予報では次の朝の8時ぐらいからの降雪だったので
目が覚めて外を見たら真っ白になってて慌てる。
一体何時から降り始めたんだろう?
しかも朝っぱらから結構真剣な降り方で、降雪が終わるのは午後2時という予報が正しかったら
ちょっとこれはFunSnow(楽しい雪)ではないな。。。と思いつつ、テレワークだし、どこにも行かんし
楽勝!など軽ーく考えていた朝。
仕事を始めると、マケイラからメッセージが入り、ネットの接続が何度も失敗すると言っていた。
でもまあハリケーンじゃあるまいし、さほど心配することもないだろうと思った矢先、私も接続を
不意にディスコネクトされてしまった。
もちろんさっきまでやってたレポート、保存してない!
2階のオフィスからも『Oh, Shit!』が飛ぶ。
それを境に、天候も更に悪化。
降雪どころか吹雪になって、横殴りの雪を見た。
ここからはもう雪の玉が下降してゆくように
1.インターネットが使えなくなり、
2.停電になり、
3.固定電話も使用できなくなり、
4.携帯のプロバイダーもダウンしたので
4.携帯のインターネットも使えなくなり、
5.テキストメッセージも送受信エラー。
いきなり現代社会から遮断された気分。
何故か、かろうじて通話はできるみたいで、
バッテリーは有効に使おうと思ってふと見たら、二人とも前の日にチャージしてなくて、すっかり
バッテリーが低くなってた。
ラッキーなことに、仕事のlaptopがチャージされていたので、そこからバッテリーをチャージ。
もう一つラッキーだったのは、うちはガスコンロなので、停電でも暖かい食べ物も飲み物も
用意することができたこと。これは有難かった。停電してから室内の温度が下がって来ていたので
熱い緑茶や紅茶が美味しかった。
何もすることがなかったのでキッチンに座って、エサを食べに来る野鳥をぼんやり見ていた。
普段なら人間をかなり警戒する野鳥も今日みたいに狩りができない日となると、食べて生きることに
貪欲になるのか、私たちが結構近くにいてもエサを食べるのに必死で、他の野鳥が飛んできても
すぐさま攻撃態勢に入って、他の野鳥にエサを取られまいと必死。
だけど吹雪もすごいし、寒いし、攻撃し合うのにも面倒になってきたからなのかは知らんけど、
時間が経ったらお互いが良い距離感を保ちながら、エサを摘まむのを並んで待つようになる。
端のキジバトなんか、一番攻撃的だったのに、
羽毛を膨らませて暖をとることに集中し始めた。
真ん丸。
裏庭に耳を傾けて見ると、
野鳥がエサの種を齧る『ブチブチ』っていう音と、リスがドングリを齧る『ゴリゴリ』っていう音、
キツツキが虫を探して木をつつく『ココココ』っていう音、それから雪の重みで枝が折れる『バキバキ』
けっこう耳に心地良いなと思って聞いていたら
眠たくなった。
午後2時ごろになってやっと吹雪が止んだので、
外に出てご近所さんと雪かきを始めた。
今回の雪は非常に重い。
私は雪かきが大嫌いだった。
雪かきをして気が付いたのだけど、
左の五十肩がそんなに痛くなかった。
まあもうすぐ1年がたつもんね。
太陽が落ちてきたら室内の気温もグッと下がる。
寒い。
しかも暗くて大変不便。
ハリケーンの防災対策で買っておいたランプに灯りを灯す。
やることがないので、仄かなランプの灯りでアメリカのサイコロゲーム、Yahtzeeで盛り上がる。
二人とも競争心むき出しで遊ぶ。
本気で遊ぶと疲れたし、他にしたいこともなく
夜の8時だったけど、寝ることにした。
ハニバニはあっさりと寝入ってしまったが、
どういうわけか私は先ほどの競争心がまだメラメラしていたのか、全く眠れなかった。
それにしても寒すぎる。
私は寝る時に足が冷たくなることが滅多にないのに、凍ってしまいそうだった。
眠れなくて、つい時計を見てしまう。
停電で点いてないんだったw
アラームをセットしておいた携帯は触りたくない。
手を伸ばすと寒いから。
何を考えたり思い出していたのかは覚えてないけど、その瞬間は急にやって来た。
午前12時47分。
ピピっとセキュリティの電子音が鳴って、
各部屋が急に明るくなって飛び起きて携帯で時間を確かめたので、その時間をはっきり覚えてた。
嬉しくて嬉しくて、思わずハニバニを起こそうかと思ったけど、くーくーと寝息が聞こえたので止めた。
この喜びを誰かと分かち合いたいぐらい嬉しくて、笑みがこぼれた。
とりあえずリビングに下りて暖房の温度を上げる。
室内の温度が華氏52℉(摂氏10℃)になってた。
家の外の灯りを点けて、切り忘れてた部屋の電気を消して、ベッドへ戻った。
急にベッドの中の両足が温まる様だった。
横になってもまだ嬉しくて、笑ってた。
電気が戻るだけでこんなに幸せな気分になるなんて。
次の朝、携帯のアラームで目が覚めると
それまで受信できなかったメッセージが次々と入って来てて、北バージニア勤務の同僚全員も
文明の利器から遮断されてしまったようだった。会話も途中で途絶えてた。
朝になると電気もインターネットも何もかもが戻っていて、それをブラッドに知らせるとすぐに電話が
かかってきた。私だけ全て普及していたらしく、前の日に出来なかったレポートをなんとか頑張って
エィサップ(ASAP)でやって欲しいと言われる。
ブラッドを始め、他の同僚はまだ何も普及しておらず、寒い家で凍えているらしかった。
今こうやって記事にまとめている時間帯、
どうか同僚にも灯りと暖が戻っていますようにと願わずにはいられない。
あの電気が戻った瞬間の喜び、
ちょっと文章に表せないほど嬉しかった。
文明の利器、
あって当然って思っちゃいけないんだね。
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