自然と風を感じて…

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アリゲーター・ガー

2008-07-29 22:08:42 | 自然
地元の中日新聞の地域版に大府市内のため池で捕まったアリゲーター・ガーの記事が載っています。
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20080729/CK2008072902000039.html

このアリゲーター・ガーは外来生物法の特定外来生物に指定されていませんが、日本の自然や生態系に大きな影響を与える生き物です。

でも、けっしてアリゲーター・ガーのような外来種が悪いわけではありません。むしろ、彼らが一番の被害者なのでしょう。彼らは故郷から遠く離れた土地で懸命と生きようとしているだけなのですが、その存在そのものが否定される「哀しい生き物」たちなのです。

 なにより悪いのは、あまりよく考えずに彼を入手(おそらくペットショップなどで購入)し、飼育できなくなったからと、ため池に放った犯人(?)であす。そして、飼育し続けられない人対してアリゲーター・ガーを輸入し販売した業者なのです。

 でも、このことは普通の人にはなかなか理解してもらえません。哀しいことなのだけれど…。

 もし生き物を飼おうとするなら、これだけはお願いしたいのです。
・自分が飼育している生き物は最後まで面倒をみてほしい。
・どうしても飼えなくなったら、辛いかもしれないけど自分の手で処分してほしい。
・もし、自分の手で処分する勇気がないなら、生き物を飼わないでほしい。

 日本には「放生会(ほうじょうえ)」という風習があります。生き物を野(自然)に放すことは、徳を積むこと、自分が犠牲にしてきた生き物の霊を慰めるものとされています。
 誤解をしている人が多いようだけど「放生会」は、その場所にいた生き物を、元いた場所に生きたまま返してあげることであって、飼育していた生き物を自然の中に放すことではないのです。
 外来種だけでなく、たとえ日本固有の生き物であっても、ペットとして流通している生き物たちは、ほとんどのものが今飼われている場所で生き続けてきた生き物ではありません。彼らを野に放つことは、自然環境や生態系の破壊、遺伝子の混乱につながることになります。

 また、ペットを自然の中に放す人の多くは、自分の飼っていたペットが自然の中で永遠に生き続けていてほしいと願っていると思います。
 しかし、残念ながら、野に放たれた生き物たちの多くは、他の生き物に襲われたり、餌がとれずに飢え死にしてしまうでしょう。厳しい自然の中ではわずかな幸運な生き物たちだけが生き残ることのできます。
 そして、生き残ることのできた生き物たちは、在来の生き物たちの生息場所を奪い、あるものはを在来の生き物たち襲い、自分たちが生息する場所を広げようと、摩擦を発生させるのです。

 ペットを自然の中に放すこと、放されるペットも、そこにいる在来の生物の両方を被害者にしてしまうものです。

 今回のアリゲーター・ガーのような、哀れな生き物がいなくなることを願っています。