言語空間+備忘録

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地震予測技術のレベル

2011-04-23 | 日記
YOMIURI ONLINE」の「首都圏地盤に力、南関東のM7級誘発も…東大研」( 2011年4月23日08時10分 )

 東日本大震災で起きた地殻変動の影響で、首都圏の地盤に力が加わり、地震が起きやすい状態になっているとの解析結果を、東京大地震研究所のグループが22日、発表した。

 解析結果は、大震災後に発生した地震の分布ともほぼ一致している。同研究所では、国の地震調査委員会が今後30年間に70%の確率で起きると予測しているマグニチュード7級の南関東の地震が誘発される可能性があるとして、注意を呼びかけている。

 同研究所の石辺岳男・特任研究員らは、首都圏で過去24年間に起きた約3万の地震で破壊された領域が、大震災でどのような影響を受けたかを解析。地震が起きやすくなる力が働く領域は約1万7000で、起きにくくなる領域の約7000よりも多いことが分かった。震源が30キロよりも浅い地震は静岡県東部から神奈川県西部で、30キロよりも深い地震は茨城県南西部、東京湾北部で起きやすくなっていることが判明した。


 東京大地震研究所のグループが、首都圏で地震が起きやすくなっているとして注意を呼びかけている、と報じられています。



 リンク先の記事(読売新聞社のサイト)には解析結果が「地図上に図示」されています。



 「注意を呼びかけている」と報道されていますが、具体的に「どういう注意をすればよいのか?」がわかりません。非常食や乾電池などを用意しておく、といったことが有効であることは疑いないとは思いますが、一番よいのは「逃げる」ことですよね。しかし、

   地震が「起きやすくなっている」
  =地震が起きるかどうか「わからない」

ですから、(仕事などの都合で)「逃げる」わけにはいかない人が大多数でしょう。地震が起きても「生きている」と「仮定」して、その場合の対策をとるほかない、ということです。



 報道には、「国の地震調査委員会が今後30年間に70%の確率で起きると予測しているマグニチュード7級の南関東の地震」とあります。

 ここからは、地震の予測というのは、この程度の「幅」で予測するのが精一杯だということがわかります。読売新聞社のサイトに掲載されている「東京大地震研究所の解析結果」も、「メッシュが粗い」=「精度が低い」ことを示しています。



 とすると、(実用レベルでの) 地震の予測は不可能である、と認めたうえで、

   地震が起きても「生きている」と「仮定」して、

   地震が起きても「生きていた」場合に備えて、
   事前にどういう準備をしておけばよいか、

を考えることが、実用上は有益なのではないかと思います。



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