
新型コロナウィルスを根絶してからではないと五輪なんて無理にきまっています。もう五輪代表選手決定や内定のニュースには苦笑するしかありません。
「スポーツ新聞」いつまで「スポーツ」の看板を掲げていられるのでしょう!?
「スポーツ新聞」いつまで「スポーツ」の看板を掲げていられるのでしょう!?

評価

日本人5番目の宇宙飛行士・野口聡一さんの初宇宙飛行(2005年7月)までの長期にわたる厳しい訓練と15日間の宇宙滞在の記録。当初の計画から3年待たされた野口さんの苦悩と葛藤が克明に記されていて、その強靭な精神力に驚く。
野口さんは自分のことを「残念ながら勉強もスポーツも飛びぬけてできたわけではなかったので・・・」「平凡な生徒だったので」などと言っているが、「そりゃ~ないでしょ~平凡で東大に入れないでしょー!」と思わず叫んだ(笑)。もっと、宇宙での不思議体験を知りたかった。
さて、野口さんが宇宙飛行士を目指したきっかけは、立花隆の「宇宙からの帰還」という本だったとのこと。かなり前の本なので手に取るのは難しいかもしれないが探してみたい。と、そして、田中角栄研究家としての認識ぐらいしかなかった立花隆の著作を読んでみようかと思っている。
若い頃と違って、宇宙物を読んでワクワクしない自分がちょっと悲しくなった。

評価

焼津、筑豊(福岡県田川)と勝の行方を必死に追う萄子だが、すんでのところで追いつけない。そうした中、事件の真相が徐々に明らかになり、大阪で沖縄に勝がいる可能性を知った萄子は宮古島に飛ぶ。1964年東京五輪当時の出来事・風俗をちりばめ、クライマックスを迎える傑作長編!
昭和40年代の日本(川崎、熱海、郡山、焼津、田川、大阪)を旅している感覚に酔い、当時の世相が懐かしい。映画「ひまわり」を思わせる展開も素晴らしい。先を読まずにはいられない。
冒頭から、現在の萄子が幸せに暮らしていることがわかっていて、過去を振り返る流れになっていることが読者に安心感を与える。元刑事・韮山とルミの関係性に唯一未来に希望を見出すことができた。
荒れ狂う台風の中、事件の真相が明らかにされるクライマックスが圧巻!!!

評価

乃南アサ13冊目。
時は1964年東京五輪開会式前日。翌月に結婚を控えていた萄子は、婚約者の刑事・奥田勝から「もう、会えない」と突然電話で告げられる。まもなく、奥田の先輩刑事の娘が殺され、彼は行方をくらます。ここから、萄子の奥田を探す旅が始まる。川崎のドヤ街、熱海の温泉旅館、郡山。真相が闇の中のまま下巻へ。結末やいかに・・・?
ただただ、萄子が奥田を探し歩く場面が繰り返されるのだが、物語に吸い込まれる。これが乃南アサの筆力の凄さ!当時の世情が何度も顔を出し、懐かしい。

評価

第二次世界大戦(1941年ー1945年)における独ソ戦の惨禍を綴った2020年新書大賞受賞作。ドイツ軍のソ連への侵攻と物量に物を言わせて反転攻勢に出たソ連軍によるベルリン陥落までの両軍を「戦略」「戦術」「作戦術」面から解説、背景にあるヒトラーとスターリンの人間性にも言及した良書。
正直言って、ヨーロッパ戦線についてはほとんど知識がなかったし、興味もなかったのだが、これほどむごたらしい戦いだったことに驚いている。死傷者数がその凄惨さ物語っている。戦闘員の死者:独444万人~531万人、ソ連:866万人~1140万人、民間人の死者:独150万人~300万人、ソ連:450万人~1000万人。中でも、両軍による略奪、暴行、処刑、死に至らしめる強制労働等まさに地獄である・・・今までは太平洋戦争を追いかけて来たが、これからは世界へ目を向けねばならないと実感。
【追伸】
娘の高校時代の地図帳片手に読み進めたのでした。

小さい頃から、漫画は、月間雑誌(ぼくら)を読んでいたぐらいで、そんなに興味もなかったのですが、意外に大人になってからはまった作品があります。
「ワイルドセブン」
「ねじ式」などの、つげ義春作品
「エコエコアザラク」(古賀新一)
「生徒諸君!」
「ガラスの仮面」
「ガラスの仮面」
何巻まであったかは忘れましたが、一気読みでしたーーーー!!!
「ワイルドセブン」
「ねじ式」などの、つげ義春作品
「エコエコアザラク」(古賀新一)
「生徒諸君!」
「ガラスの仮面」
「ガラスの仮面」
何巻まであったかは忘れましたが、一気読みでしたーーーー!!!

評価

湊かなえ20冊目。
6つの物語からなる短編集。⑤⑥を除いて珍しくストーリーがつながらない母娘ものミステリー。
①マイディアレスト
長女という理由から厳しく育てられた主人公が、妊娠中の妹をノミを潰すように叩きのめして殺害する話。
②ベストフレンド
脚本家の主人公が、コンクールで最優秀賞を獲得した女性の身代わりに嫉妬に狂った男性脚本家に刺される話。
③罪深き女
考えすぎな主人公の大いなる勘違い人生。
④優しい人
心では思ってもいない優し気な行動をとることを幼い頃から義務付けられて育った主人公が、ついには、勘違い男を刺し殺してしまう話。
⑤ポイズンドーター⑥ホーリーマザー
「私の母は毒親だった」と世間に公表した女優と、「あなたこそ毒娘だ」と反論する幼なじみ。さて、その真相やいかに・・・
⑤と⑥が秀逸。さすが湊さん。でも、母娘の心情は私には闇のまた闇。

評価

「マエ持ち女二人組」シリーズ完結編。
芭子・綾香コンビのいつもの調子で始まったシリーズ最終回は、綾香の心の闇を解きほぐそうと思い立った芭子が綾香の子供を探しに仙台を訪ねたことから急展開!なんと、芭子が東日本大震災に遭遇、命からがらタクシーを乗り継いで帰京。
仙台からともに脱出した男性・南君と急速に関係を深める芭子と、懸命に大震災のボランティアに励む綾香。東日本大震災がそれぞれの人生を変えて行く。彼女たちはどんな幸せをつかまえるのだろうか?芭子、綾香がんばれ!
東日本大震災の描写が生々しい。途中で頁をめくる手が止められず一気読み!
あとがきを読んで驚いた。
芭子が仙台の町を歩き、大震災に遭遇し、仙台を脱出し東京までタクシーで戻るシーンは、2011年3月11日に取材で仙台を訪れていた著者の実体験だった。乃南アサ、凄い作家をまた一人見つけました。また、あの日がやってきます。お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りいたします。

評価

「マエ持ち女二人組」シリーズ第2作。
芭子と綾香コンビが大阪旅行へ行ったり、芭子がペットショップで働き出し、綾香が芭子に紹介した男性が内偵刑事だったり、行きつけの居酒屋で知り合った女がDVを受けていたりと様々な出来事が起こる中、下町を舞台に手を携えて生きていく二人の姿が健気で微笑ましい。
前歴があるだけに、はちゃめちゃになれない芭子。
せっかくだから、大阪でもっともっと羽目を外して欲しかった!
どうやら、ペット衣装のデザイナーとして有名になりそうな芭子。そして、綾香のパンの評判も好調!う~む、あんまり名が売れると、そのうち困る事態になりはしないか?と、完結編が今からちょっぴり心配・・・