週刊! 朝水日記

-weekly! asami's diary-

245.書と猫と、少女たちの遊戯に祝福あれ:Lu=Re1章③

2013年04月28日 | 書と猫と、少女たちの遊戯に祝福あれ

-"Sight of OMEGA" Ultimate Analyse #04-


 皆さんおはこんばんちわ!
 asayanことasami hiroakiでっす!(・ω・)ノ
 前回書いたボストンの爆弾テロ、犯人が捕まりましたね。 良かった良かった。
 思ったよりもかなりの早期解決になりましたが、理由は至極カンタン。 背後関係のない単独犯(注:正確には兄弟二人)だった事。
 一応、アルカイダ系のテロ行為、というタテマエがあったみたいだけど、結局のトコロ個人的な復讐……いや、復讐にすらなってない。 一方的な逆恨み。
 夢を抱いて渡米してきたのに、民族性の違いからトモダチ出来ないネクラな電子工学オタの犯行。
 終わってみれば、なんとまあひどくつまらない結末。
 こんな結末では、犠牲になった皆さまもうかばれませんよ。
 何にしても、改めて犠牲になった方々のご冥福を心よりお祈り致します。



<今週の特集>

 今週の特集は、『アルティメット・アナライズ』シリーズ第4弾、同人ヴィジュアルノベル『Omegaの視界』の徹底解説連載、第4回です。
 第1章は、今回でようやく折り返し地点です。


16:シキの始まり

語り手:真言
日付:4/7(金)
PT:03:21

 前節の翌日。
 真言は貴奴の取次ぎで三春家の娘にして二相ミハルの継承者、冬夏と逢う事になった。
 しかし、待ち合わせ場所に現れた冬夏に、真言は思いもよらない先制パンチを喰らうのだった。
 真言と冬夏の初めての初対面(笑)のシーンであるが、冬夏がその容姿とはある意味かけ離れたキャラクターになっている点に戸惑ったユーザーも多いのではないかと思う。 実際、筆者も最初は戸惑った。
 しかし、冬夏というポジションにいるこのキャラクターには、この性格が必要だった。 物語りを読み進めていくと、これが確かである事に気付かされるハズである。
 ちなみに、節題は“始まり”となっているが、体験版ではこれが最終節。 そのため、体験版のサブタイトルに合わせる必要からこの節題になったのだと思うが、実際の“シキ”が始まるのは、この節よりもずっと後、1章のラストの事である。


・解説

※特記事項無し。


・漢字/英語/用語

不味い
 まずい
流行語大賞
 正確には“新語・流行語大賞”。 その年1年間に発生した言葉の中から、世相を軽妙に映し、多くの人々の話題に上った新語、及び流行語を選び、その言葉に関わった人物、団体に送られる賞の事。 1984年に創設され、毎年12月1日に発表される。
吐息
 といき
膝枕というしろもの
 男子の憧れ。(笑) 頼む真言! 代わってくれ!(←読者の心の声)
太股
 ふともも
屈託
 くったく


17:しぎょうしきのひ

語り手:真言
日付:4/7(金)
PT:06:20

 節が区切られているが、前節からの完全な続き。 ココからは、全て体験版にはない節になる。
 体験版では、一応の区切りを付ける必要から前節にて“シキの始まり”というサブタイトルと同じ節題が用いられたが、完成版ではこの節がこのように完全な続きになっているので、区切る意味があまりない。
 冬夏の登場を印象付けたいのであれば、この節に続く前にワンシーン、道具やミリアムなどのキャラクターによる短いシーンを入れるべきだったと思う。
 さて、冬夏に逢った真言は、貴奴と共に3人で他愛のない会話をした後、近所の定食屋に向かう。
 物語りとは全く関係ないが、ココで冬夏が着ている学校の制服、スゴいスキ。 超カワイイ。
 80年代までは、アニメでもマンガでも女子学生の制服はセーラー服がほとんどで、オリジナルの制服はもちろん、ブレザーが設定されている事も滅多になかった。
 しかし、90年代に入ってブレザーの制服を採用する学校が増え、それに伴いアニメやマンガでもブレザーやオリジナルの制服を設定する作品が増えた。
 90年代も後半に入ると、いわゆるギャルゲーを中心にオリジナルの制服を設定する作品が増え、今世紀に入ってからは学園モノ=オリジナルの制服が一般化し、アニメやマンガなどでそれぞれ趣向を凝らしたオリジナルの制服が設定されるようになった。
 さらに近年は、その影響からAKB48を中心とした女性アイドルグループが制服をモティーフにしたステージ衣装を製作する事が多くなり、それに逆に影響される形でさらに多種多様な制服が見られ、筆者的には実に喜ばしい限りである。
 とはいえ、これだけオリジナルの制服が氾濫するようになると、どの作品も他の作品との差別化に四苦八苦するようになり、中にはあまりにも奇抜過ぎて最早アイドルのステージ衣装と区別がつかない、非現実的な制服を設定している作品もあり、ここ数年は逆にシンプルなセーラー服にしている作品も出てきている。
 1周回って元に戻ったか?(笑)
 いずれにしても、本作のこの制服はスキ。 カワイイ。 ハイウエストって、ロリっぽいイメージが強いのは確かだけど、なんだかんだいってやっぱ基本的にカワイイと思う。
 ……って、ホンマ関係ないな!(笑)


・解説

ヤソウのシュから逃れたい
 冬夏が小さく呟いた言葉。 ココでの“ヤソウ”とは八相の事を指す。 すなわち“ヤソウのシュ”とは、八相全体、あるいは始祖アリスの血統の事を意味し、冬夏はその呪縛から逃れたいと考えているのである。
ハカイ
 破戒→戒めを破る事の意。


・漢字/英語/用語

むつけて
 “むくれる”の意。 方言と思われる。
もっといい感触のところ
 ドコだよソレ!?
揶われて
 からかわれて
丁寧
 ていねい
老成
 ろうせい
据える
 すえる
旧態依然
 きゅうたいいぜん
セクハラ
 セクシャル・ハラスメント(sexual harassment)の略→性的嫌がらせの意。 元々は、男性の女性に対する性的な嫌がらせ、イジメ、性的関係の強要などを指す語だったが、近年では加害者側も被害者側も性別を問わず、性的嫌がらせ全般に用いられる。 ただし、セクハラやパワハラ(注:パワー・ハラスメントの略)は、飽くまでも“権力の不当な行使”であって、権力(注:上司や先輩、教師など)が伴わないモノは該当せず、性犯罪や軽犯罪に分類される。
不躾
 ぶしつけ
ものもらい
 正確には“麦粒腫(ばくりゅうしゅ)”。 まぶたにある皮脂腺が化膿してまぶたが腫れ上がる急性化膿性炎症の事。 主に黄色ブドウ球菌の感染によって引き起こされ、強い痛みとかゆみを伴う。 感染によらない場合は“霰粒腫(さんりゅうしゅ)”と呼び、似た症状だが痛みやかゆみを伴わない。
 ちなみに、“ものもらい”というのは俗称で、主に関東圏の方言。 他に、関西圏では“めばちこ”、あるいは“めいぼ”と呼び、北海道では“めっぱ”などと俗称される。
低血糖症
 ていけっとうしょう→血管内のグルコース(ブドウ糖)の濃度を示す数値を血糖値と呼び、80~100mg/dlが平常。 これよりも数値が高い場合が高血糖症であり、180mg/dlを超えると糖尿病になる。
 逆に、これよりも数値が低い場合を低血糖症と呼び、ココでの貴奴のように空腹時やダイエットなどでも血糖値が下がり、冷や汗や動悸、手足の筋肉の痙攣などの症状が表れる。
 また、血糖値が50mg/dlを下回ると、大脳のエネルギー代謝が維持出来なくなり、精神性の症状(注:目つきが悪くなる、暴力を振るう、奇声を上げるなど)が表れ、意識消失などの発作を引き起こし、最悪死に至る。
 近年では、清涼飲料水の過剰摂取(注:ペットボトル症候群)による糖尿病や、過剰なダイエットによる低血糖症が多くなっているそうだ。


18:フード

語り手:真言
日付:4/7(金)
PT:11:05

 さらに前節の続き。
 真言は冬夏と貴奴を連れて定食屋を訪れる。 真言にとっては、三春家の蔵に潜入するためのランチ・ミーティングのハズだったが、そこで真言が眼にしたのは、貴奴のあり得ないほどの旺盛な食欲の実体だった!
 これは、実は貴奴の“正体”を読み解く上での重要なヒントになっている。 音である貴奴は常に飢えており、スキあらばとにかく“喰う”。 何故なら貴奴は音であり、音はイコールGW、六相クイのCATだからだ。


・解説

真言のコンプレックス
 ココで、真言が感じているコンプレックスについてだが、これは哲学者のコーネル・ウエスト(注:映画監督のウォッシャウスキー兄弟が敬愛する哲学者。 映画『マトリックス』シリーズでは、ウォッシャウスキー兄妹の希望で哲学関係のテクニカル・アドバイザーを努め、シリーズ2作目と3作目にはザイオンの評議会員としてカメオ出演もしている)が提唱した“黒人から見た黒人差別”に似ている。 黒人は白人が嫌いだから差別されているのではなく、白人が黒人を差別しているから“自分は差別されている”と感じるのである。 鏡映的投影。
まことさんがどうにかしてくれれば大きく…
 俗説という説も真説という説もあるが、女性の乳房の大小は遺伝だけでなく、後天的な女性ホルモンの多少にもよる、という説もあるので、揉まれて大きくなる”というのは性的興奮による女性ホルモンの分泌に起因するのではないかと思われる。


・漢字/英語/用語

肉野菜丼・並
 貴奴のオススメで、真言の注文したメニュー。 きっと文字通りの内容なのだろう。
鬱陶しい
 うっとうしい
毒舌
 どくぜつ
齟齬
 そご
ごーいんぐまいうぇい
 going my way→自分勝手よりは、マイペースに近いニュアンスの語だと思う。
唖然
 あぜん
御手元
 おてもと→割り箸の事。
摂食
 せっしょく
拘る
 こだわる
揶い
 からかい
すまーと
 smart→華奢な、小奇麗な、という意味もあるが、本来は“テキパキしている”というニュアンスで利口な、頭が良いという意味で用いる単語。 英語では、日本語のスマートに相当するのは“smarten(スマーテン)”。
済し崩し
 なしくずし
精々
 せいぜい
悪戯
 いたずら
厭な
 いやな
邂逅
 かいこう
遷移
 せんい


19:サフィズムの一端

語り手:克枝/姫様
日付:4/7(金)
PT:00:35

 場面転換のためのごく短いシーンだが、一応姫様と克枝の初登場シーンである。
 帰宅途中だったのか、それとも冬夏を捜していたのか、とにかく真言と一緒に歩いている冬夏を見つけた姫様と克枝は、二人に近付く。


・解説

※特記事項無し。


・漢字/英語/用語

サフィズム
 sapphism→女性同士の同性愛の事。 紀元前7世紀頃に活躍した古代ギリシャの女流叙情詩人、サッフォーに由来する。
 サッフォーは、地中海に浮かぶレスボス島(注:レズビアンの語源)に生まれ、その詩は高い人気と評価を得ていたが、貴族の娘達を集めては詩や音楽を教えていた事から、同性愛や悲恋の投身自殺などのウワサが絶えなかった。 ただし、真偽の程は不明。


20:しょうぶあやめ

語り手:真言
日付:4/7(金)
PT:09:29

 19節の続き。
 定食屋を出た真言は貴奴と別れ、冬夏と共に近所を散歩中。 しかしそこに現れたのは、八相東部四家、綾目家と狩屋家の娘である姫様と克枝だった。 思いもよらない遭遇に真言は戸惑うのだが、初対面のハズの姫様がとんでもないコトを言い出して……!?
 真言が姫様と克枝に出会う重要なシーン。 姫様の言動に注意して読んで頂きたい。


・解説

※特記事項無し。


・漢字/英語/用語

しょうぶあやめ
 菖蒲菖蒲→前者はサトイモ科の多年草で、端午の節句にお風呂に入れるヤツ。 後者はアヤメ科のアヤメ・ハナショウブの事で、紫、もしくは白い花を咲かせる。 どちらも葉の形状が似ていたため同じ漢字で読みが異なる表記になったが、分類学上は根本的に異なる別分類の植物。
吃驚
 びっくり
居り
 おり
イントネーション
 intonation→発声の抑揚の意だが、どちらかというと命令形や疑問系などの語尾の上げ下げを指す語なので、この場合はアクセント(accent)を用いるべき。
剥き出し
 むきだし
歴とした
 れっきとした
敬え
 うやまえ
見縊って
 みくびって
秀でて
 ひいでて
コンプレックス
 complex→心の中のしこり、感情を担った表象の複合、抑圧された無意識下の病的行動の原因などの意。 主に精神分析用語。
衝かれる
 つかれる→刺激されるという意味としては通る用法っぽいが、一般的にコンプレックスは感じるの方を使う場合が多いように思う。
頻繁
 ひんぱん
会釈
 えしゃく
三白眼
 さんぱくがん→黒目が上に寄っていて、白目が左右と下の三方ある眼つきの事。 姫様の立ち絵を参照の事。
健忘症
 けんぼうしょう→物事を忘れ易い性質の事をいうが、本来は記憶が著しく障害される症状の事を言い、見聞きしたモノを記銘出来ず、すぐ忘れてしまう“前進性健忘”や、ある時から遡っての過去の記憶をなくす“逆行性健忘”など様々な症状がある。 真言のそれは、一般的な性質と逆行性を併発しており、空転脳時は前進性をも発現する。
卑屈
 ひくつ
アドレナリン
 adrenalin→ドイツ語。 副腎の髄質部から分泌されるホルモンの事。 平滑筋、心筋を収縮、あるいは弛緩させ、その結果血圧上昇、心拍促進、起毛、瞳孔拡大などを起す。
 1901年、日本の高峰譲吉が初めて結晶化に成功し、化学合成されたモノはエピネフリンという薬名で強心剤として現在も利用されている。
のーたりん
 脳足りん→相手をバカにする悪態。 最近あんま聞かんなぁ~。
楯突く
 たてつく
諫める
 いさめる→間違いではないが、本来は“諌める”と表記するのが一般的。
哀願
 あいがん
禍々しい
 まがまがしい
フィジカル
 physical→自然的、物質的、物理的、肉体的、身体的の意。
余所行き
 よそゆき
猫撫で声
 ねこなでごえ
リミット
 limit→限界、限度、範囲、極限の意。
百合
 ゆり→ユリ科ユリ属の植物の総称だが、ココでは女性同士の同性愛の意。 レズビアン(lesbian)。
貴女
 あなた→“きじょ”と読んではいけない。
妄念
 もうねん
面子
 めんつ
板挟み
 いたばさみ
リリー
 lily→百合の英名。 転じてレズビアンの意。
煩わしい
 わずらわしい
契機
 けいき
言外
 げんがい
隠蔽
 いんぺい
躊躇われた
 とまどわれた→本来は戸惑われたと表記するが、躊躇(ちゅうちょ)を当て字で用いている。 結構一般的に使われている当て字だと思う。
台詞
 せりふ
仰って
 おっしゃって
悄然
 しょうぜん
蛇体
 じゃたい


21:桂女

語り手:選律(相手はミリアム)
日付:―
PT:01:43

 場面転換のための短いシーン。
 玄ノ森に到着した選律とミリアムが何やら話しているが、初見では何を話しているのかよく分からないと思う。 セカンドプレイ、サードプレイになると、何となく意味が分かってくるかな?
 まあ、飽くまでも場面転換のための“時間を盗む演出”としてのシーンなので、あまり深く考えなくても良いと思うが。


・解説

八少女
 やおとめ→ココでは八相の各継承者の事を指すが、八相はオオクロを遣える資質者がいないため、継承者は正確には7人である。
カミに仕えし
 紙→封紙。 この場合は、神格化されたオオクロの意か?
種を蒔いた最初の女
 本編には詳しい説明がないが、選律が大封時に不正操作を行った行の事を指す。
例のシキ
 ハチミツぶんぶんの事。 詳しくは後述。
あんさんの相応しい
 魔女っぽいってコトか?


