-"Sight of OMEGA" Ultimate Analyse #22-
皆さんおはこんばんちわ!
asayanことasami hiroakiでっす!(・ω・)ノ
先日のパキスタンの地震、結構被害が出たようですね。
あの辺り(注:インド~中東にかけての地域)も、日本と同じく地震多いみたいですからね。 犠牲になった方々のお悔やみを心より申し上げます。
しかし、それより何より驚いたのが、この地震によってパキスタンの沖合いの海底が隆起。 なんと新しい島が誕生Σ(゜Д゜;)したそうです。
プレート性であれ火山性であれ、地震によって新しい島が出来るという自体はそれほど珍しい事ではなく、まあ結構よくある事なんですが、それでもやっぱり大自然の驚異というか、「地球スゲェ!」って思います。
今回出来た島は、全長200m、高さ6m程度のごく小さなモノでしかありませんでしたが、ボートなどで上陸が可能で、地元では既に新しい観光名所になっているようです。
地震で亡くなった方も少なくないので、あんま面白がって見るのも不謹慎かもしれませんが、やっぱり思わず興味をそそられてしますよね。
これもまた、地球の神秘の一つ。
こーゆーのを目の当たりにすると、超古代文明のアレコレとかも妙な信憑性が出てきたりしないでもなくもないかもしれない?(´・ω・`)??
<今週の特集>
今週の特集コーナーは、『アルティメット・アナライズ』シリーズ第4弾、同人ヴィジュアルノベル『Omegaの視界』の徹底解説連載第22回、前回の続きです。
今週も、最後までヨロシクです。
d.封紙
こうした能力を有するCATを紙に記述、記録し、保管する技術を“封紙(ふうし)”と呼ぶ。
CATというのは非常に不安定な存在で、未封紙のCATは随時エサ(注:遣い手が女性の場合は、月経による血液、すなわちメンスブラッド。 男性の場合はYの欲動、すなわちリビドー)を必要とし、これが絶たれると喪失してしまう事もある。
これを防ぐためには、前記した受肉、あるいは依代が必要なワケだが、受肉はともかく依代にはCATに自立型のイーハが備わっていないとならないため、どんなCATでも受肉や依代が可能というワケではない。(注:受肉に限っては、無機物に受肉させる事も可能なので、自立型のイーハがなくても不可能ではない。 Igやアルク=ベーなどがその例)
こうした、CATの存続に関する欠点を克服し、CATの保存、保管を可能にしたのが、件の封紙という技術である。
旧Lu=Le時代、ガロー神蝕事件前後から大封直前にかけての頃、カルロサが開発に成功した技術で、CATの構造を一定の法則に従って数式化し、Igと呼ばれる特殊なCATによって紙に記述、記録し、保管する事を可能にした。 またこれにより、未封紙のCATでは難しかったフェイズの調整も容易になり、CATの利便性が格段に向上した。
恐らく、この技術はLu=Le内でも高く評価され、歓迎されたハズである。
しかし、これによってカルロサの野心が表層化し、大封という悲劇が起こったのは、ある種の皮肉と言えるかもしれない。
e.召喚と萌芽
既に前記したように、CATはその大元をたどると始祖アリスが親友で初代の呼び水たる月の雫であったナルデアナ・ドルミナの力を借り、Lu=Le創設前に呼び降ろす事に成功した原初のCAT、パラミアキスにたどり着く。 これは、本編中の記述や、現在までに公開されている公式の設定資料などでも統一されており、間違いなく確かな設定になっている。
この記述からも分かる通り、CATとは儀式によって召喚される存在であり、人工的に作り出す事が出来ない存在である。
CATは、シャーマニズム文化における巫女としての魔女によって召喚されないと、CATとして存在出来ないのだ。
実際、現在公開されている設定では、始祖アリスの死後は、新たなCATが召喚された事はなく、現存するCATは全て、始祖アリスが生前に召喚、あるいはそこから萌芽したモノであるという記述がある。
……が、これに反する設定も実はある。
玄ノ森を訪れた真言は貴奴と再会し、そのツテで冬夏の協力を得て、三春家の秘密の蔵に潜入する。 そこで真言は無造作に、うず高く積み上げられた大量の紙を目の当たりにする。
本編中には(例によって)詳しい説明がないが、この大量の紙は、作成に失敗したCATの封紙である。
すなわち、召喚に依らない方法で新たなCATを作り出そうとした結果、失敗して破棄される予定にあったCATの欠陥品なのである。(注:破棄されていなかったのは、破棄する技術がまだないためと思われる)
この失敗作は、どうやら道具があの蔵に隠したモノのようだが、恐らくカルロサから技術提供を受けて作成を試みたのだろうと思われる。
すなわち、CATは召喚に依らなくとも、新たに“創り出す”技術が存在しているのだ。
詳しい方法は、設定未公開のため詳細不明だが、公開済みの資料では、CATは未封紙の状態よりも封紙状態の方がフェイズ調整し易い、という記述がある。 という事は、CATは封紙する事によって理解し易くなる、という事だ。
これと似たような例に、コンピュータプログラムがある。
コンピュータというのは、実際には文字を認識、理解する事が出来ない。 コンピュータが認識出来るのは、“0(注:ファルス。 “OFF”の意)”と“1(トゥルー。 “ON”の意)”というマシン語(二進数)だけである。 PCのCPUの性能を示すクロックスピードは、そのCPUがこのON/OFFを1秒間に何回認識、識別出来るかを示しているに過ぎない。
通常、コンピュータプログラムというのは、ヒトの言語に比較的近いコマンドによって記述されるが、こうして記述されたプログラムは、記述しただけではプログラムとしての意味を持たず、ただの文字と数字と記号の羅列でしかない。
これを、コンピュータにプログラムとして意味のある文字列である事を認識させるプログラムが、DirectXやOpenGLなどのプログラムエンジンである。 記述されたプログラムは、このプログラムエンジンを仲介する事で、初めてコンピュータが認識可能な0と1の文字列に変換されるのである。
さらに述べるなら、C言語よりもヒトの言語に近いコマンドで記述するスクリプトプログラム(簡易プログラム言語)は、プログラムエンジンを通る前にスクリプトエンジンによってC言語などのプログラムエンジンが認識出来る文字列に変換された後、改めてプログラムエンジンでマシン語に変換される、という、極めて回りくどい事をやっている。
そのため、スクリプトプログラムはC言語と比較して動作が遅くなるという欠点があるのだが、ヒトの言語に極めて近いため、理解し易く、プログラムの心得が無い初心者でも比較的安易に扱える、というメリットがあり、現在のHTLMやJAVA、本作のゲームエンジンにも利用されている吉里吉里などにも採用されている。
さて、以上を踏まえてCATを理解しようとすると、未封紙のCATはマシン語で、封紙されたCATがC言語やスクリプトプログラムと考える事が出来る。
未封紙のCATは、ヒトの言語とは根本的に異なるマシン語のため、直接読み取り、理解する事が出来ないが、封紙する事によってこのマシン語はC言語やスクリプトプログラムなどのヒトの言語に近いコマンドに変換(逆コンパイル)されるため、フェイズ調整もやり易い、というワケだ。
そしてカルロサは、これをさらに一歩進め、既存のCATを封紙するのではなく、まっさらな紙に直接プログラムを記述し、新たなCATを“創り出す”事を可能にしたのである。
事実、カルロサはこの技術を使って、後に真言に下賜される事になる“最強装備”のCAT、シロの開発に成功している。
三春の蔵に眠るうず高く積まれた紙の山は、あるいはシロの失敗作なのかもしれない。
ただし、この技術は公表されておらず、ミルハも知らない。 ノートや道具は知っており、特に道具は自分でも独自に何か創ろうとしていたようだ。
これとは別に、CAT同士を“融合”させる事で新たなCATを創る事も可能である。
この技術自体は、上記のプログラミング技術よりも以前から既にあり、WCL創設時には、既に広く知られた技術になっていたと思われる。
実際、この技術によってWE第5位のデュナムと、同じくWE第6位のプロンからフェンリロスが合成され、後に雨山かれおに下賜される事になった。
が、既存のCAT複数体が素材として必要で、新たに合成されるCATは常に1体のみという非効率的な手法のため、新たなCATを創り出す技術がなかった当時、この技術は次第に重要視されなくなっていった。 始祖アリスの死後、新たなCATが呼び降ろせなくなった事もあって、CATの個体数が減ってしまうだけだからだ。
そこで、新たなCATを“創り出す”技術の開発が急務となり、つい最近になって上記の技術が確立されたのではないかと思われる。
これとはさらに別に、新たなCATが生まれる現象として“萌芽”というのもある。
既存のCATが新たなCATを輩出する現象で、決して“良くあるコト”ではないが、これまでにも何度も確認されている現象である。
例えば、大封前のLu=Leにおいて、ガロー神蝕事件直後にパラミアキスからイツワとオウトという雄性双体のCATが萌芽しており、その内のイツワからは、さらにWE8体が連続して萌芽している。
萌芽という現象、それ自体は、それほど珍しい現象というワケではないのだ。
この現象のメリットは、融合のように既存のCATが喪失する事なく新たなCATが、それもほとんどの場合複数体が生まれる点で、萌芽の度にCATの個体数が増えるという点が最大のメリットである。
しかも、元々高性能なCATほど萌芽する可能性が高く、また萌芽したCATも比較的高性能な個体が多いというのもメリットだ。
しかし、この現象は飽くまでも“現象”に過ぎず、既存のCATが必ずしも新たなCATを萌芽する保障はどこにもなく、萌芽するタイミングや個体数、各個体の性能などは全くの偶然の産物でしかなく、萌芽を予測する事は不可能である。
また、故意に萌芽を引き起こす事も出来ないので、技術としては確立されておらず、飽くまでも“現象”に過ぎないのが現状だ。
f.循環七音
上記した召喚と萌芽、特に萌芽に大きく関係するのが、この循環七音(じゅんかんななおん)である。
循環七音とは、CATの状態を表す移相位の事である。
CATは、最初CATとして召喚、あるいは萌芽し顕現するが、これはCATの一つの形態に過ぎず、変調によってDやEへと移相する。
この移相位は、楽譜の音階になぞられて7位、プラス3位あるとされており、すなわち、
ド(Cat/猫)
レ(Dog/犬)
ミ(Embryo/萌芽)
ファ(Fetus/胎児)
ソ(Gnosis/認識)
ラ(Ant/蟻)
シ(Bee/蜂、あるいは蜜)
♭(:F/変)
♯(:S/嬰)
__(:N/本)(注:ナチュラル。 特殊文字のため表示出来ず)
となる。
ただし、これは上位移相というワケではなく、DがCより優れているとは限らない。 飽くまでも、移相はそのCATの状態を表すモノであり、レベルやランクの高低とは明確に意味が異なる。
また、CATはC、すなわち循環七音の最下位だが、C~Bは繰り返し循環するため、最下位であると同時にBから循環する上位と言われている。
移相のタイミング、あるいは任意/自動、移相する条件などは、設定未公開のため詳細不明だが、ともかく真言はCで、大神はDである。
また、パラミアキスはEで、本作に登場するこれら以外のCATは全てCであり、F以上は今のトコロ(設定未公開のため)確認出来ていない。
またこれは、本編中に出てくる“十中七三分式”とも関連があるとされているが、やはり設定未公開のため詳細は不明である。
以上のように、本作に登場するCATには詳細かつ複雑な設定が存在するが、これでも実はまだまだ(設定未公開のため)不明な点が多く、今後の設定公開が待たれる。
また、上記の解説では、設定未公開のために不明、あるいは曖昧、もしくは矛盾している点を筆者独自の解釈で解説している部分が少なからずあるため、決して公式設定と捉えないようにお願い仕る。
・「私達は同じものを視てる」
さて、CATという存在についてはご理解頂けたと思うが、ではそもそも、そのCATを視る事が出来る“魔眼質”という資質とは、いったい何なのだろうか?
この項の最初に記したように、魔女とは本来、シャーマニズム文化におけるシャーマン、すなわち巫女であり、魔女が使役する使い魔たるCATは、精霊や妖精の類と解釈出来、これを踏まえて考察すると、魔眼質とは精霊や妖精を視る事が出来る霊能力であり、魔眼質者とは、霊視能力者と同義と考える事が出来る。
実際、本編では大神が“視える人”と表現されており、大神はCATが何なのかを知らない真言に分かり易く説明するために、CATを幽霊や精霊の類と解釈して説明している行がある。(2章17節)
ただ面白いのは、同じ魔眼質者同士であっても、1体のCATに対する印象、視え方にある程度のバラつきが見られる点である。
例えば、八相七家が保有するCATで、選律が遣うCAT、タマズサは、生物としての“ネコ”とはかけ離れた容姿であるにも関わらず、これを何の予備知識も無く初めて視た真言は、直感的に“ネコ”と認識している。 公式設定にも、その容姿が“独眼独脚妖怪、銅鏡、神経細胞のような頭部、脊椎動物中枢神経系様が混在したかたち、適宜分裂統合”と説明されており、何がなんだかサッパリ要領を得ない。
加えて視える意として、“玉梓、玉章、手紙(連絡、意思疎通手段)、文車妖姫、シストルム、八房の呪、5月の猫、タタラ、たま(猫名)、従者、玉転声”とまあ、容姿以上に要領を得ない、てんでバラバラな意が視える。
同じCATで、同じように魔眼質を有する者同士であっても、そのCATの印象、意味というのは、個人個人で微妙に、時には大きく異なる事があるのだ。
筆者が思うに、これはユングが提唱した“集合的無意識”に関係しているのではないかと思う。
例えば、重度の精神分裂症患者は、現実と妄想の区別が付かず、非現実を“リアルなアンリアル”として認識する。 そのため、健常者との正常な意思の疎通、すなわちコミュニケーションが取れないワケだが、もし仮に、健常者には視る事が出来ない、精神分裂症患者同士の視ている“リアルなアンリアル”が同じモノだったとしたらどうだろう? 同じモノを視ていたとしても、分裂症患者個人個人の予備知識、あるいは先入観、もしくはボキャブラリーの違いから異なる印象、意味が視え、表現されていたとしても、同じモノを視ている事に変わりは無く、これはユングの提唱した個人的無意識の上位階層である集合的無意識、すなわち“人類、あるいは種族、もしくは部族などのコミュニティーにおいて共通して認識されるイメージ”を立証するモノと言えなくはないだろうか?
これと同じ事が、本作における魔眼質にも言える。
個人個人の印象、意味、表現にバラつきがあったとしても、それは飽くまでも個人個人の予備知識や先入観、ボキャブラリーによる相違であって、視ているモノ、そのモノは同じであり、集合的無意識を立証するモノと言えるのではないだろうか?
事実、世界中に散見される神話や神イメージは、宗教が違えどよく似ているモノが多い。 特に、神と対面した者を描いた神話では、神は“神々しい光に包まれた畏れ多い存在”と表現されている事が多く、そのイメージはほぼ全世界共通である。
それと同じように、CATもその容姿が何であれ、たとえタマズサのようにおおよそ“生物”には見えない容姿であったとしても、それを初見で直感した真言と同じく、魔眼質者には“ネコ”と視覚、認識され、世界中に散見される“神イメージ”との類似を指摘するのに十分な証拠と言えるのではないだろうか?
