/editorial20101111.html?ref=any

 *産経新聞社説→ http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101111/crm1011110341004-n1.htm

 *毎日新聞社説→ http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101111k0000m070126000c.html

 *読売新聞社説→ http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101110-OYT1T01167.htm?from=any

 ~リンクの有効期間は11月11日から1週間くらいです。

 

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『尖閣諸島漁船衝突事故がyou tube動画に流失』:何が?!

2010-11-05 20:10:00 | 政治・社会・時事


 NHK夜7時のニュースでは驚きの映像を放送。
 今朝から一度もニュースを見ておらず???
 この国では何が起きてるのだろう。

 極秘中の極秘であり、
 国会議員ですら断片的にしか、
 見せられていない極秘映像を世界に配信。
 個人なのか?組織なのか?
 AFP(中立的な意味で)の記事によると、

 【11月5日AFP】
 尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島)沖で起きた、
 中国漁船と海上保安庁(Japan Coast Guard)巡視船の、
 衝突を撮影したとみられる映像が5日早朝までにインターネット上に流出した。
 関係当局は対応に追われている。
 海上保安庁が撮影した映像は、
 菅直人(Naoto Kan)首相や衆参予算委員会の理事ら約30人が視聴したが、
 問題拡大への懸念から一般公開はされていない。
 動画共有サイト・ユーチューブ(YouTube)に投稿された映像は6本:計44分。
 撮影者の乗った巡視船と並行に航行していた青い船体の中国漁船が、
 進路を変え巡視船の右舷に衝突する様子が映っている。
 産経新聞(Sankei)(電子版)は、
 海保関係者の「恐らく本物だ」とのコメントを報じている。
 鈴木久泰(Hisayasu Suzuki)長官は5日の衆院外務委員会で、
 「鋭意調査中」と回答するにとどまった。
 また、
 仙谷由人(Yoshito Sengoku)官房長官は真偽は不明としつつ、
 流出だとしたら「由々しき事態だ」と述べるとともに、
 中国側がすでに外交ルートで問い合わせてきていることを明らかにした。
 菅首相と中国の温家宝(Wen Jiabao)首相は最近行われたブリュッセル、
 ハノイでの首脳会議で公式な日中首脳会談を行えずにおり、
 関係修復を模索している最中だった。
 共同通信(Kyodo News)は、
 仙谷由人(Yoshito Sengoku)官房長官と、
 来日中の唐家セン(Tang Jiaxuan)元国務委員が4日、
 関係改善に努力することで合意したと伝えていた。

 7時のNHKニュースによると、
 動画サイト“you tube”では既に映像を削除(投稿原本)。
 しかしキーワード検索すると映像のコピーが数多く残っている。
 ~Google動画検索で“尖閣諸島 流失”で午後8時:540件の動画を確認。
 “映像の流出と爆発的な映像の増殖”
 ~中国では“動画サイトyou tube”の閲覧はできない。
 
 you tubeは元々少人数で運営された動画サイトで、
 レスポンスのよさから世界中で大人気。
 大手検索サイトgoogleがアクセスの増大に目をつけ買収し、
 現在に至るアメリカの動画投稿サイト。
 日本でも若者を中心に2000万人以上が視聴し、
 デジタル・テレビではインターネット環境にあればパソコンがなくても、
 無線LANで視聴可能な市販品も販売されており視聴環境は広がるばかり。

 制作者(制作会社)の意図とは関係なく広がる、
 個人が所有する世界中の(著作権は無視された)映像・情報・音源が、
 アメリカの一企業に保存されていく不思議な現実を世界は放置(容認)。
 しかし近年では、
 you tubeを逆利用し無料の宣伝広告を打つ企業や映画制作会社も多く、
 サイトを利用したイタチゴッコが繰り返されている。

 本題
 捜査段階初期での憶測はできないが、
 流失は個人なのか組織なのか?
 sengoku38と名乗る投稿者は、
   現政権の対応への不満の表れ?

 もしも国防意識(憂国)による、
 “組織的な正義”がこの流失事件に働いているとすれば、
 シビリアン・コントロール(文民統制)の危機
 また検察庁が、
 中国漁船船長を不起訴釈放したことは三権分立の立場から容認できるが、
 もしも、
 検察当局内部からの意図的な画像流失であれば国家保安の失墜
 仮に、
 個人の行動だとしても
国家機密の流失を許した管理責任。

 いずれにしても(投稿者がどのような思想の持ち主であろうと)、
 情報公開の正義は法の下で行われるべきで、
 国家公務員(行政職員)による、
 国民への裏切りは免れず断罪すべき事件だ。

 この国ではいったい。
 何が起きてるのだろう?