・漢字/英語/用語

桂女
 かつらめ→①京都の桂の里(注:現在の京都市西京区中心部)に住み、独特な風俗を伝えていた一種の巫女。 名主は女系相続をして明治年間まで続いていた。 諸家の祝い事に訪れ、祝言の祓(はらえ)をした。 桂姫。 桂御前とも。
 ②京都の桂の里から出てくる物売りの女。 鮎などを売って歩き、売色をするものもあった。
 ③貴人の婚礼の時、嫁の供をする女。 山城木綿を鬘(かずら)としたところから起るという。 鬘女。
 以上、広辞苑より転載。
弁えて
 わきまえて
仮令
 たとえ
随分
 ずいぶん
永う
 なごう
呉れ
 くれ
好い
 よい
喩え
 たとえ
趣向
 しゅこう
疚しい
 やましい
道ノ奥
 みちのく→正しくは“道奥国(みちのおくのくに)”。 現在の福島県全域、宮城県の松島丘陵以南、および山形県内陸部の一部を含む地域の古称。 なので、実は玄ノ森があるハズの岩手県は含んでいない。 現在一般に用いられている“陸奥(みちのく)”は、平安時代以降に成立した“陸奥国(むつのくに)”の事で、現在の福島県、宮城県、岩手県、青森県にまたがる地域一体の事を指す。
外套
 がいとう→コートの事


・伏字

まるで●●
 ?? なんだろ? 魔女?


22:プレ01

語り手:真言
日付:4/7(金)
PT:08:22

 20節の続き。
 姫様、克枝と別れた真言は、冬夏とも別れて六母屋へと戻る。
 この節の冒頭は、文章が少しおかしい。 「帰りは店を出た時点でバラバラになった。」となっており、20節から続くシーンとして成立していない。 恐らく、当初の構想では姫様と克枝の登場がなく、18節からいきなりこの節に繋がるハズだったが、構想が変わって姫様と克枝の登場シーンが間に入り、しかしこの節の冒頭部分を修正し忘れたためにこのような事になったのではないかと思われる。
 いわゆるテククニカル・エラーである。
 映画『ブレードランナー』みたいだ。(笑)
 詳しくは、拙著『異説「ブレードランナー」論:完全版』(注:ただ今MFD‐WEBにてPDF版絶賛公開中!)を参照の事。


・解説

母殿
 知狡と現実の母の事。 真言の祖母。 本作では出番無しだが、今後出番はあるのかしらん?(←無いんじゃね?)
彼女たちも視る眼がある
 魔眼質者を“感得”する能力の事。
宮さんを狙ってるのか!?
 “危険”って……。(笑) まあ、確かに危険っちゃ危険だが、もうちょっと言葉を選んで頂きたいです知狡さん。 “不毛”とか、“無駄な努力”とか。(←マテ)
どうこうという気はないです!!
 Yの抑動のため。
今時の女子の風潮
 そんなコトは決してないと思うぞ?
君の母さんが羨ましい
 好き勝手やってる=自由意志による選択。 少なくとも、現実は真言にイツワとしての運命に抗って欲しいと願っている。
黒胡麻味噌チーズトマトラーメン
 ヘンなメニュー。(笑) 創作ラーメンも、ココまでいくと最早B級グルメの領域ですな!(笑)
 ちなみに、“赤黒白い!”の表現に注目。 オウト、イツワ、ミルハの色に相当している。 三者は、いずれもパラミアキスから派生したCATで、元々のパラミアキスはあるいはこのラーメンのような状態だった?(笑)
不味くもないが旨くも無い
 マジで!? 名前だけでも不協和音バリバリで超不味そうなんですけどっ!?
吊り橋の出会い
 吊り橋の恐怖心を恋のトキメキとカン違いするという心理効果の事だが、……用法が合ってるようで合ってない。 “身体状況と精神状態のリンクのすり替え”というのも、微妙に違うように感じる。
 この時の真言の心理状態として最も正確な表現があるとすれば、“置物もどかしてみると寂しい”に近い。 在って当たり前のモノがないと分かった時の空虚感、空洞化。 据わり、落ち着きの無さ。
 真言が言っている通り、喪失感とは異なる。
それは見ないでおいてやる!
 いったいどんな画像だったのやら……。


・漢字/英語/用語

01
 ?? “プレ”はともかく“01”って(´・ω・`)??
小春日和
 こはるびより→用法誤り。 良く間違えられるんだよね、コレ。 本来は清々しい“秋の晴れ間”の事で、陰暦10月(注:グレゴリオ暦10月下旬から12月上旬頃。 旧暦では1年間が新暦よりも短いため、1年を13ヶ月とする“閏月年”があり、年によって同じ月が2週間ほど前後する)の異称。
 山口百恵の名曲『秋桜』(注:コスモス。 読んで字の如く秋の花)でも秋空を指す語として歌詞に出てくる。 小賢い、小奇麗と同じく、“それとは異なるが近い印象”という意味の“小”春。
敢えて
 あえて
藪蛇
 やぶへび→諺の“藪をつついて蛇が出る”の略。
恣意
 しい→勝手、気ままの意。 微妙に用法間違い?
蓋然
 がいぜん→あるいはそうであろうと思われるさま。 微妙に用法間違い?
巧く
 うまく→技術的な意味での上手い下手。 間違ってはいないが、フツーに“上手い”と表記すべき。 これだと、詐欺師的なウソの上手い下手、という意味になるので。
寄越させよう
 よこさせよう→ニュアンス的に用法間違いの気が。 “遣す”の方が合ってると思う。
訊いて
 きいて→問いかけるの意。
羨ましく
 うらやましく
虚しく
 むなしく
好い
 よい
フラストレーション
 frustration→欲求不満の意。
古色ばんだ
 こしょくばんだ→間違いではないが、用法としてはやや場違い。
逡巡
 しゅんじゅん
羅列
 られつ
疎ら
 まばら
顧みて
 かえりみて
一頻り
 ひとしきり


23:シの眼、3<4

語り手:真言
日付:4/8(土)
PT:23:10

 前節の続き。
 予定が空いた日を使って、真言は再び飯窪本家を訪れる。 そして、飯窪家に代々伝わる秘宝、“斎串魔眼(いぐしまめ)”を見せられるのだが……?
 ちなみに、この節は1章で最長の節になる。


・解説

シの眼、3<4
 この節題はサッパリ意味が分からん。 “シの眼”は“四の眼”、=Igの事を指していると思われるが、あとはちんぷんかんぷんにて候。
 まあ、分かったトコロで何に進展があるのでもないのだろうが。
コミック的なsterotype
 ステロタイプは、元から“型通り”の意だが、これをさらに強調した記号的な極めて決まり切った型通りのさま、と解釈して良いと思う。 漫符的表現とは異なるように思う。
既に反自然
 ヒトは自然の一部ではなく、自然よりも上位にあって切り離された存在、という考え方の事。 ヒトの傲慢さ、驕り昂った愚考。
ルカノヨウ~
 このシーンの伏字は、真言の混乱した思考を表現しているモノであって異意があるワケではないので割愛する。 ゆっくり読めば誰でも分かる。
ねこ?くろ?いつ?わ?
 黒のイツワの事。
予定通りの旗
 フラグの事。


・漢字/英語/用語

惰眠
 だみん
遣われて
 つかわれて→本来ならば用法間違い。 “遣う”は、気や人形に対して用いる。 人に対しては“使う”と表記するのが一般的。 ただし、かれおの場合は全くの間違いとは言い切れない。
SE
 System Engineer(システム・エンジニア)の略。 要するにプログラマー。
揺蕩わせ
 たゆたわせ→漂う事。 心が動いて定まらない様子。 ためらい、躊躇。 IMEでは変換出来ず。
折角
 せっかく
割いた
 さいた

 ふすま
許諾
 きょだく
勿体ない
 もったいない
誰でせう
 “せう”は“しょう”の意。 倉上作品の影響か?(笑)
其処
 そこ
顰め
 ひそめ
first impression
 ファースト・インプレッション→第一印象の意。
とみに
 頓に→急に、にわかにの意。 “特に”の意味はない。 そのため、ココでの用法は微妙に間違い。 “須く”同様、よく間違われる語。 古くは否定形で用いるのが一般的だったそうな。
逆ベクトル項
 ベクトル(vektor/ドイツ語)は、向きや方向、方向性の意だが、この語自体は造語。 “反対方向の項目”の意か?
アンチテーゼ
 antithese→ドイツ語。 特定の肯定的主張(定立)に対立して定立された特定の否定的主張、すなわち反対意見の意。 “反立”、もしくは“反定立”と訳される。
インテリゲンチア
 intelligentsiya→実はロシア語。 知的生産に従事する社会層、知識層、中間階層の意で、この語の略であるインテリと同義で用いられる。 元々は、帝政ロシアの西欧派自由主義者群を指す語だった。
 アニメ映画『機動戦士ガンダム/逆襲のシャア』において、アムロがシャアに向けて「革命はいつもインテリが始めるが~」と言っているが、まさにその通りの意と言える。
寡聞
 かぶん
ロウ
 law→法律の意。
恙無く
 つつがなく
杓子
 しゃくし

 じゅ→まんま呪い(のろい)の意。 呪い(まじない)ではない。
Nature
 ネイチャー→自然の意。 アメリカの権威ある科学雑誌のタイトル。
殲滅
 せんめつ
好嫌
 こうけん→読んで字の如しだが造語。 好きか嫌いか、あるいは好かれているか嫌われているかを示す好嫌度という言葉も、近年結構一般的に使われているようだ。 造語と言うより、最早新語と言えるかもしれない。
仰って
 おっしゃって
居られる
 おられる
衒学
 げんがく→深遠な学問の意で、主に老荘(注:老子と荘子の意)の学の事をいう。
平身低頭
 へいしんていとう→ひれ伏して頭を低く下げて恐れ入る事。 ペコペコする事。
慇懃無礼
 いんぎんぶれい→“無礼”のみと同義。
びっくり人間
 80年代に一世を風靡した驚異的な能力や極めて特異的な特徴を持つ人間を集めたTV番組、『ビックリ人間大集合』シリーズに登場した人々の事。 司会の愛川欽也の「おまっとさんでございました!」で始まるのが通例だった。
迂遠
 うえん

 さとり→人の心を全て見透かし、こちらが思っている事を口にす出すより早く言い当てる妖怪。 主に現在の岐阜県周辺に伝わる伝承。
profiling
 プロファイリング→心理学的統計に基く行動、性格、思考の論理的予測。 行動心理学。 性格判断とは意味が異なる。
発露
 はつろ
とまれ
 ともあれの誤記?
喩え
 たとえ
妄りに
 みだりに
フェイク
 fake→偽造、ニセモノの意。 主に美術品に対する語。
大仰
 おおぎょう

 はこ→箱と同義。 ゲーム機やコンピュータ・ハードのケースを指す場合は、この字を用いて“筐体(きょうたい)”と表記する。

 ひつぎ
オーパーツ
 OOPARTS→“out of place artifacts”の略で、直訳すると“場違いな工芸品”の意。
 主に考古学において、定説などからその時代には製造が困難、あるいは不可能としか考えられない極めて高度な技術で製造された遺物の事を総称してこう呼ぶ。
UMA
 ユーマ→伝説や伝承、あるいは目撃情報や写真、映像、痕跡などがあるにも関わらず、個体が捕獲されていない、科学的に存在が確認されていない未確認動物の事。 “Unidentified Mysterious Animal(アンアイデンティファイド・ミステリアス・アニマル)”の略。
河童の木乃伊
 かっぱのみいら→これで“ミイラ”と読む。 江戸時代、造形師が動物の屍骸を組み合わせてカッパに似せたミイラが大量に出回り、見世物にされていた。 素材には、エイや猿、フクロウの頭部などが好まれて用いられたそうだ。
 また、カッパの手首のミイラと呼ばれているモノも、実際には2012年に絶滅種(注:最後の目撃例は1979年)に指定されたニホンカワウソのモノ。
 さらに、佐賀県伊万里市山代町の松浦一酒造には河童全身のミイラが祀られており、地元では“河童の酒蔵”として有名である。
Ig
 イグ→異称として斎串魔眼(いぐしまめ)、方相氏(ほうそうし)。 ココでは、“Ig:TYPE・MEGA-D「P+」”の事を指す。 魔眼の刺し手が使用する封紙を行うためのアイテムで、一応CATだが在り方は他のCATと大きく異なる。
 飯窪家の当主、及び直系の男子のみが触れる事を許される家宝で、かつてはエンリケ・ファが使用していた。
呻った
 うなった
うぐぅ
 言わずと知れた羽リュックの人の口グセ。
佳い
 よい→ただし、本来は送り仮名なしで“よい”と読む。
方相氏
 ほうそうし→本編中の真言の説明を参照の事。
攫う
 さらう
以て
 もって
屍食鬼
 ししょくき
屍鬼
 しき

 ほこ
長広舌
 ちょうこうぜつ→ちゃんと憶えていてほしかった……。
語弊
 ごへい

 まま→常用外。 “儘”の方が一般的。
拙速
 せっそく
巧遅
 こうち
昇段/しょうだん


・伏字

余程……な仕込み
 読者各位の想像に任せます。
●の●の………らん…とを
 ωの瞳の祝福のあらんことを→文字数が微妙に違うが、これしか考えられない。


24:●●●●●●●の黒猫

語り手:ミルハ(相手は知狡)
日付:―
PT:01:36

 時系列が不明になっているが、前節の直後と考えて良い。 倒れた真言を六母屋に連れ帰った知狡が、ミルハに経過報告しているシーン。
 よく読むと、WCLの目的が実はシッカリと語られていたりする。


・解説

赤の女王の捕縛
 ミリアムを捕まえる事。
ツェロルの回収
 ツェロルとは、ガロー・ツェロ・ルーの事。 パラミアキスに神蝕され、エンドルによって休眠させられた後、行方不明になった。
偽りの黒の完成
 八相のCATを再統合したイツワの覚醒の事。 以上3つが、WCLの(表向きの)目的である。
飯守女
 いいもりめ→飯守は飯窪家の事を指し、飯守女は飯窪家の女性、及びその家系に連なる血統の事をいう。


・漢字/英語/用語


 いつわ→黒のイツワの事。

 まこと→そのまま真言の事。
檻枷
 かんかせ(?)→造語のため読みも意味も不明。
刺し手
 魔眼の刺し手の事。
Deus ex machina
 デウス・エクス・マキーナ
三重偉大
 みえいだい→魔眼の刺し手、イーハ(=黒のイツワ)、呼び水たる月の雫の3つが揃っている状態、またその存在。
飯食
 イーハと読む。 十相に当たるが、イツワは本人の希望で飯窪家直系の男子を依代とし、受肉したCATとして転生する事になったが、飯窪家にはこれまで男子が生まれてこなかった。 現在は真言に憑いている。
白殿
 カルロサの事。
Note-Due
 ノート・デュー→真然名無の真名。
Ender
 エンダー→終わらせる者。 WCL内の組織、あるいは部署で、魔眼の刺し手を人工的に作り出す事を目的としており、Enderには封紙型のIgが与えられる。
 常に改良が重ねられており、現在の300番代はバージョン3に当たる。 初代の魔眼の刺し手であるエンリケ・ファは、Ender:000としてカウントされている。
四の死の眼
 Igの事。 Ig:TYPE・MEGA-D「P+」は、Enderに下賜されるIgとは異なり、封紙と共に遣い手とCATのリンクを切断する事が出来る。 すなわち、遣い手の魔眼質としての視線を断つ事が出来る。
規矩準縄
 きくじゅんじょう(?)→読み不明。 恐らく造語。


・伏字

●●●●●●●の黒猫
 ??? 分かりません。



 といったトコロで、今週はココまで。
 楽しんで頂けましたか?
 ご意見ご感想、ご質問等があればコメにどうぞ。
 来週もお楽しみに!
 それでは皆さんまた来週。
 お相手は、asayanことasami hiroakiでした。
 SeeYa!(・ω・)ノシ



LunaちゃんのMODコレ!