何故なら神もCATも、表層意識の上位階層たる個人的無意識、そのさらに上位階層である集合的無意識で共通認識される存在で、これを表層意識のレベルで視覚、認識、あるいは“感得”する能力こそが、シャーマニズム文化におけるヒトと神との仲介者としてのシャーマン、すなわち巫女の役割であり、本来はシャーマンに近い存在であった魔女の能力なのである。
「私達は同じものを視てる」
何故ならCATは、“紙様”だからだ。
3.八相七家とWCL
そして、この魔眼質者たちが集まり、CATを遣う者同士のコミュニティーとして機能しているのが、八相七家とWCLという二つの組織である。
どちらも旧Lu=Leから派生した組織で、大封を期に袂を分かった組織である。
大封末期、カルロサによって初代の魔眼の刺し手に仕立て上げられたエンリケ・ファは、自身の実の姉であるエンドル・ファを含むLu=Leの魔眼質者たちを次から次へと襲い、そのCATを封紙、回収していった。 遣い手である魔眼質者たちは、カルロサの軍門に下った者もいたが、その多くがその場で殉教するを選んだ。
Lu=Le内で権力を掌握し、その運営と発展に貢献していたES。 その中でも長姉としてESのリーダーになっていたミリアムは、劣勢を悟り逃亡を選んだ。 そして、自身の遣うCATであるベロアや、親友であったESの一人、ドレミリア・リデル。 さらにその他数名の魔眼質者とCATを伴って、逃亡を試みた。
この過程で、ミリアムらを逃がすためにイツワがエンリケの前に立ちはだかり、死闘の末にそのフェイズをバラバラに分離させられ、イーハのみのCATとなってエンリケに受肉。 ヒトとしての転生の機会を得る。
この混乱の最中、ミリアムらは分離させられたイツワのフェイズの回収に成功し、これを携えて命からがら逃亡に成功。 流れ流れて極東の島国、日本にたどり着く。
この地で、ミリアムらは魔眼質者の捜索を行い、その結果数名の魔眼質者が見つかった。 ミリアムは、彼女らに回収に成功したイツワのフェイズを封紙化したCATを下賜。 Lu=Leの再興とカルロサの打倒を掲げた新組織、“八相七家”を創始した。
一方カルロサは、エンリケが封紙、回収したCATを元手にLu=Leの組織図を大幅に改編。 その呼称も、“White Cat Library”(注:“ホワイト・キャット・ライブラリー”。 直訳すると、“白猫図書館”)と改めた。
略して“WCL”の創立であった。
以下に、この二つの組織の現状を解説する。
・八相七家の成り立ち
日本に逃げ延びたLu=Leの生き残り、すなわちミリアム・シュブ、ドレミリア・リデル、センリの3人(注:現時点で公開されている設定では、生き延びて日本に逃げてきた事が確定しているのは、この3人だけである)は、Lu=Leの再興と行方不明になったツェロルの捜索、並びにWCLの打倒(注:すなわちリベンジ)を目標に、現地で魔眼質者を捜した。
3人にとって幸いだったのは、逃亡の際に幸運にもエンリケとの死闘の末に相打ちになって果てたイツワのフェイズ、十相の内の八相を回収出来た事である。
捜索の結果、複数人の魔眼質者が見つかり、ドレミリアとセンリを加えた7人に八相をそれぞれを独立したCATにして下賜。 以降それぞれの遣い手が祖となって、現在の八相を構成している七家、すなわち綾目、三春(注:祖はドレミリア。 ドレミリア自身は後に自然死し、二相ミハルを継承する三春家となった)、永久、奇士、玉梓(注:センリ自身が祖となっているが、センリはアンチ・エイジングを受けており、子を生す事なく未だに五相タマズサの遣い手を続けている)、玖威、そして狩屋のそれぞれの家系で下賜されたCATを継承している。
ミリアムは、自身の怨恨もあってアンチ・エイジングを受け、現在も自身のCATであるケルベ=ロアと共に存命している。
また、手中にしていた八相のCATの内、八相オオクロだけは親和する魔眼質者が見つからず、誰にも下賜されないまま封紙の状態で休眠、保存され、現在は九抱神社の御神体、“紙様”として祀られ、毎年春に行われる神使八乃舞で親和する新たな資質者を捜している。
また、八相七家は現在、大きく二つに分かれ、三春を筆頭にした綾目、狩屋、永久の四家は、東北地方にある玄ノ森に住み、玉梓を筆頭にした奇士、玖威の三家は、関西地方にその拠点を置いている。 そのため、関西の三家は毎年春になると玄ノ森に赴き、Lu=Le再興のための秘祭を執り行うのが慣例となっている。
ちなみに、ミリアムも基本的には西部三家が擁護しており、玄ノ森には住んでいない。
彼ら新生Lu=Le、八相七家の至上目的は既に記した通りだが、しかしそれはタテマエ、あるいは創設当初“のみ”と見るのが妥当である。
八相七家の中でも旧Lu=Leの中枢であったESの一角を担っていたドレミリアの直系である三春や、実働部隊としてその三春家に常に従ってきた綾目、狩屋、そして永久の玄ノ森四家は、今でもその至上目的を実直なまでに守っているが、ミリアムを擁護していながらもしかし玄ノ森から離れた玉梓、奇士、玖威の西部三家には、どうやら別の目的が出来たようだ。(注:これについては、それぞれに深く関係するキャラクターと共に次章にて解説、詳述する)
いずれにしても、組織力、そして保有しているCATのレベルから言っても、八相七家の戦力はWCLに大きく劣り、遊戯の勝敗の行方は常に劣勢である事だけは確かだ。
・WCLの成り立ち
その八相七家、すなわち旧Lu=Leの残党殲滅とCATの回収を目的として活動する敵対組織が、このWCLである。
WCLは、“司書長”と呼ばれるカルロサを頂点とし、なかなかに複雑な組織図を構成している。
始祖アリスの死後(注:設定が公開されていないので定かではないが、論理的にこう考えるのが自然だと思う)、Lu=Leの実権は特定の人物の手に握られていた、というワケではないようだが、アリスが遺したCAT、パラミアキスは複数の遣い手に順次継承され、その何代目かの遣い手として候補に挙がったのが、ガロー・ツェロ・ルー。 後に、ESの一角となるダーカ・イァンナ・ルーの実姉妹である。
ルー家は、始祖アリスの家系とは全く異なる家系であったが、優秀な資質者を多数輩出していた名家であった。
しかし、ガローはパラミアキスの継承順位の上位にありながら、継承直前に無断でパラミアキスに接触、神蝕されてしまう。
ガロー神蝕事件である。
これによって、いわゆるWEが萌芽し、ESが構成される事になり、Lu=Leの実権はESが握る事になった。
ES体勢下のLu=Leにおいて、始祖アリスの直系の子孫であったカルロサは、これに不満を持っていたのか、あるいは権力欲が沸いたのか、もしくはただ単に“愉しみ”たかったのか。 ともかくカルロサは密かに仲間を集め、ある時一斉に蜂起し、ESを始めとしたLu=Leのメンバーを次から次へと襲い、そのCATのリンクを切断、CATを封紙していった。
この大封により、Lu=Leは解体され、カルロサを頂点とした新しい組織、WCLが創設されたのである。
そしてカルロサは、妹のミルハにLu=Leの残党狩りを命じた。
こうして、過去から現在まで続くLu=LeとWCLの終わりなき戦いが始まったワケだが、WCLはその創設以降、組織化される過程で様々な部署を設立していった。
以下に、それぞれについて解説してく。
・Ender
Ender(エンダー)とはEnd、すなわち終わりを行う、“終わらす者”という意味の造語である。
WCLに設立されたこの部署は、捕獲した対象のCATリンクを断ち、CATを回収、封紙するために存在する、対象に言わば“終止符を打つ者”たちで構成されている。
初代の魔眼の刺し手であったエンリケ・ファに下賜されたIg、正式名称Ig:TYPE・MEGA-Dは、対象のCATリンクを断ち、CATを回収、封紙する目的で開発され、CATをフェイズ毎に封紙する分割封紙も可能という高性能なIgであった。
が、TYPE・MEGA‐Dには極めて厄介な欠点もあった。
それは、男性の魔眼質者にしか使えないという点であった。
詳しくは後述するが、魔眼質はナゼか女性にのみ見られる資質で、男性に魔眼質が現れる事は極めて稀であった。(注:その意味では、カルロサもレアケースだったハズだが、カルロサは魔眼質の資質が低い、あるいは無いと思われる。 だから、ミルハのレベル・ドレインも自分では出来なかったので、真言に頼らざるを得なかった)
しかし、Igは元々から特殊なCATで、しかも極めて高い資質を持つ魔眼質者であっても女性には全く親和しないという欠点があり、そのためにカルロサが目を付けたのが、エンドルの弟で男性でありながら高い資質を持つ魔眼質者であったエンリケだった。
こうして、エンリケは初代の魔眼の刺し手になったワケだが、Igの持つこの性質は如何ともし難く、WCLはその目的遂行のためにレアケースである男性魔眼質者の出現を待つより、何とかしてIgを女性魔眼質者でも扱えるようにした方が早いという結論に至り、女性魔眼質者でも扱えるIgの開発と、そのIgに親和する女性魔眼質者の“人工的な製造”に着手した。
こうして設立されたのが、このエンダーという部署である。
エンダーの目的は、魔眼の刺し手としてIgを扱える女性魔眼質者、及び女性魔眼質者でも扱えるIgの開発であり、言い換えれば“人工的に”魔眼の刺し手を“製造”するのがその主目的である。
この過程において開発されたテクノロジーの一つが、“LinkableForm(リンカブル・フォーム)”テクノロジーである。
CATと遣い手のリンク、すなわち結び付き、親和性を人工的に強化するこの技術の開発により、親和性の低いCAT、あるいは資質の劣る魔眼質者でもCATの能力を引き出す事が容易になり、元々女性魔眼質者には親和しないIgも扱えるようになった。
エンダーによって“製造”された“人工の魔眼の刺し手”には、Enderと共に3桁の数字からなるバージョンナンバーが呼称として与えられる。 エンリケをバージョンゼロとし、現在のEnderはバージョン3に当たる。
そして、このバージョン3の33番目のEnderとして“製造”されたのがファイナ・オル、Ender:333であり、彼女に下賜されたのが、Ig:TYPE・E、テトルジャトートリス(注:愛称テトライ)なのである。
しかし、エンダーは飽くまでもホンモノの魔眼の刺し手の代替でしかなく、Igの能力もTYPE・MEGA-Dに劣るモノでしかない。 言わばテトライは、TYPE・MEGA-Dの下位互換。 悪い言い方をすれば、劣化コピーでしかない。
そのため、封紙時にはエンダーの封紙を補佐し、確実に封紙するための防御や捕獲を行う補助要員、すなわちパーティーが必要である。
そのパーティーを、WCLでは“四重奏団”と呼んでいる。
・四重奏団とCaven
遊戯の際の実働部隊であり、補足した対象を捕獲、CATリンクの切断、及びCATの封紙を行うのが、この四重奏団である。
エンダーのIgは、オリジナルのIgとは異なり攻撃にのみ特化しており、それ以外の能力は皆無に等しく、封紙時に対象に返り討ちに遭い易いという致命的な欠点がある。 これを補い、攻撃以外の能力、すなわちステージの構築、対象の補足、捕獲、そして反撃された時の防御を行う3人の魔眼質者とCATでパーティーを組む事が最早“必須”になっている。
四重奏団に加わる人員は、数人(注:正確な人数は、設定未公開のため不明)の魔眼質者で構成される“Caven(カヴン)”という部署の中から選出され、遊戯の際の実働部隊である四重奏団に組み込まれる。
カヴンは、主にWCL創設後に資質を視出された魔眼質者で構成されているが、解体された旧Lu=Leから改宗、あるいは強制改宗された魔眼質者もいる。
今回の遊戯、『No.13』では、四重奏団に元Lu=LeのESの一人であったダーカ・イァンナ・ルーが加えられたが、これが逆に“あの女”の仕事をやり易くしたのは何かの皮肉か?
いずれにしても、カヴンは遊戯におけるWCLの戦力であり、その中でも四重奏団は最も重要な実働部隊なのである。
・GMとF/7
こうした部隊、及び人員を擁しているWCLであるが、彼らも無秩序に行動しているワケではない。 遊戯は飽くまでも自分たちと相手(八相七家)の間でのみ行われるモノであり、無関係な一般人の介入を可能な限り皆無にしなければならない。(注:その意味では、四重奏団にダーカとv☆が配属されているのはあって然るべき措置。 八相の一人である克枝が、真言に対する情報公開を渋っていたのもそのため)
そのために重要になってくるのが、この“GM”と“F/7”という役職である。
GMは、F/7と呼ばれる7人の魔眼質者とCATを使って、遊戯の舞台となる箱庭の構築を行い、遊戯中にミルハや四重奏団らプレーヤーが一般人に危害を加えないように監視、管理し、万が一不測の事態が起こった場合には記憶操作などのリライトを行うのがその役割りである。
もちろんこれは、ミルハや四重奏団らプレーヤーがルールを無視して勝手気ままに行動した結果、取り返しのつかない致命的なエラーが発生するのを防ぐ意味でも重要な役職である。
しかし、ミルハや四重奏団らプレーヤーから見れば、GMの存在はその行動を制限する存在であり、言わば“縛りプレイ”を強要する役職である。
そのため、GMはプレーヤーらからは疎ましく扱われており、加えてその立場が司書長であるカルロサの直属という点においても、要はウザい存在なのである。
しかしこれは、逆に言えばGMは遊戯の進行とは切り離された存在であり、GM自身の行動を制約するモノは何もないのと同義である。
そのため、今回の遊戯である『No.13』においてGMを任されたノート・デューは、カルロサの命令で四重奏団のメンバーや八相側のプレーヤーにまで接触し、様々な“裏工作”を行った。
その結果、今回の遊戯ではWCL本来の至上目的は達成出来なかったが、カルロサ自身の目的は達成され、“次の遊戯”の下準備、『interlude』へと続いていく事になったのである。
先にも記した通り、WCLは現在のLu=Le、すなわち八相七家とは比較にならないほどの高性能なCATを多数保有しており、また新しい技術開発も盛んに行われ、その戦力差は火を見るよりも明らかである。
なのに、WCLは未だに八相の殲滅を完遂出来ていない。
それはナゼか?
何故ならその至上目的は、カルロサの“娯楽”でもあるからだ。
・遊戯の意図
カルロサにとって、何時頃から遊戯の意図にそれが組み込まれたのかは、今となってはもう定かではない。(注:ってゆーか、設定が公開されていないので不明。 あるいは最初から?) が、ともかく現在のカルロサにとっては、遊戯は道楽としての意味しかなく、Lu=Leの殲滅など正直“どーでもいいコト”になっている可能性は極めて高いと筆者は考える。
何故ならカルロサは、その圧倒的な戦力差をあえて制約するルールを常にミルハに課しているからだ。
本編中でもミルハがぼやいてる通り、ミルハ自身が動けば、コトは難なく終わる。 その圧倒的な能力を使えば、八相の殲滅など赤子の手を捻るが如しである。
しかし、カルロサはこれを良しとせず、ミルハに直接手を下すのは飽くまでも最終手段であるという制約を課した。 そして、フハイ(F/7)を用いて箱庭を構築し、エンダーを組み込んだ四重奏団を指揮して八相を狩るという、極めて回りくどい遊戯のルールを作った。
さらに、このルールがシッカリと守れているかを監視すために、カルロサ直属の遊戯の管理者、GMを配置するという念の入れようである。
ここまで過度の制約があっては、いかなミルハといえども八相の殲滅など夢のまた夢である。
八相の殲滅とCATの回収。
その至上目的がありながら、目的達成を困難にする制約を課す矛盾。
この矛盾が意味するのは、それが“遊戯という娯楽”だからだ。
例えばRPGをやっていて、「早くレベル上がんねぇかなぁ~。」と思った事はないだろうか?
レーシングゲームをやっていて、「もっとハイスペックなマシンが使えれば楽勝なのになぁ~。」と思った事はないだろうか?
その通りである。
もっと高レベルのキャラクターが使えれば、もっとハイスペックなマシンが使えれば、ゲーム攻略などあっという間に達成出来るのだ。
しかし、それではゲームとして“面白くない”。 ゲームは、攻略までの過程を楽しむモノであって、攻略を最終目的としながらも実は“どーでもいいコト”なのだ。
だから、“レベル1からスタート”や、“ノーマル車で勝て”という、ある程度の制約をプレーヤーに課し、目的達成をある程度以上に困難にする事によって、攻略までの過程としてのゲームを“面白くする”のである。
これと同じ事が、本作における遊戯にも言える。
ミルハが出撃すれば、WCLはその目的をカンタンに達成出来る。
しかし、それではゲームとして“面白くない”。
そこで、ある程度の制約を課す事によって、目的達成をある程度以上に困難にし、攻略までの過程としてのゲームを“面白くする”。
これにより、遊戯はゲームとして成立し、WCLの目的達成を困難にしながらも、娯楽として“面白くなる”のである。
何故なら全ては、カルロサの意図した“遊戯という娯楽”を成立させるために必要な事だからだ。
では問題は、何故カルロサにそのような意図が生まれたのか?という疑問にたどり着くが、これはカルロサが最初に起こした謀反の過程を見れば明らかである。
カルロサは、“全てをコントロール”したいのだ。
カルロサは、CATというチカラに支えられたLu=Leという組織を支配するため、その中枢を担っていたESの一掃という大それた反逆を企み、しかもそれを成功させてしまう。
そうしてLu=Leの権力をその手中に収めたカルロサの権力欲は止まるトコロを知らず、逃亡したLu=Leの残党狩りを目的とした“遊戯”を思い付く。 その大義名分の下に、もっともらしい理屈で制約を課し、ルールとして成立させた。 これにより、プレーヤーたるミルハやイツワらは、悲しい戦いの場へと放り出される。
そしてカルロサは、最悪の箱庭たるこの世界で右往左往する彼らを高みから見物し、愉悦を得る。
そう、カルロサは、“全てを統べる神になりたい”のだ。
全ては遊戯。
愉悦こそが至上。
しかしこの遊戯は、そのプレーヤーの意思とは関係なく、カルロサの神にも等しい立場に立つという権力欲を満たすためだけの、“遊戯という娯楽”なのである。
といったトコロで、今週はココまで。
楽しんで頂けましたか?
ご意見ご感想、ご質問等があればコメにどうぞ。
来週は、連載を一旦お休みし、当ブログ恒例のアクセスランキング報告を行う予定です。 お楽しみに!
それでは皆さんまた来週。
お相手は、asayanことasami hiroakiでした。
SeeYa!(・ω・)ノシ
Thanks for youre reading,
See you next week!
