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朝の慌ただしさの中から

2022年04月08日 | 日記・エッセイ・コラム
会話とは言葉のキャッチボールだ

と言う、これは固定概念である

誰が言ったか定かではないが、
この思いが一人で突っ走っている

会話とは、言葉の掛け合いである
相手の発した言葉に対して、
「今度は私のターン!」とばかりに言葉を
投げかける

いや、投げつける

それを受けて「では、私のターン」と
おもむろに取って置きのエピソードを挿入

相手が怯む姿に気を良くし、
次の一手を考える

言われた相手とて、そこで引き退る訳には行かず、
さりとて、それを上回る「すべらない話」も
持ち合わせていない

さてはて

「あ、そうそう!」

話題を替える

ここで話題を替えられては、
今考えている次なる一手を披露する機会を失う

「でぇさぁ!」

強引に話の流れを戻す
面白話のフリだけではストレスが溜まる
オチまでの一連の流れを話切ってこその完勝だ

「それからどうなったの?」

ひとまずはその流れに乗ってみる
面白い話なら、尾ひれ背びれをつけて
自分の体験談にすればいい

流れを引き戻し、優越感に浸る

エピソードの続きを話す
思い出し笑いを交え、オチまでも一気に

「で?」

渾身の一撃を放ったにも関わらず、
相手は効いてないよ!とばかりに
ファイティングポーズを崩さない

渾身のオチが響いていないことに困惑していると
満を時した思いで、口を開く

「あ、そうそう」

仕切り直し

もはや流れを戻す気力は失っている
いや、戻す気力は失っているが、
主導権までも手放す気もない

相手の話を取り敢えず聞く
その言葉を聞きながら、
自分のターンを待ち続ける

キャッチボールの基本は正しいフォームで
相手の胸元、取りやすい場所へ投げ返すことだ

会話はキャッチボールのようにはいかない
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