シスター装備。(?)


HM2

 韓国在住のクリエーターによるシリーズ第2弾。 前作がノンクエストMODだったのに対し、今回はクエストMODになっているので攻略ダンジョンを探す手間がないのでラク。
 何やらドコかで見た事あるようなないようなシスターっぽい服。 一応軽装として装備される。 魔法使い系の敵から剥ぎ取れる。



Thanks for youre reading,
See you next week!

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244.書と猫と、少女たちの遊戯に祝福あれ:Lu=Re1章②

2013年04月21日 | 書と猫と、少女たちの遊戯に祝福あれ

-"Sight of OMEGA" Ultimate Analyse #03-


 皆さんおはこんばんちわ!
 asayanことasami hiroakiでっす!(・ω・)ノ
 先週はアメリカがとても大変でしたね。 テロと事故で大爆発。 驚いたのと同時に、スゴく残念な気持ちになりました。 事故は事故だからしょうがないトコロもあるけど、ボストンのテロは明らかに故意! なんでそんなコトするかねぇ~?
 9.11から12年。 これからもこんなコトが繰り返されるのかと思うと、とても残念で悲しいです。
 とにかく、犠牲になった方々のご冥福と、一刻も早い解決を心よりお祈り申し上げます。


 それとは全く関係ありませんが、現在警視庁が、ストーカー犯罪を予防する目的で“ストーカー予備軍”のチェックリストを作成中である事が分かったそうな。
 新聞報道によると、近年ストーカー被害が増加の傾向にあり、警察に寄せられる相談件数が増え続けているとの事。 これを予防し、エスカレートして殺人などの重大な犯罪に発展するのを防ぐ目的で、長年ストーカー犯罪に携わってきた精神科医らと共に、100項目に及ぶチェックリストを作成し、犯罪防止に役立てようというモノなのだそうな。
 また同時に、“ストーカー被害者用”のチェックリストも作成するとの事。 被害に遭う前に自分で回避しろってコトらしいです。
 現在はまだ“作成中”の段階で、信頼性が薄いモノの、新聞に掲載されていた簡易なチェックリストを試してみたら、僕は加害者用、被害者用の両方で“予備軍”になった。
 ……ってコトはナニかい? あっしはストーカーにストーカーされるストーカーってコト?
 …………。(´・ω・`)
 そういえば、『さよなら絶望先生』にそんなエピソードがありましたね。
 ……気を付けます。 両方の意味で。


 それとはさらに関係ありませんが、当ブログのブログページとMFDのウェブサイトをプチリニューアルしました。 ブログ人サービスのヘルプを調べまくって、ようやくやり方が分かったので。
 便利に使って頂けたら幸いです。



<今週の特集>

 今週の特集は、『アルティメット・アナライズ』シリーズ第4弾、同人ヴィジュアルノベル『Omegaの視界』の徹底解説連載、第3回です。
 こんなのが延々と続くのです。
 一応、20回ぐらいで一旦終わる予定。


10:der Schwarzwald

語り手:真言
日付:4/5(水)
PT:11:10

 てなワケで、玄ノ森に到着した真言と門王水は、真言の伯母である飯窪知狡の歓迎を受け、知狡が責任者を務め、飯窪家が経営する旅館、六母屋に向かう。
 その車中、真言は黒衣の葬列の中に三春冬夏を見つける。


・解説

※特記事項無し。


・漢字/英語/用語

der Schwarzwald
 ダ・シュヴァルツヴァルト→ドイツ語で“黒の森”の意。 “der”は定冠詞で、英語の“the”に相当する。
殆ど
 ほとんど
速読
 文章を速く読むための技術で、時には読書法も含まれる場合もある。 読書速度を向上させ、効率的に大量の書物を読破する技術の事。 訓練によって向上させる事が出来る。
視覚記憶
 正確には、“視覚連合記憶”。 物事を理論や文章的に記憶するのではなく、見た目の形状や並び順のような視覚的に記憶する事。 またその技術の事。 他に、聴覚や嗅覚を使った記憶術もある。 訓練によって向上させる事が出来る。 筆者の特技。
余程
 よほど
閑散
 かんさん
田圃
 たんぼ
すべからく
 須く→用法間違い。 本来は、なすべき事、当然などの意で、“~べし”と続けるのが正しい。 全て、全体などの意味はない。 よく間違えられる単語である。

 ほこり
硝子
 ガラス
花弁
 はなびら
煤けて
 すすけて
色褪せて
 いろあせて
欠片
 かけら
謂われ
 いわれ
薄情感
 はくじょうかん→“―感”は造語。
苛まれて
 さいなまれて

 りん
待ち侘びてる
 まちわびてる
摂った
 とった→正しい用法。 食べる時はこの字を用いる。
やぱり
 脱字。 正しくは“やっぱり”。
冗句
 じょうく→ジョークの意。
睨む
 にらむ
戴かなくても
 いただかなくても→常用外。 通常は“頂かなくても”と表記する。
判って
 わかって
戯言
 ざれごと
遷移
 せんい
ハイヤー
 hire→営業所、あるいは車庫などを拠点に利用客の要請に応じて配車に応じる自動車の事。 すなわちタクシーの古称である。
 本来、hireは英語で賃貸、賃借の意で、“horse for hire”や“vehicle for hire”というように使われていたが、運賃をタクシーメーターで計測するようになった事から、“タクシー(taxi)”という呼称が一般的になったのだそうだ。

 つや
ブルジョア
 bourgeois→正しくはブルジョワ。 いわゆる富裕層の事。
 元々は、フランスの市民革命における革命の推進主体となった都市における裕福な商工業者たちの事を指すブルジョワジー(bourgeoisie)が略された語だが、複数形、あるいは全体の場合はブルジョワジーを用い、単数形、あるいは個人を指す場合にブルジョワを用いるのが一般的なのだそうな。
 後に、共産主義思想の下で産業資本家を指す言葉に転化し、共産主義者の間では概ね蔑称として用いられたらしい。
嗜好
 しこう
海老
 エビ

 カニ
運転席の真後ろ
 知らない方のために解説。 運転席の後ろは、クルマでは上座に当たる。 一番偉い人が乗る位置で、助手席が下座になる。
 右ハンドル車の日本では、停車したクルマに乗り込む時には、歩道が助手側にしかないので必然的に助手席側から乗り込まねばならず、車内を室内に喩えると運転席の後ろが一番奥の席、すなわち上座になるため。
 この事から、このシーンでわざわざ席位置を細かく描写している意図が窺えると思う。
呈して
 ていして
矯正
 きょうせい
愚痴
 ぐち
特質的能力
 とくしつてきのうりょく→造語。 特異能力と同義と考えて構わないと思う。
得手不得手
 えてふえて
サヴァン
 サヴァン症候群の事。
 知能障害や発育不全などの先天的障害を持つ人が、ある特定の分野に限り健常者を遥かに凌駕する極めて高い能力を発現する事。 超記憶力や超計算力など、世界中で様々な事例が報告されている。
邂逅
 かいこう
偏り
 かたより
心中
 しんちゅう→“しんじゅう”と読んではいけない。
車窓
 しゃそう
我が侭
 わがまま→常用外だが、“我が儘”とも表記する。
専ら
 もっぱら
傾げ
 かしげ
覗き
 のぞき
刹那
 せつな
靡く
 なびく
ブロンド
 blond→金髪の意。 ただし、ブロンドは本来男性形で、女性に対してはblonde(ブロンディー)を用いるのが正しいのだそうな。
眩暈
 めまい
憚られた
 はばかられた
酷く
 ひどく
駄洒落
 ダジャレ
紡ぎ
 つむぎ
御用達
 ごようたし
既知
 きち
勧める
 すすめる
深慮
 しんりょ
ご馳走
 ごちそう


11:古き魔者達の騙り(Trial=EX03)

語り手:選律/ミリアム/ベロア
日付:―
PT:02:43

 八相の西部仕切りである選律がミリアムに謁見するシーン。 傍らにはベロアもおり、八相の現状について話し合う。
 設定説明の意味合いが強いシーンだが、個人名がほとんど伏字になってしまっているので、その役割に足りてない。
 また、09節と同じくミリアムが登場しているが、口調がまるで別人のようである。
 ミリアムは、アンチ・エイジングを受けており不老不死だが、この時は肉体的限界が近い状態にあり、老婆のような声と風貌(注:立ち絵とか無いけど)になっているためである。
 この後、玄ノ森到着後に卑尊によって治療を受け、若い声と風貌に戻る。
 この節は、体験版では隠し要素になっている3節の内の一つとして、本編鑑賞後に出現する。


・解説


 ココでは三相、永久の事を指す。

 ココでは一相、綾目の事を指す。

 ココでは七相、狩屋の事を指す。

 ココでは六相、玖威の事を指す。
白の連中
 WCLの事。
八人姉妹
 WEの事。
ベロア
 ミリアムのCAT、ケルベ=ロアの愛称。
姉はダメでしたが妹の方は
 ココでは綾目家の娘達の事を指す。 姉が運で、妹が姫様を指す。
アリスの血族
 カルロサとミルハは、始祖アリス直系の子孫であるらしいが、ドレミリア・リデルも分家の一人。 そのため、ココでの“アリスの血族”とは、ドレミリアが祖となっている三春家の事も指している。

 CATの事。
5の娘
 五相、玉梓選律の事。
ツェロル
 既出。 同章07節、“つぇろる”の項を参照の事。


・漢字/英語/用語

驕り
 おごり
ご無沙汰
 ごぶさた
咬み
 かみ
ツキノモノ
 ココでは、女性の月経の意。
忌まわしき
 いまわしき
案配
 あんばい→本来は“按配”、あるいは“按排”と表記するが、現代ではどちらも常用外。 また、この場合は“塩梅”でも意味としては通じる。
吟味
 ぎんみ
咀嚼
 そしゃく
因子
 いんし
末裔
 まつえい
下女
 げじょ


・伏字

■■ちゃん
 価無
には■■ちゃん
 卑尊
■■ちゃんが本業も
 卑尊
二の■■ちゃん
 冬夏
■■■■■の出来
 文字数が合わないが、恐らくエンドル・ファ。 あるいはドレミリア?
ド―ミリア
 ドレミリア


12:DRACURA<-:プレねこまち(Non Trial)

語り手:真言
日付:4/5(水)
PT:06:54

 10節の続き。
 六母屋に向かう途中、真言は知狡に連れられて飯窪の本家を訪ねる。 そこで出会ったのは、真言の祖父、飯窪源四であった。
 このシーンで、真言の祖父である源四(げんし)が登場するが、立ち絵は無し。 これ以降は出番そのモノがなくなる。
 また、祖母は存命だが、飯窪家の直系で知狡と現実の母親であるにも関わらず、本作には一切登場しない。 立ち絵ドコロか名前すらない。
 まあ、登場したトコロで物語りには何の進展もないのだが。
 この節は、体験版には無い追加シーンである。


・解説

※特記事項無し。


・漢字/英語/用語

DRACURA
 ドラキュラ。 ナゼココでこの単語が出てくるのか未だに分からない。 源四がドラキュラ伯爵ってコト?
プレ
 pre-→予め、前の、以前の、の意。 反対語は“post-(ポスト)”。
甚だ
 はなはだ
記憶の美化
 『東方Project』シリーズの神主、ZUNによる書き下ろし小説、『六十年ぶりに紫に香る花』(『東方紫香花』収録)を参照の事。(笑)

 にせ
愕然
 がくぜん
狼狽
 ろうばい
吹聴
 ふいちょう
憐憫
 れんびん
虚妄
 きょもう
弊害
 へいがい
存外
 ぞんがい
悪巫山戯
 わるふざけ
閑話休題
 かんわきゅうだい→閑話は“ムダ話”の意。 ムダ話はさておいて、それはさておき、さて、の意。 話しを本筋に戻す時に用いる語。
宗家
 そうけ
家元
 いえもと
怨恨
 えんこん
無為
 むい
ガワ
 外装、外壁の意
傲岸
 ごうがん→おごりたかぶってへり下らない事の意。
咎める
 とがめる
金満
 きんまん
促す
 うながす
矍鑠
 かくしゃく→年老いても元気なさまの意。
鯱張ったり
 しゃちばったり→間違いではないが恐らくミス。 “しゃちこばる”の場合は“鯱こ張る”と表記するのが正しい。 意味としてはどちらも同じ。
宜しく
 よろしく
致し方ない
 いたしかたない
是非
 ぜひ
胡散臭く
 うさんくさく


13:E.O/XY_01:Mike、三毛、Trismegistus。但し三番目の(Non Trial)

語り手:音/道具/ノート(?)
日付:4/5(水)
PT:02:22

 日付が付いているが、真言以外の視点で描かれているシーンである。 音と道具が何やら話しているが、要するに道具の“仕込み”を描いているシーンである。
 道具は、音をけしかけて(?)姫様と卑尊のそれぞれの親を殺させたが、克枝の母親は失敗した。


・解説

起きたことはその時点で全て確率十割?
 選択の哲学。 人生においての岐路、与えられた選択というのは、選択肢が複数あるように見えて実は一つしかない。 何故なら複数ある内のどれか一つの選択肢を選択した時点で、それ以外の選択肢は選択不可能になり、そこから派生するハズの可能性の未来は、視る事が出来なくなってしまうからだ。 すなわち、選択とは選択した時点で一択であり、この世で起こった事象は、起こった時点で既に他の選択肢と可能性が無くなり、確率十割と同義なのである。
 筆者はこの考え方が大キライ。 たとえそれが真実であったとしても、悲観主義以外の何者でもないから。 また、起こった事を既に決められた運命と考えるのも同じで、良くない事が起こったら、「確率十割だから仕方ない」、「運命だから逃れられない」と、自分ではない“誰かさん”のせいにしたいだけだからだ。
八相の猫じゃないカミ
 コトハネとイーハの事。 ただし、イーハは封紙されていないため、正確にはカミではない。
運び手だった姉妹の一人
 エンドル・ファの事。 大封時、姉のミリアムに代わってツェロルを確保、逃亡したが、八相創立の際に選律に不正操作を受けて鍋島竹争(なべしまたから)となる。 ただし、不正操作の影響で本人はエンドル・ファである記憶を失っている。 詳しくは同章35節を参照の事。