-"Sight of OMEGA" Ultimate Analyse #21-
皆さんおはこんばんちわ!
asayanことasami hiroakiでっす!(・ω・)ノ
台風18号、スゴかったですね。 先日の竜巻やゲリラ豪雨もアレでしたが、今回の台風も同じぐらいヤバかった。 凄まじい豪雨! それも、列島をほぼ縦断したため被害範囲がかなり広範囲に渡った。 死者まで出ちゃいましたからね。
僕の在住地域もほぼ直撃コースで、地域によっては用水路などが溢れたようですが、正直その程度の被害で済んで良かったです。
もちろん、他県では土砂災害に見舞われた地域もあるし、気象庁が先月末に始めたばかりの特別警戒を発令した事自体が、今回の台風がいかにヤバかったかを物語っていると思う。
亡くなられた方のご冥福と、被災地域の1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
気象が異常なのはもう十分分かったのでホント、もういい加減にしてもらいたいです。
しかし、台風一過とはよく言ったモノで、台風が去った後の快晴続きはどうなのよ? 台風が猛暑の夏まで持ってっちゃったようで、日中の日差しにはまた夏の残り香を感じますが、朝晩冷え込みに秋の気配を感じるほど一気に気温が下がって過ごし易くなった。
夜も快晴! 中秋の名月も十六夜までキッチリ拝めた。 良かった良かった。
……まあ、そのおかげで最低気温と最高気温の気温差が15度近く(!)になる事もあり、激しい気温差のため体調を崩す方もいる様子。 皆さんもご注意を。
<今週の特集>
今週の特集コーナーは、『アルティメット・アナライズ』シリーズ第4弾、同人ヴィジュアルノベル『Omegaの視界』の徹底解説連載第21回です。
今回からは、前回までの連載記事で書いてきた事を、事象や項目毎に整理し、解説する情報まとめです。
前回までの記事と合わせて読むと、『Omegaの視界』が超・楽勝で理解出来るようになると思います。
ちなみに、今回からの記事の方が本来の第1部。 本来は、コッチがメインになるハズでした。(注:執筆遅れのため、順番を入れ替えて公開する事にしたのですよ)
第1章:ゲームプレイチュートリアル
遊戯にはルールがある。
そして、遊戯に参加するプレーヤーは、このルールを把握している必要がある。 何故ならルールが分かっていないと、プレーヤーは遊戯で遊ぶ事がそもそも出来ないからだ。
一定の法則に従って思考、行動する事によって、プレーヤー同士が平等になり、お互いに不平なく勝敗を決する事が出来るからだ。
お互いが同じルールに従っている間は、常に平等であり公平である。 だから、そのルールに不満があっても、それよりももっと良いルールを思いついても、それを口にする事なく従わなくてはならない。
遊戯だけでなく、社会であっても法であっても、これは同じである。
何故ならルールに従わないプレーヤーは、チートプレーヤー(注:チートはイカサマの意)としてBANやKICKの対象になるだけだからだ。
楽しく遊戯で遊びたいのなら、ルールには従わなければならないのである。
この章では、本作における遊戯、『No.13』のルールとゲームシステム、並びにその成り立ちや構造を解析、解説する世界観設定の非公式チュートリアルである。
1.始祖アリスと大封
さて、まずはそもそものハジマリから説明しなくてはならない。
遥か昔―。(注:これが何時なのかは、設定未公開のため明らかになっていない。 が、個人的には19世紀末頃と睨んでいる。 詳細は後述)
一人の少女がいた。
彼女の名はアリス。
姓は分からない。 今となっては、誰も知らない。 記録や伝承の類には記述がなく、現代には彼女の姓は伝わっていない。
現代では、彼女の事を“始祖アリス”と呼ぶだけである。(注:ただし、複数の記録でアリスの姓が記述されている箇所もある。 しかし、それらにしてもシン、マチルド、リデルなどまちまちで統一されていない)
ともかく、アリスという名の少女がおり、彼女にはある種の魔力があった。 そして、ナルデアナ・ドルミナというアリスの友人だった少女の力を借りて、魔力を発現する力を呼び降ろす事に成功した。
それこそが、原初のCATであるパラミアキスであった。(注:CATに関する詳細は、次項にて詳述するのでココでは解説を割愛する)
アリスは、弱者が強者に立ち向かう力を欲し、そして必要として、概念としての魔力をある一定の法則に従った存在に成す事に成功したのである。
これに伴い、アリスの下にはCATと呼ばれるこの力を欲する者たちが集まり始めやがて、一つのコミュニティを形成していった。
このコミュニティは、アリスが好きだった月になぞられ、“Lunatic=Leap”(以下、Lu=Leと略す)と呼ばれた。
邦訳、“月に狂いて飛び跳ねる”。
そう、後の“月狂跳”の語源である。
そして彼らは、様々な在り方のCATを次々と呼び降ろし、Lu=Leの勢力は拡大し、そしてその組織図は複雑化していった。
・ガロー神蝕事件の勃発
遣い手とCATは増加の一途をたどり、Lu=Leは時と共にしばし栄えた。
しかし、そんなLu=Leにもひとつの転機が訪れた。
始祖アリスの死である。
現在のWCLや八相七家には、不老を可能にしたアンチ・エイジング技術(AA)があり、本作に登場する多くのキャラクターがAA済みで、実年齢不明になっている。
しかし、この技術は後々になって開発、あるいは“発見”された技術らしく、始祖アリスが存命だった当時はAA技術がなかった。 あるいは、あったが始祖アリス自身が適用を拒んだ。
そのため、始祖アリスは寄る年波に身を任せ、子を生して血統を遺した後、自然死した。
始祖アリスの死後、彼女が遣っていた原初のCAT、パラミアキスだけが残された。
パラミアキスは、始祖アリスが飼っていた猫に受肉されていたため、遣い手がなくても保管が可能だったが、原初のCATだけに残されたLu=Leの幹部たちも放っておく事が出来ず、資質の高い者を選出してパラミアキスを遣わせる、という方法を取る事にした。
こうして、パラミアキスの継承制が始まった。
筆者の想像だが、パラミアキスの継承者は日本の天皇のような、ある種の象徴的存在として崇拝の対象になったのではないだろうか?
しかし、この継承制が思わぬ形で崩壊する。
Lu=Le内でも始祖アリスの血統に勝るとも劣らない魔眼質者を数多く輩出し、中には歴代のパラミアキス継承者となった者もいたほど、優秀な血統であったルー家に生まれたダーカ・イァンナ・ルーは、極めて高い資質を持つ魔眼質者であったが、そのダーカをも上回るほどの資質を有していたのが、実姉妹であるガロー・ツェロ・ルーであった。
恐らくガローは、その資質によって将来を嘱望されていたに違いない。
その証拠に、ガローは間もなく、パラミアキスの継承者候補に選出されるという名誉を賜る。 既に先祖の中にパラミアキス継承者がいた事もあり、ガローは他の継承者候補よりも飛び抜けた、継承候補第一位であった。
……が、その事を知ったガローの心に、慢心が生まれた。
継承者選出のための最終審査の直前、ガローは何を思ったのか保管されていたパラミアキスに無断で接触。 その結果、相性が悪かったのか、それとも資質が足りなかったのか、ガローはパラミアキスに神蝕され、暴走してしまう。
ガロー神蝕事件の勃発であった。
暴走したガローを止めるため、Lu=Le内の有力な魔眼質者たちがガローに立ち向かっていったが、元々資質の高かったガローの敵ではなく、多くの魔眼質者たちが犠牲となった。 その中には、当時生まれて間もない幼子であったファイナ・オルの両親も含まれていた。
最終的に、ガローはエンドル・ファによって休眠させられ、事件は収束に向かったが、その代償はあまりにも大きかった。
そのため、この事件をキッカケにパラミアキスの継承制は廃止される事になった。
・WEとES
パラミアキスの継承制廃止の裏には、ガロー神蝕事件と同じく重要な出来事がもう一つ
あった。
ガローを神蝕、暴走させた原初のCAT、パラミアキス自体に、ある“変化”が起こったのである。
ガロー神蝕事件直後、パラミアキスから雄性双体のCATが突如萌芽。 この2体のCATは、一方がオウトと呼ばれ、もう1体がイツワと呼ばれた。
さらにその直後、そのイツワから今度は8体ものCATが次から次へと萌芽。 この8体のCATは、総じて“Wonder Eight(ワンダー・エイト)”、“素晴らしき八匹”と呼ばれ、略して“WE”と呼ばれるようになった。
この8体のCAT、すなわちケルベ=ロア、ガルガル、ハスマリム、マラキタルシシム、デュナム、プロン、アルク=ベー、そしてベールが萌芽したのをキッカケに、Lu=Leの、特に中枢を担う者たちに大きな変化が求められ、重職にあった8人の魔眼質者が選出され、それぞれにこのWEが1体ずつ下賜された。
通称“ES”。
すなわちミリアム・シュブ、エンドル・ファ、オズマ・イース、ダーカ・イァンナ・ルー、ヴィヴ・アヴァ、イサリー、ヨルド・モネ、そしてドレミリア・リデルの8人が、言わば“義姉妹”の契りを交わし構成する“八人姉妹”。 “Eight Sisters(エイト・シスターズ)”誕生の瞬間であった。
Lu=Leの運営は、これ以降このES8人による元老院、評議会制が布かれる事になった。
それまで、Lu=Leの象徴的存在であったパラミアキスは、継承する遣い手のないまま保管される事になった。
ESの主導の下、Lu=Leはガロー神蝕事件以前の平穏を取り戻し、再び時と共にしばし栄える事になった。
・大封
しかし、人が集まり集団となり、コミュニティが組織化すると生まれるのが、人と人との不和である。 全てのコミュニティがそうであるように、Lu=Leもまた、その内部で不平や不満を持つ者が現れやがて、激しい内紛へと発展していった。
世に言う“大封”。 カルロサの謀反である。
始祖アリスの死後に生まれた(注:……と、思われる。 カルロサを含め、本作に登場するキャラクター、特にAAを受けたキャラクターの出生年代は、設定未公開のため詳細不明)カルロサは、実は始祖アリスの直系の子孫であった。
カルロサ自身は、男児であった事もあり魔眼質の資質は低い(あるいは無い)モノでしかなかったが、カルロサの双子の妹であったクララは、Lu=Le内でもトップクラスの極めて高い資質を有していた。
そのためカルロサは、パラミアキスの継承制廃止とそれに伴うES評議会制の導入において、クララもESの一人に加えられると確信していた。 先のガロー神蝕事件によって、パラミアキスの継承者候補であったガロー自身や、事件によって有力な魔眼質者数名が犠牲になった事で、これまで始祖アリスの直系の子孫でありながら不当に地位の低かった自身の家系からも、ESメンバーが選出されるモノと信じて疑わなかった。
トコロが、実際にはクララは選ばれず、代わりに選出されたのはクララよりも資質が劣り、加えて同じリデルの姓ではあるがカルロサの家系から派生した傍系の子孫に過ぎないドレミリアであった。
この事が、後々までカルロサに大きな禍根を残す事になった。
当然のごとく、カルロサは施行されたES体制に反発した。 そしていつの頃からか、ESの打倒を夢想するようになっていった。
これと前後して、……あるいは最初からその意図があったのか、ともかくカルロサは、魔眼質の資質は低かったが、その明晰な頭脳によってCATを深く理解し、CATに関する様々な新技術の開発に勤しんだ。
その結果カルロサは、CATのある種の弱点を克服する術を発見(あるいは開発)した。
CATは、遣い手から供給される“エサ”を随時必要とし、“エサ”の供給を絶たれると消滅してしまう(注:正確なトコロは、設定が公開されていないので不明だが、そうと考えると色々と納得出来ると思う)という欠点がある。 単体で存在するためには、動物やヒトの肉体を乗っ取り、受肉する必要があった。
カルロサは、これを克服するためにCATをある一定の法則で数式化する事に成功し、この数式を紙に書き記す事でCATを一時的に休眠状態にして保存、保管する事を可能にした。
これを“封紙”と呼ぶ。
そしてカルロサは、これを可能にする特殊なCAT、Igを作り出し、これをESの一人であるエンドル・ファの実弟、エンリケ・ファに下賜した。
エンリケは、姉と共にESに従っていたが、何時の頃からかカルロサに感化されていき、最終的に初代の“魔眼の刺し手”としてカルロサの謀反における実働部隊として活躍する事になった。
こうして時は満ち、カルロサはいよいよ行動に移った。
エンリケによって、Lu=Leの魔眼質者たちが次々と狩られ、IgによってCATとのリンクを断たれた。 CATは封紙され、CATを切り離された遣い手たちは、いずれもカルロサの配下に下るか、強制的に改宗されたか、あるいはこれを拒んでその場で殉じた。
その結果、ESの8人の内ダーカ・イァンナ・ルー、オズマ・イース、ヨルド・モネの3人は改宗、あるいは自身の意思でカルロサの配下に下り、ヴィヴ・アヴァ、イサリーはその場で殉じるを選んだ。
そのため、ミリアムとドレミリアは劣勢を悟り逃亡。 エンドルは、センリと共にツェロルを逃亡させた後、行方不明となった。
この過程において、ES派であったCAT、黒のイツワはエンリケとの一騎打ちに挑み、なんとかエンリケを打倒するも、エンリケのIgによってフェイズをズタズタにされ、イーハのみのCATとなってエンリケの遺骸を乗っ取り、以降転生先の魔眼質者の出現を待つ事になった。
イツワと対の存在であるオウトは、この混乱に乗じて逃亡。 D変調によってヒトとして転生を繰り返しながら、しかしESにもカルロサにも与さない存在となった。
ミリアムとドレミリアは、逃亡の果てに日本に逃れ、かの地でLu=Leの再興を悲願とする新生Lu=Le、“八相七家”を創始。 現地で魔眼質者を捜し、回収に成功したイツワのフェイズをCAT化して下賜し、世代交代を繰り返しながら魔眼質者と行方不明となったツェロルの捜索を地道に続ける事になる。
一方カルロサは、自らの派閥を“White Cat Library(WCL)”と呼び、自身の双子の妹であるクララに、保管されていたパラミアキス・アンセスターを受肉させ、Lu=Le八相の掃討とCATの回収を命じた。
こうして始まったのが、WCLが八相七家を追う(カルロサやミルハが言うトコロの)劇、“遊戯”である。
この“遊戯”は、世代を重ねながら何度も繰り返され、今回が13回目に当たるという。
そして、この『No.13』は、新しくWCLに加わった魔眼質者で、CATフェンリロスの遣い手、雨山かれおが失われていた元イツワのフェイズ9、九相コトハネを発見したのをキッカケとして、ハジマリの鏑矢が放たれたのである。
2.魔眼質とCAT
以上が、Lu=Leの創設と崩壊のあらましである。
……大丈夫か皆の衆? ちゃんと付いて来てるか? 既にアタマがスポンジになってる方もいるかもしれないが、ココからは皆の脳内に渦巻いている疑問の一つ一つを、もう少し詳しく解説していく事にしよう。
まずは、そもそものハジマリであるCATという存在。 そして、それを視るための資質、魔眼質についてである。
・What’s “CAT”?
CATとは、“Connecter,AlterEgo,Trance(コネクター・アルターエゴ・トランス)”の略である。 日本語に訳すならば、“変性代替自我接続”とでも訳せば良いのだろうか? ともかく、魔女が使役する使い魔。 弱者が強者に対抗するために手に入れた、“セカイと向き合うチカラ”。 それが、CATと総称される存在である。
CATは、元々からこの自然界にあるには在った存在だが、本来は不定形で形が一定しておらず、しかも不可視の存在なので普通のヒトには視る事も感じる事も出来ず、使役するなどもってのほかだった。
しかし、このCATをある一定の法則に従って感得、使役する事に成功した人物がいた。
それが、Lu=Leの創始者である始祖アリスである。
始祖アリスは、親友であり初代の呼び水たる月の雫であった少女、ナルデアナ・ドルミナの力を借り、本来は不定形で不可視の存在であるCATを、ある一定の法則に従ってこれを形にして、使役する事が可能な使い魔として呼び降ろす事に成功したのである。
そして、この時呼び降ろす事に成功した原初のCATがパラミアキスであり、これ以降このパラミアキスから萌芽、あるいは新たに呼び降ろされたCATを、始祖アリスやナルデアナと同じくCATを感得、使役する事が可能な能力、魔眼質を持つ者たちに下賜された結果、Lu=Leという組織が創設されたのである。
では、そもそもCATとは何の存在なのだろうか?
