日本人に生まれて

前期高齢者の仲間入りをしました。昭和、平成、令和を振り返りながら、日常の出来事を綴ります。

競馬は、わかっちゃいるけどやめられないのだ‼️

2020-04-27 06:40:00 | 競馬

    今日の言葉

人生のどんな隅にも、どんなつまらなそうな境遇にも、やっぱり望みはあるのだ
      菊池寛 『出世』より

コロナウィルスの影響で、無観客競馬が続いています。競馬場、場外馬券売場は閉鎖されていてひっそりしています。通勤途中にある新宿駅南口、ウィンズはガランとしていて、開催時のにぎわいがありません。

競馬の醍醐味は、競馬場での生観戦、次に場外馬券売場です。馬券を握りしめ、ゴール前での入れ替わり、紙屑になるか諭吉様になるかの瀬戸際、「行け!行け!」「そのまま❗そのまま❗」声をからし、人馬を叱咤激励する観客、全頭がゴール板を過ぎ、大歓声、そこには、当たったか外れたか、それ以外ありません。しばらくして、確定の赤ランプがともり、順位が掲示板に点滅、そして、大観衆の悲喜こもごもの表情、その臨場感を求めて、競馬場、馬券売場にでかけるのかもしれません。

「おけら街道」は、府中競馬場から府中本町まで続く道、おけらとは、所持金がスッカラカンになった状態のことを指します。最終レースが終わると、確定する前から家路を急ぐたくさんの人びと、最後に勝負をかけ、外れたのでしょう。うつむいて歩いて駅までむかっています。街道沿いには両サイドびっしり軒を連ねた飲食店があります。列の中から一人また仲間同士、赤ちょうちんへ、空いていたお店があれよという間に満席になります。一杯やりながら、一人でグループでレース回顧をしています。たいがい自慢ではなく、愚痴のほうが多いようです。様子をみていると、帰りの交通費と飲み代だけ残して勝負、有金をつぎ込んだようです。けつの毛まで抜かれた人たちは、飲み食いせずに南武線に乗車、後悔しながら車窓の外をうつろな目をして眺めています。「忘却は忘れ去ることなり」有名なことばがあります。馬券を外しまくったことは忘れることができますが、財布の軽さがすべてを物語っています。「明日からどうしよう?」という人も中にはいたことでしょう。勝ち組みは、京王線、府中競馬場前から、タクシー飛ばして、歌舞伎町へ、勝利の余韻に浸りながら、自慢話、仲間に大盤振る舞い、はしご酒、行き着く先は知りませんが。馬券にあたりはずれはつきものですが、九割がた後者です。なぜならば、おけら街道には、外れ馬券がいっぱい散らかっていたからです。

『おけら街道』 の記述は、半世紀前、賄い付き、電車賃込みで、日給5000円でおけら街道の赤ちょうちんでアルバイトをしていたころのもので、懐かしく思い出しながら書きました。

令和時代の🐴➰💨の話は機会があれば
ブログします。