・漢字/英語/用語

Mike
 マイク→microphoneの略。
 あるいは英語圏の男性名、Michael(マイケル)の略。
 もしくは、ローマ字読みして“ミケ”。
三毛
 三毛猫の事と思われる。
Trismegistus
 トリメギストス→古代ギリシャの錬金術師、ヘルメス・トリスメギストスの事。
 ギリシャ神話のヘルメス神と、エジプト神話のトート神がヘレニズム時代に融合し、さらにそれらの威光を継ぐ人物としての錬金術師ヘルメスが同一視されてヘルメス・トリスメギストスと称されるようになった。 それら“3つのヘルメスを合わせた者”という意味で“3倍偉大なヘルメス”、“三重に偉大なヘルメス”と訳されるようになった。
 ココでは、三重偉大の意。
但し
 ただし
凌ぎ
 しのぎ
喚ばれた
 よばれた→当て字。 召喚された場合は“呼ばれた”と表記するのが一般的。 あるいは“召された(めされた)”でも同義。
東部八相
 三春家、永久家、綾目家、狩屋家の四家の事。
調伏
 ちょうぶく
ナナだがナナシだか
 正しくは真然名無(ましかりなな)。 ノートの事。
軋轢
 あつれき
排斥
 はいせき
流石
 さすが
杜撰
 ずさん
この……が
 ?? 分からん。
『猫の芽』
 ココでは、CATが派生的にCATを産む事。 猫の萌芽の意。
錬成薬
 れんせいやく→ココでは、キサムラによるprot-einを指す。


・伏字

君が●●を
 殺された卑尊の母親。 名前は設定未公開。
●●●●、●●●、●●●
 ナガヒサ、アヤメ、カリヤ
●●●と●●●●
 ミハル、オオクロ
●●●を除き
 文字数で言えばミハルだが、イーハの可能性も。
●の彼女
 五。 玉梓選律の事。
●●の息子
 芽汰(めいた)。 音の父親の事。


14:ねこまち

語り手:真言
日付:4/5(水)
PT:10:05

 12節の続きから。
 飯窪本家を後にした真言たちは、知狡が責任者(注:この場合は“女将”で良いのかな?)を努める旅館、六母屋にようやく到着し、真言と門王水はそれぞれの部屋に案内される。
 が、重要なのは後半、真言と知狡が立ち話をするシーンで、知狡の“想い”が語られている。
 これが重要な意味を持つのはもっと先、次章以降の事なので詳しい解説はココでは割愛し後述する事にするが、知狡のスタンスはこの段階で既に示されており、これ以降も彼女のスタンスは変わる事なく一貫している。
 この構成の良さは、評価されて然るべきである。
 ちなみに、終盤のアレは、……ははは。(←乾いた笑い) 誰にでも欠点はある。 知狡さんもヒトの子なのですよ。(笑)


・解説

月の模様
 確かに猫に見えなくもない。 兎の耳の部分が猫の後ろ足で、猫が飛び跳ねているようなポーズに見えない事もない。 月狂跳の寓意。
内装とのギャップ
 通常、日本家屋は平屋、高くても二階までしかないため、和室は必然的に景観が低い。建築基準法でも、木造建築は二階建てまでに制限されている。 六母屋は、建物そのモノは鉄筋コンクリートで、内装のみ和装になっていると思われる。
典型的な猫顔(?)
 そんな言葉はナイ。(笑) ただし、門王水はツリ目で髪留めや帽子などのヘアアクセに猫耳っぽいモノをよく用いるので、確かに猫っぽい。
竜も鼠も猫に狩られる運命
 すまぬ。 分からん。


・漢字/英語/用語


 ことわざ

 ねずみ
益獣
 えきじゅう
養蚕
 ようさん→絹糸生産のための蚕(かいこ)の養殖業の事。
絡み
 からみ
仰せ
 おおせ
歓待
 かんたい
助平
 すけべえ

 めい
火車
 かしゃ→悪行を積み重ねた末に死んだ者の亡骸を奪うとされる妖怪で、日本の全国各地に伝承がある極めてポピュラーな妖怪。 年老いた猫がこの妖怪に変化するとも言われており、猫又がその正体だとも考えられている。
姥が火
 うばがび→誤字。 正しくは姥ヶ火、あるいは姥火(注:いずれも読みは同じ)。 主に大阪や京都に伝わる火の玉現象の一種で、雨の夜に大きさ約一尺(約30cm)の火の玉が現れる。 かつて、ある老女が神社から油を盗み、その祟りで火の玉の姿にされたと言われている。
鳴家
 やなり→または家鳴、家鳴り、鳴家(注:いずれも読みは同じ)。 日本全国で伝承されている怪現象の一種で、家や家具が理由もなく突然揺れ出す現象、いわゆるポルターガイスト現象の事。 小さな鬼のような妖怪がイタズラしていると考えられていた。
 現代でも、温度や湿度の変化によって家の柱や家具の木材が伸縮し、軋むような音を立てる事を家鳴り(いえなり)と呼ぶ。
邪魅
 じゃみ→人間を害する妖怪の総称。 山林の悪気を起こして人を害する妖怪で、山神の一種と考えられている。
おとろし
 妖怪の一種。 鳥山石燕の『図画百鬼夜行』にも掲載されているものの、名前とイラストのみで解説文がないため詳細不明。 恐らく、気味が悪い、恐ろしいを意味する“得体の知れないモノの総称”かと思われる。
猫又
 ねこまた→あるいは猫股(注:読みは同じ)。 ヒトに飼われていた猫がものすごく長生きして化けた妖怪。 その名の通り、尾が二又になっているのが特徴。 ちなみに、コレによく似た“化け猫”という妖怪もいるが、コチラは尾が二又になっていないので混同してはならない。
五徳猫
 ごとくねこ→猫又が五徳(注:囲炉裏でやかんなどを乗せる台)を冠のように頭に頂き、火吹き竹を持って囲炉裏で火を起こしている姿で描かれている妖怪猫。 付喪神の一種とも考えられているが、世間に嫌気が差して七つの徳の内二つを忘れ遁世(とんせい)した人間、という説もある。
逢魔時
 おうまがとき→または大禍時(注:読みは同じ)。 黄昏(または“誰そ彼”と表記)と同じく、薄暗く見通しの悪い夕暮れ時の時間帯を指す語。 古くは“暮れ六つ”や“酉の刻”ともいい、現在の18時頃の事を指す。 転じて、何やら妖怪、幽霊など怪しいものに出会いそうな時間帯を指す語として広まり、著しく不吉な時間帯という意味で大禍時とも呼ばれるようになった。
 実際、この時間帯は交通事故が最も起き易い時間帯(注:薄暗いがヘッドライトを点けるほどではないため、歩行者などを見落とし易いため)とされている。
姑獲鳥
 こかくちょう→夜行遊女、天帝少女、乳母鳥、鬼鳥ともいう。 中国の文献に登場する伝承上の鳥で、鬼神の一種。 夜間に飛行して幼児を害する怪鳥で、鳴き声は幼児に似ている。
 中国の荊州(注:『三国志』に登場する中国中東内陸部、現在の湖北省一帯の地域。 赤壁の戦いで曹操軍を破った劉備軍、孫権軍が中南部を分割統治するなど、天下統一のための最重要戦略拠点になった歴史がある)に多く棲息し、毛を着ると鳥に変身し、毛を脱ぐと女性の姿になるという。
 ヒトの子を奪って自分の子とする習性があり、その関係でヒトの命も奪う事がある。
 日本でも、これが由来と考えられている“ウバメトリ”という妖怪が茨城県などで伝えられている。
白沢
 はくたく→誤字。 正しくは白澤(注:読みは同じ)。 人語を解し、万物に精通する聖獣で、古来から魔除けと信じられており、これに遭遇するとその家は子々孫々まで繁栄すると言われている。 中国の妖怪だが、日本でも日光東照宮拝殿の将軍着座の間の杉戸に白澤の絵が描かれているほど、広く崇拝されていた経緯が窺える。
所作
 しょさ
喩え
 たとえ
蠱物
 まじもの→魔力を持ったモノ、呪い、人心を惑わすモノの総称で、神道では国つ罪(注:神道におけるヒトの罪を定義したモノ。 現在の傷害罪や近親相姦なども含まれるが、呪いによる病気や災害など、現在の法律では立件不可能なため罪にはならないモノも含まれる。 コレに対し、スサノオノミコトが犯した罪を天つ罪と呼ぶ)において、“畜仆し(けものたおし)”という蠱物を禁じる定義がある。

 さん
耽って
 ふけって

 よわい→当て字で“とし”と読んでも良い
四月の生まれ
 真言の誕生日。 ただし、4/1ではないのでいわゆる“早生まれ”ではない。 早生まれは、誕生日が1/1~4/1までになっている事を指す語。
『猫の女神』
 バステトの事かな? 古代エジプトの猫の女神で、猫の気紛れな正確から恋と音楽の神とされていた。 それと同時に、攻撃性、獰猛さを表したり、それとは対照的に家や子供たちの守り手、母性を表す神でもある。
 ちなみに、かつては猫を飼い慣らしたのは古代エジプト人が最初とされていたが、2004年に約9700年前にキプロス島で猫が飼われていた痕跡が発見された(注:墓に埋葬された猫の化石が発掘された)という新説が発表され、現在は最古ではないと考えられている。
 ちなみにちなみに、犬はこれよりももっと古く、飼い犬の歴史は原始時代(!)にまで遡る事が出来るとか。
『魔女の猫』
 魔女の猫と言えば、『魔女の宅急便』を例に持ち出すまでもなく黒猫が相場だが、この場合はギロック(注:ウィリアム・L・ギロック。 アメリカの音楽教師で作曲家。 音楽教育のための小曲を多数作曲し、その美しいメロディから“教育音楽作曲界のシューベルト”と呼ばれた。 1917~1993年)の叙情小曲、『魔女の猫(A Witch's Cat)』の事かと思われる。 演奏時間1分程度の至極短いピアノ曲。
『猫鬼』
 びょうき→中国での猫又の別名。 他に、金花猫という名もある。
魔猫
 よく分からないが、化け猫や猫又と同義で用いられている造語かと思われる。
努々
 ゆめゆめ
三毛猫の雄
 猫の体毛色(被毛)を決定する遺伝子の内、茶色を決定する遺伝子は性染色体のX染色体のみに存在し、茶色の被毛を持つ三毛猫の個体は全てメスである。 ただし、極希に染色体の異常でオスの三毛猫が生まれる事がある。 逆に言えば、三毛猫のオスは全て染色体異常である。
欄干
 らんかん
夕餉
 ゆうげ
幾分
 いくぶん
深淵
 しんえん→用法間違い。 本来は比喩的に用いる。 “両者には深淵が横たわる”など。 この場合は、“深遠”の方を用いるのが適当。
諸々
 もろもろ
今宵
 こよい
シーンシフト
 scene sift→場面転換の意味で用いたのだろうが、恐らく英語にはない熟語だと思う。本来は、“scene change(シーン・チェンジ)”だと思う。
筆舌
 ひつぜつ
悶絶
 もんぜつ
相殺
 そうさい


15:三春者をみはるもの

語り手:真言
日付:4/6(木)
PT:19:44

 前節の翌日。
 ココから門王水とは別行動を命じられた真言は、ダメモト承知で三春家を訪れる。
 しかし、そこにいたのはある意外な人物だった。
 真言と貴奴の“再会”シーンだが、貴奴の“正体”を理解していると、二人の会話が噛み合っているようで微妙に噛み合っていない事に気付くと思う。
 この“謎”は、物語りの終盤まで極めて重要なポイントになっている。
 後半の混浴イベントは、(色んなイミで)タップリとお楽しみ下さいませませ。(笑)


・解説

レンタカー屋もない
 そんなコトはない。 田舎でもレンタカー屋ぐらいある。 次章にはシッカリ登場する。 ちゃんと見つけられなかったか、あるいは構成変更などに伴うミス。
二つ下の女の子
 真言の記憶のそれは冬夏。 当時貴奴は、飽くまでも男としての音だった。 ココでの真言と貴奴の会話は噛み合っているように見えるが、お互いの前提が異なっており、実は微妙に噛み合っていない。 貴奴は真言の事を指して“2コ上のおにいちゃん”と言っているが、自身が真言の考えている“二つ下の女の子”だとは言っていない。
自動販売機小屋
 前半部では重要なロケーションとして何度も登場するが、背景画は実は駅前の背景画と同じ場所。
わたしも一緒に行く
 ココで、貴奴が同行を要求しているが、貴奴が=音である事を考えると、“喰い”たかったのかもしれない。 詳細は後述。
携帯オンリーと据え置き契約
 一人暮らしの若者には多いらしい。 しかし、個人的には据え置きがないとネット環境が脆弱になるので必要性を禁じえない。
食べられるものなら食べたいくらいさっっ!!!
 音覚醒!?(笑)
ある有名詩人の詩集
 別に細かく設定する必要のない要素ではあるが、萩原朔太郎を想定していると思われる。
ソンナコトハナイデスヨ?
 大事な大事な呼び水たる月の雫ですからネ!
身体が反応
 無意識のモノですからネ!


・漢字/英語/用語

好事家
 こうじか
閲覧
 えつらん→間違いではないが、“拝見”の方が適当なのでは?
お伺い
 おうかがい
取り柄
 とりえ
献上
 けんじょう
逗留
 とうりゅう
有難味
 ありがたみ→間違いではないが、“有り難味”と表記する方が一般的。
偽薬
 ぎやく→実際には薬効がなくても効いたような気がする、あるいは症状が改善する事。 いわゆる“プラシーボ効果”。
喪中
 もちゅう
憚れる
 はばかられる→送り仮名間違い。 本来は、“憚られる”と表記する。
焼香
 しょうこう
装って
 よそおって
廻って
 まわって→常用外。 “回って”と表記するのが一般的。
繁華
 はんか
寂れた
 さびれた
散村
 さんそん
白壁
 しらかべ→“しろかべ”と読んではいけない。 日本家屋では、真っ白な漆喰塗りの壁は非常に高価で、金持ちの家にしかなかった。 逆に言えば、白壁がある家は(少なくともかつては)結構な金持ちなワケだ。

 ほこら
虚偽
 きょぎ
誤魔化す
 ごまかす
長久診療所
 ちょうきゅうしんりょうじょ→永久家が経営する診療所。 音によって院長である永久家の当主が殺され、卑尊が急遽帰郷して診療所を引き継ぐ。 貴奴のバイト先で、斡旋したのは道具である。
擬音
 ぎおん
感慨
 かんがい
美辞麗句
 びじれいく
不遜
 ふそん→初対面の人間に対してナンと失礼極まりないっ!
余所
 よそ→“他所”でも可。
卑尊
 ひみこ→永久卑尊の事。
堪能
 たんのう
一気呵成
 いっきかせい
尽力
 じんりょく
空々しさ
 そらぞらしさ

 やから
身許
 みもと
一遍
 いっぺん
土産
 みやげ
嘉多里辺茶屋
 かたりべちゃや→綾目家が経営する土産物屋兼語り部屋(?)兼お食事処。
カクセイイデン
 隔世遺伝→世代を飛び越えて気質や体質、身体的特徴が遺伝する事。
邦人
 ほうじん→日本人の事。
外つ國
 そとつくに→海外、外国の意。
アルビノ
 ハイポメラノシスともいう。 色素欠乏症の事で、先天性遺伝子疾患の一種で、皮膚や髪、眼球などのメラニン色素が欠如している事。 年齢に関係なく、髪や眼球が白くなっている。
 ただし、肌は文字通りの透き通る肌”で、筋肉が透けて見えるので、白よりはピンクに近い肌色に見える。 日に焼けると真っ赤になるそうだ。
腫れ物
 はれもの
憤慨
 ふんがい
八重歯
 やえば→萌え用語では“キバ”と呼ぶ。
瞬き
 まばたき
因習
 いんしゅう
大炸裂
 だいさくれつ
突っ慳貪
 つっけんどん
煩悶
 はんもん
古老
 ころう
ベリナイス
 very nice→通常は“ベリーナイス”と表記するのが一般的。
世襲
 せしゅう
仁王立ち
 におうだち



 といったトコロで、今週はココまで。
 楽しんで頂けましたか?
 ご意見ご感想、ご質問等があればコメにどうぞ。
 来週もお楽しみに!
 それでは皆さんまた来週。
 お相手は、asayanことasami hiroakiでした。
 SeeYa!(・ω・)ノシ



LunaちゃんのMODコレ!