 追記Ⅰ(午後9時45分)

 気になるので9時のニュースも見た。
 機密映像を電子メールで交換していた事実。
 外部のアクセスが可能な環境にはないと思うが、
 外部からの進入・流失の可能性もあるのかも知れない。

 民主党幹部が政権に揺さぶりを賭けるための謀略との発言。
 キナ臭い話に戦慄を覚えるし憶測での無責任な発言は、
 国民感情に大きな影響を与えるので避けるべきだろう。
 民主党政権の綻びは絶えず内部から生じている。
 政府の責任。
 流失原因が不明の段階で政府の責任を問う事は不毛だ。
 しかし、
 仮に行政内部からの意図的な投稿であれば、
 行政の最高機関である政府(内閣)の責任は、
 決して追及されるべきだろう。

 そして多くの国民が映像の流失を歓迎している旨の報道。
 さらに情報公開を先送りにした政府の対応への批判。
 しかし、
 一部を聞き言葉にして報道する事に無責任な感覚を覚えた。
 事態は映像を見たいとか見たくないとかの問題ではない。
 法に基く政府の方針を何者かが反故にした。
 その、
 “事の重大さ”に気付かず違法な情報公開を歓迎する
 国民感情の矛先に疑問を感じる。
 
 何だろう?
 政情の不安に胸騒ぎを覚える。

 

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『猛暑列島と金賢姫』:報道の正義と順位を問う。

2010-07-22 22:22:22 | 政治・社会・時事


 2010年7月22日。
 今日も熱い一日だった。
 只今部屋の温度は33・5℃。
 網戸を通して窓を開け放し扇風機一台を廻してブログに向かう。
 
~仕事ではクーラーの冷えた部屋にいるので夜だけでもエコ・モード。

 今日もトップ・ニュースは、
 金賢姫(キム・ヒョンヒ)さんと拉致被害家族との面談。
 世間は暑さの中で熱中症が頻発
 私の住む石川県でも一昨日2人の方が亡くなっている。
 先週の木曜日(15日)は岐阜県可児市で河川の氾濫。
 先週の金曜日(16日)は広島県庄原市で大きな土砂災害があった。
 17日土曜日。
 全国規模での例年よりも早い梅雨明け宣言。
 16日の夜の落雷と土砂降りが嘘のように晴れ渡った6日間。
 石川県では明日、明後日と晴れ渡り25日の日曜日に雨マーク。
 わずか6日の猛暑で雨が恋しけりゃこの夏は乗り切れない(笑)。
 例年なら梅雨明けもまだの季節の猛暑の到来に国民は辟易している。

 <熱中症の予防と対策>
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/db4099529ea1c420e9fd40ed006dd6bc

 梅雨明け後の猛烈な暑さは日増しに温度を上げている。
 今日は岐阜県多治見市で今年最高の39・4℃を記録。
 日曜日には全国的に曇りマークがでて一息つけそうだが、
 晴天の怖さは直射日光
 20日昼過ぎに石川県加賀市内でお年寄り女性2人が熱中症で死亡。
 午後0時35分頃同市内の畑で85歳の女性が倒れているのが発見され、
 午後0時36分頃同市内で83歳の女性が自宅敷地内の畑で倒れた。
 加賀市栢野では午前11時50分に最高気温33.4℃を観測。
 ただし栢野地域は山中温泉の山間部で、
 市街地ではもっと温度が高かったと思われる。
 同日市内は晴天。
 降り注ぐ強い日差しは体内水分を蒸発させる。
 できることなら早朝や日差しが傾いた夕方であれば、
 作業中の悲劇は起こらなかっただろう。

 晴天の注意事項は、
 
*不必要な直射日光に当たらない。
 
30度を超える晴天での長時間の歩行時には日陰を選んで歩いてください。
 特にお年よりは歩く速度が遅く必要以上に長時間歩くことを強いられます。
 できることなら歩行での買物は日が陰る夕方以降が望ましいのですが、
 日中の買物の場合は日傘や帽子等で直射日光を避けることが肝要ですし、
 水筒などを所持し小まめな水分補給を心がけてください。
 と同時に、
 晴天時の外作業は若年層でもダメージが大きく十分な体調管理が必要。
 労働による多量の発汗に必要な水分補給と塩分補給&規則正しい生活。
 となる。

 冷静に考えれば、
 こうした“生きたニュース”がトップ・ニュースに来るはず。
 豪雨での被害地域の死者の報道は大きく取り扱うが、
 死者が出る危険性が高い梅雨明け後の激し猛暑の到来。
 市民の“生死にかかわる重要な注意事項”が、
 画面や紙面のトップを飾った報道機関はどれだけあるのか?
 ~身体や生活習慣が暑さに慣れていない頃合の情報伝達。

 “報道の正義って何?”
 そんな話を今日はタイプしようと思う。

 金賢姫さんが拉致被害者家族と面会したニュースの扱いについて疑問が多い。
 1987年11月29日:大韓航空爆破事件は今から23年前。
 以後北朝鮮に1度も足を踏み入れたことのない金賢姫さんの来日。
 軽井沢の鳩山邸に招き入れ被害者家族と面談。
 しかしその影で伝えられることの少ない、
 大韓航空爆破事件に巻き込まれた日本人遺族達の心境。
 *記憶の誤り:調べてみたら日本人搭乗者はいなかったようです。
 その事件で蜂谷真由美と名乗る日本人に成りすました金賢姫さん。
 大韓航空機を爆破した日本人容疑者の目的は日韓関係の進展を止めること?
 ~1983(昭和58)年1月11日の中曽根康弘総理(当時)の電撃的な韓国訪問。
   その後の日韓に米(中曽根×レーガン)を加えた北朝鮮(共産主義)包囲網。
   一般論では1988年:ソウル・オリンピック開催の妨害とされています。

