評価4
再読(前回2019年6月15日)。
鉄瓶長屋での人殺し、長屋の住民の相次ぐ失踪に絡んで家主の湊屋が怪しいと睨んだ同心・井筒平四郎は八方手を尽くして真相究明に乗り出す。そしてついに湊屋から顛末を聞き出すと、女主人おふじと長屋差配人・佐吉の母との確執が原因だった。下町情緒漂うサスペンス時代劇【完】。
上巻で様々な伏線があったので、どのように回収されるんだろう?と興味があったのだが、全て、女同士の陰湿な権力争いと旦那の浅慮に行きついてしまって、期待した美形小僧・弓之助、記憶マシン・おでこの活躍もさほどなく何やら尻切れトンボ感有りでガッカリ・・・宮部さん、ちょっと人物盛り込み過ぎではなかったでしょうか?
再読(前回2019年6月15日)。
鉄瓶長屋での人殺し、長屋の住民の相次ぐ失踪に絡んで家主の湊屋が怪しいと睨んだ同心・井筒平四郎は八方手を尽くして真相究明に乗り出す。そしてついに湊屋から顛末を聞き出すと、女主人おふじと長屋差配人・佐吉の母との確執が原因だった。下町情緒漂うサスペンス時代劇【完】。
上巻で様々な伏線があったので、どのように回収されるんだろう?と興味があったのだが、全て、女同士の陰湿な権力争いと旦那の浅慮に行きついてしまって、期待した美形小僧・弓之助、記憶マシン・おでこの活躍もさほどなく何やら尻切れトンボ感有りでガッカリ・・・宮部さん、ちょっと人物盛り込み過ぎではなかったでしょうか?
評価4
再読(前回2019年6月9日)。
江戸の下町、通称鉄瓶長屋でお露の兄・太助が殺された。下手人探しに乗り出した同心の井筒平四郎はお露の証言に疑問を抱く。以後、鉄瓶長屋の差配人・久兵衛が行方をくらまし、長屋の住人の失踪が相次ぎ、不穏な空気が漂い始める。謎が謎を呼ぶ時代劇ミステリー!
これまた結末を失念(な、ので何度読んでも美味しい)。伏線がどのように回収されるのか?宮部みゆきさんの手腕に期待!
ぼんくらの平四郎はもちろんのこと、長屋の煮売屋のお徳、記憶の達人のおでこ(三太郎)、何でも計る平四郎の甥っ子の弓之助などキャラが立っていて読んでいて楽しい。特に、下巻での弓之助12歳の活躍に期待!
再読(前回2019年6月9日)。
江戸の下町、通称鉄瓶長屋でお露の兄・太助が殺された。下手人探しに乗り出した同心の井筒平四郎はお露の証言に疑問を抱く。以後、鉄瓶長屋の差配人・久兵衛が行方をくらまし、長屋の住人の失踪が相次ぎ、不穏な空気が漂い始める。謎が謎を呼ぶ時代劇ミステリー!
これまた結末を失念(な、ので何度読んでも美味しい)。伏線がどのように回収されるのか?宮部みゆきさんの手腕に期待!
ぼんくらの平四郎はもちろんのこと、長屋の煮売屋のお徳、記憶の達人のおでこ(三太郎)、何でも計る平四郎の甥っ子の弓之助などキャラが立っていて読んでいて楽しい。特に、下巻での弓之助12歳の活躍に期待!
評価4
再読(前回2021年3月16日)。
「慶喜説」「天朝の物見役説」「大英帝国密偵説」が渦巻く中、謎の武士・的矢六兵衛は居室を転々としながら将軍の御座所の黒書院へたどり着く。そこで、天皇と会った六兵衛は城を後にする。それは10ヵ月もの間居座り続けた末の天下禅譲の儀式であった。武家社会の終わりを告げる物語【完】
的矢六兵衛という人物の実体は結局最後まで不明。六兵衛は武家社会の権化として登場し、城明け渡しに最期まで抵抗することで時代を担う人々の心の奥底に武士の魂を残置させることに成功した(と、思われる)。奇想天外なファンタジーなんだけど、しかし、よくもま~こんな設定を考えつくもんですな~、しかも、一人の武士が城中の部屋を転々とする展開でこんな長編を書き上げてしまうなんて、浅田次郎、凄い作家です!
再読(前回2021年3月16日)。
「慶喜説」「天朝の物見役説」「大英帝国密偵説」が渦巻く中、謎の武士・的矢六兵衛は居室を転々としながら将軍の御座所の黒書院へたどり着く。そこで、天皇と会った六兵衛は城を後にする。それは10ヵ月もの間居座り続けた末の天下禅譲の儀式であった。武家社会の終わりを告げる物語【完】
的矢六兵衛という人物の実体は結局最後まで不明。六兵衛は武家社会の権化として登場し、城明け渡しに最期まで抵抗することで時代を担う人々の心の奥底に武士の魂を残置させることに成功した(と、思われる)。奇想天外なファンタジーなんだけど、しかし、よくもま~こんな設定を考えつくもんですな~、しかも、一人の武士が城中の部屋を転々とする展開でこんな長編を書き上げてしまうなんて、浅田次郎、凄い作家です!
マイナス5℃+小雪舞う中、10㌔歩いて来ましたが、時折吹きつける強風で、まんずさむがったっす。またもや手がかじかんで、キーを叩く指が思う通りに動かん・・・
評価5
再読(前回2021年3月14日)。
時は徳川末期、江戸城明け渡しの官軍隊長を命ぜられた尾張藩御徒歩組頭・加倉井隼人はお城に居座って動こうとしない御書院番士・的矢六兵衛の扱いに困り果てていた。その六兵衛、実は金で旗本株を買った周囲の者が誰も知らない男だった。六兵衛の目的は?お城明け渡しの行く末は?
