バージニア労働者

アメリカで働くってどんな感じ?アメリカの企業で働く統計アナリストの労働ブログ。アメリカ生活小話や猫も登場。

生活を支えてくれるから

2013年03月10日 | お仕事

『Nobody is perfect!(誰だって完璧な人なんていないよ。)』とか
『You can learn from the mistake!(間違いから学ぶことができるんだから。)』とかいう
慰め的な言葉が通用するのは、間違いをしてから2回目ぐらいまでなのがうちの会社。


日本の企業では解雇される人って少ないのではないかと思うが、
アメリカの企業、特にうちの会社は解雇がハンパなく多い。


1月の半ばぐらいに、仲が良かった同僚のショーンが降格になって、よその職場に飛ばされた。


彼の話では、降格になる数週間前ぐらいに上司に呼ばれ、これ以上ミスが多いと今の給与レベルで
給与を与えるわけにいかない、会社を辞めてもらうか、降格にしなければならないと告げられた。


ショーンはお父さんになったばっかりで、妻やこれから生まれてきた娘を養うために
もっとお金が必要だったのに、そういうことになってしまった。


上司からそう告げられた時点で彼は、すでに薄い氷の上を歩いていた状態だったが
またミスをやらかしてしまった。


もう彼の作成するレポートの数字の何を信じたらいいのかというレベルまで落ちていたという。


降格と解雇のどちらかを選べといわれ、ショーンは降格を選んだ。


収入ゼロよりも、恥と収入の大幅なカットを彼は選んだのだった。
もし私が彼の立場だったら、迷わず同じ選択をしただろうと思う。


1月の半ば。


私がミディのことで頭が一杯になっていたころ、「ちょっとコーヒーでも飲みにいこう」と
休憩に誘われたときに彼にそのことを言われた。


彼はとても頭の良い人だったので、彼が最近頻繁におかしていたミスはどこから来るのか聞くと
どうやら家庭内(彼は妻、娘の他に彼の母とも同居している)でいろいろあったらしい。


それで注意が散漫になってしまったんだと、彼は言っていた。


それを聞いて私はぼんやりと、だったら私ももしかしたら薄い氷の上を歩いているんじゃないかなとか
思ったのである。


1月の私の精神状態は酷かった。


私は人の前で精神状態を隠すのが上手いので、知らない人は私が毎日泣きながら過ごしていたことなんて
誰も気がつかなかったと思う。


そんな中で「ミスをせずに」ということ以上に、単純に「会社にやってきて仕事をする」ことすら
とても辛くて本当に辞めたかったぐらいだったから
私もいずれはショーンみたいに降格になったらまたそこからコツコツとやってくしかないなとか
そういうことも考えた。


それからしばらくしてショーンのキューブはきれいに片付けられ、新しいアナリストが雇われた。


そしてその数日後、ショーンが私のキューブに立ち寄ってくれたのだが
彼は意外にも元気そうだった。
収入が減ったのは痛いが、それだけストレスのレベルも減って、夜よく眠れるようになったと言う。
「月曜日の朝を思うとものすごいプレッシャーで、日曜の夜なんかもう苦しかったなー。」
と彼は言い、それはまさに今の私ではないかとしみじみ思う。


私のストレスレベルも高い。
以前の彼のポジションはシニアレベルのアナリストで、私はまだジュニアレベルだから
彼の抱えていたストレスには到底及ぶものではないが、
それでもストレスはストレスなのである。


もう1月ほど辛くはなくなったが、いつも何らかの緊張と向き合っている。


ミスをしないように、レポートの提出期限を守るためにと
週末の何時間かは出勤して少しでも仕事が楽になるようにとやっているが
会社からお金を貰うということは本当に楽ではないなと実感するようになった。