 金賢姫さんを責めることはできない。
 “任務の不履行=自己の死”を意味する選択を強いられた金賢姫さん。
 戦時の判断に於ける“一般兵士の攻撃行動”と同じ意味合いが、
 金賢姫さんに対する特赦(恩赦)の理由だろう。
 しかし、
 北朝鮮の手によって拉致された被害者家族の心情と同時に、
 北朝鮮の手による大韓航空機事件によって亡くなられた被害者遺族の心境。
 ~海上での爆破は遺体捜索すらできず行方不明のままの死亡が確定した。
 どちらが重いかは個人の判断だが偽名:蜂谷真由美が犯した罪は重い。

 金賢姫さんを日本に招くなら静かに招くべきだったと思う。
 と言うよりも招くのではなく面談希望者を韓国へ送るべきだったと思う。
 さらに報道もまた大韓航空機爆破事件被害者の心情を考え、
 できる限り謙虚な報道に徹するべきだったのではないか?
 と同時に韓国国民(感情)への配慮にも乏しい、
 今回の日本の過剰なニュース報道。
 拉致被害家族への心情救済になったかも知れないが、
 政治ショーと取られても仕方がない金賢姫さん来日の意義と疑問。

 主役(=市民の目線の所在)を拉致被害者に置く場合と、
 大韓航空機爆破(テロ)事件被害者に置く場合の視点の違い。
 
 “主役”を国もメディアも拉致被害者の心情に焦点を合わせることに奔走し、
 配慮のない偏った決定(政府)や報道(メディア)がされてはいなかったか?
 報道の正義とは何なのか?
 報道の順位とは何なのか?

 と今日はそんなことを感じる一日だった。
 明日23日は大暑。
 でも夏はまだ始まったばかり。
 暑い日には無理をせずできる限りの休養が何よりの薬。
 塩分たっぷりの美味しい乾麺を賞味しトマトや豆腐を麦茶で一杯。
 栄養満点のウナギや汗をかいたらスイカに少々の塩をふりかけ…。
 昔の人達から習う食生活は猛暑対策の理に適った生活でした。
 日本の夏。
 健康で乗り切りましょう。

 

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『大相撲&日本郵便&エトセトラ』:庶民は怒ってるんだぞ!

2010-07-06 21:31:41 | 政治・社会・時事

 明日の朝はワールド・カップ準決勝。
 4時30分には起きる予定なので大急ぎで。
 本当はW杯の話題にしたかったのだけど大きなニュースが目白押し。
 
 まず大相撲の放送問題。
 当ブログでも、
 テレビ放送とTV視聴率と大相撲の賭博問題と放送権の考察
 の中で自分の考えは述べている。

 NHKの方針として名古屋場所の生放送はせず午後6時からのダイジェスト放送。
 NHK総合、NHK-BS2、NHKラジオ総べての生放送(15日間)の自粛と、
 国営放送として日本文化の記録の観点から“大相撲を保存”する役割の履行は、
 良い“落とし所”だったと感じる。
 
 仮に民間放送(民放)で大相撲放送をしていたとして、
 スポンサーから総スカンを受けた場合に民放ならばどうするか?
 仮にCM契約がある著名人が暴力団との係わりが露呈したならば、
 契約主と所属事務所の間にどのようなペナルティが生じるか?
 著しく自社の製品の信頼を落としたと判断されれば、
 損害賠償請求も免れないだろう。
 
 NHKの判断が損害賠償請求にまで発展することはないだろうが、
 放送しない場合の放送権料の所在がどうなるかは発表すべきだ。
 放送違約の保証金をどちらが握っているのか?
 仮に何の契約規定もない場合は今後の課題になるし、
 ペナルティの所在のない契約を継続し続けているならば、
 お役所仕事とNHKが揶揄されても仕方がない事態となりうる。

 お役所仕事と言えば、
 何よりも大きな汚点は日本郵便(日本郵政グループ)の失態。
 このニュースこそトップ・ニュースとして糾弾されるべき問題だろう。
 今日名古屋の顧客から電話があり“忙しいですか?”と聞くと、
 「日本郵便のお陰で大忙しだよ。」と憤慨。
 担当者が先週の金曜日に群馬に向けて出した荷物が昨日の時点で届かず、
 運送会社(日本郵便orペリカン便)に問い合わせた所、
 東京で一度荷受したあとの“行方が判らない”との事。
 関東地方に出した荷物が殆どこんな調子でお客さんに納期の返事もできない。
 “2日に出した荷物が今日(6日)の時点で行方不明?”
 北陸地方の大雪が降って2~3日配達が遅れるのは聞いたことあるけど、
 “お話にならない(怒)”
 「お国(日本郵政)が関わるとホントに碌な事にならない。
 日本通運~ペリカン便との長期契約から郵政に統合されたことで
 社内でも別の運送便へのシフトを考えている。」
 と平素柔和な方が困り果てるように吐き捨てた。
 現実的には約30万個の遅延(遅配)くらいじゃないんじゃないの?
 そして“生物”や“日時指定配達”にかかる損害賠償は誰が負担するの?
 日本郵便は民間会社なの?国営会社なの?
 もしかして負担は次期国会後の郵政改革で税金を使用?
 民間企業ならTopの首が飛ぶばかりか大幅な給与カットもあるかも?
 そんな大問題に発展しそうな予感。
 でも、
 今日集配に来た佐川急便は1時間遅れでゆうパックの影響もあるとのこと。
 ゆうパックが無理と判断した事業主がヤマト&佐川を代用すれば、
 意外に問題は早く終息するかも。
 ~民間同業他社に救済してもらう緊張感のない次期国営企業の実態?
 遅配の原因は7月1日のお中元商戦最盛期の企業統合と見られ、
 7月11日の参議院議員選挙関連の郵便物の増加もあるらしい。
 さらに公務員の夏のボーナスが6月30日に支給。
 週末に向けて財布の紐が緩んだ(ネット・ショッピング)のかも?
 そう言えば7月1日に注文した中古本が2日の発送のメールを貰って、
 4日(1日遅れ)に配達されたのも日本郵便の荷物だった。
 山梨県からの発送で2日はかからないよな。
 たぶん北陸への荷物も混乱してるんだ!
 未来予測が不得意なお役所仕事。
 それでも政権与党は民間から国営に戻すんだね?
 ハハッ!笑うしかないよ。