ココからは半分以上筆者の想像だが、筆者はこれを“精霊の一種”と解釈している。
例えば、上記にも記した“本来は不定形で不可視”という表現や、本編中に出てくる“マナ”(注:1章34節)という単語から、ルーンに代表される“魔法の一種”と解釈している向きもあるだろう。
確かに、その解釈も可能である。
CATは、本来は“不定形で不可視”の存在であり、常人には視る事が出来ない、感得出来ない存在である。 しかも、CATとして形を成しても、常人にはやはり不可視のままで、たとえ魔眼質者であっても視える形、CATの印象には個人差があり、決して一定ではない。 その発現例も、CATごとに様々で、特化フェイズが同じCATでも出来る事と出来ない事があったり、中にはそのCAT固有の極めて特殊な能力を発現するCATも少なくない。
すなわちCATとは、魔眼質者であっても視え方も発現例もマチマチで、やはり一定してないのである。
と、するならば、万物の根源としてありとあらゆるものに存在し、これをコントロールする事で魔法として発現させる“マナ”とCATは、根幹を同じくする存在という解釈が成立しなくもない。 CATを封紙した紙は、言わばマナをコントロールするための魔法円、あるいはルーン文字と同義と言えるのである。
……が、筆者はこの解釈を支持していない。 何故なら、魔女は本来、魔法円やルーンを使わず、したがってマナをコントロールする魔法は使えないからである。
本来、“魔女”とは“ウィッチ(Witch)”の事であり、“ウィッチクラフト(Witchcraft)”という種類の魔法を使う者の事を指し、魔女には本来性別的な区別はない。
しかし日本では、仏教において“女に化けて人心を誘惑し、魔道へと堕落させる下品(げほん)の魔”の事を“魔女(まにょ)”と呼ぶ事から、同一視されて女魔法使いの事を“魔女”と呼ぶようになり、ウィッチも“魔女”と翻訳されるようになった
また、中世から近代にかけて、男性ウィッチの事をウォーロック、ウィザード、あるいはソーサラー(注:いずれも、日本語では“魔術師”、あるいは“魔法使い”と翻訳される)と呼称されるようになり、ウィッチが女魔法使いの固有の呼称になった経緯がある。
さて、“魔女”の使う魔法、すなわち“ウィッチクラフト”は、ファンタジー系のアニメやマンガ、ゲームに登場する魔術や魔法の類よりはむしろ呪術であり、シャーマニズムに近いモノであった。
シャーマニズムとは、神や聖霊、あるいは精霊や死霊などの超自然的存在と直接交信し、占いや預言、病気治療などを行う呪術的、あるいは宗教的霊能者、すなわちシャーマンが使う呪術の事であり、日本では妖術もこれに含まれる。
中世になると、魔女=シャーマンのイメージはさらに強くなり、魔術の女神ヘカテ(注:豊穣の神でもあり、月の神でもあり、冥界の神でもある。 また、セレネ、ディアナと共に、三位一体の神としても崇拝の対象となっている)を崇拝するテッサリア信仰へと進化する。
これに憂慮した教会は、魔女を取り締まるために“魔女裁判”を行い、多くの女性たちが不当な言いがかりを付けられては凄惨な拷問の果てに処刑されていった。
世に言う“魔女狩り”である。(注:当然、この史実は大封という形で本作にも引用されている)
そして、この“魔女狩り”の嵐がヨーロッパ全土で吹き荒れるキッカケとなったのが、ドミニコ会の修道士であった二人の異端審問官、ヨハン・シュプリンゲルとハインリッヒ・クラメルによって書かれた一冊の書物、“魔女の鉄槌”(1486年刊行)である。
17世紀までに、“聖書に次ぐ”と言われるほどの発行部数を誇ったこの忌むべき悪書により、魔女狩りの犠牲となったのは、記録に残っているだけでも数万人を数え、記録に残っていない者(すなわち私刑)も含めれば、一説にはその犠牲者は数百万人に上るとまで言われている。
もちろんこれには裏があり、教会側が教会の権威回復のために“魔女狩り”を利用したからであり、現在では迫害と差別による忌むべき暗黒史として認識されている。
ともかく、こうした背景を持つ“魔女”という存在は、現在でも悪魔崇拝者を指す名称であったり、悪女や魔性と同様に、悪人の女性を卑下する言葉として用いられるが、先にも記したように、“魔女”とは本来シャーマニズム文化におけるシャーマンの事であり、神や精霊の言葉を人々に伝えるための“人と神の仲介者”としての役割りが大きく、また歴史上も初期にはそうした存在として扱われる事が多かった。
しかし、教会が権威回復の手段として用いた何世紀にもわたる“魔女狩り”により、悪魔崇拝的なイメージが定着し、またそれを補強するかのように、童話や民話に登場する魔女は、主人公を誘惑する忌むべき悪役として登場する事が多くなった。
これにより、魔女=悪役のイメージが定着したものと推測出来るが、ヨーロッパはもとより、アフリカや南米、北米にも、本来の意味での魔女的な存在は在ったし、それは日本とて例外ではない。
そう、魔女の本来の姿、すなわちシャーマン、イコール“巫女”である。
日本における“巫女”は、八百万の神々の言葉を伝える存在として重要視され、神社では神主と同様に極めて重職を担う存在である。
その最たる例が、天岩戸に引き篭もったアマテラスを外に引っ張り出すために踊ったアメノウズメであり、魏志倭人伝に書かれた邪馬台国の卑弥呼であるのは言うまでもないと思う。
さて、ココまで書けばもうお分かりだろう。 本作におけるCATとは、魔女が遣う使い魔であり、天界や自然界に数多在る霊力を集め、何らかの形で個体化した精霊と解釈出来るのである。
魔眼質者は、往々にして“魔女”と呼ばれる。 故に、女性だけでなく男性もいる。 そして、魔女には黒猫に代表される使い魔がおり、魔女はこれを遣って魔力を発現する。 この、魔力の増幅器としての使い魔こそが、魔眼質者にとってのCATであり、ウィッチクラフトにおけるシャーマニズム文化としての精霊なのである。
・CATの在り方
本作に登場する魔女の使い魔。 シャーマニズム文化としての精霊であるCATには、様々な在り方が確認されている。
ファンタジー系のRPGでも、精霊として登場するクリーチャーには様々な種類があり、属性や能力が異なり、それはCATでも同じである。
以下に、CATの在り方を解説する。
a.姿形
CATの姿形は、多種多様を極める。 基本的に、個体毎にその姿は違って視える。
既に記したように、CATは元々不可視の存在で、呼び降ろされた事によってCATとして一定の姿を取るようになったとしても、魔眼質者以外にはその姿を視る事も、感得する事すら出来ない幽霊のような存在である。
しかし、魔眼質者であれば、その姿を視覚的に視る事が出来る。 少なくとも、感得する事が可能である。
だが、それでもCATの容姿は、決して一定とは言えない。
その最も大きな理由となっているのが、“既存の生物に喩えようがない”という点である。
例えば、ミリアムの遣うCATであるケルベ=ロアや、現実が遣うキリアケなどは、比較的ネコに近い容姿で、CATを総じて“ネコ”と呼ぶ事に何ら支障がないように思える。
トコロが、プロンはウサギのような容姿だし、デュナムはどちらかと言えばネコよりはネズミに近い。
さらに、八相七家のCATともなるとさらにタイヘンなコトになっている。
アヤメ、ナガヒサ、キサムラ、タマズサ、カリヤ、オオクロ、コトハネ、イーハ。 いずれも、ネコどころか生き物にすら見えない。(注:八相七家のCATでは、ミハルとクイがかろうじてネコに見える)
さらに言うなら、魔眼質者であっても、視る者によってそれぞれのCATの容姿の印象は少なからず変化する。
例えば、みみみが遣うテトライは、本来はCATを封紙するためのCATなので、紙に書き取る“ペン”と表現するのが正しい。 しかし、観る者によってはこれを“剣”と表現したり、オリジナルのIgになぞって“仮面”と表現する者もいる。
同じモノを視ていても、感性やボキャブラリーによって、その印象は大きく変化するのである。
とはいえ、これは極めて些細な問題でしかない。 CATをCATとして認識出来、“ネコ”と感得する事が出来れば、それは間違いなく魔眼質者である事の証であり、「私たちは同じモノを視てる」を証明する事に他ならないからだ。
CATの容姿とは、飽くまでも便宜的なモノにしか過ぎず、実はどんな姿であっても“CATという在り方”としての意味を失うモノではないのである。
ただし、こうした不定型性は、ある方法によって解消される事がある。
それが、“受肉”という在り方である。
b.受肉と依代
既に記したように、CATは本来不可視の存在であり、たとえ魔眼質があったとしても、その姿は不定形で、幽霊のようにしか視えない。 これは、どのCATでも基本的に同じである。
しかし、この容姿が完全に一定化し、魔眼質者ドコロか魔眼質を持たない一般人にも可視可能になる在り方ある。
それが、“受肉”という在り方である。
受肉とは、カンタンに言えば既存の生物(有機物)、あるいは静物(無機物)に乗り移り、その肉体を我が物とする事である。
この在り方自体はかなり古くからあり、記録上は始祖アリスが遣っていた原初のCAT、パラミアキスが、始祖アリスが飼っていた飼い猫に受肉したのがその始まりである。
これによって、本来は不可視で不定形なCATが、一定の容姿を持つ可視可能な存在となり、CATであると同時に生物(あるいは静物)でもあるという特殊な在り方になる。
現在は、ミリアムのCATであるベロアと、ミルハに受肉したパラミアキス・アンセスターが、生物に受肉した例として存続している。
この他に、オリジナルのIgやシロ、アルク=ベー(ヨォクリサリス)が、静物に受肉した例として存続している。
この在り方だと、CATの存続に必要なエサ=女性魔眼質者の月経血液(メンス・ブラッド)、あるいは男性魔眼質者の性欲(リビドー)の必要量を抑える事が出来るため、遣い手に負担がかからないというメリットがある。
ただし、静物に受肉した場合はともかく、生物に受肉した場合は、肉体にAAを施しても肉体的限界があるため、定期的(注:……といっても、その期間は数十年から100年以上だが)に受肉している肉体を交換、すなわち受肉し直す必要があるというデメリットもある。
これとは別に、“依代”(注:“よりしろ”と読む。 命名:オレ)という在り方もある。
例えば、生物に受肉した場合、CATはAAを受けない限り受肉した生物と運命を共にする。 その前に肉体からCATを切り離し、封紙、あるいは他の生物に再受肉すればCATは存続出来るが、これは自然の摂理上仕方のない事であり、避けようがない事である。
しかし、これを回避する方法がある。 それが、この“依代”という在り方である。
受肉した生物が、AAを受ける事なく天寿を全う、すなわち自然死した場合、その前に異性と交わって子を生していると、CATは自動的にその子、もしくは孫に継承される。
すなわち、子孫を残して家系を形成する事で、その家系の子孫へとCATが転生を繰り返し、生物としての世代交代を繰り返しながらCATとしての能力と記憶を継承し続ける事が出来るという、ある種の不老不死、この世に在りながら魂の不変を得る事が出来るのである!
しかも、遣い手から供給される“エサ”を一切必要とせず、完全に独立した存在として在り続ける事が可能になるのだ!
本作に登場するCATでは、真言に転生したイツワと、大神に転生したオウトがこれに当る。
もちろん、これにもデメリットがないワケではない。
転生を繰り返す事によって、CATとしてのその能力が低下する。 世代を重ねる毎に低下し続けるとなると、最終的にはCATとしての能力も、魔眼質者としての資質も、記憶も失い、ごく普通の一般人となんら変わらない存在となり、CATとしては事実上喪失してしまう。
また、家系であっても転生先の子孫の資質に左右され、転生出来ない事もある。 イツワがその最たる例で、魔眼質は元々から男性には発現し難い能力で、しかもイツワはその稀な存在である男性魔眼質者だったエンリケに受肉した事でその特質を継承し、イツワの直系である飯窪家に男児が生まれなかったために、長い間転生出来ずにいた。
真言は、イツワが転生に成功した初めての飯窪家直系の男児である。
さらに、元からあった肉体を乗っ取って受肉したワケではないため、一度でも転生してしまうと肉体からCATだけを切り離して封紙する事が出来なくなってしまう。
本作の『No.13』終了後、WCLにその所在が明らかになったイツワとオウトが、封紙も拘束もされず放置されたままになっているのは、そのためである。
これとはさらに別に、受肉も依代も必要なく、CATのまま可視可能になる事も可能は可能である。
極めて特殊な例だが、本作に登場するCATでは、ノートが遣うジャバがこれに当る。
ジャバも、本来は不可視のCATであるが、ジャバには“変身能力”という特殊能力があり、これを使う事で受肉も依代も必要なく、ジャバは一般人でも視覚可能な姿に“変身”する事が出来る。
ジャバは普段、この変身した姿で人前に現れるため、本来の不可視の姿を視る事の方が稀である。
この能力は、飽くまでもルーラーオンリーの特殊能力で、本作に登場するCATの中では、ジャバにのみ見られる極めて特殊な発現例である。
c.フェイズ
全てのCATには、フェイズ(PHASE)と呼ばれるステータス、能力値が設定されている。 これは、上記の可視/不可視、受肉/非受肉/依代/変身に関係なく、どのCATにも必ず設定されているモノである。
ただ、その数値の寡多によって、発現する能力が変化する、というだけのハナシである。
フェイズは全部で10種あり、どのフェイズに能力を割り振るかによって、そのCATの能力、特性、特化型が変化するのである。
フェイズ1:アヤメ
殺め(あやめ)る力。
元々、CATは“チカラ無き者がセカイと向き合うチカラ”であり、自然界における強者生存の理を覆し、弱者が強者に対抗するために呼び降ろされたモノであり、それは取りも直さず“チカラ”、そのモノである。
と、するならば、CATには必然的に殺める力、すなわち相手を殺す機能が必要である。
その通り、フェイズ1はLu=Le創設当時は非常に重要視されたフェイズで、新たに召喚、あるいは萌芽するCATも、この能力値の高低によってランクが決められた。
……が、それもLu=Leの創設から間もない頃までの話しで、このフェイズは次第に重要視されなくなった。
というのも、一般人に対して物理的な形でフェイズ1を行使してしまうと、後々何かと面倒なので、フェイズ4やフェイズ5による、隠密的な手法が主流になっていったためで、加えてCAT同士の戦闘では、フェイズ1による攻撃はフェイズ2のファイアウォールによって弾かれてしまうため、全く意味がなかった。
そのため、現在では十全のCATであっても、フェイズ1特化のCATはほんの一握りに過ぎない少数派になっている。
ちなみに、フェイズ1は両腕に宿り、左右で特性の異なる攻撃を繰り出せるのだとか。
フェイズ2:ミハル
見張る(みはる)力。
CATにおける視覚や聴覚などを司り、広域走査などのサーチ能力を主に発現する。
それと同時に、フェイズ2は“護る力”でもあり、オートガードやファイアウォールといった防御機能も司る。
これに伴って、フェイズ2はCATの外殻、あるいは表皮、容姿や姿形も司っている。
フェイズ3:ナガヒサ
生き永らえる力。
CATにおける生命力と、回復、治癒能力を司るフェイズ。 いわゆる“メディック・スキル”である。
その延長線上で、若返りと不老を可能にするAAも、このフェイズの領分である。
フェイズ4:キサムラ
創る力。
CAT、あるいは遣い手、及びその他の対象に一時的、あるいは恒久的に何らかの効果を与える霊薬、“prot-ein”を生成するフェイズ。 いわゆる“アルケミー・スキル”である。
生成出来るprot-einの種類、及び効果種別や効果範囲、持続時間などは、CATのこのフェイズ値と遣い手の資質に左右されるが、prot-einそのモノは、アイディア次第でどんなモノでも、いくらでも生成する事が出来る。
ただし、生成に時間がかかるため、例えば緊急に回復が必要な場合などは、フェイズ3を使った方が早い。
もちろん、生成したprot-einは携帯所持が可能なので、予め“創り貯め”しておく事は可能である。
また、生成したprot-einを使用する事で、このフェイズは一時的に他のフェイズの能力の代わりに機能させる事が出来る。
これを、“キサムラ代替”と呼ぶ。
ちなみに、生成したprot-einはCATや魔眼質者でなくても効果を与える事が出来る。 したがって、マイナスの効果を与える事が出来るprot-einを生成すれば、毒殺も可能である。(注:だから、フェイズ1の必要性が失われていった)
フェイズ5:タマズサ
操る力。
元々は各フェイズの相互接続、統制を司る中央制御的なフェイズだが、そのために様々な形での遠隔操作が可能である。
従って、このフェイズを使用すると他者の思考への介入、催眠効果、洗脳、すなわち“不正操作”が可能である。
CAT同士の場合は、フェイズ2によるファイアウォールによって弾かれてしまうが、一般人はもちろんの事、フェイズ2がないCAT、及びその遣い手にも有効である。
フェイズ6:クイ
喰い(くい)力。
元々はCATの成長、学習しスキルアップするためのレベルアップを司るフェイズだが、このフェイズを使用する事によって他のCATを取り込む、すなわち“喰う”事が可能になる。 そして、喰らったCATの能力を消化吸収し、自身のステータスをレベルアップさせる事が可能である。
ただし、喰らった対象のフェイズが自身に無いフェイズだった場合、フェイズそのモノが無いのでレベルアップする事が出来ず、対象を喪失させる以上の意味は無い。(注:これを、“消化に悪い”と表現する)
もちろん、喰う事によって対象を喪失させる事が出来るので、攻撃能力としても機能するのは確か。
フェイズ7:カリヤ
肢体の力。
元々は肉体、すなわち魂の器たる肢体を司るフェイズだが、前記したようにCATには肉体が無く、CATは往々にして不可視の魂(ゴースト)でしかない。
そのため、本来は無意味なフェイズなのだが、これは同時にそのCATの肉体的限解、リミッターとしても機能している。
これが転じて、このフェイズを使用する事で(自他問わず)CAT、あるいは遣い手の能力限界を解除する事が可能である。
特に、物理攻撃を行う際に有効で、極限までリミッター解除する事で“狂戦士化(バーサーク)”も可能である。
もちろん、その際は肥大化し過ぎた力のために対象の肉体が著しく損傷する事もあるので、使用の際は用法、用量を正しく守ってレッツドーピング♪
フェイズ8:オオクロ
定着力。
CATが受肉した際、肉体にCATを定着させるためのフェイズと考えられているが、実際には謎が多いフェイズである。
フェイズ単体では動作せず、他のフェイズがあって初めて機能するフェイズである事だけは確か。
これ以上の事は、設定未公開のため不明。
フェイズ9:コトハネ
飛ぶ力。
魔眼質者が魔女であるなら、魔女とは往々にして箒にまたがって空を飛ぶモノである。 その、空を飛ぶための箒として機能するのが、このフェイズである。
通常は、翼のような形状でCATの背中などにくっ付いているが、遣い手が飛行する際は、これが変形して遣い手の翼、あるいは文字通りの箒に変形する事が多い。
中には、これが変形して武器として機能する例もあるので、単純な“翼”という以上の意味を持つ。
フェイズ10:イーハ
こころ。
CATの意思、思考、意識を司るフェイズで、いわばCATの“魂”である。
このフェイズがある程度高いと、言語による意思の疎通が可能になったり、遣い手の意思を汲んで自発的に思考、行動する事が可能になる。
しかし、ほとんどのCATはこのフェイズが脆弱で、言語を伴う意思の疎通などは不可能な場合が多い。
そのため、完全な自立型のフェイズ10を実装しているCATは数が少なく、稀な存在である。
このように、CATの能力は10種のフェイズによって決定されているワケだが、ステータスの数値の割り振りは、それほど自由度が高くないようだ。
というのも、各数値の合計値は、CAT毎に異なるが基本的に生まれつき変化しない。 召喚、あるいは萌芽した初期値から、CATのステータスは基本的に増減しないのだ。
そのため、この言わばそのCATの“能力値限界”をどのフェイズに割り振るかによって、そのCATの特化型が決まり、合わせて得意な能力や特殊な能力が決まり、役割が決定されるのである。
またその割り振りにしても、封紙技術が確立された事でやり易くなったが、それほど自由度は高くなく、微調整程度の範囲で割り振り出来るだけのようだ。
ただし、フェイズ6を使用する事で、この上限を引き上げる事は可能である。
これを利用し、大量のCATを喰らった結果がミルハである事は言うまでもないだろう。
逆に、八相七家のCATは、元々からイツワから切り離されたフェイズ単体のCATであるため、それぞれ一つのフェイズしか備えておらず、六相クイ以外は、“喰う”という事がそもそも出来ない。
よって、八相七家のCATは、レベルアップも調整も出来ない。
従って、その全てが十全のCATであるWCLに比べて、八相七家は決定的に戦力が劣っているのである。
といったトコロで、今週はココまで。
楽しんで頂けましたか?
ご意見ご感想、ご質問等があればコメにどうぞ。
来週もお楽しみに!
それでは皆さんまた来週。
お相手は、asayanことasami hiroakiでした。
SeeYa!(・ω・)ノシ
Thanks for youre reading,
See you next week!
52:euphoria
語り手:真言/ミルハ
日付:―
PT:06:08
さて、この節から、本作の長い長いエピローグが始まる。
まあ、4部作合わせて全体が長い作品なので、エピローグもコレぐらいの長さが丁度良いのかもしれない。
この節が、本作の時間軸のどの時点で語られているかは分からないが、全てのコトが終わった後である事だけは確か。 一応、真言が見ていた夢という事になっているが、ともかく真言とミルハの最後の会話である。
・解説
僕、貴女が、ほんとうに、すきでしたよ
……でも過去形なんだ。
いま、これ、どういう状況?
こっちが聞きたいよ。(笑)
誰の事だか分かりませんが!
