ちび庭日記

借り家住まいのちいさな庭の植物達を中心に、身近に感じたことを載せてゆければいいな~と思っています…(^_^)。

千年越えて蓮の花

2006年07月30日 | 京都
先日、久々にとあるセミナーに参加して、植治さんの非公開のお庭を見せていただきました。

京都に来てから、ずいぶんお庭を回ったと思ったけれど、まだまだすごいお庭ってあったのね~。もう、入った瞬間から雰囲気が違います。「格」とでもいうのでしょうか。

よく、「本物」っていいますよね。私の中に「本物のお庭」「本物でないお庭」という、なんとも漠然とした概念があるのですが、何を持って「本物」というのか???いまだにそれがなんなのか分からないのですが、お会いした方が、「それは哲学があるかないかだ」、という、ひとつの答えをくださいました。なるほど。

お金をかければ「本物」の庭ができるのか?作法が叶っていることなのか?材料が高級なことか?
う~ん。でも、なんか「ニセモノ」って思うこともあるよな~。

植物を知り尽くして使っていることか?愛情がかけられていることだろうか?
ちょっと近いかなあ?

フォーマルなことか?規模があることか?古いことか?
そうかもしれないけどそれだけでもないなあ。

徹底していることか?オリジナリティ?
う~ん、そうだけど、方向性によっては、ちょっと…っておもうこともあるもんなあ~。

必然性を叶えていること?
それはかなり入ってる気がするなあ。

む、むずかしい。
私の中でホンモノの庭っていうと、ターシャの庭だったり、研修で見てきたウィズレーやキューやハンプトンコートのガーデンだったり、竜安寺だったり…、そのあとに、いきなり昔ウチの祖母が丹精していた庭だったり、南米のパンパの生活感溢れる庭だったり…まるで脈絡がない。強いていえば、やっぱり単なるお飾りではなくて、なんらかの「必然」性があるってことかなあ。いや、お飾りも真剣にやれば…う~ん?

まあ、なんとゆーか、とにかくそのお庭に入った時、すごく高度な「ホンモノ」感をひしひしと感じたのでした。これはタダ者ではない。何にも考えずにただボ~、ッと入って、醸し出された雰囲気へのの驚き。そうそう。このゾクゾク感は、大徳寺の高桐院以来かなあ。明治の首相(の別荘だったの)と植治のコラボ、というのは、入ったあとから思い出したことでしたが。計算され尽くしていながら、決して押し付けのないお庭。何でここまで、出来ちゃうんでしょうね~。

贅を尽くしていることはまぎれもないけれど、それだけではない、やはり、「哲学」ってことでしょうかね。ふむ。う~む。おいおい良く考えてみることにしよう。きっと、ばさっと線が引かれているものでもないだろうし。

あと、面白かったのは、そのお庭をどこまで修復するか?ということ。本来は借景として見えていたはずの東山を、今は倍以上に茂った木々がすっかり隠してしまっています。しかし。これを元通りにすると、昔はなかったビルの群れが視界に入ってしまうことに。ほほ~。時代によって、「必然」が変わってくるんだな~。

他にもいろいろと楽しい話をたくさん伺ったのですが、残念ながら書けるのはここまで。またぜひ参加したいセミナーでした。

そして今日は。大覚寺横の広沢の池まで、蓮の花を見に自転車で走ってきました。
ここの田園風景は最高ですね。どこまでも青い田んぼが広がり。つい、稲の波を見て、「おお~、天端(生垣でいうてっぺんの高さ)がそろってるなあ~(ってあたりまえ…)」と見とれてしまうのですが。

人の姿もちらほら。そして、猫が1匹、2匹、3匹、4匹…。ちびカエルもいっぱい。上手には「名古曾の滝」。昔の遣り水の遺構を復元した風景はなんとものどかです。なんだか、小さい頃見たパラグアイの小川の風景とも似ているような。
ふくふくとした蓮の花が、なんともきれいでした。う~ん、しあわせ。このみずみずしさ。昔の人が仏様の御加護を祈ったのも分かる気がするなあ。ウチも、いつか、お庭に植えたいなあ~。