 日本郵政は“とんでもない可能性を持つ企業”なのに。
 それに気づかす国営化に差し戻しは惜しいね。
 国営にすることで臨時社員をすべて本採用?
 民営化での本採用は認められるけど、
 国営化差し戻しでの本採用はどうなの?
 ペリカン便から統合された職員も公務員になるのかな?
 税金の“金食い虫”にならないことを望みます。

 とまだまだタイプしたいことはあるんだけど、
 今日は早く寝たいのでこの辺で…。
 mimifukuの愚痴でした。

 と思ったら、
 昨日(5日)はW杯で大活躍した本田圭佑選手が石川県に来県
 “母校・星稜高校のサプライズ訪問に学生達は大歓声”
 家人と、
 「今日学校を休んだ生徒は一生後悔するね。」と要らぬ心配。
 でも今日知人が
 「テレビ出演も拒否して地元大阪の橋下知事の訪問もしてないのに
 なんで石川県庁に訪問して谷本知事に会ったんだろう。」
 と切り出され???
 「本田選手の断れない立場の人へ“誰かが依頼”したんだろうね。
 立場を利用しての県庁訪問なら田舎臭い感じがして恥ずかしい。」
 ふ~ん。そんな見方もあるんだね。

 本当か?嘘か?本田選手は、
 「SMAP×SMAP」のビストロSMAPのコナーの出演依頼も断ったとか?
 確かに自分から進んで石川県庁を表敬訪問する理由がないよな?
 でも、
 星稜高校がベスト4に入った時に石川県庁を訪問している可能性もあるし。
 もしかして知事のごり押し?
 まさかね!
 
どうでも良い話のような気もしますが、
 誰か真相を知っている方がいれば教えて!


 それと話題の映画『ザ・コーブ』
 先ず下記ページを確認。

 *古式捕鯨発祥の地:太地町公式ホームページ
 
http://www.town.taiji.wakayama.jp/

 特定の文化を認めるか認めないか?
 地域の中で守られる文化があっても良いのでないか?
 習慣としての食生活は見直されるべきかもしれませんが、
 問うべきは文化の伝承の意義ではないかと思う。
 しかし、
 表現の自由を弾圧しようとする行動には辟易。
 と言っても映画を観ていないのでこれ以上は…。
 

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2010年6月28日の独り言:W杯を大胆予想&賭博の原理。

2010-06-28 22:32:42 | 政治・社会・時事


 今日は出先で、
 “ワールドカップは何処が優勝しますかね?”
 と聞かれたので、
 “日本が優勝すれば良いんですね。”
 と答えたら笑われた。

 人は誰もが予想をするのが好きだ。
 決勝トーナメントに入ってチーム数が絞られてきたことで、
 サッカー好きな人なら凡その予測を付けているだろう。
 優勝がどこかと聞かれても漠然とするが、
 ベスト4については予想が立つ。

 ランキング通りに順当に行けば、
 ウルグアイ(16位)
、ブラジル(1位)、ドイツ(6位)、スペイン(2位)
 
となるのだろう。

 私の希望としては、
 ガーナ(32位)、オランダ(4位)、アルゼンチン(7位)、日本(45位)
 
がベスト4なら理想的だが“そうは問屋が卸さない”だろう。

 予想を立てるなら、
 優勝しそうなチームは、
 ブラジル、スペイン、ポルトガル(3位)、オランダ、ドイツ、アルゼンチン
 となるのだろうが、
 例えばパラグアイ(31位)がベスト4まで勝ち進み、
 仮に、
 準決勝でアルゼンチン、決勝でブラジルと対戦すれば、
 選手達の心に南米予選の記憶が蘇るのだろうか?

