雨の日には

雨の日には、紫陽花が喜んでいる気がします。

小さい頃、雨が大好きで、わざわざ用事もないのに、傘をさして、長靴はいて、外に出かけた記憶。
水が靴にはいったときの、あの感触ときゅっという音が楽しかったこと。
夜がきて、布団に潜り込んでから雨音を聴くとき、そのリズムに耳を傾けて、知らないうちに眠ってしまったこと。
雨にぬれて帰ってきたときは、必ず母がタオルを持って玄関まで走ってきて、ランドセルについたしずくや、膝にはねた泥を拭いてくれたこと、、。
蓮の葉っぱにのった雨の雫が、宝石みたいで、それはそれは美しい珠で、大好きだったこと。

雨の記憶は、晴れのときより、印象深い。

いつの頃から雨がおっくうになってしまったのでしょう。

心が曇ってしまっていた自分に気がつきました。