☆今日のちび庭気温:21~32℃ もう、熱帯夜続きですね~。今日はちょっと涼しいけれど。ついに、ウチも夜だけクーラーをいれ始めました。本当は避けたいところだけれど、ちゃんと寝て、とにかく体力だけは確保しないとね~。(*^_^*)

大沢の池

2006年07月30日 | ガーデン
今日も嵯峨野はたおやかです。山も田んぼも美しい。


そして、ここ、大沢の池には猫が4匹。逃げません。
この子達は兄弟かな。なんと雅なところにお住まいな。


そして、こちらが平安時代の遣り水の遺構を復元したものらしい。
いいですね~、この曲線。

この大沢の池は、日本最古の人造池なんだそうです。中国の洞庭湖を模した池泉回遊式庭園だったとか。この芝生の所に館もちらほら立っていたらしい。いまは跡形もないけれど。

このたゆたゆ感がたまりません。私の好きな小川って、まさにこんな感じ。いいわあ~。


続き 光悦寺~源光庵

2006年07月29日 | ガーデン
先日の光悦寺の続き。すっかり気に入ってしまったこの入口。


そして、こちらは源光庵。なんと、改修工事で入れませんでした。なので、門の所だけパチリ。ちょっと面白い形の門です。


良く見ると、下は「たたき」を作ろうとしているのか???

土が赤いのは気のせい?ベンガラでも混ぜているのでしょうか???
門の黒、土の赤に向こうの緑の芝生、とコントラストがきれいです。
ちょっと不思議な雰囲気。


これは屋根の補修用???なんだかタールのようなものが載ってるぞ…。
改修が終わったら、どんなふうになってるのか見に来たいなあ。

光悦寺に行ってきました。

2006年07月23日 | ガーデン
久々に晴れた先日。行きそびれていた光悦寺に、ついに出かけてきました。自転車で。

しんどかったよお~。すごい坂道。けっこう遠かった。でも、ほら。

とってもきれいな石畳。新緑のモミジも苔も、見事です。

そして、これが有名な「光悦垣」です。写真をクリックすると、大きくなります。
傍で見てみた感じ。
下には、鉄筋が入っている!
そしてそして、これが、しっぽ!

どこまでも続いているのかとと思ったら、ここひとつだけでしたが。とてもしっかりした作りですね。敷地内には、7つものお茶室があり、とても優雅でした。ただ、お茶室には入れなかったのが残念でしたね。やっぱり、お庭はお茶室から見ないとって、ね~。

コンチキチンで巨大ウォークラリー。

2006年07月20日 | 京都
いや~、すごい雨が続いていますね~。皆さんの所は大丈夫でしょうか。ここ、太秦も雨続き。特にここ2~3日は特大粒の雨が降っています。

今日も全身びしょぬれでお仕事してきましたよお~。合羽なんて全然役にたたない。お昼に着替えてもまたびっしょり。おまけに洗濯しても乾かないし、困ったもんですね~。この仕事をするようになってから、洗濯の回数が増えて、水道代が大きく増えてたのにはびっくり。ウ~、イ、イタイ。

しかし。同じ雨の中、がんばって濡れていた人たちもいる。祇園祭の山鉾巡行の皆様、本当に、お疲れ様でした~!!!あの土砂降りの中を、さぞかし大変だったと思います…。あ、でも、いつもは炎天下でこれまた大変なんですよね~。あんな雨でもやるんだなあ~っと感動。あんな重要文化財をじゃらじゃらぶらさげた山鉾、ビニールをかけているとはいえ、雨にさらしてでも執り行われるというのは、やはり神事ゆえでしょうか。それにもまして、京都の方々の心意気というものでございましょう…。

かくいう我が家は、先週金曜日にお休みをいただいて、「宵々々山(よいよいよいやま)」を見て来ました。(そのかわり海の日はお仕事したもんね。)例によって、「下駄履き」で。

「宵々々山」は夕方6時以降から始まります。ブログの方に書いた、「天得院」の桔梗のお庭を見てから、京阪~地下鉄烏丸線で四条河原町へ。平日とはいえ、午後4時ですでに人出が多くなっています。土日になると他からの観光客で恐しく混雑するが予想されたので、わざわざ金曜日に見に行くことにしたのですが。う~ん、きっとほとんど地元の人だとは思うけど、やっぱりすごい混み方。

