ちび庭日記

借り家住まいのちいさな庭の植物達を中心に、身近に感じたことを載せてゆければいいな~と思っています…(^_^)。

鉢の行方

2005年07月20日 | 京都
暑い暑い京都。もうすっかり34℃台。ええい、と園芸店の店先に打った打ち水も、あっという間に蒸発、コンクリの地面はカラカラ。

5月頃ごろだったか?近所のホームセンターでなんと700円ほどで入手したフィカス ウンベラータ(Ficus umbellata)。買ったばかりの時はそれまでおいてあった場所が暗かったのかほんの少し徒長気味で、下の葉が落ちてちょっと心配でしたが、ここのところずいぶんご機嫌よさそう。半透明のおしゃれなプラ鉢に炭のハイドロカルチャーで植えてあるのですが、元気に白い根っこも見えてきました。ゴムノキの仲間らしく、赤い新芽がつん!と上を向いています。

そうかあ、やっぱりこの子は熱帯の子だなあ。他の植物が暑さに多少げんなりしている中、窓辺で何だかすごく嬉しそうに見える。そんな姿を見ていると、この暑さも仕方がないか、と思えてきたりして。さてさて、この先どんなふうになるかなあ?私の頭の中には、以前「サカタのタネ」本社ビルの1階の吹き抜けでゆったりと枝を広げる、見上げんばかりのとびきり大きな見事なウンベラちゃん(しかも鉢植え)が印象に残っているのですが、ウチは天井までせいぜい2.3mくらいだもんなあ。いまはまだ30cmしかない株。育つのが楽しみです。

「育つ」、といえば。先日、花売りに回っていたときのこと。とある大きな町家のお宅が、事情により引き払うことになったとか。そこで尋ねられたのが、坪庭で大事に育てられてきた、いくつかの見事な観音竹の鉢。青い大きな陶器鉢から、すっくと立ってつややかな葉を茂らせている。「どこか預かってくれるところはないか」「売ったらいくらぐらいになるか」と尋ねられていたようだけれど、うちの園芸店社長の返事は、貸し鉢にしてもちゃんと手入れしてもらえずすぐに駄目になるのが目に見えているし、このくらいの大きさの株なんていくらでもあるので、売ってもほとんどお金にならない、そもそも買い取りの場自体が存在しない、とのこと。

お家の方にとっては、ずっと昔から毎日欠かさず世話をしてやってきた、そのお家の歴史を刻んでいる大事な鉢。わたしもこのお家を通りかかる度に、薄暗い玄関の奥の、縁側の古いガラス窓の向こうに見えるまぶしい緑を、なんとも奥ゆかしく感じていたのに、まさかこんなことになろうとは。

お家の方も、もうちょっと考えてみる、とおっしゃっていたようです。こんなに素晴らしい鉢、「わたしひきとります!!!」って手をあげたくなっちゃうけど、なにぶんにも借り家住まいだし狭いし、分不相応。お迎えするにはそれなりのとこでなくっちゃ、と思わせるような、そんな鉢。これ、見たら、絶対高く買ってくれそうな人がいそうな気がするんだけどなあ。ネットオークションなんて、不謹慎かなあ。愛情と歴史って、お金では計れないものなのね。(でも、盆栽なんて、高いよなあ…。だめ?と、あきらめの悪い私。)
お金があれば、あの町家買うんだけどなあ~、おしいよなあ~、なんて、別のところでため息をつくウチの社長でありました。さあ、そして鉢の行方は?

☆今日のちび庭気温 23~34℃ やっぱり、暑かったねえ~。これが9月まで続くのでしょうか?4か月前は寒さに震えていたというのに、日本って、やっぱり気候変化の激しい国だったのね。(;^^)))))

京都は熱帯だった。

2005年07月20日 | 京都
3日ほど前から涼しげに咲いている薄黄色の花。ちび庭の一番奥、アラカシの根元。地面からすうっと茎が伸びて、その先にぽうっと一輪、浅いラッパ型の、星のような形をした花。

なんだろう、ハナニラじゃないぞ。ヘメロカリスでもない。チューリップって、時期でもないし。ゼフィランサスかなあ…。でも、6枚ある花びらは1枚が三角形に見えるほど巾が広い。個体差ってやつかなあ。

結局、今日のところは分かりませんでした。花径は3~4cmくらい。もう夜で写真も取りそびれ。葉っぱは、花とは全然別の地面から出ている。もしこれがそうだとすれば、ニラの様に細い。

花は根元のあちらとこちらに2つ咲いていて、すっきりした薄黄色で、ほっそりとしてとても上品に風に揺れています。これは前の住人の方が植えたのかな???思いもかけない贈り物は、嬉しいものですね!

