言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

村山談話は、破棄してはならない

2009-08-10 | 日記
 「村山談話の評価」 の続きです。



田母神俊雄 『自らの身は顧みず』 ( p.40 )

 「村山談話」は破棄されなければならない

 「侵略国家」だという呪縛が国民の自信を喪失させ、自衛隊の士気を低下させる。これでは国を守れない。終戦五十周年の「村山談話」なるものが今の日本では金科玉条のようになっている。村山談話は破棄されなければならない。


 村山談話は 「国民の自信を喪失させ、自衛隊の士気を低下させる」 ので、破棄されなければならない、と書かれています。



 村山談話は破棄すべきである、と田母神さんが説かれるのは、 その歴史観が根底にあるのですが、国防も、根拠になっています。

 しかし、この論は説得力に欠けると思います。現在、日本で一般的な歴史観は、「日本にも非があった」 というものだと思われますので、田母神さんの論が成り立つなら、

   日本は開き直り国家だ、という感覚が国民の自信を喪失させ、自衛隊の士気を低下させる。これでは国を守れない。村山談話は維持されなければならない。

という論も成り立ちます。田母神さんの論には、説得力がありません。



 ほかの人はどうなのか、私にはわかりませんが、すくなくとも私についていえば、村山談話を破棄する日本ではなく、維持する日本に、魅力を感じます。村山談話を維持してこそ、国民は国に誇りを持てるのではないでしょうか。

 もちろん、いつまでも謝り続けろ、ということではありません。いったん出した村山談話は、破棄してはならない、と言っているのです。



 また、村山談話を破棄した場合には、「村山談話がなかった状態に戻るのではない」 ことも、考慮されなければなりません。「いったん謝っておいて、謝罪はなかったことにすると宣言する」 ことになるのであり、これでは、友好国の反発を招いてしまいます。

 村山談話は破棄すべきである、という見解は、非現実的だと思います。( たとえ村山談話に反対であろうと ) いったん出したものは、破棄してはならない。

 村山談話の維持は、「日本は他国を侵略することはない」 という安心感を他国に与えるのであり、自衛隊が ( 内外に ) 広く認知される結果をもたらしているのではないか、と思います。

6 コメント

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村山談話は悪くない (四葉のクローバー)
2011-05-26 13:35:41
村山談話はそんなに悪くない内容です。

しかし、河野談話は、事実関係を確認しないで出した、酷いものであり、破棄されるべきです。
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Unknown (memo26)
2011-05-27 18:52:16
 政府が「事実関係を確認しないで出す」ということは、常識では考え難いですね。

 しかし、機会をみて、あなたの主張の真偽を「調べたい」と思います。
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事実関係を確認しないで出した (四葉のクローバー)
2011-05-27 20:12:12
と言うのは、確か、従軍慰安婦の強制性、に関することだった、と記憶してます。
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Unknown (memo26)
2011-05-28 13:41:19
 それなら最終的に、「強制もあった」ということらしいので、問題はないのではありませんか?

「慰安婦問題についての日本政府の見解」
http://blog.goo.ne.jp/memo26/e/e349afa6db78d77e2955a5b2763ab6f8
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最終的には (四葉のクローバー)
2011-05-28 15:45:12
「強制性があったかも知れない」となりましたが、河野談話の時点では、未確認のままだったと記憶してます。
この件、私もあまり自信がありません。だだし、当時、自民党保守派からかなりの異論があったようです。
詳しいいきさつは、ウィキペディアなどで調べた方が良いと思われます。
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Unknown (memo26)
2011-06-01 16:32:25
 しかし最終的に「正しかった」ということになるのであれば、わざわざ「破棄」する必要はないと思います。
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