展覧会、【涼風献上ー大団扇展】 柴田悦子画廊 は残り3日間となりました。
初日ギャラリートークでは
泉屋博古館東京の野地先生を交えて各作家、団扇の意図を披露。
本来、団扇の表には木島櫻谷(このしまおうこく)の作品の一部を入れ裏は自由、というお題でした。
私は何故かその意図を取り違え、全く別物に。
櫻谷は生涯日本各地を歩き写生をした、その写生帖の数たるや!
その写生をもとに描いた山水画の数々は酔うほどに美しい。
私は山水を描いてみたいと思いました。
ですが私は写生をしてこなかった。描いてきたのは解剖体ばかりでした。
身体に興味があり、身体のことを考えたくて絵を描いてきました。
身体はこの自然界と繋がる一続きのもの、という考えから、
私は美しい山水の風景が身体内部に広がるイメージを描いてみようと思いました。
マクロコスモスとミクロコスモスが繋がる「身体山水」です。
これは例えるなら、内視鏡で身体内部に入っていくような、360度ぐるっと山水。
このアイデアに夢中になり、描いているうちに櫻谷から離れてしまいました。
画廊オーナーから「片面は模写よ」と言われたときは立ってられないほどの衝撃。
また、展覧会前に泉屋博古館東京の学芸員さんに偶然会ってしまったときは
団扇の絵の出典を聞かれてしどろもどろに。
一応、あります。
木島櫻谷《渓山奇趣二》第9図(1909)櫻谷文庫5078、
図録『木島櫻谷――山水夢中』泉屋博古館東京 、p.38-39、写生帖より
まあ、私の団扇とは全く違いますね(笑)。
団扇の裏は鹿曼荼羅。
これも出典はあります。
木島櫻谷《細雨・落葉》より(1905)福田美術館、
図録『木島櫻谷――山水夢中』泉屋博古館東京 、p.46
櫻谷は動物を多く描き、その一つに鹿の絵があります。
この鹿をピックアップして「鹿曼荼羅図」を描こうと思いました。
春日大社の鹿曼荼羅図は以前より興味のあった図像。
鹿が背負った神木を血管に置き換えました。
などなど、思い入れの強いこの団扇展。
12名の作家の団扇それぞれにアイデアと技術が表・裏に展開しています。
是非お手に取ってご覧ください。
私は本日23日は16時頃より、24日、25日は昼過ぎより在廊予定です。
お待ちしております!
柴田悦子画廊
本日18日は展示・設営。整いました。
仕事も続いていたので疲れました~。
とにかく暑くて消耗。電車に乗るたびに冷房が気持ちよくてすぐ寝てしまう。
ここでやっと一区切り。この時を待ち望んでいました。
団扇は最下段でスポットが届かない暗い位置にあります。
是非是非お手に取ってご覧ください。裏面も見て欲しいです。
2点の新作。頭部の動脈をモチーフにしています。
左:「銀夜行(血の鹿曼荼羅)」 右:「動脈秘話」
動脈、というよりは「血」に焦点をあてています。
血縁、血が濃い、血は争えない、血のちぎり、など
「血」は代々その人のルーツを表す言葉でもあると思います。
それはとても長い旅路。
大げさかもしれませんが、何百年もの長い旅路を想ってしまう。
私が会ったこともない先祖の人々が繋いできた血。
私のいのちもその血の旅路をたまたま繋いでいるだけのもの。
【涼風献上ー大団扇展】6/19-25 柴田悦子画廊 アクセス
急な告知はツイッターで https://twitter.com/michiyokamei
銀座・京橋界隈にお越しの際は是非ともお寄り下さいますよう、何卒よろしくお願いいたします!
みずみずしく、ふわっふわに描かれたの山水画の数々。画面の隅から隅まで美しかった。
ぽっかりあいた空間にさえ「気」が充満。絵を観るってこんなにも幸せなことだったとは!
画業に全てを捧げた人生のように思われた。また夥しい数の風景の写生帖にただただ感嘆。
その櫻谷がテーマの展覧会に参加するって、今更ですが怖くなりました。
団扇の表と裏
団扇にはプランがありました。
後日書きたいと思います。
私は風景の写生はしてきませんでしたが、解剖体の素描なら描いてきました。
今回は頭蓋骨の素描を元に制作した作品も出展します(全新作3~4点)。
詳細は後日。どうぞよろしくお願いいたします
これは表装の職人さんの展覧会。様々な掛け軸、屏風など見ることができます。
上野界隈にいらした方は是非お立ち寄り頂き、職人さんの仕事をご覧ください
長丁場だった人人展も終了し、
水彩画教室も4月期が始まりました。
私は浦和、町屋、錦糸町の3箇所を受け持っています。
浦和では、野外スケッチ好きの生徒さんの希望もあり
教室近くの "つきのみや公園" で「桜と自転車」のお題で野外スケッチを決行。
素敵な作品が仕上がりました。
また、浦和の生徒さん、松尾さんの作品1点が日本茶喫茶・楽風さん展示されています。
楽風企画の素敵なオーナー・青山正博さんのアイデアで空中に展示。
青山さんのイメージは「浮遊する松尾さん」
浦和在住の皆様はお茶のついでに作品を探してみて下さい
浦和・楽風 http://rafu-urawa.com/
錦糸町教室では石膏をモチーフに講座を開始。
これはミケランジェロの「瀕死の奴隷」
次回26日には「マニエリスム」をキーワードにプチ美術史講座もやっちゃいます。
3箇所の教室情報はフェイスブックページにまとめました。
ブログを更新する間もなく、第46回人人展は終了いたしました。
東京都美術館のある上野公園は桜がとても見事で
花見をする人、自撮りする人、海外からの観光客など賑わい
会場もお客さまが途切れることなく盛況でした。
いらしてくださった方々には。本当にありがとうございました。
【特別陳列 郡司宏】
生前お会いしたときは、アクリルの抽象画を描いていたが
もともとは版画。その版画を初めて見ることができて驚きました。
シャープで尖っている。かっこいい。
遺品のコーナーでは版や、愛用の道具、本などの展示。
俳句が好きだった郡司さんの句集も。
7日間は長いような短いような。
3月31日に終了しましたが、不忍画廊さんでは小品展が続いています。
今年の人人展の参加作家による小品展です。
4月3日、4日は休廊で5日から残り4日間。
私は昆虫の宿墨ドローイングを出展しています。
★「小さな人人展2023」+人人クロニクル「生誕99年 中村正義」〜4/8(土)
休廊:4/3(月)、4(火)
時間:12:00〜18:00(最終日は〜17:00迄)
会場:不忍画廊/東京都中央区日本橋3-8-6 第二中央ビル4F(日本橋高島屋南出口向かい)
新企画【買うも芸術!15.000円コレクション】では、全作家1〜3点ずつ出品し会期中のみ特別価格でコレクション出来ます。
http://shinobazu.com/
是非ともお立ち寄りいただけますよう、
よろしくお願いいたします。