 今日の時点で私の本命はアルゼンチン
 チーム力もさることながら“神の手を持つ監督”の運の強さ。
 準優勝はオランダ
 予選でブラジルに感じなかった圧倒的な強さをオランダには感じる。
 3位はスペインvsポルトガルの勝利チーム
 ベスト16で対戦する両雄の結果は優勝を左右する大一番。
 4位はアフリカ大会と言うことでガーナが手中に収めて欲しい。

 と楽しく空想に耽り優勝を予測しながら、
 友人達と酒場で盛り上がれば、
 必ずといって出てくる言葉が、
 “賭けるか!”
 勿論賭けると言っても友人通しの場合は、
 1回の飲み代くらいのもので後に引くことはない。

 しかし、
 賭け事の好きな人は何かにつけ賭ける。
 勝った負けたの世界が好きな人は巨万に上る。
 古今亭志ん生著:『なめくじ艦隊』の中に、
 「博打(博奕=ばくち)とは“場で朽(く)ちる”からバクチと言って、
 賭場(とば)ではテラ(場代)を何もしないで一割でも二割でも取ってしまう。
 勝った負けたを繰り返すうちに最終的には場を提供しているものが得をする。
 だから場(賭場)で朽ちる(腐って形を失う)と言うんですな。
 これは公営ギャンブルも同じで熱くなって勝った負けたを繰り返す輩を横目に、
 涼しい顔をしてテラ銭を儲ける。儲ける者が居れば必ず損する者もいる。
 必ず儲かるのは場を貸す者であって場を借りる者は儲からないですよ。」
 との趣旨の言葉を語っている。

 この言葉から賭博(ギャンブル)の原理を探ると
 友人通しの賭け事では必ず儲かる者(儲かり続ける者)は存在しないが、
 賭場(主催)では必ず儲かる者(賭けに参加せずに儲ける者)が存在する。
 ~ただし賭博参加者が少ない場合には主催者が損をする事もある。
 と同時に
 賭けに参加せず儲かる仕組みを“個人が行えば違法”であることの意味は、
 必ず儲かる仕組み(=賭場の主催者)が其処に存在することの意味だろうし、
 ネズミ講等の仕組みも賭場の主催者を模倣したものと考えられる。

 “(相撲協会内部で起きた)場で朽ちた者達の顚末。”
 軽い気持ちや遊びの気持ちからの今回の騒動は気の毒だとは思うが、
 “社会的立場と立場に基く行動からの逸脱。”
 ただし、
 古今亭志ん生さんは、
 少年時代に道楽三昧の挙句勘当され親の死に目にも会えなかった人生と、
 芽が出た噺家の道半ばに満州で生きるか死ぬかの苦労を味わった人生。
 しかし亡くなる時には、
 “国民的な噺家としての地位”を得て生涯を終えたことを学べば
 “場で朽ちた”からと言って人生は終わりではないと知る。

 協会を去る者&残る物。
 今回の決定が決して平等な決定とは思えない。
 しかし、
 “捨てる神あれば拾う神あり。”
 アルゼンチンの英雄も自業自得で何度も神に捨てられ、
 今再び南アフリカの地で神に選ばれようとしている。
 今後も紆余曲折の懲りない行動の数々で庶民を楽しませてくれるだろう。
 アルゼンチンの英雄の人生がこのまま平坦で終るわけはない。

 だから人生(サッカー)は面白い。

なめくじ艦隊―志ん生半生記 (ちくま文庫)
古今亭 志ん生
筑摩書房

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テレビ放送とTV視聴率と大相撲の賭博問題と放送権の考察。

2010-06-15 23:43:33 | 政治・社会・時事


 今日は2010年6月15日。
 プロレスラーの三沢光晴さんが亡くなったのが昨年の6月13日の真夜中。
 三沢さんが亡くなる少し前に日本テレビがプロレス中継を打ち切り。
 そのことが三沢さんにとって大きなストレスになったことは確実で
 “放送料が入らない事態は団体運営にとって致命的”
 と生前のG馬場さんが言っていた言葉を思い出す。

 放送されることで競技が認知され観てくれるファンが会場に足を運ぶ。
 放送は収入源であるばかりでなく宣伝源としての価値も大きい。
 また放送料として提示される金額は深夜でも決して少ない額でなく、
 ゴールデン・タイムの放送では多額のマネーが動く。
 しかし何時しかプロレス中継は視聴率低迷と共に真夜中に移動した。
 さらにプロレス中継には地方への中継車等の費用が嵩(かさ)む事や、
 プロレスの持つマイナー・イメージにスポンサーが首を振らない事もネック。
 ゴルフは視聴率が悪くても(現代は人気ゴルファーも多く好調と思うが…、)
 スポンサーサイドにゴルフ愛好者が多く“視聴率に関係なく”度々放送される。
 そんな話を人伝に聞いたことがある。

 昨晩放送されたFIFAワールド・カップ。
 日本 vs カメルーン戦の視聴率は45.2%(関東平均:後半戦)。
 試合終了が午前1時近くだった事実を考慮すると驚異的な数字だ。
 6月19日の vs オランダ戦は,、
 
土曜日:午後8時30分(ゴールデンタイム)キックオフ。
 生放送はテレビ朝日系列とNHK-BS1の2局。
 両局あわせた視聴率は60%を越えるのだろう。

 只今部屋のテレビではBShiで放送されているミュージカルを視聴。
 舞台の面白さを実感する人は会場に足を運ぶものの、
 テレビでブロードウェイが“4夜連続”で放送されていることを、
 存じている人は少ないだろうしBS放送ということもあり、
 恐らく数%にも満たないだろう低視聴率だと思う。
 しかし宣伝の手法に長けた地上波民放ならば、
 煽り方によっては10%前後は取れる質の高い演目。