この後の節でガッチリ分かります。
若干事実認識に誤り
その通り。 ミルハだけのせいではない。 カルロサとノートが主犯。 道具が共犯。 ミリアム、真言、音がそれに巻き込まれ、上手く利用された。
どちらかというと、ミルハも巻き込まれた側に入る。
もしかするとまた、逢えることもあるでしょう
……あるんかなぁ~? なくても良いと思うけど。
何かあったら、貴女の力になりますよ
コレ! 結構重要なセリフだと思う。 もしもの時は、真言はミルハ=WCLに加勢する、という事だからだ。
本作の最も大きな問題は、突き詰めれば“どっちが悪なのか?”である。 本来であるなら、悪は間違いなくWCLである。 Lu=Leに反旗を翻し、大封によって体制を崩壊させた、言わばクーデター軍である。 そこには民主主義はなく、革命による王位簒奪でしかない。 合法/非合法で言えば、WCLは武力によって力任せにLu=Leを壊滅させたのであり、悪以外の何者でもないのだ。
しかし、もし仮にLu=Leが圧政を強いていたとすれば、WCLの行動は民族解放であり、絶対王政支配からの脱却を目指した解放軍という事になる。 そうなると、WCLは一概に悪とは言えない。 フランス革命やロシア革命、辛亥革命などを例に持ち出すまでもなく、圧政に耐えかねた民衆が、古い価値観からの脱却を目指した革命を起こし、結果独裁的支配から解放された例は、歴史上いくらでもあるのだ。 近年で言えば、リビアがその良い例だ。
今回の遊戯、『No.13』に限って言えば、WCLは八相の殲滅とCATの回収を目的とした、言わば侵略軍である。 八相は、WCLから逃れて日本に逃げ込んだ亡命軍である。 と、するならば、やはり悪はWCLという事になるが、ココまでハナシをこじれさせたのは、八相内部で反乱が同時多発した結果であり、ノートの暗躍によってWCLも一枚岩ではなくなったからだ。
となれば、やはり疑問は最初に回帰してしまう。 すなわち“どっちが悪なのか?”である。
もちろん、一番イカンのはカルロサである。 カルロサが、“遊戯”という回りくどいルールを作ってしまったのがそもそもの原因だ。
しかし、それを言ってしまうと文字通りお話しにならないのでココでの言及は避けるが、コレだけは確かに言える。
WCLには、今後関わらない方が真言の身のためだ。
大神じゃないが、関わるとロクな事がないからだ。
もうD変調しちゃうのかな?
その方がいい。 D変調した大神ですら巻き込まれたんだから。
更新は無事に完了しました
まあ、ともかくこんな会話があったのですよと。 しかし、フハイ更新によってリライトされ、真言はこの時の出来事をキレイサッパリ忘れてしまうのですよと。
はてさて、真言たち本作のキャラクターが、どのようにリライトされて、続編にどのように関わっていく事になるのか?
今はまだ、それを語るべき時ではない。(注:だってまだ『interlude』が完結してないんだモン♪)
・漢字/英語/用語
euphoria
ユーフォリア→または“euforia”。 イタリア語で“幸福感”の意。 薬学用語では“多幸感”と訳される。
欺瞞
ぎまん
C
ココではペットとしての猫の意。
D
ココではペットとしての犬の意。
ハグ
hug→抱擁の意。
Male
メイル→男性の意。
53:●nd(おわる それか つづく)(数年後)
語り手:―
日付:―
PT:12:30
※お断り
この節は、続編の『interlude』以降に大きくに関わる内容のため、ネタバレ防止の観点から解説をバッサリと割愛させて頂きます。 ご了承下さい。
54:Route:E=They Lived happily ever after.
語り手:―
日付:―
PT:―
※お断り
この節は、続編の『interlude』以降に大きくに関わる内容のため、ネタバレ防止の観点から解説をバッサリと割愛させて頂きます。 ご了承下さい。
……ってゆーか、この節は鑑賞する意味が無い。 次節のみに意味がある。
55:Route:A=夜はまた始まる
語り手:―
日付:―
PT:07:17(EDムービー含む)
※お断り
この節は、続編の『interlude』以降に大きくに関わる内容のため、ネタバレ防止の観点から解説をバッサリと割愛させて頂きます。 ご了承下さい。
56:伝えよ、『猫の王が――』
語り手:―
日付:―
PT:01:01
※お断り
この節は、続編の『interlude』以降に大きくに関わる内容のため、ネタバレ防止の観点から解説をバッサリと割愛させて頂きます。 ご了承下さい。
と、いうワケで、色々と不穏当な事も書いてしまったかもだが、以上本編のテキストコメンタリーでした。
といったトコロで、今週はココまで。
楽しんで頂けましたか?
ご意見ご感想、ご質問等があればコメにどうぞ。
来週は、いつもの“アノ企画”シリーズ第4弾をお送りする予定です。 お楽しみに!
それでは皆さんまた来週。
お相手は、asayanことasami hiroakiでした。
SeeYa!(・ω・)ノシ
Thanks for youre reading,
See you next week!
-"Sight of OMEGA" Ultimate Analyse #20-
皆さんおはこんばんちわ!
asayanことasami hiroakiでっす!(・ω・)ノ
先週の竜巻、スゴかったですね。 藤田スケール(注:正確には、“藤田・ピアソン・スケール”。 1971年、日本人気象学者の藤田哲也が、アレン・ピアソンと共同で提唱した竜巻の規模を示す等級の事。 風速を基準に、F1~F5まである)でF2ですってよ奥さん!
昨年5月に宮城県で発生した竜巻がF3クラスだったので、それよりは今回の方が規模が小さかった事になりますが、……アノ被害では50歩100歩ってカンジですよね。
そして、中部地区を中心にしたゲリラ豪雨! 今回も、名古屋や岐阜で甚大な被害が出ました。
僕の在住地域周辺でも、約2万人に避難勧告が出るほどの大雨が降りました。
幸いにして、僕の在住地域は海抜がやや高めなので結構大丈夫だったんですが、それでも1時間に100ミリ以上とか、近年希に見るあり得ない大雨だった事に違いはないです。
今年は、梅雨時に大雨がなくて安心してたんですが、まさかこの時期に来るとは……!
“天災は忘れた頃にやってくる”
まさにその通りの異常気象に、用心せねばと思う今日この頃。
<今週の特集>
今週の特集コーナーは、『アルティメット・アナライズ』シリーズ第4弾、同人ヴィジュアルノベル『Omegaの視界』の徹底解説連載第20回です。
一応、この連載は今回で一旦終了します。
46:七つとや:ナナひかり、楽他無、インガ、
語り手:サクラ/アルコ/みみみ/真言/ノート
日付:4/30(日)
PT:06:55
山頂に向かう途中、みみみらが真言と接触。 みみみは同じIgの遣い手として、ライバル心剥き出しで真言と戦おうとするが……?
終盤でノートが出てくるが、真言との直接的な接触はまだない。 飽くまでも裏方、暗躍するのがノートの役目ですからね。
・解説
結局前と何にも変わんねー
アナタ達はそういう役割なんです。
あの時の、4人
ココで、移動中の真言が思わぬエンカウント。 この三人と真言の組み合わせって、なんか妙に違和感が。(笑)
その義務があるっ!!!
無いよ。(笑)
ボクらが何で此処に居るか~
いや、みみみ自身こそ、自分が何でココに居るのか分かってる?
より良きもの、デバッグ済み、完成型
そう、オーバースペックをディチューンして、コスト削減した“量産性が高いが試作品に劣るモノ”、それが、量産型だ。
クルマのプロトタイプがその良い例で、モーターショーに出品されるスタディモデルやコンセプトカーは、量産性や扱い易さを無視しており、実際にそのまま量産しても採算が取れない、万人受けしないため、性能を落して量産型にする。
レーシングカーはその際たる例で、ほとんどワンオフに近いため、高性能だが量産性が極めて低く、たとえ量産出来ても単価が高過ぎて誰も買えない。 量産型は、商業的な意味合いおいてのみ、確かに“より良きもの”ではある。
ちなみに、コンピュータソフトには試作、量産という語自体がない。 リリースされるバージョンは、飽くまでも開発したソフトを大量にコピーしただけで、開発中のモノと大して違いはない。 だから、リリース後もバグ・フィックスのためのアップデータが配布される。
コンピュータソフトには、“完成版”というモノ自体がそもそも無いのだ。
舞台裏や楽屋を覗く
確かに、この三人はミルハを裏切っているので、真言の敵ではないが味方とも言い切れず、この接触はある意味気まずい。
Deus ex machina風情が殊勝なこと~
そう見えるかもしれないが、残念ながら違う。 真言はデウス・エクス・マキーナではない。
テキだこいつはっ!!!
だから違うって。 落ち着けみみみ。
ばちん
瞬殺! ……いや、殺しちゃいないけどさ。 真言がどれだけ強いかを見せておくためのシーンであるのは確かだが、それにしても四重奏団が哀れ過ぎる。 これではやられメカ。 ザク状態だ。
……“量産型”だけにな!(笑)
・漢字/英語/用語
patron
パトロン→本文にある通り“後ろ盾”の意。 元々は、ルネッサンス時代に芸術家を支援する後援者、出資者の事を指したモノ。
W-MOde
w-mode(ダブル・モード)→ニヴァーイ、ニヴァーイってコトか?
没書
ぼつしょ→造語。 本文では“おくらいり(お蔵入り)”とルビが振られているが、いわゆる“ボツ原稿”と同義と考えてもらって良いと思う。
ちなみに、真言のIgはボツ原稿ではない。 実際にエンリケが使用していたが、エンリケの喪失以降遣い手が現れなかったため、表に出なかっただけ。
蔑む
さげすむ
宗旨
しゅうし
・伏字
●●になる
裏切り者とかスパイとか、そんな語だと思う。
47:八つとや:ヤくシャのサイキ、狼に衣、
語り手:大神/姫様/ベロア/音/ミリアム/道具
日付:4/30(日)
PT:07:02
大神は姫様を助け、音はベロアを追い、ミリアムはミルハへの恨みを募らせ、道具は再び音と接触する。
それにしても、大神と姫様の組み合わせってなんか妙に違和感が。(笑) まあ、姫様が大神を真言と間違える、という演出を入れたかったのだと思うが。
・解説
えらい有様だな
神蝕されてたCATを引っぺがしましたからね。 でも大丈夫。 生きてます。
腕ぁ何処いった?
腕ごと引っぺがしたみたいですね。
知ってる装束
ミリアムや冬夏たちが着てた服の事。 どうやら、祭儀用の正装らしい。
いーくんへの手助け介入は、本気でしづらくなる
して欲しかった。 真言と一緒に戦って欲しかったです。
どんな状況だよ
危機的状況だったのですよ。
厄介そうなのがちーっと、集まってるくさい
後述参照。
狐か?狸か?
音、今度はベロアと接触。 確かに、これは厄介な状況である。
がし、べりっ
ベロアが姫様の放り投げた腕に付いていた封紙を回収し、逃げた。
待てこら!!!!!!
そしてそれを追いかける音。
こっちに気回す余裕も無い程に~
かまってるヒマはないだろうね。 封紙の回収が最優先事項だから。
ミルハが近くに居る
もう間もなく登場です。
あれがすっかり準備をしている
ノートの登場は、もうちょっと後。 まだ向かってる最中なので。
燻り続けていた炎が消えていないかどうか
恨みや憎しみは、時間の経過によって蓄積するが、一定量を超えると鎮火する事がある。 憎しみを維持するのにも体力と精神力が必要だからだ。 しかし……。
腹立つ思い
ミリアムの憎しみの炎は、まだ消えていなかったらしい。
君の――妹になるな
この辺りの設定がイマイチ説明不足。 音と価無は腹違い……じゃない、種違いの姉妹……じゃない、兄妹ってコトなんだが……。
君に今渡してしまうべきか
道具は、目的が達成されれば新しいCATを下賜されるので、キサムラに執着していない。
らねぇなぁ、今のタイミングじゃ
この後道具が言っている通り、キサムラは飽くまでもprot-einの生成がメインなので、たとえ回復系のprot-einを作るにしても時間がかかるので逆に無意味。 即効性という意味では、ナガヒサの回復能力の方が高性能。
精彩を欠いてるのも事実
卑尊の死が、そうとう堪えたようだ。
元締だ
もちろんミルハの事。 登場まで今しばらくお待ち下さい。
介抱してやってくれよ
さすがの音も、妹には優しいようだ。
また後で、――かあさん
言葉通りの意味ではない。 道具は、飽くまでも音の育ての親であり、音の産みの親は、西石禍を留である。
・漢字/英語/用語
アポトーシス
apoptosis→“自死”のルビとして用いられているが、正確にはプログラムされた細胞死、いわゆる“自殺遺伝子”の事。 “自発的な死”という意味では同義だが、自殺遺伝子は任意ではないので、この場合は厳密には異なる。
傍流
ぼうりゅう
畏れる
おそれる→神や精霊など、超越的な存在を敬い、恐縮する事。畏れ多い。
・伏字
どちらが●●なのか
バカ
48:九つとや:ココろシテ、parlando(話すように)、
語り手:ミリアム/ベロア/ミルハ/音
日付:4/30(日)
PT:19:21
いよいよミルハの登場。
しかし、まだ真言が到着していないため、ミルハはそれまでの時間潰しに音の相手をする事に。
そして、音の生死不明のまま引く。
良くある演出だが、悔しいかな“続きが気になる”演出である。
・解説
まちがいなく、これは――
お待たせしました。 いよいよご本人の登場です!
久しいね。いやはや待ちくたびれた。
みゃんみゃん語のルビとして用いられているが、解読の手がかりにはならない。 解読する意味もないので、みゃんみゃん語は飽くまでも雰囲気作りのための手法と解釈すべき。
円環ではなく螺旋
円環、すなわちフラフープのような輪は、どんなに進んでも同じ所をグルグルと回り続けているだけだが、螺旋は一見同じ所をグルグルと回り続けているように見えて、実は少しずつ上下に進んでいる。
この場合のミリアムたちがそうであるかは定かではないが、一見代わり映えのしない日常でも、時間だけは確実に進んでいる。
始祖アリスの意思だ!
CATは、本来は“力なきものの朋”であり、弱者が強者に対抗するための手段である。 それは、強者が弱者を虐げる永遠回帰からの脱却であり、しかし自然界における強者生存の摂理に反するモノである。 その意味では、死を避るヒトの理想と同義であり、不自然な行為であると言える。
めよりいるものばらされる
本文では“ゲシュタルト崩壊”のルビとして用いられているが、その同義扱いは……どうなんだ? 合ってる?
アンカーだけは打たして貰った
ココで、アンカーの形状が背景画として出てくるが、Igとほぼ同じ形状になっている。 変えた方が良かったのでは?
マスターがちゃんとした判断が出来る人なら~
何気に毒を吐くベロア。(笑)
回復手段が無さそう
音はクイ単体のCATで、ナガヒサがない。
削りも無効技も~
格闘ゲームの話。
釣りみたいなもん
どちらかというと、“投網漁”か“追い込み漁”かね?
草食動物だって♀を巡って~
牛の角は、本来オス同士がメスとの交尾の優先権を得る戦いのためにある。
それ前提のコンピュータ制御ゲームの台頭
オンラインゲームの事。 RPGに限らず、現在のゲームはそのほとんどがオンライン対応、あるいはオンライン専用になっており、“シングルプレイ専用”はめっきり少なくなった。
ソロでも攻略可能、他人の手借りたら楽になる
その意見には、筆者も大いに同意させていただく。 “攻略”を目的としないゲームの場合は別だが。
ただし、この時のミルハは、自らがそれに矛盾する存在になっているのに気付いていない。 この時のミルハは、逆に“他人の手借りても攻略可能、ソロのが楽”という逆転現象が起きている。 それに気付いたのがカルロサであり、カルロサは逆転現象を正すべく、『No.13』を開始した。
兄様はどっちかというとそちら側に傾倒
だろうね。 カルロサは、今まさにミルハに“枷”を与えるためにこの遊戯をプレイしてるワケだし。
寧ろロープレのがボタン連打ゲー
確かに。(笑) RPGは、結局クリックゲーだからね。 今のSTGは、オート連射標準だし。
重力があればこそ骨の強度も筋力もつく
その通り。 無重力下では、筋力が急速に衰えて、僅か数週間で立てなくなるほど。 そのため、現在のISSに滞在する宇宙飛行士には、毎日数時間の運動が義務付けられている。
身盗った存在
だから、GWの事を“身盗りの生やし”と呼ぶ。
私は別にラスボスじゃない
まあ、本当のラスボスはカルロサだが、これじゃどー見てもラスボスッスよミルハさん。
寧ろそんな事したら死活問題
音はフェイズ6単体のCATのため、丸呑み出来るほどのキャパシティがなく、“消化に悪い”。
……にしてもおっそい!
セリフがまだ残ってるからね。(笑)
絶対勝てないイベント戦
RPGに限らず、FPSでも『Q4』とか『HL2』とかにもありますね、 演出の一種として。
……ああ、わたしさ、あのときからずっと~
ココからの一連のシーンは、いわゆる走馬灯現象である。 死ぬな音!
手段と目的を取り違えてるんじゃね
アンタが言うな。
・漢字/英語/用語
parlando
パルランド→音楽、特にオペラなどの歌曲の曲調、及び技法の一種で、調子に囚われない“語るような自由リズムによる旋律”の事。 “パルランド形式”、または“パルランド様式”ともいう。
序で
ついで
縋った
すがった
三十六計逃げるに如かず
世間をうまく渡り、成功するためには、戦いに勝つ事にこだわるよりも、争わないように勉める事が大切。 一見して負けて後退しているように見えても、最終の勝利を手に入れ、ひいては良好な人間関係を周囲に築くことになる。
後漢末期の古代中国、宋の将軍、檀道済の“檀公三十六策”に記された最後の手段、“走是上計”に由来し、勝ち目がないならば戦わずに全力で逃走して損害を避けるの意。 逃げるが勝ち。
赦せない
ゆるせない→一般に、許可を与える意味では“許す”の方を用いるが、罪や義務に対しては“赦す”を用いる。 神に請う許しも、この表記を用いる。
ewige Wiederkunft
本文にある通り、“永遠回帰”の意。
LifE
ライフ→“人生”のルビとして用いられているが、その他に命、生命、寿命などの意味もある。
おやくそく
本文では“礼儀作法”のルビとして用いられているが、その同義扱いはどうかと思う。
弁えない
わきまえない
挫き
くじき
穿つ
うがつ
鏨
たがね
甚振られる
じんふられる→よく分からん。 イミフ。
gj
“good job(グッドジョブ)”の略。 主にネット用語。
仆す
たおす→IMEでは変換出来ず。
感染す
この場合は“うつす”と読む。
RPG
この場合は、いわゆる“テーブルトークRPG(TRPG)”の事を指す。 本来、“RPG”はTRPGの事を指す語だったが、PCやコンシューマにRPGが登場すると、それと区別するために“TRPG”という語が定義された。
・伏字
憐れな●●
ねこ
単なる●●●
イジメ→ダメ! ゼッタイ! イジメカッコ悪い!