文句も言い続けたいが、その仕事をしてお金を貰うから今の生活があるんだと思うと
文句を言うその口を閉じて、黙々と仕事しようという気になる。


雇われてる身、という言葉がぴったりである。


だけど辛いことばかりでもないんだよね、会社勤めって。


そういうこともあるから私は明日も頑張って会社に行こうとか思うんだな。


頑張れ、働く人々。



****************


フリちゃんはとても過保護に育てられており
何不自由することもなくぬくぬくと生活しております。





食後、窓辺でのんびりグルーミングするフリちゃん。





ちょっと前は、そこに確かにミディもいたんだよなー。





************
日本は花粉と黄砂と有害物質が飛んできて大変ですね。
うちの母が花粉症なんですが、広島もどんよりしてて嫌よぉー!と超鼻声で訴えていました。



↓  ↓  ↓

いつもありがとう。
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4 コメント

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働くということ (solo_pin)
2013-03-12 07:03:54
降格という選択、あたいもそうするだろうなー。

思うに家族に何かあると、本当にそれどころじゃなくなるんだろうね。
それなのによく働いたね~その人。頑張り屋さんだ。
それでも会社は容赦なく。当然ったら当然なのだけど。
もう無心でやるしかないもんな。
でもケイエスさまの、緊張感が
決して後ろ向きな意味ではないというのは判るわ~。

無理をさせ、無理をするなと無理を言い。

いつも会社に思う事ですが、ほんと悪いことばっかじゃないよね。
今の仕事があるから生活が出来るし
決してそれは「仕方なく」じゃないんだよな。
それを働く喜びというのかどうかは判らないけれど。
仕事が大変と愚痴れるのは有難いことだもの。
そしてあたいは、今の仕事が結構好きなんだよなー。

頑張るってしんどいけど、楽しいよね。

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Solo_Pinさんへ     (ケイエス)
2013-03-12 08:11:57
もー、SoloPinさんの意見に激しく頷いてしまいましたよ。
確かに会社ってところは容赦ないし、無情だし。
だけど仕事が愚痴れることは仕事してるから(仕事があるから)なんだよね。
うんうん。
そういう文句と、職探しで一生懸命でも職が見つからない苦労とか
比較にならないよね。
だから文句もほどほどにしています。
なんだかんだで、こうして美味しいものを毎日食べたり、
普通に生活できるもの「文句を言える」仕事があるから
なのだものねえ。

仕事、大変だけど、やっぱり達成感はあるよね。
あと週末があることが嬉しいと感じるのは働いているから
なんだろうね。

頑張ろうね。大変だけどさ。
返信する
がんばれる! (西九条)
2013-03-18 13:33:54
-文句も言い続けたいが、その仕事をしてお金を貰うから今の生活があるんだと思うと
文句を言うその口を閉じて、黙々と仕事しようという気になる。-

 ケイエスさん、まさにその通りです。ああ。ここに労働の友あり!と嬉しくなりましてよ。
 我が職場も意味不明な移動や、これで誰が得をするの?と思ってしもうようなことが、多々ありますが。

 胸にたまった思いは、カラオケで吐き出しました(笑)
世の中にはいいものがあるなー。でも、仕事があるっていうのもかなり、いやたぶん最上級。

ありがとうね、ケイエスさん。がんばれる!
黄砂と花粉と有害物質と戦いながら・・・。(やや涙目)
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西九条さんへ   (ケイエス)
2013-03-19 10:28:13
西九条さん、お返事がおくれてごめんなさいね!
ちょっと国を離れておりました(詳しくはまたブログで)。
さきほど戻りましたよ。

やっぱり西九条さんも「働くお姉さま」だもの(笑)
私も気持ち、わかっていただけるわね?
西九条さんにストレスを解消するものがあって私は嬉しい!
だから素敵に労働ができるのですね。
たかが労働、されど労働です。
これがあるから生活が約束されてるんです。
悔しいけど、やっぱりありがたい。
影でこっそり『ありがとね』って言わずにいられないのも事実(笑)。

そちらはまだ黄砂、花粉、それから有害物質の三重苦がまだ揃ってるんですね。
どうぞ自分を守れるだけ守ってください。
大気はコントロールできないけど、自分を守ることはできなくもないと思います。
今日も気をつけてお仕事頑張って!
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