 
“視聴率とは関心度と関心を煽る媒体+それに応える質。”
 
 大相撲も高視聴率が出やすいスポーツのひとつだ。
 平日の夕方の放送はNHK総合とNHK-BS2の2局。
 話題が多い場所の千秋楽(優勝決定戦)では、
 瞬間視聴率が30%を越える大一番もある。
 
NHKが放送する偏重番組として挙げられるのが、
 春夏の甲子園野球大会と年6場所の大相撲中継。
 それは世間の関心や視聴率とは関係なく、
 風物詩のように長く放送が続けられている。

 【此処からが今日の本題。】

 近々大相撲で表立った賭博問題。
 仲間内での賭け事ではなく外部との接触をともなった賭け事。
 賭け事に付いては、
 ・公に許された公営ギャンブル(競馬、競艇、競輪)。
 ・違法性が高い特定団体(=胴元)の資金源となる賭博。
 ・仲間内で食事代や何かを決める時に行われる賭け事。
 簡単に言えば(支払いをめぐる)ジャンケンも賭け事の範疇に入る。
 
 私の周りでも、
 70代以上の人は仲間や友人が集まると“花札”を好むし、
 60代以上の人は仲間や友人と“麻雀”をする事が多い。
 ~ただし現代では急激に友人同士のギャンブルは減少していると感じる。
   サイコロ賭博は落語『狸賽』や『へっつい幽霊』で紹介されており、
   明治生まれの人達は友人同士でもサイコロを振ったようだ。
 55歳以下の人は仲間内での賭け事はあまりせず、
 パチンコ等の個人で遊ぶ賭け事が多いと感じる。
 また、
 ゴルフなども仲間内での賭け事の対象になるし、
 
~接待ゴルフでは露骨に賭けを要求する輩も多いと聞く。
 将棋・囲碁・トランプ等の遊戯も賭け事の対象となる。
 要するに、
 “勝った負けたの世界”“丁半、白黒の世界”は、
 すべて賭け事の対象として存在する。

 公営ギャンブルとしての“サッカーくじ”は失敗だと言われている。
 “トトカルチョ=伊語”の本来の意味はサッカーの勝敗賭博のことらしい。
 ~今テレビではW杯:ポルトガルvsコートジボワールの試合が行われている。
   西欧ではW杯が公共のギャンブルとして成立するとも聞く。

 日本でも、
 <野球トトカルチョ、高校野球トトカルチョ、相撲トトカルチョ>
 等とトトカルチョの語を使用する言葉は多い。
 特に開催中の、
 “ワールドカップ”や“高校野球”などは1ヵ月以内に全競技日程が終了し、
 会社や酒場など集団単位で多くの“親(胴元)”が存在していることだろう。
 また、
 携帯電話やインターネットの普及は様々な形で“胴元”になる輩も増えただろう。
 賭博が日常的に世間に蔓延している事実を私は否定しない。

 しかし、
 日本相撲協会は賭博に関する意識・認識が甘いのではないか?

 私が理解力の付く年齢の前に起きた事件(1970年前後)
 
“プロ野球:黒い霧事件”
 その時の当事者達は“永久追放処分相当”の重い罰則がかせられた。

 賭博行為が協会内部で行われた仲間内での違法行為であれば、
 情状酌量として厳重注意や罰金(没収)で済ませることもできる。
 ただし、
 外部に胴元(親)が存在する賭博行為であれば、
 関取(相撲取り)としての意識や使命感が低すぎる。

 仮に今回のように賭博をネタに強請(ゆす)られた結果、
 相撲トトカルチョに関わるような八百長を強要されても、
 対象力士は拒否できるのか?
 ~賭博目的の“八百長”と番付考慮等で“勝ちを譲る”ことは違う。

 角界に籍を置くものが外部を介して賭博をすることは、
 可能性としての“八百長”が大衆の頭をかすめる。
 そうでなくても週刊誌で八百長(勝ちを譲る)を示唆されたり、
 週刊誌の記事によって発覚した今回の賭博事件の当事者(現役大関)が、
 前言を撤回して罪を認めたことは相撲界にとって致命的な出来事。
 つまり週刊誌の記事の内容(発表)を認めたことは、
 ファンのイメージとして遡ってのスキャンダルさえ脳裏に蘇る。
 ~暴行死、薬物汚染、、暴力団と升席、一般人への暴力:他多数。

 問題は力士にあるのではなく協会の体質にあるのかも知れない。
 “ごっつぁんです”の一言で多くの金品を無償で手に入れる力士と税制の保護。
 ~ただし親方や若い力士達の支援者との親睦努力は否定すべきでない。
 無条件で長時間テレビ画面を占拠し続ける相撲放送の歴史。

