最近は暖かくなってきましたが寒いシーズンでも少なからず依頼のあるエアコン関係の修理依頼…
これから暑いシーズンになるとその修理依頼も激増します。
ウチは今までエアコン関係の修理は外注業者さんにお願いする事が多かったのですが、この業界の人手不足はどこも同じで修理の依頼を外注してもすぐには来れない…という状況が多々発生しており結果的にお客様に迷惑をかけている部分があり、どうしたもんか…と今後の対策について色々と考えていました。
で、エアコン修理を自社で完結させようと思うとマニホールドゲージや真空ポンプ、リークテスタ、冷媒ガス回収機等の設備を入れればとりあえずは可能ですが、その方法だと物理的に人間の作業が避けられない部分を除いても全ての工程で人の手による作業が必要になってきます…
その上で今当社の現状を考えると現在の仕事量に加えてエアコン関連修理の全行程に対応している人員的余裕はありません。
そこで去年の年末ごろから考えていたのが全自動A/Cガスマシーンの導入…
理由は簡単で全自動のタイプであれば人が行う必要がある作業を除いた部分を全て自動化できるからです…
そうすれば今まで1から10まで人間が対応しなければならなかった工程の少なくとも半分は自動化が可能で、それならエアコン修理も自社で対応可能になるかな…と色々検討していました。
現在、自動車用エアコンの冷媒ガスはHFC134aというガスが広く一般的で現行車の9割はこの134aが採用されています。
ただ、この134aガスは大気開放禁止のガスという事もあり環境保護の観点から欧州ではHFO1234yfという環境への影響がほとんどない新ガスへの代替が進んでます。
日本の自動車関連規制は欧州規制に右ならえ…といった習慣があり、結果的に日本でも乗用車に関しては2023年以降の新車には1234yfの採用が義務づけられました。
実際、国産乗用車なんかでも既に1234yfが採用されている車種も普通に販売されています…
この代替の動き自体は何も悪い事ではなく、世界的な環境保護という方向性に日本も足並みをそろえたという話。
ただガスが変わるという事は先に書いたマニホールドゲージ等の設備は兼用が出来ないため、使用するガスに合わせた設備が別途必要になってきます…
トラックも当然その対象になってくる訳ですが今のところ代替期限に猶予があり、トラックメインの当社としては1234yfに対してはそこまで急いで考える必要はないかな〜と思い、HFC134aガス専用機を想定して導入を検討していました…
ところが…
欧州の雄であるダイムラーを親会社に持つふそうさんが既に国内向けの新車に1234yfを採用しているという話を聞き…
なんでやねん!とツッコミを入れつつ、当社としては134aの一本に絞ろうとしていた考え方を変更せざるを得ない状況になり…
新たに検討し直しておりました。
結果的にA/Cマシーンを導入しても134aは作業出来て1234yfが作業出来ないって言うんじゃ意味ないよね…という事になり
色々と考えた挙句…
デュアルモデルを導入する事にしました。
コレは134aと1234yfの2種類のガスを一台でメンテ可能なタイプで、更にPAGとPOEの2種類のコンプレッサーオイルの完全分離に対応しているという事で当初からこのタイプの導入を検討しており、スナップオンの方にもわざわざ東京から来て頂きデモも行なってもらっていました。
(その時はもちろんシングルモデルを想定していてまさかデュアルモデルを導入するとは考えてもいなかったけど…笑)
で、ふそうさんが先走って現行車に1234yfを採用してくれたおかげで結果的にシングルモデルでは不十分となりこちらのモデルに変更する事になった訳です…
ただコレでウチのお客様のエアコン修理に自社対応可能になりました…
エアコン修理時に活躍する事はもちろん、予防メンテナンスにも重宝します…
とりあえずデータ取りとして自社車両のエアコンガスをリフレッシュ…
このリフレッシュがエアコントラブル予防には有効で経年劣化でガス配管内に混入した水分やガス自体の汚れをクリーンにして再充填します。
基本的にエアコンって壊れた時しか触らない事も多いですが、エンジンなどと同じで壊れないように予防メンテナンスをする事もこれからの時代には非常に重要になってくる要素の1つです。
購入から約1年のサービスカーのキャラバンなんかは…
こんな結果に…
規定量500gに対して335gしか入ってないんですよ…
ちなみに漏れはないです…
どういう事かと言うと…
恐らく新車でラインオフした段階から少ないんですよ…
キャラバンの製造ラインでどういう方法でガスチャージしてるか分かりませんが少なくとも新車時の充填量管理はいい加減な事が分かります。
まあ商用車なんでそんな所にコストはかけられないと言われればそれまでですが…
こんな状態の個体は数多く存在している訳です。
ちなみに、一部レクサスの製造ラインには同じタイプの機械が導入されてるらしいですけどね…
そうやって考えるとコストをかけてもそれなりの利益が見込める高級車は製造ラインからガスの充填量を管理している訳で…
言い換えれば商用車なんかはコストを下げるために特に管理が甘いんじゃないかと思っちゃいますよね…
とりあえず冷えときゃ文句言われねぇだろ…的な。
でもね…
これが数年単位で見た時にエアコントラブルを起こす要因だったりするわけです。
なんでもそうですが適正なメンテナンスをする事で防げるトラブルは防ぐに越した事ないですから…
予防メンテナンスは長い目で見た時に必ずコスト削減に繋がります。
まずはこれから暑いシーズンに向けてエアコンのトラブルは間違いなく増えるのでウチのお客様に関してはとりあえずガスのリフレッシュをしてシーズン中のエアコントラブルを出来る限り予防したいと思います。
よく直しました
R12ガスの時はエキパンばるぶ、レシーバードライヤーの交換でほとんど直りましたけど、134ガスになってからはコンプレッサーの交換が大半でした
3年に1回
ガスのリフレッシュを施せば故障は皆無なんですけどね
まさにR12から134に切り替わった時代と同じ事が現在起きています。
今は圧倒的に134の方がコスパは良いですが、それも時間の問題です。
10年くらい経つとガスも1234が主流になり134が値上がりしていくのは間違いないでしょう…
そうやって考えるとデュアルモデルはどちらもイケるので良いタイミングだったと思います。
昔のコンプレッサーは今と比べるとやはり精度が低くエキスパンションやレシーバに金属粉が回っていましたからね…
コンプレッサーも壊れると安くはないのでやはり定期メンテナンスは重要になってきますよね^ ^
キャンターのコンデンサーモーター交換の時もガス回収してコンデンサーごと取り外せて時短にもなりますし何より繋げて他の作業が出来るのが魅力です😊
ガスのリフレッシュで内部の異物や水分を除去するだけで防げるトラブルも多いですからね…
キャンターのコンデンサーモータ…
なるほど…!
私も今後、その方法でいきます…笑
ボタン押すだけで全部自動でやってくれるのは本当助かりますよね!
これからどんどん活用したいと思います^ ^
うちの会社では到底買えません。
うらやましいですわ。
仕事、少ないですし
採算だけを考えると導入するのに躊躇う金額ですが、人手不足もこれから更に深刻になる中で出来る部分はやはり自動化する事がマストになっていくと思います…
更に134から1234に切り替わる時期であった事と、向こう10年は1234の価格は134程までは絶対に下がらないですから、エアコンの修理コストはこれから間違いなく上がります。
そう考えると壊れないように予防していく事が非常に重要になってくる事は間違いないという判断から導入を決断しました。