自然と風を感じて…

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インタープリターと自然観察指導員

2008-07-25 04:59:02 | 自然
 先週のことですが、山梨・清里で行われた、環境省主催の「自然解説指導者研修会-基本研修入門コース」に参加してきました。
 俗にいう「インタープリター」の養成講座なのですが、この研修でこれまで持っていた「インタープリター」という言葉の認識を全く改めなければならないことを知りました。

 「インタープリター」というと、自然公園・国立公園などにおかれているビジターセンターといった施設で、周辺の自然やその施設の案内をする人というイメージでいました。
 しかしこの研修を受講してみて、「五感を通じ自然を感じ取る」という手法や「実際に観察できることや体で感じられることから、自然の基本的な理念や概念を理解してもらう」ことを目的とし、「環境教育」の一環として認識されていることを理解しました。

 今回の研修会では、講義とフィールドワークを繰り返すことで、理解度を深めていくという考えのもと、実際のフィールドワークでは、具体的な自然解説の全体プログラムを構成する個別のアクティビティを研修者に与え、その内容を時にインタープリターとして、時に参加者として体験し、相互評価を行い、メンバーを変えてもう一度「練り上げたアクティビティ」を相互に体験する。というものでした。
 3泊4日という長期の日程であるからこそ、できる内容のものともいえるのですが、基本的に「つかみ」「本体」「まとめ」のアクティビティをいくつも組み合わせ、観察会全体を構成するということ、一度行った観察会を反省し、そして見直し、次につなげていくという考えは、この後も自らも行っていかなければならないものであることと感じとってきました。

 実は、この手法や理念は、基本的には日本自然保護協会(NACS-J)が行っている「自然観察指導員講習会」の中で伝えたいことと、なんら変わらないもののように感じました。

 もちろん、「自然解説指導者研修会」でも「自然観察指導員講習会」であっても、個々の生き物についての説明は、ほとんどありませんでした。

 「インタープリター」も「自然観察指導員」も、ほとんど同じ考えのもとにあるものであることを、知ることができたのは大きな収穫であったと思います。
 そして「インタープリター」と「自然観察指導員」の違いですが、私は今回の研修を通じて「施設」に所属しているか、「地域」に属しているか、そこのところの違いしかないように感じました。

 ところで、自分たちの行っている自然観察会を「観察」し直してみると、私たちの方が「自然解説」を行っているように感じてしまいます。観察会の下見の時でも「ここで『なに』を説明しようか」という相談をしている光景をよく耳にします。もちろんここでいう「なに」というのは特定の生き物のことが多いのですが…。

 「自然観察会」というと堅っくるしいイメージがあります。しかしながら、そのイメージを打ち壊すためだけにゲーム的なものだけで観察会を構成することは現実的できないでしょう。しかし、生き物の説明をすることだけが「自然観察会」ではないことは、「自然観察指導員講習会」の中で学んできているはずです。

 ここのところ、「参加者もが楽しめる観察会」というところが少し薄くなっているような気がします。
 今回の研修で学んだことを生かし「誰もが気軽に参加でき、楽しめる観察会」をめざして、「意識改革」と「仲間作り」から始めないといけないのでしょうね。

P.S.直接仕事につながりのない研修に参加させてくれた上司と環境省の担当官の方に感謝しています。