「母の秘密」
内容
父・賢三(渡瀬恒彦)の背中を見て歩く、麻倉慎介(中村勘九郎)
父へのわだかまりを抱え生きて来た慎介。
突如、妻・加奈子(ともさかりえ)に連絡が入ったのだ。
一緒に、札所参りに行こうと。
サッパリ理由が分からない慎介。
妙な疑問を抱えつつ、賢三の背中を見て、慎介は、一緒に歩き続けていた。
どうでも良いようなうんちくを楽しげに話す賢三。
やがて、賢三は、慎介が5歳の頃に、突然いなくなったという話を始める。
姿を消し、皆で捜し回ったが見つからず。気がつくと家にいたと。
どこにいたか思い出せない慎介だったが、
加奈子に連絡を入れると。。。昔、よく話をしていたと慎介に告げる。
洋服ダンスに隠れていたらしい。。。
かつて、賢三は、学生運動に参加。
一線を引いてからも出版社を立ち上げ、社会の変革を目指していた。
まるで家族はどうでも良いかのように。
そんな父を、亡き母・幸恵(神野三鈴)は支えていたが、
父に反抗をする慎介は、学校でも問題を起こしはじめ、
そのことで、賢三が学校に怒鳴り込んだことがあった。
そして、つき合っている連中。。慎介を殴ろうとしたとき、
幸恵が賢三を怒鳴り諭したのだった。思っているほど悪くないと。
その後、賢三と幸恵の溝は、亡くなるまで埋まらず仕舞い。
そんなことを口走り始めた賢三に、慎介は、ついに不満を口にしてしまう。
宿に戻るまで、2人は話さなくなるのだった。
だが、加奈子に諭された慎介は、
かつて父と水泳勝負をしたときの母の表情について。。。そして疑問をぶつける
「父さんは、母さんのこと、どう思ってたんだよ!」
敬称略
今回は、鎌田敏夫さん。
“まさに鎌田節”とでも言えば良いだろうか。
いまどきな言い方をするなら。。。“昭和”って感じかな。
ただそこに、“今”を重ねているので、
こういう手のドラマに馴染みの無い人にも、楽しめる仕上がりですね。
夫と妻。。。そこから、父と息子。
直球な部分も、曖昧な部分も、作風。
そこを楽しめたかどうかが、今回の評価に繋がる部分でしょう。