☆今日のちび庭気温 23~34℃!あつう~!ついに、ちび庭にキュウリの屋根を作ろうと画策中。つるがそこまで伸びるやら伸びないやら。(^^;)

暑つおすな~。

2005年07月16日 | 京都
と、祇園祭の挨拶はこれである、と京都検定のテキストに書いてありました。花売りにいった先のおばあさんがおっしゃるにも、「暑ないと祇園さんやない」のやそうでございます。ちなみに、京都検定の正式名は「京都・観光文化検定試験」。受けるかどうかはさておき、ヨソモノの私にもなにかとお役立ちの一冊でございます。

さて、木曜日の夜は、行ってきました「宵々々山」。1か月間の祇園祭のメインイベントである山鉾巡行の3日前から、市内のあちこちに各町の「山」や「鉾」が組み立てられ始め、同時に「屏風祭り」も行われます。京都の碁盤の目のだいたい西側に、「長刀鉾町」や「蟷螂山町」など、各「山鉾」の名前のついた町が固まっており、そこの旧家が先祖代々伝わる屏風や掛け軸を家の中に飾って道行く人々に見てもらうというものです。

夕方6時。いよいよ四条通や烏丸通が歩行者天国になり、あちこちに組み立てられた山鉾の提灯に火が灯り始めます。既に人出は多く、浴衣で着飾った人々もいっぱい。連れとまず向かったのが「ちまき」買い。どの山鉾でも、町の人たちが縁起物のちまきや、お守り、その他Tシャツや手ぬぐいなど、自分の山鉾のしるしが入ったグッズを売っています。しかし、なんといっても心惹かれたのは、お札を売る子供達の歌。幕を張った向こうから灯りのもれる露地に入ってゆくと、浴衣を着込んだ子供達が、会所に並んで座っている。「ちまきどうですか~!」「おまもりどうですか~!」「はと笛どうですか~!」とひとしきり叫んだあと、仲間を見回して、せーの、で歌いはじめる。

厄除けのお守りはこれより出ます
常は出ません今晩限り 
ご信心の御方さまは 受けておかえりなされましょう
おろうそく一本献じゃれましょう

なんていい歌なんでしょう。まだ日本にこんな歌が残っていたなんて。他の鉾のところでもそれぞれに子供達が歌っていましたが、すこ~しづつ節回しが違います。いったい、いつの時代から歌い継がれてきたものなのでしょうか。こうして同じ節を歌っていたであろうはるか昔の人々に出逢ったような気がして、ちょっと感動してしまいました。

ちまきも、お飾りと食べられるものとがあるのですが、これも山鉾ごとに全部違うのですね。集めたくなる衝動をぐっと堪えて(!)、長刀鉾(厄除)と鯉山(立身出世→カープに勝ってほしいという広島人の連れの願いがこめられている)のちまきを買ってきました。手ぬぐいも入手。これはやみつきになりそう…。

いろんな通りのいろんな山鉾の飾りや格子の向こうの屏風、提灯や出店をのぞきながら、そぞろ歩き。ずいぶん歩いたので、もうすっかり足が痛くなってしまいました。鶏山に登らせてもらうと、お囃子の熱気に気押されるようでした。下を歩く人々もすごい数です。すっかり堪能してしまった「宵々々山」。本番にはどんなことになっているのでしょうか…。

次の日の造園やさんしごとはかんかん照りの気温も久々の31℃。もうすっかりバテ気味。帰る頃には本当に足が上がらなかった。お陰で、本日土曜日は家でぐったりしながらテレビで祇園祭を見ておりました…。

☆今日のちび庭気温 21~34℃ っていっても、14日からとりそびれていたので3日分の気温です(^^;)。梅雨明け?ってくらいすっかり晴。ますます水やりが追い付かないねえ。さあ、夏本番かな?

太秦の夜。

2005年07月13日 | 京都
今日はちょっと遅くなって帰ってきました。いつもと違う帰宅ルートで西院(さい)から京福電車に乗り込む。ちょうど鎌倉の江ノ電のような、しかもさらにたった1両だけのかわいい電車。嵐山行きなので嵐電(らんでん)ともいいます。ゴトゴト、ゴトゴト、と、ときおり途中道路のまん中を走って住宅街へ。真っ暗な三条通りのはずれを走っていくと、あたりの静けさにまるで「千と千尋」で千が湯婆婆(ゆばーば)のに逢いにゆくシーンのようです。

「帷子の辻」で降りて商店街の方へ。さらに進み、「松竹映画撮影所」の敷地横を高いコンクリ塀沿いに歩く。塀の向こうにはうっそうとしたクスの大木、夕闇に大きく葉を広げたアオギリ(Firmiana simplex)が浮かび上がる。特にロケをやってる物音も聞こえないのですが、たまに、セットの屋根がライトアップされているのが見えます。ここ、ちょっと中をのぞいてみたいなあ。体育館のような倉庫の横にはたくさんの小道具達。幾種類もの障子だったり古木だったり提灯だったり。