ベスト装備!


HM2

 韓国在住のクリエーターによるシリーズ第2弾。 前作がノンクエストMODだったのに対し、今回はクエストMODになっているので攻略ダンジョンを探す手間がないのでラク。
 このMODのベスト1。 ご覧の通り超かぁいいドレス♪ 服ではなくちゃんとした軽装装備なので、防御力は低いが装備として意味のあるモノ。 複数の魔法耐性がエンチャントされている。 オススメです。



Thanks for youre reading,
See you next week!

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243.書と猫と、少女たちの遊戯に祝福あれ:Lu=Re1章①

2013年04月14日 | 書と猫と、少女たちの遊戯に祝福あれ

-"Sight of OMEGA" Ultimate Analyse #02-


 皆さんおはこんばんちわ!
 asayanことasami hiroakiでっす!(・ω・)ノ
 朝晩の冷え込みが厳しい毎日が続いております。 皆さまいかがお過ごしでしょうか?
 昼間の日差しは間違いなく春そのモノなんですが、夜がとにかく寒いです。 まるで冬に逆戻りしたかのよう。
 こーゆーのを“花冷え”ってゆーんだろうけど、服装の選択に困っちゃいますよね。 朝の出勤時は冬服で、昼間は春モノ。 コートとかが邪魔になってしょうがないって方も多いかと思います。
 ちなみに、僕は昼間も寒いです。
 ウチの部屋、南からの日差しが皆無なんで。(´・ω・`)
 いずれにしても、寒暖が激しく風邪をひき易いので、皆さまどうぞお気をつけ下さいませませ。


 それはそうと、13日の朝に起きた地震、関西では結構大きな被害になったようです。
 筆者の在住地域では、「ん? 今揺れたか?」程度のモノでしたが、兵庫県の淡路市では、建物が一部倒壊するほどだったようです。
 1.17から18年。 3.11の記憶も生々しいというのに……。
 被害に遭われた皆さまの、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。



<今週の特集>

 今週の特集は、『アルティメット・アナライズ』シリーズ第4弾、同人ヴィジュアルノベル『Omegaの視界』の徹底解説連載、第2回です。
 今回から、『Omegaの視界』の本編全編をオープニングからエンディングまで余すトコロ無く解説する“Lunatic=Replay”が始まります。
 とにかく長いですが、最後までお付き合い頂けたら幸いです。

※注:解説内の“PT”は、“Play Time(プレイ・タイム)”の略です。 吉里吉里/KAGの自動再生機能を使って計測しましたが、飽くまでも参考です。 予めご了承下さい。


第1章:シキのハジマリ

総節数:40節
総PT:4:34:22


01.猫と少女

語り手:冬夏/のぎか
日付:―
PT:02:26

 本作のオープニングを飾るのは、三春家の資質者で二相ミハルの継承者、冬夏が自らの眼を抉った直後という状況のシーン。
 イキナリ体験版未収録の未公開シーンからのスタートである。
 語り手が明記されていないので初見では分からないかもしれないが、このシーンからも分かる通り冬夏は八相七家と自身を縛り付けている掟や因習を嫌っており、その呪縛から逃れたい、開放されたいと考えている。 そこで、自らの眼を抉って魔眼質を捨てようとした。
 が、実際にはナガヒサやキサムラ代替によって修復可能なので、この冬夏の抵抗は極めてささやかなモノでしかない。
 本人もそれを分かっているし、コストばかりで上がりの少ない、ハイコスト・ローリターンな行為でしかない。
 しかし、こうして意思表示する事が重要なのであって、それは取りも直さず“眼を抉る”という極めて強烈なインパクトを有する行為だからこそ意味があると言える。
 もちろん、これ以降の展開からも分かる通り、実際には全く意味がなかったのだが、飽くまでもそれは結果論だと筆者は考える。
 人に話しを聞いてほしかったら、肩を叩く程度ではダメなのだ。 ハンマーで殴れば、人は本気で話しを聞くようになるのだ。


・解説

今度の祭儀にはあのお方が
 ココではミリアムの事を指す。
外部刺激受容器官の因、脳髄の外界情報処理の果
 外部刺激受容器官も外界情報処理も造語だが、いずれも脳そのモノ、及び脳が処理する事を指している。 外部刺激受容器官に入力された外部刺激、あるいは情報が因、すなわち原因となり、外界情報処理された果、すなわち結果として出力される。 原因と結果。 因果律。
二相の紙。二相の神。二相の猫
 いずれもミハルの事。
三相
 ナガヒサの事。
四相
 キサムラの事
シュ
 種。 三春を含めた八相の種。 アリスの血統、血脈の事。
バク
 縛。 その身を縛るモノ、という意味での宿命の事。
馬鹿げた因習で殺められた私たちの兄等
 これは詳細な設定、及び背景が未公開、及び描かれていないので詳しくは分からないが、八相に生まれた男子は往々にしてGWとなる可能性が高いため、八相には“男児は生まれたら間引くべし”という掟があるようだ。 詳しくは3章45節にて。
かみのねこ
 紙(神)の猫。 CATの事。
ミ・コネカヤナサンコネキャラナサ・ワ
 早速みゃんみゃん語の登場。(笑) 後のシーンでも記述があるが、徒労に終わるだけなので解読、翻訳は諦めた方が無難。 筆者は最初から諦めている。 これは、飽くまでも“それっぽい雰囲気”を構成するための要素に過ぎないのだ。
ミハル
 CATのPhese:2。 二相ミハルの事。
あの頃逢った、あの少年
 ココでは真言の事を指す。


・漢字/英語/用語

抉る
 えぐる
忌まわしい
 いまわしい
只管
 ひたすら
喪わせて
 そうわせて→常用外。 本来は沿わせて、あるいは副わせてと表記するのが一般的。
誤謬
 ごびゅう→誤り、間違いの意。
仮令
 たとえ→常用外。
識って
 しって→知ってと同義の造語。 認識、識別を強調した語。 筆者もよく使うが、いずれも原典は奈須きのこ作品。
見立て
 みたて→見て選び定める事、選定、鑑定。 見送り、送別の意もある。
認識能
 にんしきのう→能には“よく物事をなし得る力”という意味があり、それを認識する事、あるいは認識する能力が高い事を意味する造語かと思われる。
魔眼質
 まがんしつ→CATを認識、視覚、及び使役する能力の事。 造語。
眼窩
 がんか→眼球が入る頭蓋骨の穴の意。
快楽
 けらく→かいらくに同じ。

 まぶた
識式は死期色の檻、織と
 シキシキはシキシキのオリ、オリと→本作お得意の韻を踏んだ言葉遊び。
宜しく
 よろしく

 しずく
濁った
 にごった
愈愈
 いよいよ→愈々と表記しても良いが、いずれも常用外。


・伏字

長年●●●●●を平然と、
 ?? なんだろ? イキナリ分からん。(笑)
今はナ……サもまだ
 ナガヒサ
ミ…ハは私から
 ミルハ→ミルハの事を知ってて、なんで宮さんの事は知らないんだろう? ミリアムから話しを聞いただけで、容姿までは分からなかったのかな?
オ……ロはまだ
 オオクロ
ミ●ル
 ミハル
タ●●サ
 タマズサ
ハコの中の●●を視、
 ネコ
確か名前は●●●●●●●、
 いいくぼまこと
キ…ムラの…を応急処置として
 キサムラの紙


02.ゲームを始める y/n

語り手:??
日付:―
PT:00:23

 オープニングフォーマット。
 1章に限らず、似たような構成のシーンは各章の序盤にそれぞれ挿入されており、本作の構成上のフォーマットになっている。
 ヴィジュアル・ノベル『ひぐらしのなく頃に』のオープニングに登場する“6行詩”をイメージしてもらえば、分かり易いかと思われる。
 ただ、イミフな単語や韻を踏んだ言葉遊びの羅列なので、解釈や理解は困難を極める。
 正確に理解するのは諦めて、雰囲気やニュアンス程度が分かればそれで十分なのではないだろうか?
 ちなみに、この節の語り手は不明だが、ノートが書いた(あるいは語った)メモのようなモノなのではないかと思われる。


・解説

とらいの式
 この“とらい”には様々な意味がある。 “渡来”は、外国から海を渡って来る事を指し、この場合は八相の起源であるLu=Leの残党たるミリアムらが、WCLの追撃から逃れ逃れて日本にやってきた事を意味する。 
 英語の“try(トライ)”は、試す、務めるの意で、この場合は試された式、あるいは式を試す、試みるという意味になる。
 また、“tri(トライ)はラテン語で“3”の意で、この後に記述がある三重の事を指している。
 この語は、平仮名表記する事によってこれらの意味を含んでいると思われる。
 ちなみに、コンピュータのプログラム用語には“トライ式”というモノがあるそうだが、この場合は無関係と思われる。
九相詩・九相氏・九相紙
 いずれも読みは同じで“くそうし”、または“きゅうそうし”。 Phese:9、コトハネの事を指す。
三重
 この場合は“みえ”と読む。 十重二十重(とえはたえ)と同じ読み方。 ココでは三重偉大の事を指す。


・漢字/英語/用語

個殺して望むこと
 こころしてのぞむこと→この場合の“個”は個性=感情移入を指し、“個殺して”とは個性を殺す、感情を殺す、機械的にという意味になる。
貸し遣られる
 かしつかわられる→この場合の“遣う”は気を遣う、人形を遣うの意。
偽りこそが器割る虚ろ
 いつわりこそがうつわわるうつろ


03.雫より生まれし波紋

語り手:真言
日付:3/31(金)
PT:07:44

 さて、ようやく本編のオープニングである。
 ドコにでもいそうなごく普通の大学生、飯窪真言は、バイト先の古本屋で日長一日本を読んでいるだけの退屈な仕事中。
 今日も今日とて、古本屋の店長で真言の上司である宮岡門王水と他愛のない話しに花を咲かせるのだが……?


・解説

離れ離れになった双子
 よく言われる事だが、行動、あるいは思考の類似の事。 生き別れになった双子が、同姓同名の女性と結婚し、その子供の名前まで一緒だった、とか。 実際、世界中で様々な事例が報告されている。


・漢字/英語/用語


 しずく→呼び水たる月の雫の事。
乖離
 かいり→そむき離れる事。 ただし、“乖離感”は造語。

 ふもと
寂れ
 さびれ

 ひぐらし
ねこざんまい
 関東圏、都心郊外の山の麓にある古本屋で、真言のバイト先。
 自称“美少女古書肆”で店長の門王水が言うには、飯窪家が管理している書庫がその実態で、本棚に並んでいる本は本来は売ってはいけないモノばかりなのだとか。
 なので、真言のバイトはもっぱら本を読むなどして暇を潰す事である。
 ナント羨ましいバイトなんだ!
寧ろ
 むしろ
悉く
 ことごとく
趣味嗜好
 しゅみしこう
凌駕
 りょうが
於いて
 おいて→常用外。 通常は“措いて”と表記する。
勿論
 もちろん
尋ねても
 たずねても→本来は道や行方を問う時に用いる。 問いただす場合は“訊ねる”。 訪問する場合は“訪ねる”。
殊の外
 ことのほか
飯窪本家
 玄ノ森にある飯窪家の本家。 真言の実家。 すなわち、真言が住んでいる関東圏の飯窪家は、母親である現実が本家を出た事によって出来た分家なワケだが、嫁入りではなく婿取りの形になっているのはなんでだろう? 現実が次女だから? だったらそれこそ嫁入りして、姓が変わるハズなのだが? ……もしかして、夫婦別姓か?
此処
 ここ
外付け書庫
 ココでは真言のバイト先である古本屋、ねこざんまいの事を指すが、この語自体はもちろん造語。 外付けHDDと同じ意味で用いていると思われる。
茫洋
 ぼうよう→海など広々としたさま。 広くて目当てのつかないさま。

 ただ→無料の意。 転じて、その字面から無料の事をスラングで“ロハ”という。
うひひ
 門王水独特の笑い声だが、この記述があるために後の節では時折り語り手が不明瞭になっている。 “セリフによるキャラクターの書き分け”を逆手に取った演出である。
六母屋
 ろくぼや→飯窪本家が経営する玄ノ森の旅館。 現在は、真言の伯母に当る知狡が経営者。 各部屋毎に、部屋番号の変わりに妖怪の名前が用いられており、マニアな人たちには有名な旅館なのだとか。
婿取り
 むことり
書痴
 しょち→本来は本ばかり読んでいる者の事を指す語だが、本来は罵る言葉。
三春家
 玄ノ森にある冬夏の実家。 地元に絶大な影響力を持つ旧家で、八相七家のリーダー的な家系。
 ただし、それは実力などではなく、飽くまでも三春家の祖がLu=Leの生き残りであったドレミリアであるため。 資質者としての実力はむしろ低く、冬夏もそれほど高い資質を持ち合わせていないし、母親であるのぎかに至っては魔眼質そのモノがない。 祖であるドレミリアも、資質者としての能力はそれほど高くなかったという説もある。
蒐集
 しゅうしゅう→何らかの理由で特定の品物を集める事。
結託
 けったく→本来は悪事を働くために申し合わせる事の意。
玄ノ森
 くろのもり→東北地方にある町で、真言の故郷。 温泉郷としても知られており、六母屋も温泉目当ての観光客で賑わっている。
 筆者の個人的な考察だが、玄ノ森のモデルは岩手県にある東野ではないかと思われる。
書蔵守
 しょくらのもり→玄ノ森の旧名。
寄贈
 きぞう
客除け
 きゃくよけ
古書肆
 こしょし→書肆は本屋、書店の意。 すなわち古本屋の意。
遡れる
 さかのぼれる
ゴゴイチ
 本作に登場するカレー屋の名前。
辟易
 へきえき
天無
 本作に登場するラーメン屋の名前。


04:E.O/XY_00(Trial=EX02)

語り手:音
日付:―
PT:00:40

 本作の重要なキャラクターの一人、音によって語られる最初の節である。
 これ以降も、このような形で音によるモノローグ的な節が適宜挿入されるが、終盤まで語り手が不明瞭なまま進行し、ファースト・プレイ時は混乱したユーザーも多い事と思う。
 しかし、コレが音の視点で描かれている事が理解出来れば、内容も自ずから理解出来るようになるハズである。
 本作では、こうした“リプレイによって初めて理解出来る”ようになる節が多々あり、ファースト・プレイ時は何が何だかサッパリ分からなくても、セカンド・プレイ、サード・プレイでようやく理解出来るようになる“仕掛け”が散りばめられている。
 またこの節は、体験版にも収録はされているが、本編プレイ後に出現する隠し要素だった。 書いたモノの、どこに挿入するか判断出来ずにいたのだろう。


・解説

脳が空転
 造語。 正確な意味はともかく、本編の描写から察するに、“本来の主題からズレた思考が止めどなく空回りする事、またその思考状態を指す語”、と定義出来ると思う。


・漢字/英語/用語

E.O
 ? 分からん。 何の略だろう? 『エネミー・ゼロ』?(笑)
XY
 雄性染色体の事。
約款
 やっかん→法令、条約、契約などに定められた条項の事。 特に契約についていう。
些事
 さじ→ささいな事柄の意。
顕現
 けんげん→ハッキリと現れる事。