●●くん
まこくん→……てか、なんで伏字?
対象が●●
バカとかアホとか、そんな感じの語だと思う。
●●しちゃう
殺しちゃう
完全な●になる
女?
●であるキミ
男?
まこくんを●●でも
スキ
49:十でとうとう:オトる夜音(よと)の遠音(とおね)、『さあ首をお刎ね!』
語り手:真言/ミルハ
日付:4/30(日)
PT:22:47
そして、いよいよ真言の到着。
真言vsミルハのラストバトルがいよいよ……始まらない。(笑)
この節は、言わばラスボス戦前のイベントなワケだが、それにしても長い! 実は、次節のバトル本番よりも長い。
・解説
間一髪
ココで、ようやく真言の登場。 さすが雫。 タイミング良過ぎ。
音……きぃ……が、なぜ
道具の仕込みだから。
まこくんとは別の意味で特殊
真言は、エンリケに受肉したイツワが転生した結果だが、音はナゼか生まれつきクイのCATをその身に宿している。 封紙されたCATを継承、あるいは下賜されたワケではない。 クイは飽くまでもイツワから分離させられたCATで、封紙されたモノは価無が継承している。
アイはね、平等なんて言葉からは~
それは違う。 アイは平等だ。
アイは全てを狂わすもの
それも違う。 アイは真心であり、全てを狂わすものは下心がある恋の方だ。
ひとりの人間を複数人が同時に好きになったら?
だからそれは恋だって。
『いつでもだれとでも』いい
だからそれは下心だって。 平等/不平等とは無関係。 平等は、“並べて揃える”の意ではない。
らすとばとぅ
“ラストバトル”の意だが、発音崩し過ぎ。
戯曲としてはそういうのもあり
もちろん。
昔からバッドエンドの方が受ける
いわゆる悲恋モノの事。 確かにそうだ。 『失楽園』なんかはその最たる例。 悲恋ではないが、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』とか。
今じゃあっちに気触れちゃって
待った。 海外でも、一定以上の人気があるのは常に悲劇、バッドエンドの方。 ギリシャ神話やシェークスピア、フィルムノワール等々。
戦前までは、チャップリンに代表されるハリウッド式娯楽映画が頻作されたが、ハッピーエンドが増えたのは戦後、それも、ファミリー向けのミュージカル映画が全盛期を迎える1960年代以降の事。
海外でも、ハッピーエンド信仰は結構最近の出来事なのだ。
その割には優勝とか金メダルとか~
だーかーらー! 競う事と争う事は別だって。 チャンスは平等でしょうが! 試合が終わればノーサイドでしょうが!
結局価値を愚弄してる
してないし。 してないから熱くなるんでしょうが。
視られながらの方が燃えるとか
羞恥プレイは好みでないなぁ。 野外プレイはアリかもだが。 夏は蚊が寄ってくるのでアレだけど。 ……って、何のハナシだよ。(笑)
さしずめ四重偉大とでも言いましょうか
……アリ? コレっておかしくね? イツワのイーハで呼び水たる月の雫で魔眼の刺し手、が三重偉大でしょ? 四重偉大って? デウス・エクス・マキーナ確定ってコト? 真言は違うと思うぞ?
……あ、そうか。 この段階では、ってイミね。 まだ“あのヒト”の登場が定かでないからだね。
すきです――
まこくん、やっと言えました。 無意味だけど。
……それはどうも
まあ、ミルハならこういう返事になっちゃうよね、どうしても。
あなたのおかあさん
本文では“理想の女性”となっているが、確かフロイト心理学にそんなようなのがあったような気がしないでもなくはない。
すまん、筆者はユング派なので、フロイト心理学はよく知らないんだ。
キライではないですよ
コイツは……! だから真言はアナタがキライなんですよ。
私は私の深ぁい理由
極度のブラコンなので。
Yは有意識視界存在のVを増やし
“バージョン(version)”か“ボリューム(volume)”の事かな? よくは分からない。
ちなみに、ラテンアルファベットの“V”は、ギリシャアルファベットの“Y(イプシロン、またはウプシロン)”が変形したモノ。
本来であればXXだけで事足りてた
そんなコトはない。 生物がメス性のみだったのは、地球上に単細胞生物しかいなかった数十億年前までのハナシ。 多細胞生物が生まれたのと前後して性システムが出来、現在に至る。 逆に言えば、性システムなくして生命の繁栄は在り得なかったと言える。
どうあっても、答えられるとは思えなかった
まあそうだろうね。 難しい問題だ。 切り離して考えて良い問題でもないしね。 卑尊や選律の事もあるし。
強引に決着をつける存在
真言は違う。 デウス・エクス・マキーナではない。
まこくんにしか、宮の相手、出来ない
本来であるなら、真言もイーハのみのCATなのでミルハとは決定的にスペックが劣るが、最強装備のおかげでかなり強くなっているので。
本能により近い所にある精神活動
その通り。 愛欲の源は性欲で、愛憎は表裏一体。 だから、可愛さ余って憎さ百倍になる。
『大いなる紅き眼と白をまとう災』
アンセスターの別名。 アンセスターはミルハに受肉しているCATだが、その姿はミルハが着用する衣服として視覚される。 そのため、紅き眼と白を“まとう”と表現される。
また、“大いなる”は“覆い”に引っ掛かっている。
おーい、こっち
都合良く現れるチノ嬢。 このタイミングの良さが呼び水たる月の雫。
音はチノ嬢と共に何処かへ消えた
しかしチノ嬢セリフなし!(笑)
あのひとの双子の兄
カルロサの事。 カルロサは、外見がミルハにソックリな双子の兄。
負けや失敗を知らない綺麗な存在
完璧であると思った時が、完璧に至る本当の始まりである。
本当の敵性体
誰の事を指しているワケではないと思う。 ミリアムにしたって、本来はミルハの敵ではない(注:相手にならない、という意味ではない)ワケだし。
自分で出来ない歯痒さ
まあ、一応肉親だからね。 肉親相手にマジバトルってのもアレだし、そもそもカルロサは魔眼質が無い(かもしれない)ので自分じゃ戦わないヒトだし。 大封も、実働部隊として働いたのはエンリケである。
・漢字/英語/用語
Mode
モード
Medium
ミディアム→元々は間にあるモノ、媒介するモノ、媒体を意味するラテン語の“メディウム(注:スペル同じ)”を英語読みしたモノ。 英語で真ん中、中間、中くらいを意味する“ミドル(middle)”と同義として扱われる。
襤褸
ぼろ
烏滸がましい
おこがましい
彷徨
ほうこう
励起
れいき
嘯いた
うそぶいた→元々は、口をすぼめて息を大きく強く吹く様子の意で、これを再現した狂言に用いる面、“嘯”の事。 転じて、ウソを吐いた時に口笛を吹いてとぼける様子が、鳥の鷽(うそ)の鳴き声に似ている事から、とぼける、シラを切るの意で用いられるようになった。
それとは別に、大きな事を言う、偉そうな事を言うの意味もある。 この場合は後者。
眼合い
まぐわい→目を合わせ、愛情を知らせる事。 目配せの意。 転じて、男女の交接、性交の意。 ただし、正しくは“目合い”と表記する。
厭う
……ん? なんて読むの? エン、オン、いや、“あきる”の読みしかないハズだけど?
滾り
たぎり
詰られ
なじられ
金輪際
こんりんざい
パートナー
partner→本文では“伴侶”のルビとして用いられているが、本来は相棒、相方、共同経営者の意。 恋人、相手の意で用いられない事もない。
好きなように保護も処置もしてやろう
なんとまあ魅力的なご提案。 もちろん、処置(強制改宗)が前提だろうけど。
Page
ペイジ→本文にある通り“小姓”の意。 スペルは同じだが“頁(ページ)”の意ではない。
じゃすとたいみん
jast timing(ジャスト・タイミング)→丁度良いの意。
ふたつのすえ
末→末裔の事。 ココではパラミアキスから派生したイツワとアンセスターの事を指す。
・伏字
宮だけを●●●
愛して
簡単に●●
死ね、かな?
お●●●の時間
お仕置き
私は誰とでも●る
え? “寝る”? まさかね。
●たいだけ
シたい
今までは●るに値する相手なんか、まるで居なかった
あ、そういうコトか。 なるほど。
まこくんが初めてそう思わせた●
♂
●●●●●だぞ
ひとごろし→音はもちろん、姫様も克枝の産まれてくるハズだった弟を殺している。 ……って、だからなんでアンタがそれを知ってる? ……なんて言うのはヤボってモンです。
●●●●すぎた
強くなりすぎた
●として
兄
50:余り:アマえし、白の王の妹、neoteny(オサナきまま)、
語り手:真言/ミルハ/克枝/冬夏/ノート
日付:4/30(日)
PT:18:17
真言とミルハのバトルが始まった。
しかし、それと時を同じくして、ノートは山を降りようとしている最中の克枝と冬夏に接触する。
この節の後半でノートが言っているように、『No.13』を以って八相は解体され、一部は改宗、一部は逃亡、一部は死亡、残りは開放される。
WCLは、逃亡した者だけを追う事になる。
なので、何をどう考えても、本作は続けられる要素がない。 続ける意味はない。
しかし、まさかあんな方法で“つづく”になるとは……。
・解説
あのモードは顔が視えなくなる
アンセスターのフルスペックモードでは、頭部を覆うマスク兼帽子(?)が付く。 イベントカット参照の事。
ねこぱんち/ねこひっかき
ミルハの攻撃技。 さすがアンセスター。 技名まで猫っぽい。(笑)
軸がずれてたら直撃してた
正直、このバトルシークエンスは解説する事があまりない。 二人の“お遊び”をお楽しみ下さい。
同じパラミアキス=アンセスター
飽くまでもイツワの元の状態の事。 イーハのみの状態の真言は、もう“アンセスター”とは呼べないと思う。 パラミアキス・メイルですらない。
彼奴が仮に助勢に入っても
入って欲しかった……。
ものすごくこう、腑に落ちません
確かに。(笑)
へんなとこ攻撃しないでくださいっ!!!
ドコにヒットしたんだろう?(笑)
恐ろしい所狙ってきた
ドコ狙ったんだろう?(笑)
ん、おいし♪
真言の左腕がもぎ取られ、喰われました。 肉食系女子!(笑)
シロによって速やかに再生されている
シロは回復能力も高いようで。
まだまだ夜は長い
さすがラストバトル。 引く引く~♪
なんかどきどきが止まらない
ココで、突然克枝らの様子が描かれる。 もちろん意味があるからだが、筆者が想像していたような意味ではなかった。
ぐねった
“捻った”の意の方言かな? 突発事故にパニくる克枝。
こんばんは
そしてさらに克枝を混乱させる人物の登場、ノートの登場。
貴女方八相をシュから開放しましょう
これにより、八相は遊戯に参加する義務を逃れ、CATを回収され、克枝や冬夏は無関係になる……ハズだったのだが……。
その舞台裏でホンをつむぐもの
ココでの“ホン”は、本ではなく“脚本”を意味する業界用語の事。 まあ、メインキャストから外れたって意味では、確かに舞台裏の存在になるのかもしれないが……。
武闘というよりはまるで舞踏
試射の武闘、死者の舞踏。
もっと生産的な行為
え? TVの製造ラインとかデスカ?(´・ω・`) ……とかゆってトボけてみる。(笑)
そろそろ締めに入るぞ
それが任意で出来るのが、最強の白の証。
・漢字/英語/用語
neoteny
ネオテニー→性的に完全に成熟した個体でありながら、非生殖器官に未成熟、すなわち幼生や幼体の性質が残る現象の事。 “幼形成熟”、“幼態成熟”ともいう。
CAsTrate
キャスト・レート→直訳すると“キャスト率”だが、意味は分からんです。
搦め
からめ
腑
ふ→はらわたの意。
直截
ちょくさい
Bias
バイアス→偏りの意。
礎
いしずえ
51:終い:シマイがきて、霧(mist)、akaるとは(ワ)。
語り手:真言
日付:4/30(日)
PT:20:57
さて、そろそろ祭も終わりが近付いてきた。
真言とミルハのバトルの行方は!?
そして彼らの運命は!?
ともかく、この節で一応のクライマックス。 後は長い長い“エピローグ”へと続くのだが、……正直なトコロ、“リライト”はやるべきではなかった。 初見では、筆者もかなり混乱した。
もしも筆者が本作の作者ならば、こういう事はやらない。 先に述べたように、続編を前提としないクライマックス&エンディングにする。 もちろん、現実ではなく真言に決着を付けさせるが、ミリアムとベロアだけを逃亡させ、しかしミルハのレベルドレインは成功させ、続編の可能性を残す事はする。
しかし、実際に続編を制作するのはもっとずっと後。 プリクエルを2作ぐらい制作した後だ。 そうすれば、本作では不明瞭だった世界観も十分説明出来るし、これを理解してもらった上での方が続編を楽しめる。 本作のような極めて特殊で難解な世界観設定がある作品では、そういうシリーズ展開の方が分かり易く、また楽しんでもらい易い。 プリクエルがないと、説明不足なトコロがあり過ぎて続編の展開について行けないからだ。
そして、“リライト”というタブーによってこれはさらに加速する。 正直、本作読了後に『interlude』に進んだユーザーはかなり少ないハズである。 オンリーWikiの更新が全く進んでいない現状が、それを裏付けている。
本作には、続編は“まだ”必要ない。 構想があったとしても、まずは世界観設定を理解してもらう事を優先すべき。 そのためには、プリクエルが絶対に必要である。
と、筆者は考える。
・解説
また性懲りもなく現れたか
ココで、チノと音を連れてミリアム登場。
貴女の大事なあの双子の♂も、既に
この辺りのセリフがホントによく分からない。 何の事だ?
これから孤独を生きるのに~
この辺りも。 ノートがそう騙したのか?
回りくどいことは止めましょう
ココで、さらにサプライズ登場のノート。
その間に立ちはだかった1人の女子
アイです。 アイのCAT、v☆は、四重奏団においては主に場の展開、すなわち部外者から認識不可能な結界を構築する役割がメインだが、それ以外に不可侵領域としての防御能力がある。 ココで展開している壁がそれ。
任務の失敗
本文では“mission miss”となっているが、任務の場合は“defeat(デフィート)”を用いるのが一般的。
冬夏が?!何故!!
ホントだよ。 しかし、タイミングはともかく冬夏と克枝はこの場に来て欲しかった。 そして、ミルハと戦っている真言に加勢し、二人で“歌”を歌ってほしかった。
ハチミツぶんぶんのシーンでも分かるように、CATの中には“歌”を触媒にして効果を増幅、すなわちパワーアップするタイプもある。 なので、シロをパワーアップさせるような歌を、“真言と共にシロを封印した冬夏”が知っていて、あるいは思い出して(“シ”を忘れるな)、克枝と共に歌う事でシロが劇的にパワーアップ。 ついでに、イツワの対であるオウトが登場し、加勢すれば、これだけ強いミルハでもあるいは……という希望が見えてくる。
また、ココで最終奥義としての“歌”を描けば、ココまでに散々っぱら描かれてきた音楽的表現、そして“ウタはマホウ”というテーマが見事に一つに集約され、作品として見事に完結する。
筆者は当初、この作品は壮大な物語りの“完結編”だと思っていた。 これまでにも、このような遊戯が何度も繰り返されてきた事は既に明記されているし、真言がそれまでの遊戯には顕現しなかった三重偉大である事も記述がある。 また、カルロサがノートを使って裏で暗躍し、これまでになかった展開を期待している様子も記述がある。 カルロサが、この遊戯を『No.13』と呼んでいるのも、楽譜の12音階の後、すなわち“次の段階”を暗喩していると思われる。 全てを終わらせるデウス・エクス・マキーナも然りだ。 何をどう考えても、本作は大きな物語の完結編であり、続編を作れるような要素は見当たらないのである。
先ほど述べたように、八相の内卑尊は死亡。 選律は一応生きてるが再起不能。 道具は改宗&ルーラー昇格。 価無は改宗された模様。 姫様、克枝、冬夏はCAT剥奪の後開放。 八相ではないが、真言と大神、かれおも然り。 音はノートらと共に行方不明。 そして、ミリアムとベロアは逃亡する。
この二人は逃げてもいい。 そして、この二人が逃げたのなら、それだけで十分続編は構成可能だし、たとえ続編がなくても物語りとしては八相が解体された事で十分“完結編”として成立する。 “続編の可能性を匂わせつつ完結させる”手法である。
これと同じ手法で成功しているのが、映画『X‐メン』シリーズである。 原作のアメコミはともかく、映画版では三部作でしっかりと完結し、完結から既に7年が経ったが、続編は今のトコロ全く制作されていない。 が、3作目のラストでは、続編を匂わせるラストシーン(と、アフタークレジットシーン)がある。 続編を前提としたモノではなく、飽くまでも可能性として残しておくためのモノである。
本作でも、この手法を用いて欲しかった。 そして、やはり『X‐メン』シリーズと同じく、完結させた後で、“そこに至るまでの過去”としての“プリクエル”を制作して欲しかった。
実際、本作には既に起こった過去として記述がありながら、本作や続編の『interlude』でも全く公開されていない設定がいくつもあり、これらを描くプリクエルを展開して欲しかった。
何故なら物語りとは、続ける事に意味があるのではなく、完結させる事にこそ意味があるからだ。
映画を観終わって、「ああ面白かった。」と言って映画館を後にする感覚は喩えようもなく気持ちが良い。 これが、「え!?これ続くの!?」だと、何とも言えない後味の悪さ、物足りなさしか残らないのだ。
実際、映画『ワイルド・スピード』シリーズは、完結編になるハズだった5作目のラストで、死んだハズのキャラクターが生きている可能性を残して終わるという、何とも後味の悪い終わり方をしている。 “可能性を残す”ではなく、“続編を作らざるを得ない状況”で終わっているからだ。
続編を前提にしているのであればそれでもいい。 『スターウォーズ』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『マトリックス』やサム・ライミ版『スパイダーマン』など、物語りを完結させる事なく、続編を前提にした尻切れトンボな終わり方をしている作品は多いが、飽くまでも続編を前提としており、「この作品は続きます」と、製作者が最初から公表しているからこそ許されるのだ。 『ロード・オブ・ザ・リング』三部作は、その最たる例と言えよう。
では、本作の場合はどうか?
