ちび庭日記

借り家住まいのちいさな庭の植物達を中心に、身近に感じたことを載せてゆければいいな~と思っています…(^_^)。

太秦の夜。

2005年07月13日 | 京都
今日はちょっと遅くなって帰ってきました。いつもと違う帰宅ルートで西院(さい)から京福電車に乗り込む。ちょうど鎌倉の江ノ電のような、しかもさらにたった1両だけのかわいい電車。嵐山行きなので嵐電(らんでん)ともいいます。ゴトゴト、ゴトゴト、と、ときおり途中道路のまん中を走って住宅街へ。真っ暗な三条通りのはずれを走っていくと、あたりの静けさにまるで「千と千尋」で千が湯婆婆(ゆばーば)のに逢いにゆくシーンのようです。

「帷子の辻」で降りて商店街の方へ。さらに進み、「松竹映画撮影所」の敷地横を高いコンクリ塀沿いに歩く。塀の向こうにはうっそうとしたクスの大木、夕闇に大きく葉を広げたアオギリ(Firmiana simplex)が浮かび上がる。特にロケをやってる物音も聞こえないのですが、たまに、セットの屋根がライトアップされているのが見えます。ここ、ちょっと中をのぞいてみたいなあ。体育館のような倉庫の横にはたくさんの小道具達。幾種類もの障子だったり古木だったり提灯だったり。

さらに通り過ぎて住宅街へ。ここが、私の一番の楽しみ。ほんとに、いろんな形のちょっと小さなお家がところ狭しと並んでいる。中はまるで迷路のようです。お玄関に植えてあるものもいろいろ。ふと花の良い匂いがし、夜目にも白いユリやアジサイの斑入り葉が浮かび上がる。みずみずしいアサガオ(Ipomoea nil)のつるが、軒から張られたロープをよじ登ろうとしている。ちょっとわくわくする帰り道。いつもは自転車ですっとばしてしまうけど、朝雨だった日はゆっくりとご近所のお庭を堪能して歩きます。月に群雲。地上からの光を受けて白く浮かび上がる夜の雲。まるでマグリットの絵のような、もしくは舞台の書き割りのような夜空。緩やかに流れる水路の上の石橋にたたずむと、ほんの一瞬、撮影所の中でなくともどことなく時代劇の中に迷い込んだような気分。だんだん夏の匂いがしてきましたね。

☆今日のちび庭気温 23~29℃ 朝は雨でしたが、予報を外れて昼にはしっかり晴。そして土砂降り雨上がりと、お天気も忙しい毎日でした。市内は既に祇園祭の山鉾の組み立てのお陰でかなり車も混雑しています。祇園祭って、1か月もやるんですねえ。商店街はどこもかしこもお囃子のBGMとはサービスのいいこと、なんて思ってたら、ほんとに2階で浴衣来て町内の方々がお囃子をしていました。生演奏だったなんて、びっくり。