まずは、今年の「ちまき」をゲットです。京都のまちを歩くと、よく玄関に三角の「ちまき」が提げてある、あれです。食べるんじゃなくて、お守りなのです。ご贔屓の山鉾の周りで町内会の人が売っています。お店に立っているのは、かわいらしく浴衣を着込んだ子供達。今年も、「ちまきどうですか~」「てぬぐいどうですか~」と、涼やかな声で各山鉾のグッズを売り込んで、お祭りを盛り上げています。

でも、まだ初日なので多少気後れしているのか、なかなかあの「常は出ません今晩限り~♪」の歌が元気よく出て来ません。喧嘩でも売っているように(!)大きな声を張り上げている大きな子達もいますが、山鉾の神様にお参りにこられたおばあさんに「あの歌、うとおて?ききたいわ。」と言われて、顔を見合わせて、おずおずと恥ずかしげに歌い出した女の子達がいれば、別の山では、夜も遅くなって迎えにこられたお母さんに手を引かれながら、「ごしんじんの、おんかたさまは~」と一生懸命にわらべ歌の文句をおさらいしている小さい子もいました。まだまだ、明日も明後日もあるんですもんね。なんともかわいらしいものです。

そして、我が家がまっ先に買ったのは、今年は八坂神社さんのちまきでした。表に、「蘇民将来之子孫也」と書かれた赤い札が付けてあります。祇園祭は、もともと京の都に流行った疫病を退散させるために行われた神事がはじまりとのこと。このお札には、子々孫々まで疫病や災難から守られ繁栄するとのご利益があるのだそうです。

もうひとつ買ったちまきは「郭巨山(かっきょやま)」のもの。今年の「一番」つまり、毎年先頭と決まっている「長刀鉾(なぎなたぼこ)」を除いて、巡行の列の一番最初を飾る山鉾です。郭巨山のご利益は、金運なのです~。そそくさと買いにいった連れ。一番で金運なんて、すばらしいじゃないですか!と、言うと、町内会のおじさんも「そうなんですよ!1番なんですよ!!!6年ぶりなんです。これがそのくじ札なんです。ちゃんと見ていってくださいね!」と、とっても嬉しそうでした。いいですね~。やっぱり、みなさん自分の町の山鉾を愛していらっしゃるんですね~!ぜひぜひあやからせてくださいませ。

からころからころ。軽い桐下駄の音(すっかりお気に入り)と、頭の上から降ってくる「コンチキチン」の鐘や笛の音にうっとりしながら、夜の京の町をひたすらそぞろ歩く。32基の山鉾は、全部ではありませんが、烏丸通の西側一帯にあるそれぞれその名のついた山鉾町が所有しています。役行者町(役行者山)~鯉山町(鯉山)~橋弁慶町(橋弁慶山)~月鉾町(月鉾)~蟷螂山町(蟷螂山)~~~~~太子山町(太子山)っと、歩きに歩いて、うち28基ほどを制覇。ほんと、これって、絢爛豪華な「大人のウォーキングラリー」って感じです。月鉾では、しっかり手ぬぐいも買って、鉾の上に上がらせてもらいました。これが木材とロープだけで組み上げてあるなんて、伝統技ってすごいですね。40人乗っているそうですが、びくともしません。手すりも床もすべすべ。上からの眺めも圧巻、みなさん、汗だくで鉦や太鼓を鳴らしていらっしゃいました。傍で聴くと本当にすごいです!!!

「祇園祭?暑いし人しか見えへんし、あんなとこいかんでえーやん。疲れるだけやでー。」と、近いにもかかわらず、小さい頃からず~っと誰にも連れてってもらえなかった庭主。昨年はじめて見ましたが、やっぱ、1回は見るべきよ。みなさん、おすすめです。特に、宵々々山は穴場です。ぜひぜひ来年はお越しくださいね~。

☆今日のちび庭気温: 21~34℃ ↑と書いてから、さらに2日が経ってしまいました。本日は、あまりの雨のひどさに、出勤したものの作業ができずお休みに。でも、そうかといって、洗濯物も干せないのよね~。(+_+)!!!