その限りとは言えない。
ラスボスたるミルハが主人公の真言と戦っている時点で、もうこれは物語りの完結編である。 これ以上続ける価値はない。 続編を作るにしても、やはり世界観の前提となるプリクエルを先に公開し、世界観をしっかりと観せた上で制作すべきである。 先ほど述べた“可能性”を残しておけば、それだけで十分可能だ。 “あんなコト”をしてまで、ムリヤリ続編につなげる必要などない。
少なくとも、筆者が本作の作者ならそうする。
ベロアは既に休眠に入ってる
さすがに損傷が酷かったか。
僕をなんとか、あそこへ
あぁ、ココで真言が死ぬってのも、“完結編”としてはアリだな。 可能性を残せないので、全く続けられなくなるけど。
かあさん
ココで現実=デウス・エクス・マキーナの登場! 最後の最後に新キャラ投入! 物語りの構成として、“やってはいけない手法”である。
この世に生きてるからには、現実が最強
もちろんその通りなんですが、今この場で言う事ではないと思う。
キリアケは霧を明かすもの
キリアケは、任意で特化を随時変更出来る便利なCATで、セットアップ次第ではココでのようにミルハの攻撃を無効化する事も可能である。
ただし、キリアケは極めて親和性の低いCATで、ミルハの攻撃を無効化出来るほど威力を発揮出来るのは現実だけ。 その説明も、既に記述があった。 だから、ココで現実が登場してデウス・エクス・マキーナになるのは必然的な事である。
ココで現実が登場する事自体には、筆者は何の批判もない。 むしろ登場してくれてありがとう。
ただし、タイミングがよろしくない。 コトが全て終わった後で現れ、真言に文句を言われる、という展開にして欲しかった。 戦闘には一切参加していない事になるので、この展開であればココに来ての新キャラ登場も“やってはいけない事”にはならない。
両脚は、膝上から下が無くなっていて
冬夏をかばった結果。 この後、ミリアムは車椅子生活を余儀なくされる。
母さんが、宮さんに平手
この二人にとっては、その程度の事なのだ。
きぃがいない
ノートとアイが担いでいったってコトなのだろう。
奴等、シミがどうとか
紙魚を植えつける事で、ミルハをレベルドレインさせるのがノートの目的。 そしてカルロサの狙い。 倒されるワケにはいかないが、倒す必要はなかったのだ。
植えつけた紙魚が動作し始めたため、ミルハの攻撃力が下がり始めていたので、キリアケでなんとかなった。 手加減などしていない。 真言は、シロに仕込まれた紙魚をミルハに植え付けるためにこの場に居る。
あれなのよ?
どれだよ?
それはそれは強(つっよ)いのよ
はあ……そうなんですか。
うちの息子じゃ駄目なのね?
オカン……。 実の息子に引導渡してどーする。
おれのせいでねえべっちゃや
聴くと自然と出ちゃいますよね、お国言葉って。
まさか他にもまだっ
ええもう1人。 ミリアムと共に行方不明になっちゃいましたが。
通じて、たまるか……!!!
通じてます。 残念ながら、既に効果が出てます。
口が、塞がれたから
だからコイツはどうして……!
すまん、この娘だが
ココで、遅ればせながら大神と姫様が登場。 ホントに戦闘に参加しなかった。 ガッカリ……。
眼を覚まさない
CATと一緒に、心も投げ捨てちゃったかな? 復帰してくれる事を願う。
最早戦力外と視なされたのかも知れない
違います。 “最後の仕込み”が残ってるからです。
綾の王飽きる~
フハイの起動音。
フハイらからの更新を確認
リライト開始。 続編では“禁じ手”とされている設定変更を世界観に組み込んでしまうという“暴挙”の慣行。
これはイカンよ。 やるべきじゃなかった。 続編を制作するのであれば、設定は絶対に変えちゃダメ。 前作までを否定する事になるから。
本作では、設定変更を世界観の一部に組み込む事でこのタブーを慣行しているが、読者を混乱させるだけなのでやはりやるべきではない。 CATのアップデート程度で止めておくべき。 名前まで変えるのはやり過ぎ。
・漢字/用語
mist
ミスト→本文にある通り霧の意。
aka
“also known as”の略で、“別名”の意。
縋れる
すがれる
滓諸
かす→IMEでは変換出来ず。
劈いた
つんざいた
Wall
ウォール→壁の意。
纏い
まとい
脹れ
ふくれ→膨張の意味ではなく、怒って機嫌を悪くする事。
パッチアップデート
誤り。 正しくは“アップデートパッチ”。
次世代遷移
じせだいせんい→こういう語は本来ないが、ようするにクルマのマイナーチェンジではなく“フルモデルチェンジ”ってコトだと思う。 コンピュータソフトで言えば、マイナーアップデートではなくメジャーアップデートの事。
紙魚
しみ→または“衣魚”。 本などの紙を食べる虫の事。 英語で“bookworm(ブック・ワーム)”。 ただし、実際には“ワーム”(注:ミミズなど)ではなく昆虫である。
これにより、ミルハはレベルドレインされる事になる。 これを仕込むのが、カルロサの目的だったようだ。
悉く
ことごとく
烏賊
いか→その通り、海洋生物のイカの事。
視繕って
みつくろって→ただし、正しくは“見繕って”。
BW
bookworm(ブック・ワーム)の略。 本文にある通り“紙魚”の意。
痴れ者
しれもの
戦慄き
わななき
嗤って
わらって
歯牙
しが
拵え
こしらえ
憚らず
はばからず
縋り
すがり
悉く
ことごとく
幟
のぼり
NOW DOWNLOADING
ナウ・ダウンローディング→ただ今ダウンロード中。
over write
オーバー・ライト→本文にある通り、上書きの意。
reboot
リブート→本文にある通り、再起動の意。
・伏字
兄様を●●った
裏切った
to be continued...
-"Sight of OMEGA" Ultimate Analyse #19-
皆さんおはこんばんちわ!
asayanことasami hiroakiでっす!(・ω・)ノ
先週末の雨以降、ようやく酷暑が終わったらしく、朝晩には涼しささえ感じるようになってきましたね。
……まあ、それでも日中は相変わらずの真夏日続きなんですが……。
それでも、“あの”猛暑に比べたら涼しいモノ。 過ごし易くなった事だけは確かです。
しかし、そうなると気になるのがやはりこれからがシーズン本番を迎える台風です。 連日の猛暑酷暑の影響で、8月は結局台風上陸ゼロでしたが、涼しくなったというコトは太平洋高気圧の勢力が弱まったというコトで、これはそのまま台風の進路が大陸寄りから列島寄りになるという事。
台風や、その影響で活性化する秋雨前線による豪雨には十分ご注意下さい。
<今週の特集>
今週の特集コーナーは、『アルティメット・アナライズ』シリーズ第4弾、同人ヴィジュアルノベル『Omegaの視界』の徹底解説連載第19回です。
この連載は、今回を含めてあと2回で一旦終了します。
34:いかし尸解
語り手:のぎか/卑尊/道具/ベロア/ミリアム/選律
日付:―
PT:04:17
インサートシーン。
同時進行で祭の準備を進めている八相の様子が描かれるシーン。
・解説
貴女は他の事務仕事、お願いします
のぎかは魔眼質者ではないため、式そのモノには出席しない。 そのため、この節以降のぎかの出番はない。
ピーってなによ?
ホントだよ。
誰かさんは狂気と~
卑尊かミリアムの事かと思われる。
別の誰かさん
カルロサの事と思われる。
優美な風にお戻りになられた
実際、この後に登場するミリアムは、前章までとは口調がまるで異なる。 元から狙っていたのか、それとも設定が変更になったのか。
それからゆっくりと休むがいい
そう、永遠に、ね……。
私のいとしきひとの
誰の事なんだろう? カルロサはあり得ないし。 まさか真言? んなワケないか。(笑)
これは、まるで、生き写しだ
冬夏の事。 髪を短くすると、冬夏はドレミリアにソックリらしい。
ほんまに信用してくれませんですなぁ
出来るワケねーッス。(笑)
・漢字/英語/用語
尸解
しかい→仙人になるために肉体を消滅させる事。
労い
ねぎらい
尤も
もっとも。
効しえぬ
こうしえぬ
譬え
たとえ
AA
アンチ・エイジングの事。 ココでは、ミリアムに対して行った処置の事を指す。
篩
ふるい→本文中では“riddle”とルビが振られているが、リドルにはなぞなぞの他に“謎かけ”、“試験”などの意味もあり、これが解けない者をふるい落とす意味もある。
眉目麗しゅう
みめうるわしゅう→卑尊のAAを受けて、身体年齢が若返ったようだ。
去ね
いね
・伏字
●しない者
なんだろ? 正確な語が思い付かない。
●を●かぬ屑
これも。
あの手の●●
莫迦とか阿呆とか、そんな語だと思う。
愛し続けるには●●て貰わねば
愛して
35:GCAT(ネコガミ)
語り手:選律/道具/克枝/ノート
日付:―
PT:01:07
前節の続き。
選律、道具、ノート、それぞれの思惑が交錯する“オワリのハジマリ”。
この節も、やや構成ミスっぽい。 最後にノートが登場してクライマックスの始まりを告げるのだから、もっと後に持って来るべき。 少なくとも、真言の準備も終わっていると場面転換として大いに盛り上がるハズ。
・解説
あん子に創らせとったあれ
あり? これって出てくるんだっけ? 道具が選律に何か渡すシーン、あったかな?(注:あります。 もう少し後の節にて)
皆様、準備は宜しいか
すまん、真言の準備が済んでないんでもうちょっと待ってくれ。(笑)
・漢字/英語/用語
GCAT
“ネコガミ”とルビが振られているが、DNAを構成している4種の塩基、“ACGT”のアナグラムになっているのが面白い。
睡臥ノ神
すいがのかみ→道具が創ったprot-einの一種で、対象の魔眼質を無力化する効果がある。
・伏字
●●しき劇
愉しき、悲しき、狂おしき等々、この節に登場する語り手それぞれの立場により当てはまる語が変化する。
36:3:E
語り手:真言
日付:4/29(土)
PT:18:15
33節の続き。
覚醒した真言は、貴奴の手紙に従ってシロを探す。
・解説
丸1日分は飲まず喰わず
いや、1日ドコロか48時間以上ですぜ大神氏。
あれらにとっちゃ目的が~
そう、WCLにとっては障害にしかならないので意味はない。 が、カルロサにとっては重要な意味がある。 『No.13』におけるカルロサの目的は、飽くまでもミルハのレベルドレインだけだからだ。
ぜんっぜんわからん
“宝の地図”は抽象的なのが相場だが貴奴よ、せめてもうちょっと丁寧に描こう。(笑)
食事と休息が必要な状況
助長。 この展開は無意味なので止めるべき。 こういう場合は、時間を盗む演出を入れて端折る方が良い。
動きも何もないんだ?
ミルハが与えた猶予を律儀に守ってるから。
掘り出し作業に入った
ココで、先ほど記した時間を盗む地の文を入れて端折っているが、構成手法としてはあまりよろしくない。 探し始めたトコロで一旦シーンを切って、別のキャラクターによる時間を盗む演出を入れ、発見直前に戻るのが適切。 その方がテンポが良くなる。 シャベルや懐中電灯など瑣末な問題なので無くてもいい。 海岸なので、そこらに転がっている流木などを使わせれば問題ない。
この章は、こうした構成ミスが目立つトコロが度々ある。
白い猫の縫いぐるみ
通常、CATの封紙はIgを使って紙に書き取るのが普通だが、シロはこの縫いぐるみに書き取られた特殊なCAT。 さすが最強装備。 封紙の方法まで特別仕様。(笑)
白の城、しろのしろ~
この一文から始まるのが、シロの起動音である。 例によって飽くまでも呪文としての雰囲気を優先しているためイミフ。 なので、解説は割愛する。
僕の頸には、白いチョーカーが巻かれていた
シロの起動が完了しました。
件の13番目
これがイマイチ分からない。 “No.13”ってコトなんだろうが、単に遊戯の呼称じゃないってコトか? 遊戯自体は、チュートリアルとも呼ばれてるしね。
試験運用版
カルロサがLinkableFormのプロトタイプをシロに適用させていた、ってコトかと思われる。
日付が変わろうとしている
この裏で、ようやくミルハが出撃する。 32節参照の事。
かいぶつのフリしてるうちに、かいぶつになっちゃった
大丈夫。 その役は別にいるから。
……個人的には、それだけは避けてほしかったんだけどね。 真言にデウス・エクス・マキーナになってほしかった。
その手の死亡フラグ
逆。 この場合は、“死亡しないフラグ”になってる。 何故なら、そういうセリフが死亡フラグになるのは、脇役キャラの時のみだから。
主人公キャラの場合は、死亡しないフラグになる。
飯窪、知狡さん――
さすが雫。 都合良く知狡から電話が掛かってきたトコロで引くわよん。
・漢字/英語/用語
3:E
三重偉大の事。
モブ
本文では“群衆”のルビとして用いられているが、その通りマンガやアニメの背景に描かれる群衆の事を指す。
Book Learning
ブック・リールニング→本文では“机上の学問”のルビとして用いられているが、もうちょっと正確には“本で学んだ学問”の意。
XXになったら
伏字ではなく、女性性染色体の事。
於菟
おと
玖威禍を留
価無の母親。 もしかしたら、音の母親とあるいは同一人物と思われる。
イニシエ
古(いにしえ)→古代、昔、過去の意。
ノスタルジア
nostalgia→郷愁、望郷の他に、懐古、追憶などの意もある。 “ノスタルジー(nostalgie)”は、同義のフランス語。
Seal"O"
シロの正式名称。 “seal(シール)”は封印、充填剤などで隙間を塞ぐ事の意。
heart
ハート→心臓、魂、心などの意。
敷衍
ふえん
search
サーチ→検索の意。
ウインク
表記間違い。 “ウィンク”と表記するのが正しい。
ましかりなななな
2文字多い。 落ち着けかれお嬢。(笑)
唆されて
そそのかされて
心做し
こころなし→恐らく当て字。 気のせいの意の場合は“心成し”と表記するのが一般的。
・伏字
●の格好
女
彼奴は●
男
●にして●
男にして女
●●や●●とともに
正確な語は分からないが、“愛”とか“好意”とかの意味の語と思われる。
37:CとTAG(おにごっこ)
語り手:真言
日付:4/30(日)
PT:08:38
前節の続き。
知狡と連絡が取れた真言は、飯窪本家に向かった。
そして、そこで残りの“最強装備”を受け取る。
・解説
俺が言うのも何ですが
ココで再び構成ミス。 この節は前節の続きだが、明らかに時間が飛んでいるのに、時間を盗む演出が入っていないので分かり難い。
本作の構成フォーマットとして、節毎に登場キャラクターをある程度限定し、その節の最初から最後までが連続した時系列として描かれているが、このフォーマットを順守したいがために、このような構成ミスが所々に見受けられる。
こういうルールは、演出の自由度を制限するだけなので止めた方が良い。
……まあ、一人称視点っていうフォーマット自体が、この制限を生む温床になっているのだが……。
私自身も整理がついていない
知狡さんはマジメだなぁ~。 頭で考えちゃダメだよ。 心で考えなくちゃ。 チノ嬢も迷ったとはいえ、結構すんなりそうしたし。
あれは、飯窪真言、私の妹現実のただ一人の息子、そうだろう?