さらに通り過ぎて住宅街へ。ここが、私の一番の楽しみ。ほんとに、いろんな形のちょっと小さなお家がところ狭しと並んでいる。中はまるで迷路のようです。お玄関に植えてあるものもいろいろ。ふと花の良い匂いがし、夜目にも白いユリやアジサイの斑入り葉が浮かび上がる。みずみずしいアサガオ(Ipomoea nil)のつるが、軒から張られたロープをよじ登ろうとしている。ちょっとわくわくする帰り道。いつもは自転車ですっとばしてしまうけど、朝雨だった日はゆっくりとご近所のお庭を堪能して歩きます。月に群雲。地上からの光を受けて白く浮かび上がる夜の雲。まるでマグリットの絵のような、もしくは舞台の書き割りのような夜空。緩やかに流れる水路の上の石橋にたたずむと、ほんの一瞬、撮影所の中でなくともどことなく時代劇の中に迷い込んだような気分。だんだん夏の匂いがしてきましたね。

☆今日のちび庭気温 23~29℃ 朝は雨でしたが、予報を外れて昼にはしっかり晴。そして土砂降り雨上がりと、お天気も忙しい毎日でした。市内は既に祇園祭の山鉾の組み立てのお陰でかなり車も混雑しています。祇園祭って、1か月もやるんですねえ。商店街はどこもかしこもお囃子のBGMとはサービスのいいこと、なんて思ってたら、ほんとに2階で浴衣来て町内の方々がお囃子をしていました。生演奏だったなんて、びっくり。

「かばた」な生活

2005年07月11日 | 滋賀
こんにちは!今日も梅雨らしく蒸し暑いですねえ。やっと夕方頃になってやる気が出てきました。

さて、じつは昨日は、ちょっと面白いツアーに参加してきました。「かばた」を見に行くツアー。「川端」と書いて「かばた」と読むのです。

何かっていうとね、家の台所付近にわき水を引き込んで飲み水に使い、残りはいけすに流し込んで、水仕事に使うのです。畑で取れた野菜を洗うのも、お茶や西瓜を冷やすのも、洗い物もほとんどそこで済ませる。そこに鯉やヨシノボリなどの魚も住んでいる。ご飯の後片付けのお皿を「かばた」につけておけば、鯉がせっせとお皿についた食べカスをきれいに食べてくれるのだそうです。

場所は、滋賀県の琵琶湖の西側、新旭(しんあさひ)町。同町の観光協会の方や役場の方がボランティアで案内をしてくださっているのです。昨年NHKで「里山『命めぐる水辺』」という番組で紹介され、連れがそのツアーを見つけて以来ずっと行きたかったのですが、ようやく参加することができました。
(新旭町商工会 http://www.a-toko.com/

ほとんど乗客のいない湖西線。京都駅からのんびりと乗っていくと、行手の空はまさに「暗澹たる雲行き」。琵琶湖にかなり山が迫っているのですが、もう空とも山ともつかないほどに真っ暗。ん~、降ってる降ってる。

そんな雨降りの中、琵琶湖岸の葦群落の入り江も行きましたが、こんなに美しいところがあったとは!!!滋賀県人の私も初めて知りました。そして、針江(はりえ)地区のいろんなお宅の「かばた」を見せていただき、とってもうらやましくなりました。ほんとにお家の台所に鯉が顔をのぞかせていたり、胡瓜が冷やしてあったり、水面のまん中に松の盆栽が置かれていたり。町の中もどこも水が豊富で、たくさんのお花も育てられています。いいですねえ、水のある生活。もうなくなった私の岐阜の祖母の家にも、昔は家のすぐ脇に小さな水路がありました。子供の頃は冷えたジュースを選ぶのが楽しみだったのに、今では跡形もなくすっかり道路のコンクリの下。残念でなりません。

最後に町の方の手料理をいただき、葦笛とハーモニカの演奏まで聞かせてくださいました。なんともあたたかい手作りツアー。いつまでも、こんな暮らしが残っていくといいですねえ。皆さんも機会があれば、是非、行ってみてください。心に残ること間違いなしです。

☆今日のちび庭気温 23~32℃ 曇り~雨。でも暑かった! 今日はちょっとがんばって「おばんざい」に挑戦。禅寺で出されるという「ショウガご飯」というのも作ってみました。さっぱりしてなかなかおいしかったです。やはり、その土地の気候にあった料理はいいですね。(^▽^)