05:シシャキタル

語り手:真言
日付:3/31(金)
PT:09:21

 3節の続き。
 出かけようとした真言と門王水の前に姿を現したのは、雨宮かれおと名乗る女性であった。 彼女がもたらした情報により、“遊戯”がいよいよ開始される。


・解説

十数年
 後に、ミルハは「言葉のアヤ」と言うが、その通りである。 かれおはまだWCLに加入して間もない、言わば新人で、AAも受けていないので。


・漢字/英語/用語

店長
 ココではミルハの事を指す。 かれおは“ミぃー店長”と呼んでいる。
店仕舞
 みせじまい
WC
 だぶりゅーしー→water closetの略。 水洗便所の意だが、現代英語では死語。 いわゆるユニット式バスルームが一般的な欧米では、トイレの事も“バスルーム”と言う。
 ただし、ココではトイレの意ではなく、かれおの真名を指す。 かれおは真言がいる事を知らず、自身の真名である“WC_SC:KaleidoScope”を名乗ろうとした。
 ちなみに、日本で一般的に用いられている“トイレ”は、正確には便器の意。
テンプレ
 テンプレートの略。
フェイスペイント
 顔にインクやマーカーで模様や図形を描くファッション。 現在は、専用のペイントカラーがあるらしい。
 サッカーなどのスポーツで、ファンが国旗などを顔にペイントするのが流行り、現在は日本でも一般的になった。
タトゥー
 tatoo→イレズミの事。
 欧米では、ファッションの一部と見なされており一般的だが、日本では長い間ヤクザの代名詞的に扱われていたため、ファッションとして認知されてきたのは近年、90年代後半以降の事。
 しかし、今でも偏見は根強い。
 ちなみに、日本におけるイレズミの歴史は驚くほど古く、最古の記録は『魏志倭人伝』(!)なのだそうだ。
似非
 えせ→似て非なるもの、にせもの、まやかしの意。
ステロタイプ
 sterotype→ステレオ・タイプの略。 本来は“鉛板”の意だが、紋切り方、常套的な形式=決まり切った型を指す語。
 作り物という意味では正しいが、かれおを指す語としては適当ではないように思われる。
所為
 せい
妙齢
 みょうれい→うら若い年頃の意。 “妙”は少女の事を指す。
咄嗟
 とっさ
呆れる
 あきれる
駄目
 だめ
ご無沙汰
 ごぶさた
只今
 ただいま
プリーズヘルプミー!
 prease help me!→お願い私を助けて! 最早意味不明である。(笑)
伺った
 うかがった→“話しを聞く”の場合はこの表記。 様子を見る場合は“窺った”と表記する。
奢って
 おごって→“お金を出してもらう”の場合はこの表記。 思い上がるの意味の場合は“驕って”と表記する。
よしなに
 よろしくの意。
撰集
 せんしゅう→通常は選集と表記。
憚られた
 はばかられた
殆ど
 ほとんど
判らなかった
 わからなかった→常用外、通常は分からなかった。
叱られます
 しかられます
範疇
 はんちゅう
且つ
 かつ
以て
 もって→送り仮名間違い。 本来は“以って”と表記するのが正しい。
ノープレ
 ?? 恐らくミス。 “ノープロブレム”は“ノープロ”と略すのが一般的。
侮れない
 あなどれない
頷いた
 うなづいた
杉屋
 本作に登場する飲食店の店名。 まあ、“松屋”の文字りでしょうね。
臀部
 でんぶ→お尻の事。
斯くも
 かくも
オンタマ
 ?? 温玉? ゆで卵? 外食とかほとんどしないから、こーゆーコトには疎いんだ筆者は。

 よわい→年齢
稀覯本
 きこうぼん→希少本と同義。 通常は“覯”を省略して“稀本”、あるいは“稀書”と表記する。
貰って
 もらって
憂鬱
 ゆううつ
煎れる
 いれる→主にお茶の場合はこの表記を用いる。 コーヒーの場合は、“淹れる”とも表記する。


・伏字

シシャキタル
 普通に考えれば“使者来たる”だが、“死者来たる”、あるいは“試射奇たる”とかでも面白いかも。(笑)


06:呼び水

語り手:真言
日付:3/31(金)
PT:09:13

 ナゼか節を区切って前節の続き。 こういう構成も、本作では度々観られるが、一種のフォーマットとして受け入れるのが一番理解し易いだろう。
 それはともかく、かれおがもたらした情報により、門王水は真言の生まれ故郷たる東北の田舎町、玄ノ森に行かなくてならなくなり、真言も強引に同行する事になる。
 この節での描写で分かる通り、真言には自主性がなく、自身で自身の行動を決められない。 必ず誰かに意見を伺い、そしてそれに従う。
 この“自主性の欠如”が、しかしこの後少しずつ変化していく。
 また、この節の最後にオープニング・ムービーが挿入されるが、特に特記事項もなく、またテクストもそのほとんどがこの後の節でも出てくる語ばかりなので、解説は割愛させて頂く。
 ただ、面白いのが本編と様々な点で“相違点”がある事だ。
 例えば、門王水の髪の色。 姿形、服装まで本編の門王水と全く同じだが、髪の色だけが決定的に異なる。 瞳の色も、より赤みの強い色調になっている。
 あえてネタバレしてしまうが、これは門王水ではなく別人だからだ。
 このOPに登場しているのは、ミルハではなくその双子の兄、カルロサなのである。 ずいぶん先のハナシになるが、4章の最後に出てくるイベントカットからもそれが分かる。
 しかし、服装まで同じにしてしまったのはどういうワケなのだろう? プリーツのマイクロミニて……。(笑) いくらなんでもやり過ぎなのでは?
 また、ミハルを従えている冬夏のカットも、本編とは髪型や眼の状態が異なる。 これは、本来は3章の終盤で連れ戻された冬夏としての姿であり、それまではこのOPでも最後に出てくる群像ショットにあるようにロング(注:ただし、群像ショットでも眼帯がない)なのだが、ムービー製作時はショートカットで眼帯無しの設定、あるいはそうなった後のシーンだったのが、設定が変更になってこのような本編と食い違う映像になったのではないかと思われる。
 もう一つ、メインタイトルに“1:シキのはじまり”の文字が入っているが、これは明らかにミスである。 この表記があるために、これ以降の章ではこのOPが使えず、別のムービーやOP無しの構成になった。
 ただ、技術的な事を言えば、結構カンタンに差し替えられるハズである。 メインタイトルを含むショットだけを差し替えればいいので。
 動画の作成に使用しているソフトは不明だが、動画完成後も動画編集ソフトで差し替えは可能である。
 その分手間がかかるのは確かだが、やるべきだったと思う。


・解説

未来の嫁
 真言はサラッとスルーしてしまうが、これが現実の意図である。
 本作は、言わば真言をターゲットにした“ドッキリ”である。 真言以外の登場人物は全てドッキリの仕掛け人で、真言だけが真実を知らない。 それが、この作品の面白さであり、ストーリーの要になっているのは確かだが、そのためにこのような重要な情報もスルーされてしまい、分かり難くなってしまっているのも確かだ。
 現実は、真言が黒のイツワである事を知っているが、同時に自分の腹を痛めた我が子であり、たとえWCLのためでも簡単には割り切れない。 そこで、真言がミルハとくっ付いてしまえば万事解決する、と考えている。
 やや強引な論法ではあるが、真言という存在が消滅しないための選択肢の一つではある。


・漢字/英語/用語

呼び水
 呼び水たる月の雫→真言の事。
月狂跳
 げっきょうちょう→ある特定の資料群の事をこう呼んでいる、という説明だが、これは本来Lu=Leを指す語であり、現在八相が所有しているCATの事である。
誤魔化し
 ごまかし
所謂
 いわゆる
紙様
 かみさま→封紙の意。 CATの事。
逝って
 いって
九抱山
 くだきさん→玄森神社がある山。
伊達
 だて
開陳
 かいちん→用法間違い。 本来は、意見などを申し述べる事の意。 申し開き。 非公開のモノを一般公開する事の意は“開帳”。
罷り通る
 まかりとおる
眷属
 けんぞく→一族、親族、あるいは腹心。
是非
 ぜひ
書き入れ時
 かきいれどき→帳簿の記入に忙しい時、という意味で最も利益が出る時の意。 ただし、通常は“書入時”と送り仮名を省略して表記する。
籠絡
 ろうらく→通常は“篭絡”と表記するのが一般的。
モラトリアム
 あるいはモラトリウム(moratorium)→人間が成長してなお社会的義務の遂行を猶予される期間、青年期の意。
 本来は、債務者の破綻が経済界に大打撃を与える事が予測される場合に、緊急措置的に一定期間、債務の履行を延期する法令措置の事で、支払い猶予、あるいは支払い延期の意。
 また、差し当たり実施を中止する意味で用いられる事もあり、主に核実験の一方的な停止や原子力発電所の設置禁止措置の意もあり、原発モラトリアムという語もある。
喧々囂々
 けんけんごうごう→たくさんの人が口々にやかましく騒ぎ立てる様子。
侃々諤々
 かんかんがくがく→剛直で意見を曲げない事。 遠慮なく議論する事の意。 通常は“侃諤”と略すのが一般的。
悠然
 ゆうぜん
世知辛い
 せちがらい

 しゃく
留意
 りゅうい
縁故
 えんこ
安寧
 あんねい


07:しろおにしろうるり(Trial=EX01)

語り手:ミルハ/かれお
日付:―
PT:02:30

 ミルハとかれおの密談シーン。
 このシーンは、05節の車中での会話と思われるが、それにしては結構込み入った話しをしており、真言が同席している場での会話としてはやや不適切に感じる。
 もっとも、会話の内容自体はたとえ真言に聞かれたとしても真言には何の事だかサッパリなので、問題無いと言えば問題無いのだが。(笑)
 ちなみに、この節は04節と同じく、体験版では本編鑑賞後の隠し要素として出現する3節の内の一つである。


・解説

兄様
 ココではカルロサの事を指す。
LuLeの赤の女王
 ミリアムの事。
白様
 ココではミルハの事を指す。
偽りの黒
 黒のイツワ=真言の事。


・漢字/英語/用語

滑稽
 こっけい
封紙
 ふうし→CATの事。
所以
 ゆえん
プロット
 plot→筋書き、構想の意。
呼び水
 呼び水たる月の雫の事。
狩り
 遊戯の事。
WCL
 White Cat Library(ホワイト・キャット・ライブラリー)の略。 直訳すると、“白猫の書庫”、あるいは“白猫図書館”。 なんだか、猫の爪磨ぎで蔵書が大変なコトになってそうな図書館である。(笑)
Caven
 カヴン→魔女の団体の事。 通常は13人構成なんだそうな。
 ただし、近代魔女術(ウィッカ)においては、人数に関係なく魔女の団体全般を指す語として用いられる事が多いようだ。
 ココでは、Ender(エンダー)と同じく四重奏団などのWCLにおける実戦闘要員を排出する機関の事を指す。
駄々を捏ねて
 だだをこねて
無為
 むい
煩そう
 うるさそう
侍らす
 じらす→常用外。 通常は“焦らす”と表記する。
或いは
 るいは
Deus ex machina
 デウス・エクス・マキーナ→ギリシャ神話に登場する機械仕掛けの神様の事で、神話のラストにひょっこり登場し、世界を勝手に終わらせてしまう。 本作のみならず、様々なフィクション作品でもこれに類似する存在が登場しており、映画『マトリックス・レボリューションズ』の終盤に登場する機械都市の支配者や、アニメ映画『新世紀エヴァンゲリオン』の旧劇場版では、綾波レイがこれに相当する存在として世界を終わらせる描写がある。
 元々は、古代ローマ時代の舞台演劇において、舞台の幕引きをドンチャン騒ぎで終わらせる舞台装置の事で、これが後世になって神格化され、ギリシャ神話に組み込まれた。
 昔の『8時だよ!全員集合』をイメージすると分かり易いかも。
三重偉大
 みえいだい→本来は古代ギリシャの錬金術師、ヘルメス・トリスメギストスの事だが、ココでは文字通り、三重に偉大な存在の事を指し、本作では“魔眼の刺し手”で“イーハ(黒のイツワ)”で“呼び水たる月の雫”がこれに当る。
 真言の事である。
十二の悲劇
 福音光輝十二の悲劇の事。
 WCLに伝わる神話、伝説、歴史の類をまとめた“外典”と呼ばれる書物の中で、4人の男女が織り成す恋愛冒険活劇的な書を“福音光輝十二(ふくいんこうきじゅうに)”といい、その内容から生まれた言い回し、慣用句。
 ただし、その由来となった外典の内容そのモノが設定未公開のため、その真意までは不明。

 くに→常用外。 通常は“国”と表記する。
つぇろる
 ツェロル→ガロー・ツェロ・ルーの事。 本作には登場しないが、行方不明のままだが生存しているらしい。

 さじ→スプーンの事。


08:シンカンセン/寝観戦

語り手:真言
日付:4/5(水)
PT:09:03

 都心から新幹線で玄ノ森方面に向かう真言と門王水。
 ただの移動シーンなので、物語りの進展にはあまり関係ない。
 節題通り、真言と門王水の“寝観戦”をお楽しみ下さい。(笑)
 ちなみに、このシーンは内容そのモノは体験版から変更は無いが、行送り(注:特にこの節の冒頭部分)が細かくなった事で読み易くなっている。


・解説

 ※特記事項無し。


・漢字/英語/用語

寝観戦
 しんかんせん→“新幹線”の文字り。 言い得て妙である。(笑)
御陰
 おかげ
弄られた
 いじられた
気概
 きがい
委ねる
 ゆだねる
悪戯
 いたずら
疎い
 うとい
秘事
 ひじ
賑わう
 にぎわう

 まむし
蠢く
 うごめく
尤も
 もっとも

 あめ
ハッカ
 ミントの事。
 シソ科ハッカ属の多年草の総称で、その昔“サクマドロップ(注:アニメ映画『ほたるの墓』に登場する缶入りのキャンディー)”では“ハズレ”だった。
アナクロ
 アナクロニズム(anachronism)の略。 時代錯誤、時世に逆行している事の意。
口許
 くちもと

 よだれ
咄嗟
 とっさ
囁いた
 ささやいた
見繕い
 みづくろい
居住まい
 いずまい→座っている姿勢の事。 立っている時は、“佇まい(たたずまい)”と表記する。
呟き
 つぶやき
有耶無耶
 うやむや


09:REDQUEEN(Non Trial)

語り手:ミリアム
日付:―
PT:00:40

 ミリアムによる独演シーン。
 WCL、特にカルロサやミルハに対するミリアムの恨み辛みが語られるが、その背景となっている大封、及びそれ以降の本作に至るまでが設定未公開のため、正直理解は出来ない。
 これも、本作を難解にしている要素の一つである。
 なお、この節は体験版未収録の追加シーン。


・解説

みいろのみとろ
 ?? 何だろう? 三色の身盗ろ?
White Cat's-
 ホワイト・キャッツ→白猫の、の意。
White Corpuscle
 ホワイト・コープスクル→白血球の意。
anti-Alice
 アンチ‐アリス→造語だが、非アリスの意。 WCLを指す異称。
ツキノモノ
 月の者=月狂跳=CATの事を指す造語。 スラングで、女性の月経(生理)の意もある。


・漢字/英語/用語

REDQUEEN
 レッドクイーン→赤の女王の意。 ルイス・キャロルの不朽の名作、小説『鏡の国のアリス』に登場するチェスのクイーンの事。 通常、チェスというと白と黒だが、キャロルは白と赤のチェス盤を用いた。
 ちなみに、「首を刎ねておしまい!」で有名なのは、同じくキャロルのシリーズ1作目、『不思議の国のアリス』に登場するハートの女王という異なるキャラクターである。 ハートの女王も赤いので、フィクション作品での引用の際によく間違えられる。 2000年(注:日本では2001年)にリリースされたEAのPCゲーム、『アリス・イン・ナイトメア』でも、ラスボスはレッドクイーンだが「首を刎ねておしまい」というセリフがある。 本作でも、ミリアムのCATであるベロアが断罪のための断頭台として描かれており、やはり間違えている。