そうその通り。 それだけが事実。 後はただの尾ヒレに過ぎない。 ……なんだ。 答え出てんじゃん。(笑)
ジシンをみつけた
自信、自身。 両方の意。
我々の正装は……prot-ein、CATによって作成されるモノ
……あ、そうなんだ。 具足はprot-einの一種だと。
双璧をなすに足る存在
本来、パラミアキス・アンセスターはパラミアキス、すなわち始祖アリスのCATと同義だが、実際にはパラミアキスからイツワ(十全の完全体=パラミアキス・メイル)が萌芽しパラミアキス・フィーメイルになったが、大封によってイツワが十全ではなくなったため、フィーメイルが十全のパラミアキス、すなわちアンセスターと呼ばれるようになった。
魔眼の刺し手、だと聞いている
解り易い説明をありがとうございます知狡さん。 本作では、唯一の解り易い設定説明かもしれない。(笑)
第三者の眼、第三者の視点
ヒトはそれを、“ユーザー視点”と呼ぶ。 これは、ある意味映画『トロン』の引用かもしれない。 あれも、言わば箱庭ゲームだからね。
そのミに直にCATの力を宿し~
再び知狡さんの詳しい設定説明。 まあ、ココを逃すとこの後は戦うだけなので説明してるヒマがないからだろう。
お待たせ
真言の戦闘準備が完了しました。
キリアケは知狡さんが持ってて
コレですね。 これにより、真言のデウス・エクス・マキーナとしての役割はなくなった。 四重偉大になってほしかったんだが。
……まあ、キリアケは便利な分扱い難いCATなので、真言でもその能力をフル活用出来る保障がないのは確かだが。
あれらも一枚岩とは限らん
その通り。 一枚ドコロか最低3枚。 細かいのも入れると最大5枚岩だ。 良い勘してるね知狡さん。
睡眠による脳内整理
言わば、コンピュータのバックグラウンド処理だ。
そんざいしないもの
その通り、“勝ち負け”というのは、本来は存在しないモノである。 ルールがあって初めて勝ち負けが決まるのであり、ゲームにはルールが必要なのだ。 ルール無きゲームは、最早ゲームではない。
そう、ヒトはそれを、“狩り”と呼ぶ。
狩りの勝者は、常に狩る者。 狩られる者は、常に敗者なのだ。 狩られる者に勝ちは無い。 だから狩りは、ゲームではない。
この遊戯がゲームであるなら、勝ち負けが最初から決まっている事などなく、それはルールを前提にしたゲームなのだ。
最初は恐らくそうだったのだろうが、ミルハが強過ぎるため時間の経過と共にその意味が薄れ、現在の“狩り”になった。
バランスの保たれた平常
興味深い解釈である。 確かにそうかもしれない。 突出した存在が在る状態は、平常とは言い難い。 全てが拮抗し、ある意味均一に動き続けているからこそ、バランスは保たれて平常となる。 それは、一見すると全てが動いていない、停止している状態に見えなくもないが、それは全てが一緒に動いているからであり、走行中のクルマを外から見ているか中から見ているかという視点の違いでしかないのだ。
面白いです。 非常に興味深い解釈である。 小説『ロードス島戦記』に登場する“灰色の魔女”、カーラの持論に似ている。
たたかいあうことは進歩の源泉
惜しい! “戦う”ではなく“競い合う”と表現すべき。
にくしみあうことは誰の得にもならない
その通り。 映画『トランスフォーマー』シリーズのディセプティコンだ。
・漢字/英語/用語
TAG
タグ→本文にある通り“鬼ごっこ”の意だが、正確には“tag game”と呼ぶ。 日本発祥の遊びで、鬼になったプレーヤーが他のプレーヤー追い掛け回し、他のプレーヤーはとにかく逃げる、というのが基本ルール。 様々な派生ルールやローカルルールがある。
海外でもこれは子供たちのポピュラーな遊びで、アメリカのとある小学校では937人の生徒で一斉に鬼ごっこが行われ、ギネス認定記録になった。
が、2011年には日本で実に1566人(!)が参加した鬼ごっこがイベント開催され、現在のギネス記録に認定されている。
隠蔽
いんぺい
僭越
せんえつ
贔屓
ひいき
裳
もすそ→衣服の裾の事を指すが、誤記。 正しくは“裳裾”と書く。 読みは同じ。
男の魔女
本来、魔女は“ウィッチ・クラフト”という種類の魔術を使う魔術師の事で、性別的な区別は無い。 中世以降、男性の魔術師が“ウォーロック”や“ウィザード”などと区別して呼ばれ、女魔術師の事を魔女と呼ぶようになり、ウィッチ=魔女の認識が広まった。
日本では、仏教における“魔女(まにょ)”と同一視され、魔女と呼ばれるようになった。
archetype
アーチタイプ、またはアーキタイプ→ユングの分析心理学における“元型”の事。 ヒトの無意識に存在し、エゴを含めた心に影響を与えるイメージ。 老賢人(ワイズマン・オールド)、太母(グレートマザー)、影(シャドウ)、アニマ/アムニスなど、複数あると考えられている。
本作では、本来の意味とは明確に異なるが、“オリジナル”、“原点”などの意味で用いられていると思われる。
Moon=Calf
月の幼獣の意。
形而下
けいじげ→物理的な実体を伴う現象の事。
38:われらが持つRE
語り手:?
日付:4/30(日)
PT:00:41
インサートシーン。
いよいよ始まる祭の夜。 下界では夜店が並び、これを楽しみに集まった人々が思い思いに祭を楽しむ。
・解説
此処のお祭り
なにやらどこかで見覚えのある背景画。(笑) いや、もちろん転載でないのは一目瞭然なのだが。
……奥に神社の社的な建物が見えますね。 河川敷って設定じゃなかったかしらん?
音階楽器とか出来る前から、ヒトは音楽に慣れ親しんで来た
そうその通り! 世界最古の楽器は打楽器だ。 音楽とは、メロディでもなければ歌声でもない。 音を一定のリズムで鳴らし続ければ、それはもう音楽なのだ。 音楽が、唯一の世界共通言語と呼ばれる所以はそこにある。
筆者は、初音ミク二次創作小説『with you...』でこれを表現したが、本作の影響ではなく、全くの偶然である。
・漢字/英語/用語
RE
分からん。 何かの略か、それとも再の意か。
……ん? “再”を“サイ”と読ませて祭の隠喩?
囃子
はやし
生ライブ
被った。 “生生”。(笑)
・伏字
●●ちゃん
該当語無し。 飽くまでもモブなので名前なしです。
39:Die Verwandlung
語り手:チノ/知狡
日付:―
PT:02:29
さらにインサートシーン。
チノと知狡の会話。
二人の“想い”が伝わってくるシーンである。
・解説
訊かない方が良いんでしょうね
察して頂けたようです。
何もせずに、じっとしていろと?
そうしてくれないと、デウス・エクス・マキーナ役のヒトが劇の舞台に上がれないので。
俗に言う死亡フラグ
あーですね、なりますね、この場合は。 行ったら死んじゃいますよ知狡さん。
終幕の――開宴
さあ、遊戯の終わりを始めよう。 Omegaの瞳の祝福は、まだない。
・漢字/英語/用語
Die Verwandlung
ドイツ語で“変化”の意。 “Die”は定冠詞。 英語の“the”に相当。
岡目八目
おかめはちもく→囲碁の対局を傍から見ていると、実際に打っているよりも手が良く読める事の意。 転じて、外から見れば物事の良し悪しが良く見える事の喩え。
40:一つとや:ヒトぼしどき、シキのハジまり、
語り手:ノート/道具
日付:4/30(日)
PT:01:12
長い長い祭の夜の始まり。
まずは、ノートと道具の密会から。
ちなみに、ココからの12節の各節題は、数え歌の体裁になっている。 そのため、語としての意味はあるが音の方が重要なので、解説を割愛する。 予めご了承頂きたい。
・解説
大黒?
八相オオクロの事。 九抱山の神社のご神体だが、いつの間にやらノートがパクってきていたようだ。 ……そんなに甘いセキュリティなん?(笑)
邪な御当主
選律の事。
・漢字/英語/用語
ダミー
dummy→本物に似せて偽装したモノ。 ニセモノ。 “フェイク”の同義語。
モックアップ
mockup→製品の概観や機能の確認を行うための木型の事。 粘土で出来た物は“クレイモデル”と呼ぶが、目的はモックアップに同じ。 ダミーとモックアップは全く異なる意味で、この場合はダミーのみが正しい。
41:二つとや:フタひらカレて、そのオトなるは、
語り手:卑尊/道具/克枝/姫様/価無/選律/音
日付:4/30(日)
PT:03:53
音の襲撃を受ける八相。 祭の鏑矢が放たれる。
……しかし、それ以上の意味は無い。 姫様の言動も、これ以前に何度か描かれている事の繰り返し。
やっぱアクションシーンは解説する事少ない。
・解説
我等が祭儀を始めん!
スタートの合図です。(↓)
ざす!!!!!!
これの。
いや全く驚いた
アンタが合図したんだろ。(笑)
真言さんの力になってあげて、私の分まで
これこそ死亡フラグだ。
・漢字/英語/用語
善哉
よきかな
42:三つとや:ミやおう、永く苦痛を吐いたねこ(或いはねこ先制)と、
語り手:価無/選律/ミリアム/ベロア/卑尊
日付:4/30(日)
PT:05:03
選律が価無に仕掛けた不正操作が発動するシーン。 その犠牲になるベロア。 そして、とばっちりを受ける卑尊さん。 哀れなり……。
・解説
クイもほんまやったら対外敵要員
すなわち“戦闘要員”という事。 クイは相手のCATをその名の通り“喰う”能力に特化したCATなので、遣い方次第で十分戦闘要員になる。 音がその最たる例。
ベロア、一緒におって
この展開、選律は予測済みだったのだろうか? それとも……。(↓)
ええ具合によう事が起きてくれはりましたわぁ
偶発に乗っかったか。
ナルベククルシマヌヨウニ
ベロア起動。
ベロアヲナオシテ
ここで出てくるイベントカットのベロアが、ベロア本来の姿。 断罪の断頭台を持つ長靴を履いた猫。
・漢字/英語/用語
態
なり→IMEでは変換出来ず。
ぶぶづけ
お茶漬けの一種。 煎茶ではなく抹茶を用いる。
価有
かゆ→造語。 価無に仕掛けた不正操作の起動鍵。
43:四つとや:ヨをこめたるか、といちはいち、はるのめざめ
語り手:ミリアム/冬夏/ベロア/道具/選律
日付:4/30(日)
PT:08:26
音の襲撃を逃れたミリアムと冬夏。
しかし、選律によって冬夏に仕込まれた不正操作が発動し、そして……!?
・解説
これも何かの意思
カルロサのね。 カルロサが仕込んだワケじゃないが、真言の出生と冬夏の出生が重なったタイミングを狙っていたのは確かだろう。
おねえさま
冬夏のかなり久々のセリフ。 それがよりにもよってこんなとは……。(笑)
いやまあ、百合はキライじゃないですがね? むしろ大好物ですが、何か?
あのひとの作り上げた~
ココではドレミリアの事を指していると思われる。 ドレミリアは、ミリアムと共に八相を創始したが、ミリアムのようにAAを受ける事なく三春家の祖となって自然死した。
だから、オンナじゃなきゃだめなの?
この辺りの冬夏のセリフには、何かしら字面以上の意味を感じる。 それが何なのかは言葉では説明出来ないが。
あの方と同じリデルの血統
設定が公開されていないので定かではないが、カルロサはアリス直系の子孫で、ドレミリアのいとこに当たる。 そして、(想像だが)ミリアムはカルロサの事が好きだったのではないだろうか? しかし、当のカルロサは極度のシスコンで、ミリアムには全く見向きもしなかった。 それでもミリアムはカルロサを慕っていたが、カルロサは謀反を起こし、大封によってLu=Leを壊滅させる。 これが決定打となり、ミリアムは逆にカルロサを憎むようになった。
可愛さ余ってってヤツだ。
ある人物が助勢してくれた
ノートの事。 この後のシーンで、ベロアと道具が言及している。 ノートは暗躍し過ぎですね。(笑)
どす
冬夏に仕込まれた選律の不正操作が発動しました。
それはあなたもおなじ
選律の言葉と考えましょう。 選律は、八相の創立メンバーでありながら下賜されたCATの順位が低かったため、永久や奇士よりも下の五相の地位に甘んじなければならなかった。 もちろん、三春よりも下である。 これが、選律には不満だった。 そこで選律は策を練り、価無や冬夏に不正操作を仕込み、ミリアムを始めとした八相上位を一掃。 八相を再編し、自身がリーダーになろうとした。 選律にとっては、ミリアムは言わば壊滅したLu=Leの文字通り残党であり、過去の遺物でしかなかった。 Lu=Leの再興のためには、逆にミリアムが邪魔だと考えたのである。
まあいい
ココから、ベロアの口調がカタコトから流暢になる。 全動から元に戻ろうとしているのかな? それとも、ようやく全動状態に慣れたのかな?
残るチカラ全てを出させタ
卑尊さん\(^0^)/
これはありがたく貰っておくガ
オオクロはCAT、特に受肉したCATにとって、肉体への定着を確実にするフェイズで、転生にも関係する。 しかし、回復能力はないので、ココでの受け渡しは特に意味がないかと思われる。 ベロアが他の肉体に移るのであれば、意味があるのだろうが。
カナは気絶してるだけダ
価無生存。 これで、『interlude』の出番が確保された。(笑)
キサムラは預けておこう
これは『interlude』に関係する事なので、解説を割愛する。
痛いな、ミコ?
さすがの道具も、卑尊の想定外の死には動揺を隠し切れない。 卑尊がどう思っていたかはともかく、道具は卑尊が(友人として)好きだったのだろう。
新たな同胞
四重奏団の事。 “同胞”と呼ぶには語弊があるかと思われるが……。
最低限の目的
若返りの事かと思われる。
悪いメは今、早い内に
いや、事実裏切ってるんだからもう手遅れでしょ。
不味い
選律\(^0^)/ いや、まだ死んでないけど。
無力な凡俗として
ベロアには魔眼質を無効化したり、遣い手とCATのリンクを断ったり、CATを封紙するような能力はないが、言わば処刑人なので遣い手を殺す事が可能。 そのため、ココでベロアが行っているのは、選律を痛めつけ、行動不能に陥らせたトコロで封紙を奪う、である。
本来は、裏切り者を出さないための抑止力の存在だったらしいが、その意味が意味通り実行されたワケだ。
・漢字/英語/用語
胤
たね→エロいです。(笑)
join
ジョイン→加わる、加入、参加の意。 ただし、この場合は“繋ぎ目”、“合わせ目”を意味する“joint(ジョイント)”の方が適切なので、脱字ではないかと思われる。
また、“睡臥ノ神”は対象の魔眼質を無効にする能力を持つprot-einの一種。 選律が道具に作らせたモノだが、選律はいつ、これを道具から受け取ったのだろう?
ちなみに、“女陰(じょいん、またはにょいん。 女性器の事)”の意味はないと思う。
あったらイヤだ。 睡臥ノ神は、形状的に痛そうだし。(笑)
irregular
イレギュラー→想定外、予想外、例外などの意。
澱
おり
為出かした
しでかした→IMEでは変換出来ず。
努々
ゆめゆめ
・伏字
あの男の●
愛→“あの男”はカルロサを指す。
●●させてきた
うわ! 何だろ? 文脈からして“性交”とか、そんな語しか思い浮かばない。(笑)
●●●●ない
何だろ? “あっけない”とかそんな意味の語だと思うが、正確な語が思い付かん。
44:五つとや:イツきめ、眼欠け、
語り手:克枝/ミリアム/冬夏/真言/姫様/選律/音
日付:4/30(日)
PT:11:34
冬夏を背負って山を下りる克枝。
そこに、“最強装備”フル武装の真言が姿を見せる。
終盤の冬夏のセリフだが、伏字になってしまっている部分を脳内補完出来ればかなり直接的なコトを言っているのが分かると思う。 真言もだけど、冬夏も了解してるって点がちょっとアレだと思う。
個人的には、ホントビックリでした。(注:『interlude』に関係するため、詳細は割愛する)
・解説
すっごい感じてるの私
だからぁ! 克枝はいつからこんなエロキャラになっちまったんだ?
どこよぅ、ばか兄ぃ
“上”です。
貴女は私と同じ
……どういう意味で??
会えて良かった
と、ココでようやく真言登場! ヒーローは遅れて登場する、それがメキシコ式!
ちなみに、イベントカットではIgの形状が変化しているが、その通り正しく装着すると形状が変化するらしい。
ばく
今度こそ、ホントに選律\(^0^)/
かなり端折ったけど
そう! これが正しい“時間を盗む演出”! 一旦シーンを切り、同一時間軸で同時進行している別の登場人物の短いシーンを挟み、再び戻る。 これが基本形。
僕は単なる――触媒だ
そう、真言は雫だが、それは真言の意思ではない。 与えられた役割に過ぎない。 それを受け入れた上でどうするかは、真言自身の意思が決める事だ。
コイツとも仲良くしてやって
事実、『interlude』では冬夏と克枝は仲良くなる。 この後のシーンで、二人が親密になる様子が描かれる。
末永く、3人とも、お互いに
……え~~~? やっぱりそーゆーコトなんすかぁ~~~?(注:『interlude』に関係するため、やはり詳細は割愛する。 個人的には、結構ショックだった。)
や、その件は置いといて!
まあ、コトが起こり過ぎてて考えてるヒマもなかったからね。 克枝には、今しばらく時間が必要なのかな?
・漢字/英語/用語
息災
そくさい
CATastrophe
カタストロフ→本文にある通り“破局”の意。
45:六つとや:ムくいあう、鬼の衣、
語り手:姫様/音/大神
日付:4/30(日)
PT:07:17
同じ頃、山頂では姫様が音と接触。 二人のバトルが始まる。
終盤が非常に分かり難いが、音に勝てない事を悟った姫様は、十八二式によってムリヤリ安定化させていたアヤメを引き剥がし、遠くに投げ飛ばした。
CATを失った姫様を殺す意味が無くなった音は、さっさとこの場を去る。
入れ違い現れたのが、真言の片割れであるオウト、大神であった。
・解説
やっと来た
ぐるぐる姫様vs音、バトル、開始!
あのひとと同じ感じ
ココでは真言の事を指す。 音も真言も、ヒトであり魔眼質者でありながら、同時にCATでもある。
ぱーてぃー
ココでは“お食事会”のルビとして用いられているが、個人的には“お茶会”にしてほしかった。
もちろん、このシーンに登場しているのは音で、音は喰うのがその能力なので、“お食事会”で正しい。
しかし、“パーティー”を使うなら“お茶会”にすべき。 猫の“パーティー”は“お茶会”と『不思議の国のアリス』以降決まっているから。
“お食事会”のルビに用いるのであれば、“でぃなー”にすべき。
誰のこと?
価無の事。 選律ではない。 選律と同様、価無もベロアによって封紙を回収されているのは、43節に描写がある。
こないだのコイツ
四重奏団と接触した時のアレ。
なにさ?
ココで、音=貴奴であった事が明確に描かれるが、既に手紙の記述や真言のモノローグでこれは明らかになっており、このシーンのインパクトが薄れてしまっている。 真言のモノローグ無しで、ココまで引っ張っても良かったと思う。
もしくは、バトルを始める前にこのイベントカットを出すとか。
詰み?チェックメイト?
間違い。 将棋の“詰み”に相当するのは、チェスの“スティールメイト”。 チェスの“チェックメイト”に相当するのは、将棋の“王手”。 前者は完全に後が無い、逃げの一手が打てない状態の事で、後者はまだ後があるが論理的にいずれ詰みになる状態の事を指す。
(はこたちきりすかしのくちなわ)
十八二式の解除音。 これにより、姫様はアヤメを切り離し、遠くに投げ飛ばした。
ま、ことさんの……か……んじ……
惜しい。 ソイツは真言の片割れだ。
・漢字/英語/用語
嬲る/なぶる
・伏字
●●たんでしょ
殺した
そこが●●●●い――
憎らしい、かな?
●●してやる
殺して
といったトコロで、今週はココまで。
楽しんで頂けましたか?
ご意見ご感想、ご質問等があればコメにどうぞ。
来週もお楽しみに!
それでは皆さんまた来週。
お相手は、asayanことasami hiroakiでした。
SeeYa!(・ω・)ノシ
Thanks for youre reading,
See you next week!