 私の目には、
 相撲協会の既得権に保護された変わらない体質は醜くうつる。
 ~検討されるべき税制や放送権での優遇の排除。

 改善されぬ協会に対してペナルティを課す事も視野に入れ、
 “個人ではなく協会や体質にメスを入れなければならない”
 国技を守る者としての意識の失墜と度重なる事件の連続に、
 大衆(ファン)は既にウンザリしている。
 
 優遇されるどころか、
 “自腹を払って国民のためにとメダルを目指すアスリート達”
 
も多数いる。

 何時までも大相撲が既得権(国の方針)によって守られることは今後難しく、
 ファン(お金を払って会場に来てくれる)に目を向けることで存続を図るべきだろう。
 そのためにも(一時的にでも)協会の収入源(既得権)を絶つ。
 
 当事者達には気の毒に思うが、
 そんなことを感じさせる事件だ。

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『鳩山由紀夫首相が辞任(2010年6月2日)』:退陣表明全文。

2010-06-02 21:30:00 | 政治・社会・時事


 2010年6月2日:午前10時頃
 民主党政権の鳩山由紀夫首相が辞任しました。
 個人的な私の感想を残すよりも、
 首相としての鳩山氏の最後の言葉を残すことにしました。
 何度か退陣表明読み返し自分の言葉に置き換えてみて、
 誰がこの人物を(今の段階で)辞任に追い込んでしまったのか?
 本当に世論が道半ばの首相を退陣に追い込むことが正解なのか?
 なぜ次期参議院議員選挙の結果が出るまで退陣要求を待てなかったのか?
 と感じます。
 
 この国の誤りは大衆伝達の手法(批判する正義&世論誘導)と、
 世論に流され自身が考えることを放棄した大衆(庶民)の意識。
 そんな事も感じます。
 
 ぜひ全文をお読みください。


 【民主党両院議員総会:退陣表明

 お集まりの(党員の)皆様。
 (本日は)ありがとうございます。
 そして国民の皆様。
 本当に(これまで)ありがとうございました。
 昨年の暑い夏の日の戦い(総選挙)の結果、
 日本の政治の歴史は大きく変わりました。
 “国民の皆様の判断は決して間違っていなかった。”
 と私は確信しています。

 若くて素晴らしい国会議員が(日々)すくすくと育ち、
 国会の中で活動を始めてくれています。
 それも国民の皆様の判断のお蔭だと感謝しています。
 政権交代によって国民の暮らしが必ず良くなる。
 その確信のもとで皆様方にお選びいただき、
 私は首相として今日までその職を全うしてきました。
 皆様方と協力して日本の歴史を変えよう。
 官僚任せの政治ではない、
 “政治主導、国民が主役”になる政治を創ろう。
 そのように思いながら今日まで頑張ってきたつもりです。
 私は今日お集まりの国会議員の方々と一緒に、
 国民のための予算を成立させることができました。
 そのことは誇りに思っています。

 <子ども手当>もスタートしました。
 <高校の授業料の無償化>も始まっています。
 子供に優しく未来に希望を持てる日本に変えていこう。
 今、
 私たちの判断は決して間違っていなかったと確信しています。

 『産業の活性』をしなければならない。
 特に1次産業(農業)の未来は厳しい。
 農業を一生懸命やっている方々の戸別所得補償制度。
 米(こめ)からではありますがスタートさせることもできました。
 今後、
 1次産業、2次産業、3次産業と順に再生される日も近いと確信しています。
 様々な変化が国民の暮らしの中に起きています。
 水俣病(の問題)もそうでした。
 医療崩壊が始まっている地域の医療を何とかしなければならない。
 厳しい予算の中で医療費を僅かですが増やすことができたのも、
 国民の意思の総意だと思います。
 これからも、
 <人の命を大切にする政治>
 
を進めていかなければなりません。
 ただし、
 残念なことにそのような私たち政権与党のしっかりとした仕事が、
 必ずしも国民の皆様の心には映っていません。
 国民の皆様が徐々に(私達の言葉に)聞く耳を持たなくなってきました。
 そのことは残念ですが“私の不徳の致す所”に原因があると思っています。

 その(象徴的な)原因を2つだけ申し上げれば、
 1つは米軍・普天間基地移設問題が挙げられます。
 沖縄県の皆様や徳之島の皆様にもご迷惑をお掛けしました。
 私は沖縄県以外に米軍基地を移す努力しなけらならないと考えます。
 今まで(の自民党案)同様に、
 沖縄県内に基地を求めることが当たり前では決してないと感じます。
 その思いで半年間努力をしてきました。
 が、
 結果的に県外には(移設することは)届きませんでした。
 しかしこれからも、
 沖縄県の外に基地を移す努力をしていくことは言うまでもありません。

 一方で北朝鮮が韓国の哨戒艇を魚雷で沈没させる事案も起きています。
 北東アジアは決して安全、安心が確保されている状況ではありません。
 日米が信頼関係を保つことは日本だけではなく、
 東アジアの平和と安定のために不可欠との思いのもとで、
 残念ながら沖縄の方々に負担をお願いせざるを得なくなり、
 そのことで沖縄の皆様にご迷惑をおかけしました。

 また、
 社民党の皆様には政権離脱という厳しい思いを与えてしまったことは、
 残念でなりません。
 社民党、国民新党と共に一緒に今日まで仕事をして参りました。
 これからもできる限りの協力をお願い申し上げます。