 もう→①:目が見えないこ事。 目の見えない人。 「―目」、「―点」、「―人」。 ②:無学で字の読めない事。 また、その人。 「文―」。 ③:正しい識別・判断が出来ない事。 「―愛」、「―信」、「―従」。 以上『広辞苑』より転載。

 かさ→積み重なったモノの高さ、大きさの事。 また、一般に一まとまりのモノの分量の事。 または相手を威圧する勢い、重みの意。

 がい→損なう事、妨げの意。
極大極微
 きょくだいきょくび→“極大”は、いわゆる世界の終末的な天変地異の事で、“極微”はウィルスなどによるのいわゆるパンデミックの事や、戦争の事を指す。 世界の終わりの意。
供される
 きょうされる→そなえる、差し出す、役に立つようにする事の意。
饗される
 きょうされる→ご馳走してもてなす、ふるまう事の意。
ヴァイァラス
 virus→通常はウィルス、あるいはヴァイラスと表記するのが一般的。
カンサー
 あるいはキャンサー(cancer)→悪性腫瘍=癌の事。
敢えて
 あえて
冠しよう
 かんしよう→冠をかぶせる、あるいは(自動詞的に)冠をかぶる事を指す。 転じて元服する事の意。
巡る
 めぐる
廻る
 まわる
パラミアキス
 始祖アリスがナルデアナ・ドルミナの力を借りて最初に呼び降ろした原初のCATの事。 ココから萌芽、あるいは新たに呼び降ろされ、様々なCATが存在する事になった。
 始祖アリスが『不思議の国のアリス』をモデルにしていると考えると、パラミアキスはあるいはチェシャ猫か?
 ……もしくはダイナ?(笑)(注:ダイナは『不思議の国のアリス』に登場する黒猫で、現実世界のアリスが飼っている猫。 ネズミ捕りが得意。 前出のPCゲーム『アリス・イン・ナイトメア』では、ダイナがランプを倒したせいで家が大火事になり、アリスの家族はアリスだけを残して全員死んでしまう、というオープニングムービーになっている)
八人姉妹
 WEの事。
賜り
 たまわり
伏して
 ふして



 といったトコロで、今週はココまで。
 楽しんで頂けましたか?
 ご意見ご感想、ご質問等があればコメにどうぞ。
 来週もお楽しみに!
 それでは皆さんまた来週。
 お相手は、asayanことasami hiroakiでした。
 SeeYa!(・ω・)ノシ



LunaちゃんのMODコレ!


巫女巫女霊夢ぅ♪


HM2

 韓国在住のクリエーターによるシリーズ第2弾。 前作がノンクエストMODだったのに対し、今回はクエストMODになっているので攻略ダンジョンを探す手間がないのでラク。
 お待たせしました。(笑) 神殿やダンジョンの巫女さんたちが着ていた巫女服も、このようにゲット可能。 ただし、軽装で性能はあまり良くない。 エンチャントベースとして用いるのが適当か?



Thanks for youre reading,
See you next week!

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242.書と猫と、少女たちの遊戯に祝福あれ:序章

2013年04月07日 | 書と猫と、少女たちの遊戯に祝福あれ

-"Sight of OMEGA" Ultimate Analyse #01-


 皆さんおはこんばんちわ!
 asayanことasami hiroakiでっす!(・ω・)ノ
 春うらら、隣はなにを、するヒトぞ。
 ホント、お隣さんはナニやってるんでしょうねぇ~? 来月予定されている日中韓の3ヵ国会談を、中国が拒否してるそうな。 しかも、その理由が“現在の日中関係の悪化”。
 ナニ言ってんだい! 悪化させたのはアンタの方だろ!
 とりあえず、話し合いの場には出ようよ。 言いたい事あるなら、その場でぶちまけようよ。
 つか、キタもまたミサイル撃とうとしてるし。
 困ったもんだ。



<今週の特集>

 さて、皆さま大変お待たせしました。
 以前からずーーーーっと!お待たせしていた“新連載”、今週からいよいよスタートです!(`・ω・´)/
 今回取り上げる作品は、以前当ブログでも紹介した同人ヴィジュアルノベル、サークルねこバナナの『Omegaの視界』です!
 あの時は、“いずれ詳しく”で済ませてしまいましたが、完結から既に2年が経過し、そろそろ頃合い……ってゆーか、もう既に続編シリーズが始まってしまってもう手遅れ感すらありますが(笑)、ともかく僕自身がスゴくハマった作品なので、『アルティメット・アナライズ』シリーズの第4弾として、この作品を取り上げる事にしました。
 これから長い付き合いになると思いますが、最後までお付き合い頂けたら幸いです。


序章

 “アノマリー”という言葉がある。
 サンスクリット語で、“始まりと終わり”を意味する言葉だ。
 一つの終わりは新たな始まりと表裏一体であり、物事はまるで数珠のように連綿と続いていく、という考え方に基づくこの言葉は、なるほど確かに言い得て妙だ。
 例えば学問、例えば仕事。
 例えば家族、人生、そして、命。
 その全てが、終わりと共に新たな始まりとなり、決して絶える事のない連綿と連なる珠である。
 そしてそれは、その対象が同人作品であっても、同じである。
 2006年―。
 同人市場を席巻し、瞬く間にその人気を急上昇させ、爆発的な大ヒットを記録した同人ヴィジュアル・ノベル、『ひぐらしのなく頃に』。 この作品がこの年、第8章に当たる『祭囃し編』をリリースし、完結した。

 昭和53年6月―。
 東京から山間部の寂れた寒村、雛見沢村に越してきた少年、前原圭一は、都会の暮らしとは全く異なる村での生活に戸惑いながらも、同年代の少女たちや村人たちの温かな心遣いと、あくせくしないスローライフな日々に次第に馴染んでいく。
 しかし、この村には隠された“秘密”があった。
 連続怪死事件―。
 毎年6月、村で行われる秘祭、綿流し祭の夜にだけ起こるナゾの人死にと失踪。 祭りが行われる神社に祀られている神になぞられて、通称“オヤシロさまの祟り”と呼ばれるこの連続事件は、既に4年連続で起こっており、この年が5年目に当たるという。
 その事実を知った圭一は、その恐怖から次第に村人たちを、そして仲間たちを疑い始めるのだが……?

 ……と、いうのが、『ひぐらしのなく頃に』の主な内容である。
 原作、脚本は竜騎士07。
 制作は、竜騎士07が主催する同人サークル、07thExpansion。
 開発環境は、高橋直樹の開発によるノベルゲーム専用エンジン、NScripter。
 動作環境は、WindouwsOS。
 ノベルゲームから選択肢分岐の要素を廃止しした“モノシナリオ・モノエンディング”という、同人市場だからこそ許された大胆な体裁を確立したヴィジュアルノベル作品である。
 この作品について詳しく解説しようとすると、それだけで本が丸々一冊書けてしまうほどの長い説明になる(注:ってゆーか書いた。 書いて、既にアップした。 昨年2012年の『ひぐらしのなく頃に』誕生10周年記念として、非公式究極解説『再考:ひぐらしのなく頃に』を“アルティメット・アナライズ:特別編”として筆者二次創作小説作品『Refrain』のアルティメット版にバンドルした。 ただ今MFD‐WEBにて好評公開中!)ので大幅に割愛するが、シリーズが誕生した2002年当初、この作品はしかしあまり注目されない作品でしかなかった。
 原作者の竜騎士07が主催する同人サークル、07thExpansionは、元々同人カードゲームにイラストを提供する程度の活動しかしていなかった。 が、2000年になってこの状況が一変する。 TYPE‐MOONのモンスターヒット作、『月姫』のリリースである。
 この作品に影響を受ける形で、竜騎士07と07thExpansionのクルーはノベルゲームの開発を決意。 『月姫』と同じNScripterを導入し、竜騎士07はシナリオとキャラクター原画を手がけ、悲劇と喜劇の惨劇、『ひぐらしのなく頃に』を制作する。
 しかし、満を持して配布を開始したこの作品は当初、眼の肥えた同人ユーザーにはあまり見向きされなかった。
 選択肢無し。
 ノベルゲームの体裁を採りながら、ゲームとしての機能を完全に排除した“モノシナリオ・モノエンディング”というゲームデザイン。
 これが理解されず、加えて当初のCD‐ROMは手焼き盤の商品単価100円というパッケージングだったため、リリース後にサークルウェブサイトに寄せられた感想の中には、「完成版のリリースは?」というモノまで含まれていた。
 ゲームとして、どころか、完成品としてすら認識してもらえなかったのだ。
 しかし、そんな批評にめげる事なく、竜騎士07と07thExpansionのクルーは制作を続け、シリーズ展開を継続した。
 その結果、作品の中で提示されたナゾと恐怖に注目が集まり始め、ネットを中心に口コミで人気を集めるようになり、2004年にリリースされたシリーズ4作目、『暇潰し編』がコミックマーケットなどのイベントオンリー配布だけでなく、同人アイテムを取り扱う店舗配布も平行して行うようになった事がキッカケとなって一気にブレイク。 爆発的な人気を得るようになり、商業でのコミックス化、ドラマCD化、TVアニメ、コンシューマゲーム、小説版、さらには実写映画にまでなり、気付いてみれば『ひぐらしのなく頃に』は、その先駆的な役割を果たしたTYPE‐MOONの『月姫』をも上回り、“00年代最大のヒット作”というこれ以上にない極めて高い人気と評価を得るまでになった。
 もちろん、その過程においてこの作品が社会に与えた“悪影響”も決して無視してはいけないが、ともかくこの作品によってもたらされた“革命”により、同人市場はそれまでの二次創作中心から同人一次創作中心の市場へとシフトし、ヴィジュアルノベルはもちろんの事、マンガや小説、ゲームや音楽など、あらゆるジャンルで一次創作がその中心となり、同人市場が本来あるべき“同人”という“自由な表現と創作の場”に回帰する事になった。
 この作品がもたらした“革命”は、今もなお、同人市場に多大な影響を与えている。
 実際、筆者もその影響を受けた一人である。 それまでのエロ中心、二次創作中心の同人市場に対し、ある種の偏見を持っていた筆者には、その意味も意義も見出せなかったが、この作品に出会えた幸運により、筆者は偏見を捨て去り、同人市場がクリエーターやアーティストにとっての“自由な表現と創作の場”としての“最後の砦”になっている事を識り、逆にこの市場に大きな希望と期待を抱くようになった。 そして、ついには自分で二次創作小説を書いてウェブで公開するまでになってしまった。
 この作品に受けた影響は、筆者自身でも驚くほど多大なモノである。
 そして、それと同じくこの作品に影響を受け、同人一次創作をリリースする例も極端に増えた。
 特に、ノベルゲームは製作費がかからない代わりに、その体裁を整えるために膨大な作業量を要する非常に手間のかかるゲームジャンルのため、作りたくても作れない潜在クリエーターにとっては、まさにこの作品は“救世主”であった。
 選択肢無しの“モノシナリオ・モノエンディング”。
 ノベルゲームの体裁を採りながら、ゲームとしての機能をゲームの外に置くという、この作品がもたらした“革命”は、“ヴィジュアルノベル”というノベルゲームの派生ジャンルを確立するまでに至った。

「あぁ……、やってもいいんだ……。」

 この“革命”が、手間隙がかかり過ぎるためにもう一歩を踏み出せなかった多くの潜在クリエーターの背中を押し、同人だからこそ許されるヴィジュアルノベルという作品形態の頻作を促した。
 実際、『ひぐらしのなく頃に』がブレイクした2005年以降、同人市場におけるヴィジュアルノベル作品の作品数は急激に増え、今や同人市場における定番ジャンルにまでなっているほどだ。
 それこそが、『ひぐらしのなく頃に』が同人市場に与えた真の“影響”である。
 この作品に、多くの潜在クリエーターが踏み出せなかったもう一歩を踏み出した証拠である。
 そして、そんな“もう一歩”を踏み出した潜在クリエーターの一人が閂夜明であり、彼が主催する同人サークル、ねこバナナからリリースされた本書の主題たるこの作品!
 『Omegaの視界』!!


 時は現代―。
 東京に住む青年、飯窪真言(いいくぼまこと)は、学業と平行して“ねこざんまい”という古本屋で働くごくフツーの大学生である。
 客もなく、日がな一日古本を読んでいるだけで仕事らしい仕事もない古本屋でのバイト。
 古本屋の店主にして真言の上司、宮岡門王水(みやおかかどみ)は、真言の生家である飯窪家に任される形で店主を務めており、真言に支払われているバイト代は、言わば本家からの仕送り代わりだった。
 そんなある日、門王水の部下を名乗る女性、雨山かれおがもたらした情報により、ごくフツーだった真言の生活は、文字通り一変する事になった。
 月狂跳(げっきょうちょう)―。
 それは、飯窪家が代々蒐集しているある特定の事象に関する資料なのだと言う。
 かれおがもたらしたのは、その月狂跳の一部と見られる書であった。
 そして、真言の生まれ故郷である東北地方の小さな町、玄ノ森(くろのもり)で毎年4月の末に行われる秘祭に使われる書の形をした御神体もまた、この月狂跳の一部である可能性があるという。
 これを確かめるべく、真言は門王水の命ずるままに玄ノ森へと十数年ぶりの帰郷を果たすのだった。

しかしてシキはハジマリ、
未開封のハコニハは開け放たれる。
シキ欠けたアキのアイは、
残にして酷なる●ndとなるか?
視界の司会は誰がため?
さすればミヨ、
オワレル シマイのトワの挿話。
さあ、書と猫と、少女たちの遊戯を始めよう。
Omagaの瞳の祝福のあらんことを……。

