言語空間+備忘録

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日経記事の表現に違和感がある

2012-11-18 | 日記
日本経済新聞」の「中国・習体制が始動、改革足踏み懸念 対日政策で強硬維持も」( 2012/11/16 1:45 )

 【北京=菅原透】中国共産党は15日、習近平国家副主席(59)が総書記と軍の事実上のトップである党軍事委員会主席を兼務する新体制を始動させた。最高指導部を構成する政治局常務委員は激しい権力闘争の末、江沢民・前国家主席(86)に近いベテランが多数を占めた。民営企業の育成などに前向きな若手の登用は無く、経済構造改革は足踏みする恐れがある。対日政策では強硬姿勢を続ける公算が大きい。

 習総書記は就任後、他の常務委員とともに記者団と対面し、「人民に合格と言われる答案を出すよう努力する」と語った。権力争いに終止符を打ち、1人当たりの国民所得を2020年までに10年比で倍増させるなど、直前の党大会で決めた政策の遂行に意欲を示した。

日本の経済界の期待も大きい。日本商工会議所の岡村正会頭は15日の記者会見で、新指導部の経済政策について「世界経済の持続的な成長のために、中国の成長は重要だ。格差是正の問題もうまくかじ取りしてほしい」と期待を示した。

 ただ、習体制の人選は妥協の産物で、政策の実行力には欠けるとの見方も多い。習総書記、前任の胡錦濤国家主席(69)、江前主席の支持勢力が三つどもえの争いを展開。最終的には江氏が押し切り、自らに近い張徳江氏、兪氏、張高麗氏らを常務委員に送り込んだ。

 習総書記は党老幹部の子弟「太子党」の代表格で、江氏らと同様、国有企業などの既得権益層につらなる。国有企業改革などに実務的に取り組む党青年組織、共産主義青年団(共青団)出身で、胡主席と近いのは李氏1人にとどまった。

 首相に内定している李氏が今後、経済運営の司令塔となる。一方で、経済政策の手腕が評価されてきた王岐山氏は、党内の腐敗取り締まりの担当に回った。

 外資系銀行幹部は「中国人民銀行(中央銀行)などの政治的な後ろ盾だった王氏が去れば、じわりと進めてきた金融改革が停滞しかねない」と指摘。ちぐはぐな人事に戸惑いの声が上がる。

 習総書記は今後10年は中国トップの座にとどまる見通し。ただ、15日に発足した最高指導部では、習総書記と李氏以外の5人は5年後の次期党大会には68歳とされる定年を迎える。その時期が近づけば、権力争いが再燃する恐れもある。

 一方で、習体制は外交面では、沖縄県・尖閣諸島を巡り対立する日本などへの強硬姿勢を維持するとみられる。習総書記は記者団に「中華民族」「我々の民族」との言い回しを繰り返し、大国志向を鮮明にした。

 15日判明した新指導部の人事では、王毅・元駐日大使ら外務省系からの政治局への登用はなかった。党中央が引き続き外交を主導し、習氏がトップ外交を展開する構図が浮かび上がる。




 上記は日経が報じた記事です。

 この記事に、私は違和感を感じます。

 記事には、「経済構造改革は足踏みする恐れがある。対日政策では強硬姿勢を続ける公算が大きい。」とあります。

 これ、変ではないでしょうか?



 まず前段。

 「経済構造改革は足踏みする恐れがある。」

 記者は、経済構造改革は足踏みする「恐れがある」と書いています。つまり記者は、「中国の立場に立って」記事を書いています。



 続いて後段。

 「対日政策では強硬姿勢を続ける公算が大きい。」

 記者は、対日政策では強硬姿勢を続ける「公算が大きい」と書いています。つまり記者は、「客観的に」記事を書いています。



 なぜ、日本の新聞が中国の経済構造改革を「心配」しつつ、対日政策については「客観的に」報じているのでしょうか?

 変だと思いませんか?



 もちろん上記報道文中にあるように、「日本の経済界」が中国の経済成長を「期待」しているから、というのが一つの答えなのでしょうが、

 いかに「日本経済新聞」といえども、すこし変ではないでしょうか?

 経済構造改革と対日政策、どちらも「心配」するという選択もあり得たはずです。

 記者はなぜ、そのような書きかたをしないのでしょうか?



 日本の新聞が中国の経済構造改革を「心配」しつつ、対日政策については「客観的に」報じている。

 つまり、「中国の経済成長が心配」だが、「日本がどうなろうがどうでもよい」とでもいわんばかりの書きかたになっている――。



 考えすぎかもしれませんが、すこし気になります。

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