徐々に六兵衛の素顔が明らかになって来る。師走に、老父・老母を除いた家族が密かに入れ替わっていたのだった。にも拘わらず、御書院番士仲間は何食わぬ顔で正月行事などをこなしているところが徳川末期の混乱を象徴していて可笑しい。
一度読んではいるのですが(しかも去年)顚末を忘れてしまったのでした(笑)。下巻に期待!
再読(前回2021年3月14日)。
時は徳川末期、江戸城明け渡しの官軍隊長を命ぜられた尾張藩御徒歩組頭・加倉井隼人はお城に居座って動こうとしない御書院番士・的矢六兵衛の扱いに困り果てていた。その六兵衛、実は金で旗本株を買った周囲の者が誰も知らない男だった。六兵衛の目的は?お城明け渡しの行く末は?
徐々に六兵衛の素顔が明らかになって来る。師走に、老父・老母を除いた家族が密かに入れ替わっていたのだった。にも拘わらず、御書院番士仲間は何食わぬ顔で正月行事などをこなしているところが徳川末期の混乱を象徴していて可笑しい。
一度読んではいるのですが(しかも去年)顚末を忘れてしまったのでした(笑)。下巻に期待!
評価4
再読(前回2019年3月22日)。
江戸末期の形骸化された徳川体制の矛盾に抗う武士が人間らしく生きる道をさぐる短編集6作品。浅田次郎の筆が冴えわたる!①お腹召しませ②大手三之御門御与力様失踪事件顚末③安藝守様御難事④女敵討⑤江戸残念考⑥御鷹狩
①お腹召しませ
勘定方・高津又兵衛の婿・与十郎が藩の公金に手を付け女と逐電。家を残す方法は、又兵衛が腹を切ること。又兵衛は妻、娘など周囲から切腹をせっつかれるが、逐電した与十郎の自由の身を満喫する姿を垣間見たことから切腹を取りやめる。
②大手三之御門御与力様失踪事件顚末
御百人組馬上与力・横山四郎次郎が勤番中突然行方をくらました。完全密室状態の城内からの失踪に「神隠し」の噂も流れるが、数日後、衰弱した姿で発見される。それは、昔惚れた女の死水を取るための狂言芝居だった。
③安藝守様御難事
広島藩の殿様が突然「斜籠の儀」という秘儀習得を強要される。それは、朝廷の勅使接待の役を逃れるために、誰の目にも止まらない方法で上司に賄賂を贈る方法であった。
④女敵討
長い間江戸屋敷詰めをしていた奥州財部藩士・吉岡貞次郎が国許にいる女房の不貞を知るところとなり、朋友である御目付役・稲川左近とともに自宅へ乗り込むが、二人を許してしまう。貞次郎はその時思ったのだ。「人の命より家の命の方が重かろうはずはあるまい」
⑤江戸残念考
御先手組与力・浅田次郎左衛門は徳川慶喜の官軍への恭順する態度、脱走が流行する世情に憤慨し「残念無念!」と叫ぶこと三度。ついに、その「残念無念!」が昂じて、従者の孫兵衛と上野の山へ出陣。
⑥御鷹狩
檜山新吾、間宮兵九郎、坂部卯之助の御家人の倅三人は徳川の旗本・御家人の保身と怠惰に嫌気がさし、憂さ晴らしに夜鷹征伐に乗り出して女たちを殺傷してしまうが、その中の一人が生き別れとなった新吾の母親であった
再読(前回2019年3月22日)。
江戸末期の形骸化された徳川体制の矛盾に抗う武士が人間らしく生きる道をさぐる短編集6作品。浅田次郎の筆が冴えわたる!①お腹召しませ②大手三之御門御与力様失踪事件顚末③安藝守様御難事④女敵討⑤江戸残念考⑥御鷹狩
①お腹召しませ
勘定方・高津又兵衛の婿・与十郎が藩の公金に手を付け女と逐電。家を残す方法は、又兵衛が腹を切ること。又兵衛は妻、娘など周囲から切腹をせっつかれるが、逐電した与十郎の自由の身を満喫する姿を垣間見たことから切腹を取りやめる。
②大手三之御門御与力様失踪事件顚末
御百人組馬上与力・横山四郎次郎が勤番中突然行方をくらました。完全密室状態の城内からの失踪に「神隠し」の噂も流れるが、数日後、衰弱した姿で発見される。それは、昔惚れた女の死水を取るための狂言芝居だった。
③安藝守様御難事
広島藩の殿様が突然「斜籠の儀」という秘儀習得を強要される。それは、朝廷の勅使接待の役を逃れるために、誰の目にも止まらない方法で上司に賄賂を贈る方法であった。
④女敵討
長い間江戸屋敷詰めをしていた奥州財部藩士・吉岡貞次郎が国許にいる女房の不貞を知るところとなり、朋友である御目付役・稲川左近とともに自宅へ乗り込むが、二人を許してしまう。貞次郎はその時思ったのだ。「人の命より家の命の方が重かろうはずはあるまい」
⑤江戸残念考
御先手組与力・浅田次郎左衛門は徳川慶喜の官軍への恭順する態度、脱走が流行する世情に憤慨し「残念無念!」と叫ぶこと三度。ついに、その「残念無念!」が昂じて、従者の孫兵衛と上野の山へ出陣。
⑥御鷹狩
檜山新吾、間宮兵九郎、坂部卯之助の御家人の倅三人は徳川の旗本・御家人の保身と怠惰に嫌気がさし、憂さ晴らしに夜鷹征伐に乗り出して女たちを殺傷してしまうが、その中の一人が生き別れとなった新吾の母親であった