 ……というのが、本作の主な内容である。
 脚本は、雨村血花。(注:閂の変名。 同一人物。)
 キャラクター原画は閂夜明。
 開発環境は、吉里吉里/KAG。
 動作環境はWindowsOS。
 選択肢無し、モノシナリオ・モノエンディングのヴィジュアルノベル作品だ。
 前記の『ひぐらしのなく頃に』が完結を迎えようとしていた2006年、オープニングから冬夏(注:登場人物の一人で、“とうか”と読む。 詳細は後述)が登場する16節(注:ただし、後の完成版とは構成が異なり節数が違う。 詳細は後述)までを鑑賞出来る体験版、『1.シキのハジマリ』がリリースされたこの作品は、リリース当初から同人ユーザーに注目されていた。
 クリエーターの閂は、元々イラストなどで同人活動をしており、その独特のタッチのヴィジュアルに定評のある作家だった。 そのため、その閂がキャラクター原画を手がけているこの作品にも注目が集まるのは、至極当然の事だった。
 たま、タイミング的な要因もあったのだろう。
 既に記したように、2006年は『ひぐらしのなく頃に』の完結編リリースが目前に控えており、同人ユーザーはもうすぐ終わる『ひぐらしのなく頃に』に代わる“次の作品”を探していた。 誰もが、『ひぐらしのなく頃に』に続く“次の作品”を欲していたのだ。
 結果として、その欲求は『ひぐらしのなく頃に』を手がけた竜騎士07自身の(当時の)新作、『うみねこのなく頃に』や、これと前後して人気を集めるようになったメジャーのアニメ作品によって満たされる事になるのだが、ともかく本作は、多大な期待を持たれていた作品であった事は確かだ。
 事実、筆者もこの作品には大いに期待した。
 某とらのあなで本作の体験版のパッケージを見かけた瞬間、「あ、これは来るな。」と思って即買い。 早速家に帰って鑑賞してみたが、その独特の世界観と個性的な文章、そして何より、閂による完成度の高いヴィジュアルに一気に引き込まれた。
 この作品こそが、『ひぐらしのなく頃に』に続く作品になると確信した。
 実際、この評価は全くの間違いではない。 本作の体験版リリース直後から、ネット上ではすぐに話題になり、最初の完成版である『未開封のハコニハ』がリリースされた2007年頃には、“ポスト『ひぐらしのなく頃に』”とまで評価されるほどだった。
 ……が、その評価は歳月を重ねる毎に、低下し続けた。
 本作の内容を巡って、ネット上には個人ブログを中心に様々な考察サイトが乱立し、Wikiウェアを利用したオンリーWikiサイト(注:フリーウェブ百科事典Wikipediaと同じく、誰でも編纂に参加出来るWiki形式のいわゆる情報まとめサイト。 本作だけでなく、『ひぐらしのなく頃に』や『うみねこのなく頃に』、『月姫』など、人気のあるタイトルは“(作品タイトル) Wiki”で検索すれば大概ヒットする。)も立ち上げられたが、その大半が最後まで続けられる事なく、中途半端なまま更新終了になっている。 オンリーWikiサイトにしても、現在も運営はされているが、ページの編纂は全く進んでいない。
 第1章の『未開封のハコニハ』リリース後に、閂公認の副読本としてリリースされた同人誌も、第2章以降の情報を含む版は一切リリースされていない。
 かつて言われていた“ポスト『ひぐらしのなく頃に』”という好評も、逆に「“ポスト『ひぐらしのなく頃に』”にはなり得ない。」という逆評価になっていった。
 もちろん、本作以上に『うみねこのなく頃に』や、複数のメジャーのアニメ作品の爆発的な大ヒットが背景にあった事は確かだが、一時は“ポスト『ひぐらしのなく頃に』”とまで言われた作品が、ココまで人気が低迷してしまったのはナゼなのだろうか?
 その最大の理由は、結局のトコロこの作品が“難解過ぎた”からだ。
 常用外の漢字を多用し、しかしルビは最小限。
 日常会話では使われないような単語を多用し、しかし意味ドコロか読みも分からない。
 日本語だけでなく、英語やドイツ語を混在させ、韻を踏みまくり、当て字や伏字を多用する独特の文体は、『ひぐらしのなく頃に』はもちろんの事、その先駆的な役割を果たした『月姫』をも凌駕するほどで、普段から活字に慣れている人でも、この作品の読み難さは他の追随を許さない。
 加えて、本作に用いられている独自の世界観がとにかく分かり難い。
 前出の『ひぐらしのなく頃に』や『月姫』でも、それぞれの作品で独自の世界観が用いられているが、両者が本作と決定的に異なるのは、その独自の世界観を作品の中でシッカリと、系統立てて順次説明されている点である。
 例えば、『ひぐらしのなく頃に』における世界観のベーシックを形成している奇病、“雛見沢症候群”や、これを利用しようと陰謀を巡らせる秘密結社、“東京”の存在などは、説明されなければ分からない要素であるが、これらについては作品の中で理論体系化してシッカリと説明されており、分かり難さを感じたファンは皆無のハズである。 むしろ、雛見沢の村民たちが使う独自の方言(注:原作者の竜騎士07による創作方言)の方が、読み難く分かり難いと感じたハズだ。
 TYPE‐MOONの『月姫』にしても、吸血鬼モノでありながら吸血鬼に対する独自の解釈が用いられており、真祖などの設定は説明されなければ理解不可能である。 が、作品の中ではこれを詳細に説明しているシーンがあり、分かり難さを解消する事に成功している。
 しかし、本作にはこれがない。
 独自の設定を用いて展開されている作品であるにも関わらず、用語や設定に対する説明は特にないまま、物語りはユーザー置いてけぼり状態のまま進行していく。
 もちろん、全く説明がないワケではない。 分かり難いながらも、多少なりとも説明がされているシーンもあるにはある。
 が、それでも分かり難い。
 何故なら、これらの説明が『ひぐらしのなく頃に』や『月姫』とは決定的に異なり、理論体系化して順序良く説明されているワケではないからだ。
 説明しているのは確かだが、その前後の脈絡なく、唐突に説明が挿入されるので、その説明が他のどの説明と接続するのかが分からない。
 全ての説明が断片的なモノでしかなく、これを理論体系化して順序良く並べるのは、作者ではなくユーザーの手に丸投げされているのだ。
 これで理解しろと言う方がムチャである。
 本作の文体がこうなってしまっている最大の原因は、“質問者不在”だからだ。
 作品を創作する時には、登場人物の中に作品の設定や状況を他のキャラクターに問いかける“質問者”を配置しておく必要がある。 説明が必要な設定が出てきたら、そのキャラクターに「○○って?」と質問させれば良いのだ。 これだけで、自然な流れでセリフとして、作品独自の世界観や設定を説明出来る。 ほとんどの場合は主人公がこの役割を割り振られている事が多く、『ひぐらしのなく頃に』で言えば圭一が。 『月姫』であれば志貴が、それぞれ“質問者”としての役割を担っている。
 本作の主人公、真言は、どこにでもいるごくフツーの大学生で、本作独自の世界観を知らないキャラクターである。 そのため、フツーに考えれば真言を“質問者”にすれば問題は解決しそうだが、そう出来ない更なるベーシック設定が本作には存在する。
 結局のトコロ、真言を事態に巻き込んだ門王水本人が、真言の不知を前提にしており、門王水にとっては真言が真相を知っていようがいまいが、自らの目的達成に支障がない限りどーでもいいと考えているからだ。
 真言は“質問者”の立場にありながら、質問する事そのモノが出来ない状態にされているのである。
 真言以外のキャラクターは、全てコトの真相を熟知しているので、本作の独自の世界観に関して知らない事など何もない。 そのため、誰かに質問するような事はしないし、質問するとむしろ逆に不自然なキャラクター設定になっているのだ。
 そのため、本作の登場人物たちの会話は“質問者不在”のまま、特に説明もないまま進められ、ユーザーを置いてけぼりにしたまま、物語りは進行していく。
 本作の読み難さ、理解し難さは、かつてのモンスターヒット作である『月姫』や『ひぐらしのなく頃に』を遥かに凌駕し、本作のユーザーに対する知的要求スペックの高さは、他の追随を全く許さないほど高い。
 そのため、この読み難さ、理解し難さという越えられない壁に阻まれ、理解ドコロか読破さえも断念したユーザーが大半を占め、結果、本作の人気と評価の低迷へとつながったのだと思われる。
 2013年現在、本作はその続編である『或るファの音眼』のシリーズ展開がスタートしているが、売り上げ低迷のためかオープニングムービーのない、明らかにクォリティダウンした作品になっている。


 さて、極めて批判的な事を書き連ねたが、それでも筆者はこのような解説を書くほど、この作品には注目している。
 この作品が、“ポスト『ひぐらしのなく頃に』”だからではない。
 ってゆーか、筆者は本作に対し、そのような評価を与えた事は一度もない。 多くのユーザーと同じく、筆者も本作は“ポスト『ひぐらしのなく頃に』”にはなり得ないと考えている。 その評価そのモノが、根本的に間違っている。
 何故なら、本作は『ひぐらしのなく頃に』とは根本的に異なる作品だからだ。
 確かに、作品の売り方として一つの作品を分割して順次リリースしていく、という手法に共通項を見出す向きもあるかと思う(注:事実、“ポスト『ひぐらしのなく頃に』”という評価はこれがその主な理由になっている)が、実際には全く異なる。 何故なら『ひぐらしのなく頃に』のそれは、全体で“一つの世界観”であって、“同一の物語”というワケではないからだ。
 件の『ひぐらしのなく頃に』では、全体で一つの大きな世界観を構築してはいるが、物語りとしては常に“一話完結”のスタイルになっており、作品としての起承転結は一つの編でしっかりと付けられている。 続編は、飽くまでも時間軸をリセットした“リスタート”でしかなく、時間軸的な連続性は皆無である。
 対して本作は、時間軸そのモノが連続しており、一つの編で起承転結が付けられているような事はなく、全体で一つの物語りを構築しており、“全体で一話”だからだ。
 分割してリリースされているのは、何も『ひぐらしのなく頃に』と同じ商品展開手法を用いたかったからではなく、ただ単に作業量の多さのため締め切りに間に合わないという判断から、ある程度の区切りまで作ったトコロで順次リリースしていったためで、時間と人手の不足を補うための、言わば苦肉の策である。
 これは、閂自身が認めている事である。
 続編シリーズである『或るファの音眼』にしても、やはり時間軸がリセットされるような事もなく、『うみねこのなく頃に』のように全く異なる登場人物とモティーフが用いられるような事もなく、共通した世界観の中で延長線上の時間軸が展開する。
 この手法は、『ひぐらしのなく頃に』よりもむしろ『月姫』の手法に近い。
 それぞれの作品が独立した物語りでありながら、完全に共通した世界観の中で展開する『月姫』を始めとした一連の那須きのこ作品群の手法に共通項を見出すべきである。
 もちろん、『月姫』を始めとした那須きのこの作品群は、突出し過ぎていてどんな作品を以ってしても“ポスト”にはなり得ないのだが……。
 いずれにしても、本作を『ひぐらしのなく頃に』と同列に考える事自体がそもそもの間違い。 あの作品は、“00年代最大のヒット作”とまで言われたほどの突出した、それこそ“10年に一度の作品”であったし、本作とは系統の全く異なる作品なので、比較対象としてはかなり適当ではない。
 加えて、先に記した本作の“分かり難さ”も、“ある方法”を用いる事でカンタンに解消する。 その方法を用いる事で、筆者も解説が執筆可能である事を確信した。
 その“ある方法”とは、“何度も読み返す”事である。
 先に述べたように、『ひぐらしのなく頃に』や『月姫』は、独自の世界観が用いられている作品とは言っても、その設定は作品の中で“質問者”の手を借りて順次説明されているため、一通り読めば十分理解出来る設定ばかりである。 だから、これらの作品には「分かり難い」という評価がない。(注:ただし、方言や当て字の関係である程度「読み難い」という評価はある)
 対して本作は、『ひぐらしのなく頃に』や『月姫』と同じく独自の世界観を用いている作品だが、それらに対する説明があっても理論体系化された順序立てられた説明にはなっていないので、最後まで読んでも正確に理解する事が出来ない。
 それが、イコール本作の“分かり難さ”という評価になっているのは確かだが、これは至極カンタンな方法を用いるだけですぐに解消する。
 結局のトコロ、分かるまで読み返せば良いのだ。
 作品中の説明は、前後の脈絡が分かり難い断片的なモノでしかないが、この分かり難さは複数回読む事でいずれ解消する。 断片化された情報を、脳内で系統立てて再構築する事が可能になるからだ。
 実際、筆者は本作を相当な回数読み返している。
 正確に数えたワケではないが、通しでは最低でも6回。 作品の一部を拾い読みする事もあったので、部分的には10回以上読み返している事になるトコロもある。
 この“読み返し”によって、筆者の本作に対する“読み難い、分かり難い”という印象は完全に解消した。 だから、このような解説も執筆可能である事を確信出来た。
 読み返せばいいのだ。 分からなければ何度でも。 分かるまで!
 しかし、本作の“読み難さ”が、ユーザーの“読み返し”を拒む。
 読めない漢字を多用し、当て字を多用し、韻を踏みまくり、英語やドイツ語まで混在させる独特の文体が、ユーザーの“リプレイ意欲”を拒絶する。
 だからこそ、筆者は解説の執筆を決意した。
 本作を、理解出来ないまま諦めてしまったユーザーのために、その“リプレイ意欲”を沸き立たせる手助けをしたかった。
 何故なら本作は、理解すればするほどその面白さが出てくる“『ひぐらしのなく頃に』に次ぐ”作品だからだ。
 本書を通して、アナタが本作の“本当の面白さ”を理解出来る事を願う。


・この解説について

 さて、次回よりいよいよ解説本編がスタートするが、もうしばし、筆者の注意喚起にお付き合い頂きたい。
 本解説は、読み易さと分かり易さを考慮し、これまでの『アルティメット・アナライズ』シリーズとは大きく異なるフォーマットで執筆されている。 これまでのメイキング・ドキュメンタリーやスタッフのバイオグラフィなどを期待されていた方には申し訳ないが、これらは一切書かない方向で執筆した。
 ……ってゆーか、執筆出来るほどのこれらの情報が公開されていない現状なので、書きたくても書けない。
 本解説では、ヴィジュアルノベル『Omegaの視界』本編を読み解く上での参考になるように、制作の裏側ではなく、作中の説明では不明瞭になっている世界観設定を理論体系化した解説を中心に、読み難い漢字や単語、用語の解説で構成した。
 次回から始まる『Lunatic=Replay』(注:もちろん、Lu=Leを文字ったが、直訳すると“狂気のリプレイ”。(笑) ……まさにその通りである。(笑))は、本作本編をオープニングからエンディングまで、余すトコロなく解説する文字通りの“狂気のリプレイ”(笑)である。
 本編に記されている順番で、読み難い漢字や当て字、伏字、単語、用語を徹底的に解説している。
 また、プロローグに当たる『シキのハジマリ』は、体験版と完成版で異なる構成になっている箇所がいくつかあるが、この相違点に関しても一通り解説してある。
 本作本編をリプレイする上で、適宜参照出来る用語辞典として利用して頂けたら幸いである。
 また、本解説は飽くまでも『Omegaの視界』だけに焦点を当てた構成になっており、現在展開中の続編シリーズ、『或るファの音眼』に関係するシーン、あるいは『或るファの音眼』で明らかになる情報に関しては、あえて記述を割愛してある。
 これは、『或るファの音眼』が本書執筆中の2013年現在、シリーズ展開を開始して間もない“未完結の作品”だからであり、同作品未読の読者に対する重大なネタバレを未然に防止するためである。
 予めご了承頂きたい。
 もちろん、『Omegaの視界』本編に関しては、既に完結から2年以上が経過しており、本解説の読者には『Omegaの視界』未読の方はいないだろうと判断し、最初から最後まで“ネタバレオンリー”である。
 ……つか、解説という性格上、必然的にネタバレしなくてはならない。
 ので、いないだろうとは思うが、一応言っておきます。
 ヴィジュアルノベル『Omegaの視界』を未読の方は、今すぐ当ブログを閉じて頂き、同人アイテム取扱店かインターネットショッピングで『Omegaの視界』を入手し、エンディングまで一通りお読み頂く事を強く、強くオススメする。
 もちろん、その際も本書を参照する事は禁止です。 まずはご自身でお考え下さい。


 さて、準備はいいだろうか?
 それでは、最初のセクションにお進み下され。
 その視界に映るのは真実か? それとも……?



 といったトコロで、今週はココまで。
 楽しんで頂けましたか?
 ご意見ご感想、ご質問等があればコメにどうぞ。
 来週もお楽しみに!
 それでは皆さんまた来週。
 お相手は、asayanことasami hiroakiでした。
 SeeYa!(・ω・)ノシ



LunaちゃんのMODコレ!


セットがオススメ。


HM2

 韓国在住のクリエーターによるシリーズ第2弾。 前作がノンクエストMODだったのに対し、今回はクエストMODになっているので攻略ダンジョンを探す手間がないのでラク。
 さまようヨロイが持っていた盾。 結構大きめだが、デザインが秀逸。 性能もソコソコ。 剣とセットで使うのがオススメ。



Thanks for youre reading,
See you next week!

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