 沖縄の皆様方にも県外に米軍の基地を少しずつでも移すことができるように、
 新しい政権として努力を重ねていくことは何より大切だと感じます。
 社民党より日米関係を重視し、
 “けしからん。”という気持ちも分からないでもありません。
 ただし社民党とも協力関係を模索していきながら、
 やはり<日米の信頼関係>を何としても維持させていかなければならない。
 その悲痛な(私の)思いをぜひ皆さんにもご理解を願いたいと思っています。
 いつの日か、
 日本の平和を日本人自身で創り上げていく時代を求めなければなりません。
 米国(アメリカ)に防衛を依存し続けることが良い事だとは思いません。
 ここをぜひご理解をいただき私の考える、
 「少しでも県外に」との思いをご理解願えればと思います。
 その中に私は普天間基地問題の本質があると思っています。
 あなた方(若い民主党議員)の時代に、
 日本の平和を日本人自身で見つめることができる環境をつくることを、
 日米同盟の重要性は言うまでもありませんが、
 一方で新たな模索をしていきたい。
 さらに、
 社民党を政権離脱という厳しい選択に追い込んでしまった、
 責任は負わなければいけない。
 (そんな思いであります。)

 いまひとつは「政治とカネ」の問題でした。
 自民党を飛び出し、『さきがけ』、『民主党』をつくってきたのも
 「自民党政治ではダメだ。もっとお金にクリーンな政治をつくらねば。」
 との思いからでした。
 それが結果として、
 “自分自身が政治資金規正法違反の元秘書を抱えていた”
 などとは想像だにしませんでした。
 皆様方には大変なご迷惑をおかけしたことは申し訳ありません。
 
 “なぜクリーンであるはずの民主党の代表がこんな事件に巻き込まれるのか?”
 とお怒りになったことと思います。
 そのような、
 「政治とカネ」の問題に決別する民主党を取り戻したいと私は思っております。
 (党員の)皆様は如何でしょうか。
 私自身もこの職(首相)を引かせていただくことになりますが、
 小沢幹事長にも政治資金規正法の議論があるのは周知のことと思います。
 先般、2度ほど小沢幹事長ともご相談をしながら、
 「私も(首相の座を)引きます。
 しかし幹事長も恐縮ですが幹事長の職を引いていただきたい。
 そのことで新しい民主党を、よりクリーンな民主党を、
 つくり上げることができます。」
 と申し上げました。

 小沢幹事長も、
 「分かった。」
 と申されたのでございます。
 決して自動的という話ではなく、
 互いにその責めを果たさなければなりません。

 (疑惑を持たれている)小林千代美議員にも、
 その責め(責任)を負っていただきたい。
 高い壇上から申し上げるのも恐縮ですが、
 クリーンな民主党に戻そうではありませんか。
 そのための努力を皆様にお願い致します。
 そうなれば、
 必ず国民の皆様が再び民主党に対して聞く耳を持ってくれます。
 国民の皆様の声が通る新しい政権に生まれ変われます。

 しばしば(私は)宇宙人だと言われます。
 私なりに勝手に解釈すれば、
 今から5年後、10年後、20年後の日本の姿を申し上げていますから、
 国民の皆様には(私が)申し上げている姿に何を言っているのだろう?
 と疑問に映っているのではないかと思います。

 例えば『地域主権』
 原口総務大臣が先頭を切って、
 「国が上で地方が下というのはおかしいことです。
 地方が主役になる日本にならなきゃならない」
 と考えています。
 国会議員や官僚が威張っていた中央集権の世の中に風穴があいた。
 一括交付金など大きな変化ができつつある。
 5年、10年と時間が経てば、
 鳩山の言っていた事は、
 「こういうことだったのか。」
 と分かってくれると思います。

 『新しい公共』もそうです。
 今までの仕事を「公」に開くことをやろうじゃありませんか。
 国民の皆さんが主役になるそういう政治を創りあげることができる。
 まだ新しい公共(の形態)自体に馴染が薄く、
 よく理解できないと思われているかも知れません。
 官僚独占ではなくできるだけ民ができるように変えていく。
 そういう力を貸していただきたいと思います。

 『東アジア共同体』もそうです。
 必ずその時代がきます。
 (お互いの)国境が(あることが)感じなくなる時代をつくる。
 (各国が個別に発展するのではなく)国を開く先に未来を開くことができる。
 新しい民主党の新しい政権を皆様でつくってください。

 韓国の済州島で滞在したホテルの部屋の先にテラスがありました。
 テラスに1羽のヒヨドリが飛んできました。
 我が家で飼っているヒヨドリと瓜二つで、
 我が家から飛んできたと勝手に解釈し、
 この鳥も、
 「早く自宅に戻ってこいよ(官邸を出ろ)。」
 と招いているように感じたところであります。
 雨の日には雨の中を、
 風の日には風の中を自然に歩けるように、
 国民の未来を見つめながら、
 対話の中で新しい時代を掴み取っていこうではありませんか。
 そのことを申し上げながらふつつかな私ではございますが、
 8ヶ月余り先頭を立って歩ませていただいたことに感謝を申し上げ、
 国民の皆様へのメッセージとさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。

 

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