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その5・ダークマター検出の現状について

2023-01-03 11:47:51 | 日記

前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2020/3/6 16:12 | 最終変更

 

前の記事は超対称性理論によって存在が予想されているニュートラリーノ (neutralino)などのフェルミオンについてのものでした。

これに先立つ事【2014年9月29日 カブリIPMU】の発表によれば
・XMASS実験で、「Super-WIMP」がダークマター候補から外れる
https://www.astroarts.co.jp/news/2014/09/29xmass/index-j.shtml
とあります。

『「ダークマター」の候補の1つが、ボゾン粒子のSuper-WIMP(スーパーウィンプ:極めて弱く相互作用する質量粒子) だ。
この粒子が存在するとすれば、銀河の運動や宇宙背景放射の観測から知られているダークマターの量をうまく説明できるとして、有力候補とされていた。

カブリIPMUの鈴木洋一郎さんらのXMASS実験グループでは、岐阜県飛騨市の地下1000mに設置された「XMASS-I」検出器を用いてSuper-WIMPの兆候をつかまえようとした。
この粒子は地球にも降り注ぎ、まれに物質(検出器内の原子)に吸収されてその静止質量と等しい運動エネルギーをもつ電子を検出器内に放出するとされる。

165.9日分の観測データから、4万~12万eVの質量(電子の質量の10分の1から5分の1程度に相当)を持つ粒子について高感度で探索を行った。
だが粒子による信号は見つからず、この質量範囲のSuper-WIMPが宇宙のダークマターであるというシナリオは正しくないことがはっきりした。』


ダークマターの候補の一つであった「質量が軽くて弱い相互作用をするボゾン粒子」の存在が否定されました。

注1:もうちょっと詳しい説明として
・軽い暗黒物質を世界最高感度で探索 - XMASS実験により極めて弱く相互作用するボゾンが暗黒物質である可能性を排除
https://www.ipmu.jp/ja/node/1998

注2:WIMPの説明として
・なぜ WIMPを探すのか、どうやって捕らえるのか
https://www.ipmu.jp/sites/default/files/webfm/pdfs/news23/02J_FEATURE.pdf

追伸
「未発見の素粒子を探せ」という資料がありました。
http://kagakucafe.org/uematsu090411.pdf
2009年にアップされている様ですが、その時の状況では
1、重力波未検出
2、ヒッグス粒子未発見
ということでした。
しかしそれ以外の記述についてはダークマターや質量の起源の事に関しても現状でも十分に参考になると思われますので紹介しておきます。

ちなみにその資料のP58に
「130GeV以下のヒッグスが見つかるとーー> 超対称性模型が有力」
と書かれてあります。
そうして見つかったヒッグスは「124.97 GeV/c²」でした。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/00/Standard_Model_of_Elementary_Particles.svg

超対称性模型が有力

ストーリーとしては「ニュートラリーノが存在し、これがダークマターだ」とつながりそうですね。

セルンでのWIMP:超対称性粒子の検出計画
となりますか。

追伸2
「理論家の皆さんはこんなことを考えてます。」というお話。

・電弱相互作用を行う暗黒物質と直接探索実験(2017年)
https://www.lowbg.org/ugnd/workshop/sympo_all/201705_Okayama/slides/22am/nagata.pdf

・熱的暗黒物質における重要な未探査領域
~暗黒物質の直接、間接探査の果たす役割~(2018年)
http://www.jicfus.jp/jp/wp-content/uploads/2018/11/Matsumoto.pdf

・超対称性粒子と暗黒物質(2017年)
http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/~asai/work/4nen-SUSY2017.pdf

・・・いやはや、すごいですね。

 

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