Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

Virgoー危険で神聖なもの

2017年08月31日 16時31分11秒 | EXHIBITION


画像の色があまりよくありませんが、
これも新作の「Virgo」です。SMスクエア、水墨、和紙 2017 亀井三千代

今回の2人展の新作は小品が多くなりましたが5,6点。
全部出展するかはわかりません。

今回の制作は、前回の個展の続きとして始まりました。
個展のシリーズの制作終盤は、身体の形をできるだけ崩して記号化することと、
そこに自分の手をスケッチして加え画面を構成する、その面白さの発見でした。

引き続きその世界観の追及から、今回も始まりました。


DMの作品「Virgo」↑
私の手、春画からの手、そしてもやもやした円形のみで構成しました。
途中から、何やら身体の中に手を入れようとしているような
あるいは何かをすくい取ろうとしているような
そんな絵になる予感がしてきました。

でもそれは、行為としは禁止されている、許されない領域に手を入れようとしているのであって
それは何故かわからない。
でも往々にして人は禁止されている場所、危険な場所にあえて踏み込んでしまう。
「Virgo」は処女宮。踏み込んではいけない領域のこととして描きました。


「イコン」SM 墨・金箔・和紙 2017 亀井三千代

描いている最中に、慶應大の美学の講義で聞いたイコンの話しを、ふと思い出しました。
イコンの起こりは、神々の形をなるべくコンパクトにした絵、
ベッドの側に置き、また持ち歩き、祈りを捧げキスをする、
逃げるときには懐に入れて持って逃げ、
そして旅の先々で祈りを捧げ、キスをする。。。

記憶はあいまいで、書き換えられているかもしれませんが。
「イコンにキスをする」それは見てはいけないシーンのようで
やけに引っかかるものでした。
つまり、信仰はそこまで人の心を支配してしまうものかと
その居心地の悪さと絵にキスをする想像のキスシーンがあいまって
「イコン」という言葉がとても危険なものとして記憶に残っています。

コンパクトな上↑ の作品も、途中から危険で神聖な何ものかを感じて、
最終的に「イコン」と名づけました。

危険なものとわかっていても踏み込んでしまう、
危険だからこそ愛してしまう、といったような
人のアンビバレントな側面が、今回の制作の一つのテーマになっていると思います。

明日が搬入・展示です。
2人展なのでどんなふうに展開できるかは分かりませんが、
楽しみです。
また、今回見つけた「危険で神聖」なテーマは
今後引き続き描いていきたいです。

って、何か展覧会終わっちゃいそう(^_^; これから始まりです。
是非お越し下さい。



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